エビネ 海老根
Flora of Mikawa
ラン科 Orchidaceae エビネ属
中国名 | 虾脊兰 xia ji lan |
学 名 | Calanthe discolor Lindl. |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | (30)40~65cm |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 林内 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、朝鮮、中国 |
撮 影 | 東栄町 05.5.15(自生種の栽培品) |
和名の由来は偽球茎が海老に似た形をしていることから。最近は園芸目的の採取により激減し、自生のものはほとんど見られなくなっている。まれにキエビネに近い黄色の花も見られ、特に珍重されている。写真は林内の自然環境での栽培品。果実は野生のもの。
多年草、高さ(30)40~65cm。根茎は目立たない。偽鱗茎はほぼ円錐形、小さく、直径約1cm、3~4個の鞘がある。葉は3枚つき、開花時に十分に発達せず、落葉性では無い。葉身は倒卵状楕円形~楕円状長方形、長さ13~25cm×幅3~9cm、下面に密に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ3~9cm、普通、長さ6~10cm×直径約2cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、1~2本、長さ18~30cm、密に微軟毛がある。花序軸は長さ6~8cm、緩く、花が6~10個つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ4~7mm、ほぼ無毛。花は褐紫色で、唇弁は白色。小花柄と子房は長さ6~13mm、密に微軟毛がある。萼片は等形、楕円形、わずかに斜め、長さ11~13mm×幅6~7mm、外側の中間より下に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形。花弁は萼片と同色、ほぼ長円形または倒披針形、長さ11~12mm×幅3.5~5mm、無毛、3脈があり、先はわずかに鈍形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、外形が扇形、長さ10~13mm×幅約18mm、3深裂する。側裂片はかま形状倒卵形またはくさび状倒卵形、長さ9~10×幅6~9 mm、中裂より大きく、先は切形状鈍形で、中裂片に向かって内曲する。中裂片は倒卵状くさび形、長さ7~8mm×幅約6mm、先の縁はときに不規則に歯状になり、先は凹形。ディスクは中裂片の葉の中央まで伸びる3個の膜状の三角形の薄板(lamellae)を備える。距は円筒形、長さ5~10mm、外側にはまばらに微軟毛があり、先に向かって漸尖する。ずい柱は長さ約4mm、先で広がり、翼は唇弁の付け根に沿下する。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約0.6 mm。花粉塊はこん棒形、長さ約1.8mm。蒴果は長さ約3㎝の惰円形。花期は4~5月。2n=40。
多年草、地上生(terrestrial)、小型~大型。根茎は有又は無。偽鱗茎は普通、小さく、円錐形~卵形~類球形、まれに不明瞭又は円筒形、基部に根があり、先に少数の葉をもつ。根は長く、丈夫で毛がある。葉はときによく発達せず、花時に完全に広がらない。葉身はまれに狭剣形又は帯ひも状、±扇だたみになり(plicate)、しばしば、若いときに巻き込み、基部が葉柄のように狭くなり、又は類無柄、鞘状に包まれ、関節が有又は無。花茎は葉腋又は偽鱗茎の基部から生じ、まれに葉のない偽鱗茎の先から生じ、直立し、普通、密に微軟毛がある。花序は頂生の総状花序、花は少数~多数。花の苞は宿存性又は早落生、花は逆向き(resupinate) 、小型~中型、しばしば広く、広がる。咢片は等形、離生。花弁はしばしば咢片より小さい。唇弁(lip)はずい柱(column)の翼の基部につき、円筒形になり、又はずい柱の基部につき、又はい柱の足につき、い柱からは分離し、分裂し又は分裂せず、基部に距は有又は無。ディスク(disk:唇弁の下半部の側裂片との間の範囲)はしばしば薄板があり(lamellate)又はうねがあり(ridged)、ときに、基部にカルスの付属体(callose appendages:肉質の突起)をもつ。ずい柱はしばしば、短く、太く、基部に短い足をもち、翼がある。嘴状体(rostellum)は分裂又は不分裂。柱頭は側面。花粉塊(pollinia)はろう質(waxy)、8個、2グループになり、大きさは等しい又は等しくない。花粉塊柄(caudicle)は明瞭又は不明瞭、普通、粘りのある粘着体(viscidium)に付着する。
世界に約150種があり、熱帯アジア、亜熱帯アジア、オーストラリア、ニューギニア、太平洋諸島南西部に分布し、熱帯アフリカや中央アメリカ、南アメリカ北西部にも分布する。
synonym Calanthe alismatifolia Lindley [Flora of China]
synonym Calanthe austrokiusiuensis Ohwi
synonym Calanthe fauriei Schltr.
synonym Calanthe japonica Blume ex Miq.
synonym Calanthe nigropuncticulata Fukuy.
日本(九州の南部~沖縄)、中国、台湾、東ヒマラヤ(ブータン、チベット)、西ヒマラヤ(インド、アッサム)、ラオス、ミャンマー、 ベトナム原産。中国名は泽泻虾脊兰 ze xie xia ji lan。別名はヒロハノカラン。常緑広葉樹林に生える。
多年草、高さ20~45cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は円筒形、長さ1~3㎝×幅3~5mm。葉は3~6枚つき、根生し、よく発達し、開花時に広がり、落葉性では無い。葉身は楕円形~卵状楕円形、長さ10~23㎝×幅4~12㎝、無毛または下面に短毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ6~20㎝、細い。花茎は1~2本、葉腋に生じ、直立し、長さ10~28㎝、細く、密に微軟毛がある。花序軸は長さ3~4㎝、ほぼ密から密に花が3~10個又はそれ以上つく。花の苞は宿存性で、わずかに反り返り、広卵状披針形、長さ5~10㎜、下面にまばらに微軟毛がある。花は白色、ときに紫バイオレット色。小花柄と子房は長さ10~20㎜、微軟毛がある。萼片は等形、ほぼ倒卵形、約・長さ10㎜×幅6㎜、下面は直軟毛があり、5脈がある。花弁はほぼ菱形、約・長さ8㎜×幅4㎜、無毛、3脈があり、先は鈍形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、広がり、3深裂する。側裂片は線形または狭長円形、約・長さ8㎜×幅2㎜、頂先は円形。中裂片は扇形、約・長さ17㎜×幅12㎜、基部に爪部があり、先はほぼ切形、深い切れ込みがあり、2小裂片がある。小裂片はほぼ菱形、側裂片よりもはるかに大きく、幅5~6㎜、縁は全縁またはギザギザになり、先は切形状鈍形。ディスクは基部に黄色の疣状のカルスが数個ある。距は真っすぐ、円筒形、長さ約10mm、細く、無毛。ずい柱は長さ約3㎜、先がわずかに広がり、無毛。 嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1.2㎜。花粉塊は卵形、ほぼ等長、長さ約2㎜。蒴果は約・長さ20㎜×幅6㎜。花期は6~7月。2n=40, 44。
2 Calanthe alpina Hook.f. ex Lindl. キソエビネ 木曽海老根
synonym Calanthe schlechteri H.Hara
synonym Calanthe fimbriata Franch.
synonym Calanthe alpina Hook.f. ex Lindl. var. schlechteri (H.Hara) F.Maek.
synonym Calanthe alpina Hook.f. ex Lindl. var. fimbriatomarginata (Fukuy.) F.Maek.
