エゾノチチコグサ 蝦夷の父子草

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae エゾノチチコグサ属

中国名 蝶须 die xu
英 名 Stoloniferous pussytoes , catsfoot , mountain everlasting
学 名 Antennaria dioica (L.) Gaertn.
エゾノチチコグサの花序
エゾノチチコグサの花
エゾノチチコグサの茎
エゾノチチコグサの葉2
エゾノチチコグサ
エゾノチチコグサの葉
花 期 5~8月
高 さ 3~10㎝
生活型 多年草
生育場所 栽培種
分 布 在来種  日本、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ、北アメリカ(アラスカ)
撮 影 浜松市 19.4.12
エゾノチチコグサは北海道の北部に自生するキク科エゾノチチコグサ属の多年草。世界ではユーラシア、アラスカの温帯、高山帯に広く分布し、観賞用に栽培されいくつかの園芸品種もある。写真はベニバナエゾノチチコグサと呼ばれている園芸品種。
 多年草、雌雄異株、高さ3~10㎝。ストロンは長さ2~5㎝。根生葉はへら形~菱状へら形、長さ3~18mm×幅3~6mm、下面は灰色の綿毛があり、上面は緑色、無毛、上部はピンク色~白色、1脈があり、先は微突形。茎葉は線形、長さ7~13mm、剣状でない[not flagged](先は鋭形)。頭花は散房花序に3~7個つく。総苞は雄花で長さ5~6.5㎜、雌花で長さ5~7mmm。総苞片は上部が暗ピンク色~薄ピンク色~白色。花冠は雄小花で長さ3~4mm、雌小花で長さ4~5mm。痩果は長さ0.5~1mm、パピラがある。冠毛は雄小花で長さ3.5~4.5㎜、雌小花で長さ5~6mm。花期は5~8月。2n=28。
品種) 'Alba' , 'Alex Duguid' , 'Aprica' , 'Australis' , 'Bright Rose' , 'Devil's Tower' , 'Minima' , 'Nyewoods' , 'Nyewoods Variety' , 'Rosea' , 'Rotes Wunder' , 'Rubra'

エゾノチチコグサ属

  family Asteraceae - genus Antennaria

 多年草又は亜低木、雌雄異株。葉は互生し、平ら、縁は全縁、普通、両面とも綿毛がある。頭花は単生、少数が束生又は多数が散房花序につく。総苞片は紙質又は膜質、色がつく。 機械組織(stereome)は分裂しない。花托は平ら、 凹点があり、パレアは無い。中心小花は機能的に雄又は雌。雌小花は白色又は帯紫色、筒状。雌小花は白色又は帯紫色、糸状。葯は平らな付属体をもつ。花柱の枝は切形、背と先に毛がある。痩果は長円形、短いこん棒形の対の毛がある。冠毛の剛毛は毛管状、短剛毛で覆われ、輪状に合着する。x=14。
 世界に約40種があり、主に、アジア、ヨーロッパ、北アメリカの温帯と極地又は高山地帯に分布し、少数が南アメリカに分布する。

エゾノチチコグサ属の主な種と園芸品種

1 Antennaria dioica (L.) Gaertn.  エゾノチチコグサ 蝦夷の父子草
 日本(北海道の北部)、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ、北アメリカ(アラスカ)原産。中国名は蝶须 die xu。英名はStoloniferous pussytoes , catsfoot , mountain everlasting
 多年草、雌雄異株、高さ3~10㎝。ストロンは長さ2~5㎝。根生葉はへら形~菱状へら形、長さ3~18mm×幅3~6mm、下面は灰色の綿毛があり、上面は緑色、無毛、上部はピンク色~白色、1脈があり、先は微突形。茎葉は線形、長さ7~13mm、剣状でない[not flagged](先は鋭形)。頭花は散房花序に3~7個つく。総苞は雄花で長さ5~6.5㎜、雌花で長さ5~7mmm。総苞片は上部が暗ピンク色~薄ピンク色~白色。花冠は雄小花で長さ3~4mm、雌小花で長さ4~5mm。痩果は長さ0.5~1mm、パピラがある。冠毛は雄小花で長さ3.5~4.5㎜、雌小花で長さ5~6mm。花期は5~8月。2n=28。
品種) 'Alba' , 'Alex Duguid' , 'Aprica' , 'Australis' , 'Bright Rose' , 'Devil's Tower' , 'Minima' , 'Nyewoods' , 'Nyewoods Variety' , 'Rosea' , 'Rotes Wunder' , 'Rubra'

