ハマナタマメ 浜鉈豆

Flora of Mikawa
マメ科 Fabaceae ナタマメ属
| 中国名 | 狭刀豆 xia dao dou |
| 英 名 | beach bean, bay bean |
| 学 名 | Canavalia lineata (Thunb.) DC. |





| 花 期 | 6~8月 |
| 高 さ | つる性 |
| 生活型 | 多年草 |
| 生育場所 | 暖地の海岸 |
| 分 布 | 在来種 在来種 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、ベトナム、カンボジア、インドネシア、フィリピン |
| 撮 影 | 伊良湖岬 07.6.30 |
暖地の海岸に生え、つる性で、よく伸びると5mにも広がる。葉は3小葉。小葉は長さ5~12㎝、革質で厚く、表面には少し光沢がある。クズの葉よりやや小さい程度。花は淡紅紫色で、総状に数個固まってつき、長さ約3㎝。豆果は太くて長さ5~10㎝あり、種子の数は2~5個。種子は楕円形で褐色になる。愛知県では伊良湖岬周辺でしか見られず、絶滅危惧種ⅠB類に指定されている。全国ではランク外。2007年は6月30日頃が咲き始めだった。
1年草または多年草。茎は絡みつき、平伏し、ほぼ直立する。葉は羽状複葉、3小葉。托葉は小さく、いぼで覆われまたは不明瞭。小托葉があり、脱落性。総状花序は腋生。苞と小苞は小さく、脱落性。花は紫色(purple-violet)、バラ色、または帯白色、単生または膨れた節に花が2~6個束生する。萼は鐘形、2唇形、上唇が大きく、切形または2裂し、下唇は小さいまたは微細、全縁または3歯がある。花冠は萼より長い。花弁は短い爪部がある。旗弁は大きく、ほぼ円形、後屈しする。翼弁は狭く、かま形、ときにわずかに捻じれ、分離。竜骨弁は翼弁より幅が広く、内曲し、鈍形または嘴があり、嘴は内曲しまたは螺旋状に捻じれ、旗弁より短い。雄しべは単体雄しべ(monadelphous)。葯は均一。子房は短い柄があり、胚珠は多数。花柱は内向きに曲がり、毛は無い。豆果は大きく、舌形または線状長円形、扁平または圧縮またはわずかに膨れ、腹側の縫線合に沿って明瞭な突出した肋があり、それに平行で接近して追加の肋があり、バルブの捻じれによって裂開する。種子は10~15個、楕円形または長円形、へそは線形。
世界に約50種あり、熱帯および亜熱帯地域に分布する。
synonym Canavalia microcarpa (DC.) Piper
日本(沖縄)、中国(広東省、海南省)、台湾、南シナ海、サウジアラビア、イエメン、インド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、スラウェシ島、スマトラ島、小スンダ列島、マルク諸島)、ニューギニア、ビスマルク諸島、インド洋(モルディブ、チャゴス諸島、クリスマス諸島、ココス諸島、ラッカディブ島、ニコバル諸島、アンダマン諸島)、太平洋諸島(マリアナ諸島、カロリン諸島、フィジー、クック諸島、ライン諸島、マーシャル諸島、ナウル、ニューカレドニア、サモア、セーシェル、ソシエテ諸島、ソロモン諸島、ツブアイ島、ツバル、バヌアツ)、オーストラリア(ノーザンテリトリー、クイーンズランド)、アフリカ(エスワティニ、ケニア、クワズール・ナタール、ナミビア、北部諸州、ソマリア、タンザニア、トンガ)原産。中国名は小刀豆 xiao dao dou。英名はpoisonous sea bean, ground jack bean, horse bean, silky sea bean, wild bean, maunaloa。海岸、河川敷に生える。
2年草、強健で蔓性。茎と枝にはまばらに毛がある。小葉は卵形、長さ6~10cm×幅4~9cm、両面にまばらに白色の毛があり、基部は広楔形、切形、または円形、先は鋭形または円形。総状花序は花序軸の各節に1~3個の花がつく。萼は長さ約12mm、毛がある。上唇は円形の萼歯を持ち、萼筒より短く、下唇は3個の萼歯がある。花冠はピンク色または帯紫色、長さ2~2.5cm。旗弁は円形、約・長さ2cm×幅2.5cm、基部近くに2個の肥厚部があり、爪部があり、先は凹形。翼弁と竜骨弁は曲がり、長さ約2cm。豆果は長円形、長さ7~9cm×幅3.5~4.5cm、膨らみがあり、先は嘴がある。種子は褐黒色、楕円形、約・長さ18mm×幅12mm、硬く平滑。へそは長さ10~14mm。花期と果期は4~10月。