日本(本州の中部地方以北、四国の石鎚山)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は流苏虾脊兰 liu su xia ji lan。林内、草が茂った斜面に生える。
多年草、高さ25~50cmの植物。根茎は目立たない。偽鱗茎は狭円錐形、小さく、直径約7mm。葉は3枚つき、開花時によく発達し、落葉性ではない。葉身は楕円形または倒卵状楕円形、長さ11~26㎝×幅3~6(~9)㎝、先は鈍形状円形で微突形または鋭形。葉柄のような基部は鞘があり、ときに偽茎を形成し、長さ約7cm。花茎は1本、またはまれに2本、葉腋に生じ、直立し、長さ30~50㎝、まばらに微軟毛がある。花序軸は長さ3~12㎝、緩く~密に花が3~10個またはそれ以上つく。花の苞は宿存性、狭披針形、長さ約1.5㎝、無毛、先は尖鋭形。花は淡黄緑色で、ピンク紫色のしみと条線がある。小花柄と子房は長さ約20mm、まばらに微軟毛がある。背萼片はほぼ楕円形、長さ15~20mm×幅5~6mm、5脈があり、先には芒がある。側萼片は卵状披針形、長さ15~20mm×幅6~7mm、5脈があり、先に芒がある。花弁は狭長円形~卵状披針形、長さ12~13mm×幅4~4.5mm、3脈があり、先は鋭形~尖鋭形。唇弁は基部のずい柱の翼の基部につき、淡緑白色、基部の半分は黄色、先の半分は紫赤色の条線があり、ほぼ円状扇形、約・長さ8mm×幅15mm、基部は広切形、分裂せず、先の縁は房状縁で、先端は凹形。距は真っすぐ、黄色または淡紫色、円筒形、長さ15~35×幅3~5 mm、先は鈍形。ずい柱は白色、長さ約8mm、先が広がり、無毛。 嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1mm。花粉塊は倒卵形、長さ約1.3㎜、短い花粉塊柄(caudicles)をもつ。粘着体(viscidium)はほぼ長円形、小さい。蒴果は倒卵状楕円形、約・長さ2㎝×幅1.5㎝。花期は11月。2n=40, 42。
3 Calanthe arcuata Rolfe トガリバエビネ
synonym Calanthe caudatilabella Hayata
中国、台湾原産。中国名は弧距虾脊兰 hu ju xia ji lan
4 Calanthe arisanensis Hayata アリサンエビネ 阿里山蝦根
台湾原産。中国名は台湾虾脊兰 tai wan xia ji lan
5 Calanthe aristulifera Rchb.f. キリシマエビネ 霧島海老根
synonym Calanthe aristulifera Rchb.f. var. kirishimensis (Yatabe) Honda
日本(本州の紀伊半島以西、四国、九州、伊豆諸島、奄美大島)、中国、台湾原産。中国名は翘距虾脊兰 qiao ju xia ji lan。谷に沿った湿った場所、鬱蒼とした森に生える。
高さ28~55cmの植物。根茎は細長く、太い。偽鱗茎はほぼ球形、直径約1cm、3個の鞘がつく、葉は2~4枚、根生し、開花時に十分に発達せず、落葉性ではない。葉身は倒卵状楕円形または楕円形、長さ15~30㎝×幅4~8㎝、紙質、下面に密に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ(6~)27~30㎝。普通、長さ13~20cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、1~2本、長さ25~60㎝、密に微軟毛がある。花序軸は長さ6~25㎝、緩く~ほぼ密に、花が8~20個つく。花の苞は宿存性、狭披針形、長さ約5㎜、無毛、先は鋭形。花は白色またはピンク色、たまに紫色に染まる。小花柄と子房は長さ15~20mm、微軟毛がある。背萼片は長円状披針形、長さ12~17㎜×幅5~8㎜、外側に微軟毛があり、5脈があり、先は尖鋭形。側萼片は長円形、斜め、長さ12~17mm×幅4~7mm、外側に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形。花弁は狭倒卵形または楕円形、長さ11~15mm×幅2.5~4.5mm、無毛、3脈があり、先はほぼ鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、扇形、長さ8~16mm×幅8~12㎜、中間の上で3裂する。側裂片はほぼ四角形~ほぼ円形、かま形、長さ5~6mm×幅4~6mm、先は鈍形状円形。中裂片はほぼ四角形~長円形、長さ3~4㎜×幅4~5mm、縁はわずかに波打ち、先は凹形で切れ込みに短突起がある。ディスクは3~5(~7)のうねがあり、うねは肉質で、ほぼ中裂片のほとんど先端まで伸び、先端は隆起し、三角形。距は円筒形、長さ20~32mm、外側に微軟毛があり、内側に絨毛がある。ずい柱は長さ約6mm、先が広がり、腹側に微軟毛があり、翼は唇に沿下し、ディスクの上のうねに合着する。嘴状体(rostellum)は2裂する。葯帽は嘴がある。花粉塊はこん棒形、大きさが等しくなく、長さ1.5~2mm、短い花粉塊柄(caudicles)がある。粘着体(viscidium)は楕円形、長さ約0.5mm。花期は2~5月。2n=40。
品種) Bicolour , 'Manyosyo' , 白妙(しらたえ) , 氷河(ひょうが) , 紫の園(むらさきのその)
6 Calanthe davidii Franch. マツダエビネ
synonym Calanthe matsudae Hayata
日本(九州の大分県)、中国、台湾原産、インド、ネパール、ベトナム原産。中国名は剑叶虾脊兰 jian ye xia ji lan。林内、谷沿いの日陰地に生える。
多年草、普通、群生し、高さ32~70㎝、明瞭な根茎は無い。偽鱗茎はしばしば葉鞘に包まれる。葉は3~4枚つき、落葉性ではなく、開花時によく発達して広がる。葉身は剣形(ensiform)または帯ひも形(lorate)、長さ18~65㎝×幅0.8~2(~5)cm、無毛、3本の主脈があり、先は鋭形。葉柄のような基部は目立たないか、または、ときに長さ4~10cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ30~120㎝、丈夫、密に微軟毛がある。花序軸は長さ8~20(~30)㎝、花がかなり多くつく。花の苞は宿存性で、 後屈し、狭披針形、長さ10~15mm、下面に微軟毛がある。花は黄緑色または白色、ときに紫色を帯びる。萼片はほぼ等形、後屈し、ほぼ楕円形、長さ6~9mm×幅約4mm、外側はほぼ無毛または密に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形または鈍形。花弁は後屈し、狭長円状倒披針形、長さ6~9mm×幅1.8~2.2mm、無毛、3脈があり、基部に爪部があり、先は鈍形または鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、広三角形、長さ6~9mm×幅4~9mm、3裂する。側裂片は長円形、かま形状長円形、または卵状三角形、その先で幅9mm、先は斜めに切形で鈍形。中裂片は深い切れ込みによって2個の小裂片に分割され、小裂片は散開し、ほぼ長円形、側裂片よりも狭い。ディスクはほぼ中裂片の切れ込みまで広がる疣状のカルスの3つの集団をもつ。距は曲がり、円筒形、長さ5~12mm、外側はまばらに微軟毛があり、内側は密に微軟毛がある。ずい柱は長さ約3mm、太く、先に向かって広がり、ほぼ無毛またはまばらに微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1mm。花粉塊はほぼ洋ナシ形または倒卵形で、大きさは同じで、長さ約1㎜、短い花粉塊柄(caudicles)がある。粘着体(viscidium)は小さい。蒴果は卵形、約・長さ13mm×幅7mm。花期は6~7月。果期は9~10月。2n=40, 44。
6-1 Calanthe davidii Franch. var. bungoana (Ohwi) T.Hashim. タガネラン
synonym Calanthe bungoana Ohwi
KewscienceやFlora of Chinaでは変種に分けない。
7 Calanthe discolor Lindl. エビネ 海老根
日本()、朝鮮、中国原産。中国名は虾脊兰 xia ji lan。 別名はジエビネ 地海老根。常緑広葉樹林に生える。
多年草、高さ(30)40~65cm。根茎は目立たない。偽鱗茎はほぼ円錐形、小さく、直径約1cm、3~4個の鞘がある。葉は3枚つき、開花時に十分に発達せず、落葉性では無い。葉身は倒卵状楕円形~楕円状長方形、長さ13~25cm×幅3~9cm、下面に密に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ3~9cm、普通、長さ6~10cm×直径約2cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、1~2本、長さ18~30cm、密に微軟毛がある。花序軸は長さ6~8cm、緩く、花が6~10個つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ4~7mm、ほぼ無毛。花は褐紫色で、唇弁は白色。小花柄と子房は長さ6~13mm、密に微軟毛がある。萼片は等形、楕円形、わずかに斜め、長さ11~13mm×幅6~7mm、外側の中間より下に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形。花弁は萼片と同色、ほぼ長円形または倒披針形、長さ11~12mm×幅3.5~5mm、無毛、3脈があり、先はわずかに鈍形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、外形が扇形、長さ10~13mm×幅約18mm、3深裂する。側裂片はかま形状倒卵形またはくさび状倒卵形、長さ9~10×幅6~9 mm、中裂より大きく、先は切形状鈍形で、中裂片に向かって内曲する。中裂片は倒卵状くさび形、長さ7~8mm×幅約6mm、先の縁はときに不規則に歯状になり、先は凹形。ディスクは中裂片の葉の中央まで伸びる3個の膜状の三角形の薄板(lamellae)を備える。距は円筒形、長さ5~10mm、外側にはまばらに微軟毛があり、先に向かって漸尖する。ずい柱は長さ約4mm、先で広がり、翼は唇弁の付け根に沿下する。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約0.6 mm。花粉塊はこん棒形、長さ約1.8mm。蒴果は長さ約3㎝の惰円形。花期は4~5月。2n=40。
品種)
春日局(かすがのつぼね) , 峡谷の花(きょうこくのはな) , 黒小町(くろこまち) , 黒真珠(くろしんじゅ) , 黒砂(いさご) , 黒太陽(くろたいよう) , 里子(さとこ) , 紫天皇(してんのう) , 志摩の幻(しまのまぼろし) , 白滝(しらたき) , 大文字(だいもんじ) , 太陽(たいよう) , 武尊(たける) , 茶坊主(ちゃぼうず) , 南蛮(なんばん) , 備中小町(びっちゅうこまち) , 飛緑梅(ひりょくばい) , 紅小町(べにこまち) , 円(まどか) , 山田黒(やまだくろ) , 羅生華(らしょうか) , 良寛(りょうかん) , 涼風(りょうふう) , 龍馬(りょうま) , 渡川の幻(わたりがわのまぼろし) , 'Gold Fairy'
7-1 Calanthe discolor Lindl. var. amamiana (Fukuy.) Masam. アマミエビネ 奄美海老根
synonym Calanthe amamiana Fukuy.
synonym Calanthe aristulifera Rchb.f. var. amamiana (Fukuy.) Hatus.
synonym Calanthe tokunoshimensis Hatus. et Ida トクノシマエビネ 徳之島海老根
synonym Calanthe discolor Lindl. var. tokunoshimensis (Hatus. et Ida)
synonym Calanthe tokunoshimensis f. latilabella (Ida) Hatus.
