グンナイフウロ 郡内風露
Flora of Mikawa
フウロソウ科 Geraniaceae フウロソウ属
別 名 | イブキグンナイフウロ、タカネグンナイフウロ | 学 名 | Geranium reinii Franch. & Sav. synonym Geranium onoei Franch. et Sav. synonym Geranium eriostemon var. reinii (Franch. & Sav.) Maxim. synonym Geranium eriostemon var. onoei (Franch. & Sav.) Nakai synonym Geranium onaei f. alpinum Yonek. タカネグンナイフウロ |
花 期 | 6~8月 |
高 さ | 30~50㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地~亜高山帯の草地 |
分 布 | 在来種 日本(北海道部、本州の中部地方福島県・磐梯山~滋賀県・伊吹山)、朝鮮 |
撮 影 | 千畳敷 06.8.8 |
写真のものはタカネグンナイフウロと分類されていたもので、花が淡ピンク色、密に開出する粗毛がある。葉は3~7裂し、鋸歯は様々。
グンナイフウロは多年草、高さ30~50cm。茎と葉柄に開出する粗毛と腺毛が生える。長い葉柄をもつ根出葉は多数あり、茎につく葉の下部は互生するが、最上部の葉は対生する。葉は掌状に5~7深裂し、裂片はさらに3浅裂し、小裂片には大きな鋸歯がある。葉身は外形が5~7角、幅5~12(15)㎝、上面に伏毛があり、下面は開出毛がある。托葉は長さ8mmになり、膜質で褐色。茎の先端に10数個が集散状につき、小集散花序には花が1~3個つく。花は直径2.5~3cm。萼片は卵状長円形、長さ7~8㎜、開出する長い毛があり、先に微突がある。花弁は5個、淡紅色~淡紫色~紅紫色または白色、色には変異があり、成熟するとやや後屈する。雄しべは10本。雄性先熟、花糸は基部の幅が広く、基部に長い毛が生える。葯は紫褐色。花柱は5裂する。果実は分離果、長い嘴があり、長さ3~3.5㎝。分果は5個。小花柄は蕾のときには下向きに曲がり、花時に横に傾向き、果時には直立する。花期は6~8月。
現在はPOWOでは下位分類は認めていない。以前はグンナイフウロをGeranium eriostemonとし、グンナイフウロ、タカネグンナイフウロを変種に分けていた[Bot. Mag. (Tokyo) 26: 255 (1912)]。
(1) コグンナイフウロ Geranium eriostemon Fisch. ex DC. ⇒Geranium platyanthum Duthie
(2) ハナフウロGeranium eriostemon Fisch. ex DC. var. megalanthum Nakai⇒Geranium platyanthum Duthie
(3) グンナイフウロGeranium eriostemon var. onoei (Franch. & Sav.) Nakai
(4) タカネグンナイフウロGeranium eriostemon Fisch. ex DC. var. reinii (Franch. et Sav.) Maxim.
1 花は直径3.5~4㎝、青紫色。葉は3~5裂、裂片は卵形、粗い卵形の鋸歯がある……G. eriostemon Fisher var. megalanthum Nakai
1 花は直径3㎝を超えない………………………………………………7
2 花は濃い紫色。茎にはまばらに開出毛がある。葉は3~7裂し、鋸歯は鋭く切れ込む……G. eriostemon Fisher var. onoei(Fr. et Sav.) Nakai
2 花は淡いピンク色。茎は密に開出する粗毛がある。葉は3~7裂し、鋸歯は様々…………G. eriostemon Fisher var. reinii(Fr. et Sav.) Maxim.
エゾグンナイフウロ(f. yezoense)は北海道(石狩・夕張・十勝山地)に分布するもの。花は青紫色で、チシマフウロ(Geranium erianthum)に似るが、茎や葉がグンナイフウロの範囲に入る。