2 Canavalia ensiformis (L.) DC. タチナタマメ 立鉈豆
synonym Dolichos ensiformis Linnaeus
USA(アラバマ州、アリゾナ州、ジョージア州、ミシシッピ州、ミズーリ州、オクラホマ州、)、メキシコ、中央アメリカ(ベリーズ、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、リーワード島、パナマ、プエルトリコ、トリニダード・トバゴ、ウィンドワード島)、南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ)西インド諸島原産。中国名は直生刀豆 zhi sheng dao dou。別名はヨウナタマメ 洋刀豆。熱帯・亜熱帯地域で広く栽培され、緑肥や飼料として利用される。
1年草、亜低木、高さ0.6~1(~2)m、全体に毛があるかまたは無毛になる。托葉は小さく、脱落性。小葉は質が薄く、卵形または楕円形で、長さ8~18cm×幅5~8cm、基部は楔形または円形、先は鋭形。総状花序は単生、長さ15~25(~40)cm(花序柄を含めて)。花は花序軸の節に1~5個つく。萼は長さ約1.5cm、上唇は切形、萼筒と同長、下唇は萼片が三角形。花冠は帯紫色または白色と紫色。旗弁は直径約2.2cm、基部に半球形で反り返った2個の耳があり、爪部は平らで幅広く、長さ約5mm。翼弁は倒卵状長円形。竜骨弁は耳があり、爪部がある。豆果は厚い革質、舌形、長さ20~30cm×幅2.5~4cm、各バルブには縫合線の肋から約5mm離れた位置に追加の肋がある。種子は白色、楕円形、約・長さ3cm×幅2cm。へそは長さ1.5cm以下。花期は5~7月。果期は10月。
3 Canavalia gladiata (Jacq.) DC. ナタマメ 鉈豆
synonym Malocchia gladiata Savi
Canavalia ensiformis var. alba Makino in Y.Iinuma, Somoku-Dzusetsu, ed. 3. 3: 952 (1912) Canavalia gladiata var. alba (Makino) Hisauti in J. Jap. Bot. 13: 392 (1937) Canavalia gladiata f. alba (Makino) H.Ohashi 中国、台湾、インド、東ヒマラヤ、西ヒマラヤ、アッサム、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ニコバル諸島、パナマ、タイ、ベトナム原産。中国名は刀豆 dao dou。英名はsword bean。広く栽培され、日本へは江戸時代に渡来。熱帯アジア、アフリカ原産ともいわれる。
1年草、よじ登り、数mの高さになる。小葉は卵形、長さ8~20㎝×幅8~12㎝、両面にまばらに帯白色または褐色の毛があり、基部は円形またはくさび形、先は尖鋭形。 総状花序は花が10~20個つく。花序柄は長さ20~25cm。花は各節に2~3個束生する。萼は長さ15~16mm 、わずかに毛があり、上唇は円形、下唇には3個の鋭い歯がある。花冠は白色またはピンク色、長さ3~3.5㎝。花弁は爪部と耳がある。旗弁は広楕円形、長さ3~3.5㎝×幅約2.5㎝、凹形。 翼弁と竜骨弁は長円形で、内曲し、旗弁より小さい。豆果は線状長円形、わずかに曲がり、長さ20~35㎝×幅3.5~6㎝、厚い革質、各バルブには追加の肋があり、縫合線の肋から長さ約5mm。種子は赤褐色、楕円状長円形、約・長さ3.5㎝×幅2㎝、へそは長さ約1.5cm。花期は7~9月。果期は10月。
品種) 'Akanata Mame' , 'Shironata Mame'
POWOでは下位分類を認めていない。
(1) Canavalia gladiata (Jacq.) DC. f. alba (Makino) H.Ohashi シロナタマメ 白鉈豆
synonym Canavalia gladiata (Jacq.) DC. var. alba (Makino) Hisauti
白花品種。
4 Canavalia lineata (Thunb.) DC. ハマナタマメ 浜鉈豆
synonym Dolichos lineatus Thunb.