トクノシマエビネ Calanthe tokunoshimensis Hatus. et Idaを World Flora Online、Kewscienceなどではsynonymとしている。
奄美大島、徳之島に分布する。標高300m以上の常緑広葉樹林下に生える。エビネに似ているが、花が白色~淡紫色。距がやや長い。
多年草、高さ25~50㎝。地上生。根生葉は1~3枚、倒卵状長楕円形、長さ15~25㎝×幅5~9㎝、縦皺がある。花茎は高さ25~50㎝。花序は総状花序、花が多数、均等に垂れ気味につく。花は直径2~3㎝、白色~淡黄白色~ピンク色~淡紫色。萼片と花弁は同色、外側が濃色になる。唇弁は白色~淡ピンク色、扇形、長さ10~13mm×幅15~20㎜、3深裂する。中裂片は長円形~倒卵状くさび形、裂片先が浅く凹み、微突がある。ディスクは中裂片の葉の中央まで伸びる3個の膜状の薄板(lamellae)がある。距は長さが7~13㎜。2n=40, 60。花期は(2)3~4月。
品種) 奄美の春 , 奄美の輝き , 'Kuro Suzume' 黒雀
7-2 Calanthe discolor Lindl. f. rosea (Hatus.) Honda アカエビネ 赤海老根
7-3 Calanthe discolor Lindl. f. rufoaurantiaca (Iwata) Honda ダイダイエビネ 橙海老根
7-4 Calanthe discolor Lindl. f. trilabellata F.Maek. キヌタエビネ 砧海老根
7-5 Calanthe discolor Lindl. f. tyo-harae (Makino) Honda アカクラエビネ 赤倉海老根
7-6 Calanthe discolor Lindl. f. viridialba (Maxim.) Honda ヤブエビネ 藪海老根
7-7 Calanthe discolor Lindl. var. divaricatipetala Ida ハノジエビネ 八の字海老根
7-8 Calanthe discolor Lindl. var. kanashiroi Fukuy. カツウダケエビネ 嘉津宇岳海老根
synonym Calanthe discolor Lindl. f. kanashiroi (Fukuy.) K.Nakaj.
8 Calanthe graciliflora Hayata ホソバナエビネ 細花海老根
中国、台湾原産。中国名は钩距虾脊兰 gou ju xia ji lan 。
9 Calanthe hattorii Schltr. アサヒエビネ 旭海老根
小笠原諸島固有種。兄島、父島に自生する。英名はHattori's Calanthe。和名は父島の旭山に因む。
多年草、高さ50~100cm。茎は中程度に太く、毛がある。葉は長い葉柄があり、葉身は楕円状披針形、長さ20~50㎝、基部は狭くなり、先は尖鋭形、扇だたみになる(plicate)。葉腋から花茎を出し、花序柄は長さ15~50㎝、細かい毛がある。花序軸は長さ41㎝以下、緩く、花が10~15個つく。鞘状の花序の苞は卵状披針形、先が尖鋭形。花の苞は披針形、先が鋭形、直立して広がる。花は黄色。花期は8~9月。
10 Calanthe izuinsularis (Satomi) Ohwi et Satomi オオキリシマエビネ 大霧島海老根
Calanthe izu-insularis (Satomi) Ohwi & Satomi 伊豆諸島固有種。高津島、御蔵島、新島に分布し、常緑広葉樹林の湿った場所に生え、芳香が強い。別名はニオイエビネ。現在では自生はほとんど見られない。エビネとオオキリシマエビネの自然交雑種はコオズエビネ(Calanthe x Kozu)と呼ばれる。多数の園芸品種がある。
多年草、高さ30~60㎝。偽鱗茎は丸みを帯びた鎖状、ほとんど分岐しない根を多数つける。葉は2または3枚、根生し、長円状楕円形~長円状倒卵形、長さ15~35㎝×幅7~15㎝、先は鋭形、強い光沢があり、扇だたみになる。花茎は長さ30~60㎝、葉が完全に成熟する前に発達し、毛があり、緩く、花を5~30個またはそれ以上つける。花は直径2~4㎝。萼片と花弁は広がり、同色、約・長さ2㎝×幅1㎝、先は短い尖鋭形、普通、薄紫色~ラベンダー色。唇弁は白色、3裂し、側裂片は大きく、中裂片は三角形、先が浅く凹形、うねが3本あり、基部が淡黄色。ずい柱は白色。距は長い。花は強い芳香がある。花期は4~5月。
品種) 貴陽(きよう) , 紫王(しおう) , 静(しずか) , 自然の香り(しぜんのかおり) , 島の輝(しまのかがやき) , 島の羽衣 ,島の妖精 , 青海(せいかい) , 南国の虹(なんごくのにじ) , ニオイ(無名)(におい) , 御蔵紺青香 , 御蔵白鳳(みくらはくほう) , 御蔵誉(ミクラホマレ)御蔵美水(みくらびすい) , 'Mikura Otome'
11 Calanthe judithiae P.J.Cribb
インドネシアのスラウェシ島原産。地上生。 葉は5~6個つき、類直立、線状披針形、尖鋭形、ひだがあり、緑色に銀色の縞がある。花茎は直立し、長さ40~60㎝、花序は花序軸が長さ4~10㎝、花が5~12個つく。C triplicataに酷似するが、葉に銀色の縞があり、花がクリーム白色、唇弁の側裂片が小さく、中裂片が大きく、距がS形。C. millikenii は葉に銀色の縞があるが、唇弁の側裂片が大きく、距が棍棒形で真っすぐ。
品種) 'Lydia Ruth'
12 Calanthe mannii Hook.f. サクラジマエビネ 桜島海老根
synonym Calanthe oblanceolata Ohwi et T.Koyama
synonym Alismorkis mannii (J. D. Hooker) Kuntze synonym Calanthe brachychila Gagnepain 日本(鹿児島)、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール、ベトナム原産。中国名は细花虾脊兰 xi hua xia ji lan。
日本産のものは萼片と花弁が緑色。唇弁が黄色。ずい柱が白色。花期は5~7月。
多年草、高さ30~45cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は円錐形線、ca。直径1cm、2つまたは3つの鞘付き。葉3-5、開花時に十分に発達しておらず、落葉性では無い。葉身は倒披針形または長円形、18~35㎝×3~4.5㎝、扇だたみ(plicate)で、下面は微軟毛があり、基部はほぼ無柄または葉柄のような柄に漸尖し、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ5~10㎝、普通、長さ5~7㎝の偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ51㎝以下、密に微軟毛がある。花序軸は長さ4~10㎝、花が10個またはそれ以上つく。花の苞は宿存性、披針形、長さ2~4mm、無毛。花は小さく、暗褐色、黄金色の唇弁がある。小花柄と子房は長さ5~7mm、密に微軟毛がある。各萼片は似ていて、卵状披針形または長円形、凹面形、長さ7~9mm×幅2.5~4.5mm、下面に密に微軟毛がある、3~5脈があり、先は鋭形。側萼片は±斜め。花弁は倒卵形披針形または長円形、長さ6~7mm×幅1.2~2mm、無毛、1~3脈があり、先は鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、長さ3~4.5mm×幅2.5~3mm、3裂する。側裂片は卵形、斜め、長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm、先は鈍形状円形。中裂片は横向きの長円形またはほぼ腎形、長さ1.5~2mm×幅2.5~3mm、縁はわずかに波打ち、先は凹形、切れ込みに微突がある。ディスクには3個の薄板(lamellae)またはうねがある。薄板は唇弁の基部から中裂片の先端まで伸び、中裂片の半月状の膨れまで広がる。距は真っすぐ、長さ1~3mm×幅約1mm、外側は微軟毛がある。ずい柱は白色、長さ約3mm、先で広がり、腹側に微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は小さく、2裂する。花粉塊は狭卵形で、大きさがほぼ等しく、長さ約0.8mm。粘着体(viscidium)はほぼ円形、小さい。花期は5月[日本:5~7月]。2n=40。
13 Calanthe masuca (D.Don) Lindl. オナガエビネ 尾長海老根
synonym Calanthe textorii Miq.
synonym Calanthe sylvatica auct. non (Thouars) Lindl.
synonym Calanthe textorii Miq. var. longicalcarata (Hayata ex Yamam.)Garay et H.R.Sweet
synonym Calanthe longicalcarata Hayata ex Yamam.