2 Antennaria microphylla Rydberg
 北アメリカ原産。英名はlittleleaf pussytoes。
 雌雄異株。高さ9~30㎝(茎は上部に有柄の腺がある)。ストロンは長さ1~5㎝。根生葉は1脈、へら形、長さ6~16mm×幅2~6mm、先は微突形、表面に銀灰色の毛がある。茎葉は線形、長さ5~25mm、剣状でない[not flagged](先は鋭形)。頭花は散房花序に6~13個つく。総苞は雄花が長さ5~6.5mm、雌花は長さ5.5~7mm。総苞片は上部が鮮やかな白色~薄黄色。花冠は雄花が長さ2.5~3mm;雌花が長さ3~4.3mm。痩果は長さ0.7~1.2mm、無毛又はわずかにパピラがある。冠毛は雄花は長さ3~4mm、雌花は長さ3~5mm。2n=28。花期は夏初旬~中旬。
品種) 'Pink Pussy Toes' , 'Plena' (d)

3 Antennaria parvifolia Nutt.
 北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。英名はSmall-leaf or Nuttall’s pussytoes。
雌雄異株又は雌性(それぞれ、雄性の植物は知られていないか又は同頻度で雌性)。高さ 2~8(~15)㎝。ストロンは長さ1~6㎝。根生葉は1脈、狭へら形~へら形~倒披針形、長さ8~35mm×幅2~15mm、先は微突形、面には灰色の綿毛がある。茎葉は線形~狭倒披針形、長さ8~20mm、剣状でない[not flagged](先は鋭形)。頭花は散房花序に2~7個。総苞は雄花が長さ5.5~7.5mm、雌花が長さ8~10(~15)mm(雌性)、 7~7.2mm(雌雄異株)。総苞片は上部が白色、ピンク色、緑色、赤色、又は褐色。花冠は雄花が長さ3.5~4.5mm、雌花が長さ5~8mm。痩果は長さ1~1.8mm、無毛又は微細なパピラがある。冠毛は雄花が長さ4~5.5mm、雌花が長さ6.5~9mm。 2n=56, 84, 112, 140。花期は春下旬~夏。
品種) 'Alba'

4 Antennaria rosea Greene  モモイロマットギク
 北アメリカ原産。英名はrosy pussytoes。
 雌性(雄性の植物は知られていない)。高さ4~30㎝。ストロンは長さ1~7㎝。根生葉は1脈、長さ8~40mm × 2~10mm、へら形、倒披針形、又はくさび形、先は微突形、面には灰色の毛があり、上面はときに、緑色、無毛。茎葉は線形、長さ6~36mm、普通、剣状でない[not flagged](先は鋭形~錐形又は披針形の剣状)。。頭花は散房花序に3~20個。総苞は雄花が無く、雌花は長さ4~10mm。総苞片は上部が褐色、クリーム色、灰色、緑色、ピンク色、赤色、白色、又は黄色(先は鋭形又はギザギザの鈍形)。花冠は雄花は無く、雌花は長さ2.5~6mm。痩果は長さ0.7~1.8mm、無毛又はパピラがある。冠毛は雄花は知られず、雌花は長さ3.5~6.5mm。2n=42, 56, (70)。北アメリカに4亜種がある。
品種) 'Plena' (d)

1 その他ハイブリッド
品種) 'Joy' , 'Roy Davidson'

参考

1) Flora of China
 Antennaria
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=101977
2) Flora of North America @ efloras.org
 Antennaria rosea
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=250066087