日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、浙江省)、台湾、カンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナム原産。中国名は狭刀豆 xia dao dou。英名はbeach bean, bay bean。海岸の砂浜に生える。
多年草、絡みつく。小葉は卵形または倒卵形、長さ6~14㎝×幅4~10㎝、両面にまばらに毛があり、基部は切形またはくさび形、先は円形または尖頭形。 総状花序は腋生。萼は長さ12㎜、毛がある。上唇は広く、2裂し、裂片は短突起がある。下唇は3裂、小さく、ほぼ切形。花冠は紫赤色。旗弁は広卵形、長さ約2.5㎝、凹形、基部に2個の厚くなった耳がある。翼弁は線状長円形、わずかにかま形。竜骨は倒卵状長円形。豆果は長円形、扁平、長さ6~10㎝×幅2.5~3㎝、各バルブには縫合線の肋骨から長さ3㎜の追加の肋がつく。種子は褐色、2または3個、卵形、約・長さ1.7㎝×幅0.7cm、しみがある。 花期および果期は6~10月。
POWOでは下位分類を認めていない。YListではf. albifloraが掲載されている。
(1) Canavalia lineata (Thunb.) DC. f. albiflora Y.Kimura シロバナハマナタマメ 白花浜鉈豆
白花品種。
5 Canavalia rosea (Sw.) DC. ナガミハマナタマメ 長実浜鉈豆
synonym Canavalia maritima (Aubl.) Thouars
日本(沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、浙江省)、台湾、インド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア、アフリカ、北アメリカ南部、中央アメリカ、南アメリカ北部など世界の熱帯、亜熱帯に広く分布。中国名は海刀豆 hai dao dou。英名はbeach bean , bay bean , seaside jack-bean , coastal jack-bean , MacKenzie bean。別名はナンカイハマナタマメ。沿岸の砂浜に生える。
多年草、強健で蔓性。茎にはまばらに微軟毛がある。小葉は倒卵形、卵形、楕円形、またはほぼ円形、長さ5~8(~14)cm×幅4.5~6.5(~10)cm、両面に細柔毛があり、基部は楔形~円形、先は円形、切形、凹形、または微突形。総状花序は腋生、花序柄を含めて長さ30cmまで。花は各節に1~3個束性する。萼は長さ1~1.2cm、軟毛があり、上唇は半円形、長さ3~4mm。花冠は紫色。旗弁は円形、直径約2.5cm、先は凹形。翼弁は鎌形で耳がある。竜骨弁は長円形で曲がり、耳がある。豆果は線状長円形、長さ8~12cm×幅2~2.5cm、先には嘴があり、各バルブは縫合肋から約3mm離れた位置に追加の肋を持つ。種子は褐色、楕円形、長さ13~15mm×幅10mm。へそは長さ約10mm。花期は6~7月。
Canavalia
Canavalia
Canavalia
Canavalia rosea
Canavalia rosea (Sw.) DC.
ナタマメ属
family Fabaceae - genus Canavalia1年草または多年草。茎は絡みつき、平伏し、ほぼ直立する。葉は羽状複葉、3小葉。托葉は小さく、いぼで覆われまたは不明瞭。小托葉があり、脱落性。総状花序は腋生。苞と小苞は小さく、脱落性。花は紫色(purple-violet)、バラ色、または帯白色、単生または膨れた節に花が2~6個束生する。萼は鐘形、2唇形、上唇が大きく、切形または2裂し、下唇は小さいまたは微細、全縁または3歯がある。花冠は萼より長い。花弁は短い爪部がある。旗弁は大きく、ほぼ円形、後屈しする。翼弁は狭く、かま形、ときにわずかに捻じれ、分離。竜骨弁は翼弁より幅が広く、内曲し、鈍形または嘴があり、嘴は内曲しまたは螺旋状に捻じれ、旗弁より短い。雄しべは単体雄しべ(monadelphous)。葯は均一。子房は短い柄があり、胚珠は多数。花柱は内向きに曲がり、毛は無い。豆果は大きく、舌形または線状長円形、扁平または圧縮またはわずかに膨れ、腹側の縫線合に沿って明瞭な突出した肋があり、それに平行で接近して追加の肋があり、バルブの捻じれによって裂開する。種子は10~15個、楕円形または長円形、へそは線形。
世界に約50種あり、熱帯および亜熱帯地域に分布する。
ナタマメ属の主な種と園芸品種
1 Canavalia cathartica Thouars タカナタマメ 高鉈豆synonym Canavalia microcarpa (DC.) Piper
日本(沖縄)、中国(広東省、海南省)、台湾、南シナ海、サウジアラビア、イエメン、インド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、スラウェシ島、スマトラ島、小スンダ列島、マルク諸島)、ニューギニア、ビスマルク諸島、インド洋(モルディブ、チャゴス諸島、クリスマス諸島、ココス諸島、ラッカディブ島、ニコバル諸島、アンダマン諸島)、太平洋諸島(マリアナ諸島、カロリン諸島、フィジー、クック諸島、ライン諸島、マーシャル諸島、ナウル、ニューカレドニア、サモア、セーシェル、ソシエテ諸島、ソロモン諸島、ツブアイ島、ツバル、バヌアツ)、オーストラリア(ノーザンテリトリー、クイーンズランド)、アフリカ(エスワティニ、ケニア、クワズール・ナタール、ナミビア、北部諸州、ソマリア、タンザニア、トンガ)原産。中国名は小刀豆 xiao dao dou。英名はpoisonous sea bean, ground jack bean, horse bean, silky sea bean, wild bean, maunaloa。海岸、河川敷に生える。