日本(宮崎県、沖縄、奄美大島、徳之島、屋久島)、中国、台湾、アッサム、ボルネオ、東ヒマラヤ、インド、ジャワ、ラオス、レッサースンダ諸島、マダガスカル、マラヤ、ミャンマー、ネパール、スリランカ、スラウェシ、スマトラ、タイ、チベット、ベトナム原産。中国名は长距虾脊兰 chang ju xia ji lan。林内、渓谷沿い、川沿いの湿った場所に生える。
World Flora OnlineではCalanthe sylvaticaのsynonymとしている。
多年草、高さ80cm以下、明瞭な根茎は無い。偽鱗茎は円錐形、長さ1~2㎝×幅約1㎝。葉は3~6枚つき、よく発達し、開花時に広がり、落葉性では無い。葉身は楕円形~倒卵形、長さ20~40㎝×幅約10.5㎝、下面にまばらに毛があり、先は鋭形または尖鋭形。葉柄のような基部は長さ11~23㎝。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ45~75㎝、丈夫、中間の下に2個の筒状の鞘をもつ。花序軸は緩く、花が多数つく。花の苞は宿存性、披針形、長さ10~18mm、密に微軟毛がある。花は淡ピンク紫色、唇弁は紫色、ときにオレンジ色に染まる。小花柄と子房は長さ約35mm、密に微軟毛がある。背萼片は楕円形、長さ18~23mm×幅6~10mm、外面にまばらに微軟毛があり、5~7脈があり、先は鋭形。側咢片は長円形、長さ20~28mm×幅6~9mm、外面にまばらに微軟毛があり、5~7脈があり、先は鋭形で短い尾状。花弁は倒卵形または広長円形、長さ15~20mm×幅9~12mm、5脈があり、先は鈍形またはほぼ鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、長さ11~17mm×幅6~14mm、3裂する。側裂片はかま形状披針形、長さ約5mm×幅1.5~2mm、先に向かって漸尖する。中裂片は扇形または腎形、幅10~14mm、基部に短い爪部があり、先は凹形または浅く2裂する。ディスクは基部に3列の小さな黄色のとさかのある疣がある。距は円筒形、長さ25~50mm、外側はまばらに微軟毛があり、先は鈍形。ずい柱は長さ約5㎜、先で広がり、ほぼ無毛。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約0.7mm。花粉塊は狭倒卵形、同サイズで、長さ約2mm。粘着体(viscidium)はほぼ長円形、小さい。花期は4~9月。2n=20, 40, 42, 52。
13-1 Calanthe masuca (D.Don) Lindl. f. albiflora (Ida) Nackej. シロバナオナガエビネ 白花尾長海老根
白花品種。
14 Calanthe nipponica Makino キンセイラン 金精蘭
synonym Calanthe trulliformis King & Pantling var. hastata Finet.
日本(北海道、本州、四国、九州の宮崎県)、中国原産。中国名は戟形虾脊兰 ji xing xia ji lan 。林内に生える。
多年草、高さ25~38cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は非常に小さく、3~4個の鞘がある。葉は4枚つき、十分に発達し、開花時に広がり、落葉性ではなく、ほぼ無柄。葉身は狭披針形または狭楕円形、長さ12~16㎝×幅1.5~2㎝、先は尖鋭形。花茎は葉腋から生じ、直立し、長さ24~34㎝、微軟毛がある。花序軸は長さ 6~12㎝、緩く、花が3~7個つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ13~15㎜、下面にわずかに微軟毛がある。花はうなずき、淡黄色と緑色。小花柄と子房は長さ15~20㎜、密に微軟毛がある。背萼片は楕円状披針形、約・長さ14㎜×幅5㎜、下面に微軟毛があり、5脈があり、先は尖鋭形。側萼片は卵状披針形、斜めで、約・長さ14㎜×幅4.5㎜、下面に微軟毛があり、5脈があり、先は尖鋭形。花弁は線形、約・長さ12㎜×幅2㎜、無毛、3脈があり、先は尖鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、黄色、基部は橙褐色、ほぼ卵状三角形、3裂する。側裂片は卵形、約・長さ5.5mm×幅4mm、それらの先で幅約8㎜、先は鈍形。中裂片はほぼ長円形、約・長さ6㎜×幅4.5mm、先は鋭形。ディスクは3本の薄板(lamellae)をもち、中央の薄板はほぼ中裂の先端まで伸びる。距は円筒形、長さ4~5㎜、外側に微軟毛があり、先は鈍形。ずい柱は長さ約5㎜、太く、先に向かって広がる。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1.2㎜。花粉塊は狭倒卵形、長さ約14㎜。粘着体(viscidium)はほぼ円形。花期は6月。2n= 38、40。
15 Calanthe puberula Lindl. ナツエビネ(広義) 夏海老根
synonym Calanthe reflexa Maxim.
日本、中国、インド、ブータン、ネパール、ベトナム原産。中国名は镰萼虾脊兰 lian e xia ji lan 。常緑広葉樹林に生える。
多年草、高さ25~60㎝。根茎は普通、目立たない。偽鱗茎は狭円筒形、約・長さ2㎝×幅1.5㎝、葉鞘に包まれる。葉は4または5枚つき、根生し、開花時によく発達し、落葉性では無い。葉身は楕円形または楕円状長円形、長さ12~22㎝×幅5~7㎝、無毛または下面の脈に沿ってまばらに微軟毛があり、5本の主脈があり、先は鋭形または尖鋭形。葉柄のような基部は長さ13㎝以下。花茎は1~2本、偽鱗茎の先近くから生じ、直立し、長さ23~40㎝、細く、数個の披針形の不稔の苞がある。花序軸は長さ 6~14㎝、緩く、花が4~10個つく。花の苞は宿存性、披針形、長さ13~20㎜、下面は微軟毛があり、先は長い尖鋭形。花はピンク色。小花柄と子房は長さ15~20㎜、密に微軟毛がある。萼片は等形、卵状披針形、長さ11~16(~20)㎜×幅約5㎜、外側は微軟毛があり、5脈があり、先は尖頭形。側萼片は斜め。花弁は線形、長さ11~13㎜×幅1~2(~3)㎜、1~3脈があり、先は尖鋭形。唇弁はずい柱の翼の基部につき、長さ11~13㎜×幅6~11㎜、距は無く、3裂する。側裂片は長円状かま形、先で幅7~9㎜、縁は全縁、先は鈍形。中裂片は菱状楕円形~卵状くさび形、先の縁は不規則に歯があるかまたは房飾りがあり、先は鋭形。ディスクは薄板(lamellae)またはカルス(calli)が無い。ずい柱は長さ約6㎜、無毛。嘴状体(rostellum)は3裂する。葯帽は狭卵状心形、長さ約4㎜。花粉塊はこん棒形、長さ約2㎜、花粉塊柄(caudicle)は明瞭。粘着体(viscidium)は線形、長さ約1㎜。花期は6~8月。2n=40 , 40+1B, 42。
15-1 Calanthe puberula Lindl. var. reflexa (Maxim.) M.Hiroe ナツエビネ
北海道(奥尻島)、本州、四国、九州、朝鮮半島南部、台湾、中国東部~ヒマラヤに分布する。
15-2 Calanthe puberula Lindl. var. okushirensis (Miyabe et Tatew.) M.Hiroe オクシリエビネ 奥尻海老根
synonym Calanthe reflexa Maxim. var. okushirensis (Miyabe et Tatew.) Ohwi
北海道(奥尻島)、青森県、千葉県、和歌山県、長崎県、熊本県に分布する。
オクシリエビネは葉下面の全面に毛(微小突起状)があることで、ナツエビネから区別される。この微小突起は単細胞からなる錐状の突起で、細長い形状のものや、突起下部が太く棘状になるものもあり、脱落・欠損しやすく、標本で長期的に保存されるものではない。
16 Calanthe rosea (Lindl.) Benth.
ミャンマー、タイ原産。英名はpink calanthe
落葉多年草、地上生、叢生、紡錘形の長さ6~8㎝又はそれ以上の偽鱗茎をもち、先に長楕円形の葉をつける。葉は長さ約30㎝以下。葉の落ちた後の冬に、偽鱗茎の基部から生じる、長さ40~70㎝の花茎に総状花序をつける。花は10~30個つき、直径5~7㎝、咢片と花弁は似ていて、ピンク色。唇弁は平らで、より濃いピンク色、のど部は白色。花は1~2か月続く。
品種) 'Alba' , 'Bougainville Rose'
17 Calanthe striata R.Br. ex Lindl. キエビネ 黄海老根
synonym Calanthe striata R.Br. f. sieboldii (Decne. ex Regel) Ohwi
synonym Calanthe sieboldii Decne. ex Regel [Flora of China]
synonym Calanthe discolor Lindl. f. sieboldii (Decne. ex Regel) Ohwi ex W.T.Lee
synonym Calanthe discolor Lindl. var. flava Yatabe
synonym Calanthe striata R.Br. var. sieboldii (Decne. ex Regel) Maxim.
synonym Calanthe citrina Scheidw.
synonym Calanthe bicolor Lindl.
日本(本州の紀伊半島以南、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は大黄花虾脊兰 da huang hua xia ji lan 。英名はSiebold's hardy calanthe orchid , Siebold's hardy orchid
多年草、高さ30~55㎝。根茎は長く、太い。偽鱗茎は小さく(長さ2~2.5㎝×幅2~2.5㎝)、5~7個の鞘をもつ。葉は2~3枚つき、花時によく発達し、落葉しない。葉身は広楕円形、長さ20~60㎝×幅7~15㎝、先は鋭形又は微突形。基部は葉柄状になり、6~18㎝、偽茎は長さ4~14㎝×直径約1.5㎝。花茎は長さ40~50㎝、まばらに微軟毛がある。花序軸は長さ6~15㎝、緩く~ほぼ密に、花が6~13個つく。花の苞は宿存性、緑色、披針形、膜質、長さ10~15㎜、無毛、先は尖鋭形。花は明るい黄色、大きく、幅5.5~6.5㎝、わずかに肉質、芳香があるものもある。花柄及び子房は長さ10~15(20)㎜、まばらに微軟毛がある。背咢片は楕円形、長さ22~30㎜×幅10~15㎜、先は鋭形。側咢片は卵状長楕円形、斜め、長さ18~28㎜×幅8~14㎜、先は鋭形。花弁は狭楕円形、長さ19~24㎜×幅7~9.5㎜、基部は狭く、先は鋭形。唇弁はカラムの翼の長さ全体につき、水平に広がり、黄色、基部がまだらの赤色で、深く3裂する。側裂片は卵形又は鎌状倒卵形、斜め、長さ10~15㎜×幅5~8㎜、先は鈍状円形。中裂片は楕円形に近く、長さ9~13㎜×幅5~9㎜、先は微突形。中裂片のディスクには基部に5うねと2列の白色の短毛をもち、側2うねは肉質、中央の3うねは中裂片のほとんど先まで広がり、距は長さ約8㎜、内側には微軟毛がある。カラムは長さ約5㎜、太く、小嘴状に2裂し、花粉塊は短い花粉塊柄をもち、楕円形の粘着体につく。花期は(2~)4~5月。 2n = 40。 品種) 王冠(おうかん) , 黃福(こうふく) , 福姫(ふくひめ) , Kawakamii Group , 'Wossen'
18 Calanthe sylvatica (Thouars) Lindley
アフリカ、マダガスカル原産。河川、小川または湿地帯の近くの常緑樹林の深い日陰に生える。紫色の美しい花をつける。
多年草、高さ65cm以下、地上生、大型で直立する。偽鱗茎は直立またはほぼ直立、円筒状円錐形、4~5節があり、長さ2~5cm×直径1.2cm以下、葉が腐った後にだけ明瞭になる。葉は3~5枚、ほとんどがロゼット状につき、ほぼ直立または広がり、披針形~楕円状長円形、鋭形または尖鋭形、長さ15~45cm×幅5~13cm、上面は光沢があり、暗緑色、下面は±毛がある。葉柄は溝があり、長さ4~25cm。花序は直立し、花が少数~多数つき、長さ60cm以下またはそれ以上。花序柄は丈夫、毛がある。花序軸は毛がある。苞は披針形、鋭形または尖鋭形、ほぼ直立~半曲し、長さ1~3cm。花は大きく、派手で、白色~バラ紫色、唇弁は濃色。カルスは白色~橙色。ずい柱は白色。背萼片は披針形~狭楕円形または長円状楕円形、鋭形、長さ1.3~3.5cm×幅0.4~1.2cm。側萼片は似ているが斜め。花弁は楕円形~倒披針形、鋭形または鈍形、長さ1~3cm。唇弁は3裂、ずい柱に基部でつき、長さ1.2~2.5cm×幅0.8~2cm、基部に距がある。側裂片は±耳があり、長さ0.5~7cm。中裂片ははるかに大きく、扇形~倒卵形、先は凹形。カルスはいぼ状 、3うねがあり、中央のうねが最もい。カルスは肉質、長さ3~7mm。距は垂れ下がり、S字形または内曲し、長さ1~4cm。花期は1~3月。
19 Calanthe tokunoshimensis Hatus. et Ida トクノシマエビネ 徳之島海老根
synonym Calanthe discolor var. amamiana (Fukuy.) Masam. synonym Calanthe aristulifera H. G. Reichenbach Hatus.
First published in Sci. Rep. Kanazawa Univ., Biol. 9: 136 (1964) World Flora Online、Kewscienceなどでは独立種と認めず、アマミエビネ Calanthe discolor var. amamianaに含めている。 鹿児島徳之島固有種。照葉樹林内の湿った場所に生える。エビネ(C. discolor)に似るが、全体に大型、葉は長さ30~40㎝×幅8~10㎝、唇弁が比較的に小さく、縦の薄板(lamellae)が目立たない。絶滅危惧IB類EN33に指定されている。
常緑性多年草、高さ30~60㎝。葉は立性で越年しても横伏せず、やや肉厚、倒卵状楕円形、柄を含めて、長さ30~40㎝×幅8~10㎝。花茎はより太くて長く30~60cm、総状花序に花が10~25個、やや斜上気味につく。花も平均的に大きい。萼片と花弁はほぼ平開し、同色で、普通、紫褐色。唇弁は白色で、裂片は比較的幅が狭い。ずい柱がよく発達し、芳香を放つ。花期は3~4月。
20 Calanthe tricarinata Lindl. サルメンエビネ 猿面海老根
synonym Calanthe tricarinata Lindl. var. torifera (Schltr.) F.Maek.
日本(北海道、千葉県・愛知県・大阪府を除く本州、四国、九州)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、カシミール原産。中国名は三棱虾脊兰 san leng xia ji lan。ブナ林などの深山の落葉樹林下、草が茂った斜面などに生える。
多年草、高さ35~50cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は球形、直径約2㎝、3個の鞘がある。葉は3~4枚、根生し、開花時に十分に発達せず、落葉性ではない。葉身は楕円形または倒卵状披針形、長さ20~30㎝×幅5~11㎝、下面に密に微軟毛があり、縁が波打ち、先は鋭形または尖鋭形。葉柄のような基部は鞘になり、長さ4~15cm、直径1~2.5cmの丈夫な偽茎を形成する。鞘は大きく、先は鈍形、最も下部の鞘は長さ約2㎝、上部の鞘は長くなる。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ60㎝以下、直径1.5㎝以下、丈夫で、微軟毛があり、数個~多数の卵状披針形の無捻の苞がつく。花序軸は長さ3~20㎝、緩く、花が少数~多数つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ5~10㎜、膜質、無毛。花は淡黄色で、唇弁は赤褐色。小花柄と子房は長さ10~20㎜、微軟毛がある。萼片は等長で、長円形、長さ16~18㎜×幅5~8㎜、外側の基部にまばらに微軟毛があり、5~8脈があり、先は尖鋭形。花弁は卵状披針形、長さ11~15㎜×幅3~5㎜、3脈があり、先は鋭形またはほぼ鈍形。唇弁はずい柱の翼の基部につき、赤褐色、長さ10~16㎜×幅7~5㎜、距は無く、3裂する。側裂片は耳があり、またはほぼ耳があり、小さく、長さ約4㎜×幅4~5㎜。中裂片は腎形、長さ8~10㎜×幅10~15㎜、縁は強く波打ち、先は凹形、切れ込みで微突形。ディスクは3~5個のとさか状の薄板(lamellae)をもつ。ずい柱は長さ約6㎜、太く、腹側にまばらに微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は2裂する。葯の帽子は嘴がある。花粉塊は狭く卵形-球状、長さ約2㎜、花粉塊柄(caudicle)は明瞭。粘着体(viscidium)は楕円形、小さく、長さ約1㎜。花期は5~6月。2n=40, 42, 60。
21 Calanthe triplicata (Willem.) Ames ツルラン 鶴蘭
synonym Calanthe furcata Batem. ex Lindl.
synonym Calanthe hoshii S.Kobay.
synonym Calanthe veratrifolia R.Br. ex Ker Gawl.
日本(九州南部、沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、スリランカ、カンボジア、ラオス、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、マダガスカル、太平洋諸島原産。中国名は三褶虾脊兰 san zhe xia ji lan 。常緑広葉樹林に生える。
多年草。高さ40~100㎝。根茎は目立たない。偽鱗茎は卵状円筒形、長さ1~3㎝×幅1~2㎝、2~3個の鞘がある。葉は3~4枚つき、落葉性ではなく、開花時によく発達して広がる。葉身は楕円形または楕円状披針形、長さ20~60㎝×幅5~12㎝、無毛またはときに、下面に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ10~18㎝。花茎は葉腋から生じ、直立し、長さ30~70㎝、微軟毛がある。花序軸は長さ5~20㎝、密に多数の花がつく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ10~20㎜、微軟毛があるかまたはときにほとんど無毛になる。花は白色、ときに紫赤色になり、後に橙色に変わり、乾燥すると黒色になる。小花柄と子房は長さ30~40㎜、微軟毛がある。背萼片は後ろに反り返り、ほぼ楕円形、長さ10~12㎜×幅4.5~5.5㎜、外側に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形または短突起がある。側萼片は反り返り、倒卵状披針形、わずかに斜め、長さ10~13㎜×5~6㎜、外側に微軟毛があり、5脈がある。花弁は反り返り、倒卵状披針形、長さ8~10㎜×幅3~4.5㎜、外側に微軟毛があり、3脈があり、基部に爪部がある。唇弁はずい柱の翼の全長に付着し、長さ12~18㎜×幅約14㎜、3深裂する。側裂片は長円形~狭倒卵状くさび形形、約・長さ7㎜×幅3㎜、先は鈍形。中裂片は深く切れ込み、2小裂片があり、切れ込みの中に短い短突起がある。小裂片は散開し、線状長円形、側裂片の大きさほぼ同じで、幅約3mm。ディスクは3~4列の小さな金色または橙赤色の疣状のカルス( calli)が基部につく。距は真っ直ぐ、白色、円筒形、長さ(6~)12~15㎜、細く、外側はまばらに微軟毛があり、先が鈍形。ずい柱は長さ約5㎜、先が広がり、まばらに微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は2裂する。裂片はほぼ長円形、長さ約2㎜、先は類切形。花粉塊はこん棒形、大きさは等しく無く、長さ2~4㎜、花粉塊柄(caudicle)は明瞭。粘着体(viscidium)はほぼ楕円形、小さい。花期は4~5月。2n=18, 20, 40, 42。
品種) 'Angraeciflora' , あかてんつるらん(赤鮎鶴蘭)