2年草、強健で蔓性。茎と枝にはまばらに毛がある。小葉は卵形、長さ6~10cm×幅4~9cm、両面にまばらに白色の毛があり、基部は広楔形、切形、または円形、先は鋭形または円形。総状花序は花序軸の各節に1~3個の花がつく。萼は長さ約12mm、毛がある。上唇は円形の萼歯を持ち、萼筒より短く、下唇は3個の萼歯がある。花冠はピンク色または帯紫色、長さ2~2.5cm。旗弁は円形、約・長さ2cm×幅2.5cm、基部近くに2個の肥厚部があり、爪部があり、先は凹形。翼弁と竜骨弁は曲がり、長さ約2cm。豆果は長円形、長さ7~9cm×幅3.5~4.5cm、膨らみがあり、先は嘴がある。種子は褐黒色、楕円形、約・長さ18mm×幅12mm、硬く平滑。へそは長さ10~14mm。花期と果期は4~10月。
2 Canavalia ensiformis (L.) DC. タチナタマメ 立鉈豆
synonym Dolichos ensiformis Linnaeus
USA(アラバマ州、アリゾナ州、ジョージア州、ミシシッピ州、ミズーリ州、オクラホマ州、)、メキシコ、中央アメリカ(ベリーズ、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、リーワード島、パナマ、プエルトリコ、トリニダード・トバゴ、ウィンドワード島)、南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ)西インド諸島原産。中国名は直生刀豆 zhi sheng dao dou。別名はヨウナタマメ 洋刀豆。熱帯・亜熱帯地域で広く栽培され、緑肥や飼料として利用される。
1年草、亜低木、高さ0.6~1(~2)m、全体に毛があるかまたは無毛になる。托葉は小さく、脱落性。小葉は質が薄く、卵形または楕円形で、長さ8~18cm×幅5~8cm、基部は楔形または円形、先は鋭形。総状花序は単生、長さ15~25(~40)cm(花序柄を含めて)。花は花序軸の節に1~5個つく。萼は長さ約1.5cm、上唇は切形、萼筒と同長、下唇は萼片が三角形。花冠は帯紫色または白色と紫色。旗弁は直径約2.2cm、基部に半球形で反り返った2個の耳があり、爪部は平らで幅広く、長さ約5mm。翼弁は倒卵状長円形。竜骨弁は耳があり、爪部がある。豆果は厚い革質、舌形、長さ20~30cm×幅2.5~4cm、各バルブには縫合線の肋から約5mm離れた位置に追加の肋がある。種子は白色、楕円形、約・長さ3cm×幅2cm。へそは長さ1.5cm以下。花期は5~7月。果期は10月。
3 Canavalia gladiata (Jacq.) DC. ナタマメ 鉈豆
synonym Malocchia gladiata Savi
Canavalia ensiformis var. alba Makino in Y.Iinuma, Somoku-Dzusetsu, ed. 3. 3: 952 (1912) Canavalia gladiata var. alba (Makino) Hisauti in J. Jap. Bot. 13: 392 (1937) Canavalia gladiata f. alba (Makino) H.Ohashi 中国、台湾、インド、東ヒマラヤ、西ヒマラヤ、アッサム、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ニコバル諸島、パナマ、タイ、ベトナム原産。中国名は刀豆 dao dou。英名はsword bean。広く栽培され、日本へは江戸時代に渡来。熱帯アジア、アフリカ原産ともいわれる。
1年草、よじ登り、数mの高さになる。小葉は卵形、長さ8~20㎝×幅8~12㎝、両面にまばらに帯白色または褐色の毛があり、基部は円形またはくさび形、先は尖鋭形。 総状花序は花が10~20個つく。花序柄は長さ20~25cm。花は各節に2~3個束生する。萼は長さ15~16mm 、わずかに毛があり、上唇は円形、下唇には3個の鋭い歯がある。花冠は白色またはピンク色、長さ3~3.5㎝。花弁は爪部と耳がある。旗弁は広楕円形、長さ3~3.5㎝×幅約2.5㎝、凹形。 翼弁と竜骨弁は長円形で、内曲し、旗弁より小さい。豆果は線状長円形、わずかに曲がり、長さ20~35㎝×幅3.5~6㎝、厚い革質、各バルブには追加の肋があり、縫合線の肋から長さ約5mm。種子は赤褐色、楕円状長円形、約・長さ3.5㎝×幅2㎝、へそは長さ約1.5cm。花期は7~9月。果期は10月。
品種) 'Akanata Mame' , 'Shironata Mame'
POWOでは下位分類を認めていない。
(1) Canavalia gladiata (Jacq.) DC. f. alba (Makino) H.Ohashi シロナタマメ 白鉈豆
synonym Canavalia gladiata (Jacq.) DC. var. alba (Makino) Hisauti
白花品種。
4 Canavalia lineata (Thunb.) DC. ハマナタマメ 浜鉈豆
synonym Dolichos lineatus Thunb.