22 Calanthe vestita Wall. ex Lindl.
ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア原産。
地上生、落葉性、偽鱗茎が目立つ。花茎は長さ約60㎝、花はツルランに似る。唇弁は白色で、中心に紅色の班紋がある。花期は冬~春。
品種) 'Gigantea' , 'Nivalis' , 'Norman' , 'Oculata-rubra' , 'Rubro-oculata'
23 ハイブリッド
(1) Calanthe x dominyi Lindl. リュウキュウエビネ 琉球海老根
synonym Calanthe x matsumurana Schltr
synonym Calanthe x okinawensis Hayata
日本(九州、屋久島、種子島~沖縄)、台湾原産
オナガエビネ(Calanthe masuca) とツルラン(Calanthe triplicata)の自然交雑種。
園芸品種が作り出されている。
(2) Calanthe x kibanakirishima F.Maek. キバナキリシマエビネ 黄花霧島海老根
キエビネ(C. sieboldii)とキリシマエビネ(C. aristulifera)との自然交雑種と考えられていたが、これを否定する報告が出された。(2014 Korea )。
(3) Calanthe x oodaruma F.Maek. オオダルマエビネ 大達磨海老根
ダルマエビネ(Calanthe alismifolia )とツルラン(Calanthe triplicata)の自然交雑種
(4) Calanthe discolor Lindl. x C. striata R.Br. タカネエビネ 高嶺海老根(大海老根)
synonym Calanthe discolor Lindl. var. bicolor sensu Makino
synonym Calanthe bicolor auct. non Lindl.
synonym Calanthe 'Takane'=Takane gx タカネ 高嶺
エビネとキエビネの自然交雑種。
品種) 王扇(おうせん) , 家宝(かほう , 紅麗(こうれい) , 静紅(しずべに) , 赤峰(せきほう) , 天竜(てんりゅう) , 日輪(にちりん) , 飛翔(ひしょう) , 恵(めぐみ) , 邪馬の清華(やまのせいか) , 緑光冠(りょっこうかん)
(5) Calanthe x Ishizuchi (shizuchi gx) イシズチ 石鎚 (エビネとサルメンエビネとの交雑種)
品種) 天朝(てんちょう) , 緑神
(6) Calanthe x Kozu (Kozu gx) コオズ 郡戸 (エビネとニオイエビネとの交雑種)
品種) 青空(あおぞら) , 東紫宝(あずましほう) , 天の川(あまのかわ) , 綾紫(あやむらさき) , 伊豆の太陽(いずのたいよう) , うすずみ(うすずみ) , 浦島明秀の園) , 栄西(えいさい) , 江戸紫(えどむらさき) , 鶯宿梅(おうしゅくばい) , 大紫(おおむらさき) , 織女(おりめ) , 鶴粋香(かくすいこう) , かわせみ(かわせみ) , 希粋星(きすいせい) , 希水宝(きすいほう) , 黄富士(きふじ) , 御衣香(ぎょいこう) , 京香(きょうか) , 巨峰(きょほう) , 金星香(きんせいこう) , 公達(きんだち) , 幻影(げんえい) , 紅輝(こうき) ,紅貴の妃 , 紅玉宝(こうぎょくほう) , 暁星 , 紅宝(こうほう) , 紅蓮 , 黄金錦 , 香玉(ころ) , 国宝(こくほう) , 紫雲香(しうんこう) , 紫宴 , 紫幻想(しげんそう) , 紫水香(しすいこう) , 紫聖(しせい) , 紫峰香(しほうこう) , 紫宝閣(しほうかく) , 島葵(しまあおい) , 島雨情(しまうじょう) , 島乙女(しまおとめ) , 島紫香(しましこう) , 島の鶯 , 島の織姫 , 島のかおり(しまのかおり) , 島の鳳凰 , 島の灯影(しまのほかげ) , 島武蔵(しまむさし) , 心香(しんか) , 神秘(しんぴ) , 粋天紫(すいてんむらさき) , 聖香(せいか) , 青香(せいか) , 青海 , 清心(せいしん) , 青墨(せいぼく) , 赤澪(せきれい) , 青帝 , 蒼天 , 染香(そめか) , 大閣(たいこう) , 大紫香(だいしこう) , 大紫泉(だいしせん) , 大納言(だいなごん) , 旅香路(たびこうろ) , 端午(たんご) , 茶香姫(ちゃこひめ) , 千代姫 , 天紫香(てんしこう) , 天新(てんしん) , 桃仙香(とうせんこう) , 南海の瞳(なんかいのひとみ) , 日南の星(にちなんのほし) , 日光(にっこう) , 梅香(ばいこう) , 白雲香(はくうんこう) , 白梅香(はくばいこう) , 白眉香(はくびこう) , ピンク(ぴんく) , 風雅(ふうが) , 富岳 , 文楽(ぶんらく) , 紅桜 , 紅紫鳳(べにしほう) , 紅富士(べにふじ) , 豊光(とよひかり) , 宝珠(ほうじゅ) , 訪春香(ほうしゅんこう) , 墨水(ぼくすい) , 墨酔(ぼくすい) , 真澄(ますみ) , 満天の瞳 , 万葉香(まんようこう) , 御蔵(みくら) , 御蔵黄梅(みくらおうばい) , 御蔵仁王(みくらにおう) , 瑞穂(みずほ) , 大和紅(やまとべに) , 幽玄(ゆうげん) , 夕富士(ゆうふじ) , 夢紫舞(ゆめしまい) , 利吉桜 , りつこの輝(りつこのかがやき) , 緑王(りょくおう) , 緑白香(りょくはくこう) , 緑宝(りょくほう) , ワイン(わいん) , 'Brown' , 'Orange' , 'Purple' , red-flowered
(7) Calanthe x Satsuma (Satsuma gx) 薩摩 サツマ(キリシマエビネとキエビネとエビネとの雑種)
品種) 王妃(おうひ) , 織姫(おりひめ) , 火炎梅(かえんばい) , 金閣宝(きんかくほう) , 幸乃鳥(こうのとり) , 光琳(こうりん) , 鼓童(こどう) , 紫雲麗(しうんれい) , 紫晃(しこう) , 東雲(しののめ) , 寿峰(じゅほう) , 昇炎(しょうえん) , 白熊(しろくま) , 白鳩(しろばと) , 白無垢(しろむく) , 神紫光(しんしこう) , 神寿(しんじゅ) , 神童(しんどう) , 玉錦(たまにしき) , 千歳姫(ちとせひめ)' , 天寿(てんじゅ) , 天馬(てんま) , 富の夕映(とみのゆうばえ) , 南州梅(なんしゅうばい) , 梅寿(ばいじゅ) , 梅弁星(ばいべんぼし) , 春の赤(はるのあか) , 卑弥呼(ひみこ) , 日向の茜(ひゅうがのあかね) , 富士誉 , 幻の金鳥(まぼろしのきんちょう) , 紫頭巾(むらさきずきん) , 友禅(ゆうぜん
(8) Calanthe x Higo (Higo gx) ヒゴ肥後 (キエビネとキリシマエビネとの交雑種)
品種) 彗星(すいせい) , 天照(てんしょう) ,
(9) Calanthe x Hizen (Hizen gx) ヒゼン 肥前(エビネとキリシマエビネとの交雑種)
品種) 春日(かすが) , 桔梗の姫(ききょうのひめ) , 紺竜(こんりゅう) , 静紅(しずかべに) , 翠紅(すいこう) , 情炎(じょうえん) , 白妙(しらたえ) , 千羽鶴(せんばづる) , 鳳凰(ほうおう) , 真光(まひかり) , みかど , 岬の花(みさきのはな) , 優希姫(ゆうきひめ) , 緑仙紅(りょくせんこう)
(10) その他ハイブリッド(分類不明も含む)
品種) Anagawa gx (discolor×Kozu) , Angela gx(Chapmanii × Sedenii ) , Aurora gx(Calanthe vestita×Calanthe rosea) , Avranches gx 'Fliquet Tower' , Baron Schroder gx , Baron Schroder gx × Sedenii gx , Baron Schroder gx × Sedenii gx 'Harrisii' , Beauport gx 'Gorey' , Beauport gx 'Trinity' , Bel Val gx 'Saint Helier' , Bel Val gx 'Trinity' , Beresford gx 'Le Don le Brocq' , Bicolor gx (discolor×sieboldii) , Branchii gx , Brandywine gx 'Mont Millais' , Brandywine gx 'Trinity' , Brunton gx 'Margaret Cookson' , Bryan gx 'William Murray' , Chapmanii gx , Corbiere gx × Diana gx , Dellensis gx , Diana Broughton gx , Dominii gx , 'Dottie' , Five Oaks gx 'Grouville' , Five Oaks gx 'Jersey' , Five Oaks gx 'Mont Millais' , Five Oaks gx 'Saint Helier' , Five Oaks gx 'Saint Martin' , Five Oaks gx 'Saint Sanow' , Five Oaks gx 'Saint Saviour' , Florence gx , Fuji gx(Satsuma × Kozu) , George gx , Gerald gx 'Darkie' , Gigas gx , 'Green Lipstics' , Grouville 6 Dy gx , Grouville gx 'Mont Millais' , Grouville gx 'Trinity' , Grouville H gx , Hallii gx , Harryana gx , Havres des Pas gx 'Le Vier Fort' , Hayato gxハヤト(Hizen × Satsuma) , Hexham Gem gx 'Phyllis' , Hexham Gem gx 'The Abbey' , Hexham Lad gx 'Carmine' , Inage gx (izu-insularis×Kozu) , Kasuga gx (izu-insularis×Bicolor) , 'Kojima Green' , 'Kojima Pink' , 'Kojima Purple' , 'Kojima Red' , 'Kojima White' , 'Kojima Yellow' , Kokubu gx (discolor×Higo) , Kuzo gx , Miyuki gx (Higo×Kozu) , Mont Cochon gx 'Saint Mary' , Mont Mado gx , Mont Mado gx 'Archirondel Tower' , Mont Mado gx 'Saint Mary' , Mont Nicholle gx 'Saint Saviour' , Mont Perrine gx 'Saint Saviour' , Mont Pinel gx 'Saint Peter' , Mont Pinel gx 'Trinity' , Mont Pretre gx 'Saint Brelade' , Mont Pretre gx 'Saint Peter' , Mont Ube gx 'Saint Martin' , 'Murray' , Norman gx , 'Pink Lipstics' , Porphyrea gx , Portelet gx , Portelet gx 'Saint Brelade' , 'Regnierii'あんなんえびね(安南海老秩) , Revertens gx , Rozel gx 'Trinity' , Ruby gx , Ruby gx 'Gigantea' , 'Saint Aubin Gorey' , Saint Aubin 'PWT' , 'Saint Aubin Trinity' , Saint Brelade gx 'Trinity' , Sedenii 'Betty' , Sedenii gx , Sedenii gx 'Alexanderi' , Sedenii gx 'Bella' , Sedenii gx 'Burfordiense' , Sedenii gx 'Hallii' , Sedenii gx 'Hansii' , Sedenii gx 'Harold' , Sedenii gx 'Harrisii' , Sedenii gx 'Mylesii' , Sedenii gx 'Sanguinaria' , Shimoda gxシモダ , Shimousa gx(discolor × Satsuma) , Stella gx , Takane gx × yueana , Tomisu gx(Hizen × Kozu) , Tosa gx トサ 土佐(aristulifera × tricarinata), Triumphans gx , Veitchii gx おとめえびね(乙女海老根) , Veitchii gx 'Alba' , Veitchii gx 'Sandhurstiana' , Veitchii gx 'Splendens' , Veitchii gx 'Superba' , Victoria Regina gx , Warden gx 'Ruby' , 'White Lipstics' , William Murray gx , Wylam gx 'Roses Bower' , Wylam gx 'Snowdrift' , 'Yellow Lipstics' , アワチドリ 'ジパング'、アワチドリ '白饅頭' , 大白鳥(だいはくちょう) , 庵珍(あんちん) , 美鈴(みすず) , '山田黒(やまだぐろ)' , 関の白梅(せきのしらうめ) , 大草原(だいそうげん) , 八筈の蝶(やはずのちょう) , 羅王冠(らおうかん) , 大黒峰(だいこくほう) , 黒紫冠(こくしかん) , ,群青 , 丹頂鶴 , ビーナス , 花明り , 花心 , 友禅 , 大鷹 , 青翔 , 静 , 富士錦 , 白虎 , ポエム , 雷神 , 翠明 , 紫天 , 夢紫宝 , 横綱 , 和兵 , 武蔵の里 , 忍 , 玉 , 彗光 , 飛鳥 , 遮那王 , 野風 , 嵐 , 王将 , 紅鶴 , 神寿 , 桂離宮 , 平和の光 , 万葉の香(まんようのかおり) , 霧王 , 紫雨情 , 夢の香 ,大扇(おおせん) , 天童丸(てんどうまる) ,大閣(たいこう) , 大紫泉(だいしせん) , 大文字(だいもんじ),
※gxはgrex(グレッグス)の略。ランのハイブリッド品種の表示に使われ、ハイブリッドを意味する。国際ラン登録局 (サンダースリスト Sander's List)
Calanthe
Calanthe
Calanthe
Calanthe
Origin of Calanthe x kibanakirishima (Orchidaceae).
International Orchid Register
Calanthe Hybrid
佐藤広行,伊藤美穂子,加藤康子:オクシリエビネ(ラン科)の新産地および生育環境
Calanthe
Calanthe
多年草、高さ(30)40~65cm。根茎は目立たない。偽鱗茎はほぼ円錐形、小さく、直径約1cm、3~4個の鞘がある。葉は3枚つき、開花時に十分に発達せず、落葉性では無い。葉身は倒卵状楕円形~楕円状長方形、長さ13~25cm×幅3~9cm、下面に密に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ3~9cm、普通、長さ6~10cm×直径約2cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、1~2本、長さ18~30cm、密に微軟毛がある。花序軸は長さ6~8cm、緩く、花が6~10個つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ4~7mm、ほぼ無毛。花は褐紫色で、唇弁は白色。小花柄と子房は長さ6~13mm、密に微軟毛がある。萼片は等形、楕円形、わずかに斜め、長さ11~13mm×幅6~7mm、外側の中間より下に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形。花弁は萼片と同色、ほぼ長円形または倒披針形、長さ11~12mm×幅3.5~5mm、無毛、3脈があり、先はわずかに鈍形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、外形が扇形、長さ10~13mm×幅約18mm、3深裂する。側裂片はかま形状倒卵形またはくさび状倒卵形、長さ9~10×幅6~9 mm、中裂より大きく、先は切形状鈍形で、中裂片に向かって内曲する。中裂片は倒卵状くさび形、長さ7~8mm×幅約6mm、先の縁はときに不規則に歯状になり、先は凹形。ディスクは中裂片の葉の中央まで伸びる3個の膜状の三角形の薄板(lamellae)を備える。距は円筒形、長さ5~10mm、外側にはまばらに微軟毛があり、先に向かって漸尖する。ずい柱は長さ約4mm、先で広がり、翼は唇弁の付け根に沿下する。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約0.6 mm。花粉塊はこん棒形、長さ約1.8mm。蒴果は長さ約3㎝の惰円形。花期は4~5月。2n=40。
エビネ属
family Orchidaceae- genus Calanthe多年草、地上生(terrestrial)、小型~大型。根茎は有又は無。偽鱗茎は普通、小さく、円錐形~卵形~類球形、まれに不明瞭又は円筒形、基部に根があり、先に少数の葉をもつ。根は長く、丈夫で毛がある。葉はときによく発達せず、花時に完全に広がらない。葉身はまれに狭剣形又は帯ひも状、±扇だたみになり(plicate)、しばしば、若いときに巻き込み、基部が葉柄のように狭くなり、又は類無柄、鞘状に包まれ、関節が有又は無。花茎は葉腋又は偽鱗茎の基部から生じ、まれに葉のない偽鱗茎の先から生じ、直立し、普通、密に微軟毛がある。花序は頂生の総状花序、花は少数~多数。花の苞は宿存性又は早落生、花は逆向き(resupinate) 、小型~中型、しばしば広く、広がる。咢片は等形、離生。花弁はしばしば咢片より小さい。唇弁(lip)はずい柱(column)の翼の基部につき、円筒形になり、又はずい柱の基部につき、又はい柱の足につき、い柱からは分離し、分裂し又は分裂せず、基部に距は有又は無。ディスク(disk:唇弁の下半部の側裂片との間の範囲)はしばしば薄板があり(lamellate)又はうねがあり(ridged)、ときに、基部にカルスの付属体(callose appendages:肉質の突起)をもつ。ずい柱はしばしば、短く、太く、基部に短い足をもち、翼がある。嘴状体(rostellum)は分裂又は不分裂。柱頭は側面。花粉塊(pollinia)はろう質(waxy)、8個、2グループになり、大きさは等しい又は等しくない。花粉塊柄(caudicle)は明瞭又は不明瞭、普通、粘りのある粘着体(viscidium)に付着する。
世界に約150種があり、熱帯アジア、亜熱帯アジア、オーストラリア、ニューギニア、太平洋諸島南西部に分布し、熱帯アフリカや中央アメリカ、南アメリカ北西部にも分布する。
エビネ属の主な種
1 Calanthe alismifolia Lindl. ダルマエビネ 達磨海老根synonym Calanthe alismatifolia Lindley [Flora of China]
synonym Calanthe austrokiusiuensis Ohwi
synonym Calanthe fauriei Schltr.
synonym Calanthe japonica Blume ex Miq.
synonym Calanthe nigropuncticulata Fukuy.