日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、浙江省)、台湾、カンボジア、インドネシア、フィリピン、ベトナム原産。中国名は狭刀豆 xia dao dou。英名はbeach bean, bay bean。海岸の砂浜に生える。
多年草、絡みつく。小葉は卵形または倒卵形、長さ6~14㎝×幅4~10㎝、両面にまばらに毛があり、基部は切形またはくさび形、先は円形または尖頭形。 総状花序は腋生。萼は長さ12㎜、毛がある。上唇は広く、2裂し、裂片は短突起がある。下唇は3裂、小さく、ほぼ切形。花冠は紫赤色。旗弁は広卵形、長さ約2.5㎝、凹形、基部に2個の厚くなった耳がある。翼弁は線状長円形、わずかにかま形。竜骨は倒卵状長円形。豆果は長円形、扁平、長さ6~10㎝×幅2.5~3㎝、各バルブには縫合線の肋骨から長さ3㎜の追加の肋がつく。種子は褐色、2または3個、卵形、約・長さ1.7㎝×幅0.7cm、しみがある。 花期および果期は6~10月。
POWOでは下位分類を認めていない。YListではf. albifloraが掲載されている。
(1) Canavalia lineata (Thunb.) DC. f. albiflora Y.Kimura シロバナハマナタマメ 白花浜鉈豆
白花品種。
5 Canavalia rosea (Sw.) DC. ナガミハマナタマメ 長実浜鉈豆
synonym Canavalia maritima (Aubl.) Thouars
日本(沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、浙江省)、台湾、インド、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア、アフリカ、北アメリカ南部、中央アメリカ、南アメリカ北部など世界の熱帯、亜熱帯に広く分布。中国名は海刀豆 hai dao dou。英名はbeach bean , bay bean , seaside jack-bean , coastal jack-bean , MacKenzie bean。別名はナンカイハマナタマメ。沿岸の砂浜に生える。
多年草、強健で蔓性。茎にはまばらに微軟毛がある。小葉は倒卵形、卵形、楕円形、またはほぼ円形、長さ5~8(~14)cm×幅4.5~6.5(~10)cm、両面に細柔毛があり、基部は楔形~円形、先は円形、切形、凹形、または微突形。総状花序は腋生、花序柄を含めて長さ30cmまで。花は各節に1~3個束性する。萼は長さ1~1.2cm、軟毛があり、上唇は半円形、長さ3~4mm。花冠は紫色。旗弁は円形、直径約2.5cm、先は凹形。翼弁は鎌形で耳がある。竜骨弁は長円形で曲がり、耳がある。豆果は線状長円形、長さ8~12cm×幅2~2.5cm、先には嘴があり、各バルブは縫合肋から約3mm離れた位置に追加の肋を持つ。種子は褐色、楕円形、長さ13~15mm×幅10mm。へそは長さ約10mm。花期は6~7月。
参考
1) Flora of ChinaCanavalia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105502
2) Plants of the World Online| KewscienceCanavalia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:21926-1
3) World Flora OnlineCanavalia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000006519
4) New Zealand Plant Conservation NetworkCanavalia rosea
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/canavalia-rosea/
5) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINECanavalia rosea (Sw.) DC.
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Canavalia~rosea