日本(九州の南部~沖縄)、中国、台湾、東ヒマラヤ(ブータン、チベット)、西ヒマラヤ(インド、アッサム)、ラオス、ミャンマー、 ベトナム原産。中国名は泽泻虾脊兰 ze xie xia ji lan。別名はヒロハノカラン。常緑広葉樹林に生える。
多年草、高さ20~45cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は円筒形、長さ1~3㎝×幅3~5mm。葉は3~6枚つき、根生し、よく発達し、開花時に広がり、落葉性では無い。葉身は楕円形~卵状楕円形、長さ10~23㎝×幅4~12㎝、無毛または下面に短毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ6~20㎝、細い。花茎は1~2本、葉腋に生じ、直立し、長さ10~28㎝、細く、密に微軟毛がある。花序軸は長さ3~4㎝、ほぼ密から密に花が3~10個又はそれ以上つく。花の苞は宿存性で、わずかに反り返り、広卵状披針形、長さ5~10㎜、下面にまばらに微軟毛がある。花は白色、ときに紫バイオレット色。小花柄と子房は長さ10~20㎜、微軟毛がある。萼片は等形、ほぼ倒卵形、約・長さ10㎜×幅6㎜、下面は直軟毛があり、5脈がある。花弁はほぼ菱形、約・長さ8㎜×幅4㎜、無毛、3脈があり、先は鈍形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、広がり、3深裂する。側裂片は線形または狭長円形、約・長さ8㎜×幅2㎜、頂先は円形。中裂片は扇形、約・長さ17㎜×幅12㎜、基部に爪部があり、先はほぼ切形、深い切れ込みがあり、2小裂片がある。小裂片はほぼ菱形、側裂片よりもはるかに大きく、幅5~6㎜、縁は全縁またはギザギザになり、先は切形状鈍形。ディスクは基部に黄色の疣状のカルスが数個ある。距は真っすぐ、円筒形、長さ約10mm、細く、無毛。ずい柱は長さ約3㎜、先がわずかに広がり、無毛。 嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1.2㎜。花粉塊は卵形、ほぼ等長、長さ約2㎜。蒴果は約・長さ20㎜×幅6㎜。花期は6~7月。2n=40, 44。
2 Calanthe alpina Hook.f. ex Lindl. キソエビネ 木曽海老根
synonym Calanthe schlechteri H.Hara
synonym Calanthe fimbriata Franch.
synonym Calanthe alpina Hook.f. ex Lindl. var. schlechteri (H.Hara) F.Maek.
synonym Calanthe alpina Hook.f. ex Lindl. var. fimbriatomarginata (Fukuy.) F.Maek.
日本(本州の中部地方以北、四国の石鎚山)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は流苏虾脊兰 liu su xia ji lan。林内、草が茂った斜面に生える。
多年草、高さ25~50cmの植物。根茎は目立たない。偽鱗茎は狭円錐形、小さく、直径約7mm。葉は3枚つき、開花時によく発達し、落葉性ではない。葉身は楕円形または倒卵状楕円形、長さ11~26㎝×幅3~6(~9)㎝、先は鈍形状円形で微突形または鋭形。葉柄のような基部は鞘があり、ときに偽茎を形成し、長さ約7cm。花茎は1本、またはまれに2本、葉腋に生じ、直立し、長さ30~50㎝、まばらに微軟毛がある。花序軸は長さ3~12㎝、緩く~密に花が3~10個またはそれ以上つく。花の苞は宿存性、狭披針形、長さ約1.5㎝、無毛、先は尖鋭形。花は淡黄緑色で、ピンク紫色のしみと条線がある。小花柄と子房は長さ約20mm、まばらに微軟毛がある。背萼片はほぼ楕円形、長さ15~20mm×幅5~6mm、5脈があり、先には芒がある。側萼片は卵状披針形、長さ15~20mm×幅6~7mm、5脈があり、先に芒がある。花弁は狭長円形~卵状披針形、長さ12~13mm×幅4~4.5mm、3脈があり、先は鋭形~尖鋭形。唇弁は基部のずい柱の翼の基部につき、淡緑白色、基部の半分は黄色、先の半分は紫赤色の条線があり、ほぼ円状扇形、約・長さ8mm×幅15mm、基部は広切形、分裂せず、先の縁は房状縁で、先端は凹形。距は真っすぐ、黄色または淡紫色、円筒形、長さ15~35×幅3~5 mm、先は鈍形。ずい柱は白色、長さ約8mm、先が広がり、無毛。 嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1mm。花粉塊は倒卵形、長さ約1.3㎜、短い花粉塊柄(caudicles)をもつ。粘着体(viscidium)はほぼ長円形、小さい。蒴果は倒卵状楕円形、約・長さ2㎝×幅1.5㎝。花期は11月。2n=40, 42。
3 Calanthe arcuata Rolfe トガリバエビネ
synonym Calanthe caudatilabella Hayata
中国、台湾原産。中国名は弧距虾脊兰 hu ju xia ji lan
4 Calanthe arisanensis Hayata アリサンエビネ 阿里山蝦根
台湾原産。中国名は台湾虾脊兰 tai wan xia ji lan
5 Calanthe aristulifera Rchb.f. キリシマエビネ 霧島海老根
synonym Calanthe aristulifera Rchb.f. var. kirishimensis (Yatabe) Honda
日本(本州の紀伊半島以西、四国、九州、伊豆諸島、奄美大島)、中国、台湾原産。中国名は翘距虾脊兰 qiao ju xia ji lan。谷に沿った湿った場所、鬱蒼とした森に生える。
高さ28~55cmの植物。根茎は細長く、太い。偽鱗茎はほぼ球形、直径約1cm、3個の鞘がつく、葉は2~4枚、根生し、開花時に十分に発達せず、落葉性ではない。葉身は倒卵状楕円形または楕円形、長さ15~30㎝×幅4~8㎝、紙質、下面に密に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ(6~)27~30㎝。普通、長さ13~20cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、1~2本、長さ25~60㎝、密に微軟毛がある。花序軸は長さ6~25㎝、緩く~ほぼ密に、花が8~20個つく。花の苞は宿存性、狭披針形、長さ約5㎜、無毛、先は鋭形。花は白色またはピンク色、たまに紫色に染まる。小花柄と子房は長さ15~20mm、微軟毛がある。背萼片は長円状披針形、長さ12~17㎜×幅5~8㎜、外側に微軟毛があり、5脈があり、先は尖鋭形。側萼片は長円形、斜め、長さ12~17mm×幅4~7mm、外側に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形。花弁は狭倒卵形または楕円形、長さ11~15mm×幅2.5~4.5mm、無毛、3脈があり、先はほぼ鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、扇形、長さ8~16mm×幅8~12㎜、中間の上で3裂する。側裂片はほぼ四角形~ほぼ円形、かま形、長さ5~6mm×幅4~6mm、先は鈍形状円形。中裂片はほぼ四角形~長円形、長さ3~4㎜×幅4~5mm、縁はわずかに波打ち、先は凹形で切れ込みに短突起がある。ディスクは3~5(~7)のうねがあり、うねは肉質で、ほぼ中裂片のほとんど先端まで伸び、先端は隆起し、三角形。距は円筒形、長さ20~32mm、外側に微軟毛があり、内側に絨毛がある。ずい柱は長さ約6mm、先が広がり、腹側に微軟毛があり、翼は唇に沿下し、ディスクの上のうねに合着する。嘴状体(rostellum)は2裂する。葯帽は嘴がある。花粉塊はこん棒形、大きさが等しくなく、長さ1.5~2mm、短い花粉塊柄(caudicles)がある。粘着体(viscidium)は楕円形、長さ約0.5mm。花期は2~5月。2n=40。
品種) Bicolour , 'Manyosyo' , 白妙(しらたえ) , 氷河(ひょうが) , 紫の園(むらさきのその)
6 Calanthe davidii Franch. マツダエビネ
synonym Calanthe matsudae Hayata
日本(九州の大分県)、中国、台湾原産、インド、ネパール、ベトナム原産。中国名は剑叶虾脊兰 jian ye xia ji lan。林内、谷沿いの日陰地に生える。
多年草、普通、群生し、高さ32~70㎝、明瞭な根茎は無い。偽鱗茎はしばしば葉鞘に包まれる。葉は3~4枚つき、落葉性ではなく、開花時によく発達して広がる。葉身は剣形(ensiform)または帯ひも形(lorate)、長さ18~65㎝×幅0.8~2(~5)cm、無毛、3本の主脈があり、先は鋭形。葉柄のような基部は目立たないか、または、ときに長さ4~10cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ30~120㎝、丈夫、密に微軟毛がある。花序軸は長さ8~20(~30)㎝、花がかなり多くつく。花の苞は宿存性で、 後屈し、狭披針形、長さ10~15mm、下面に微軟毛がある。花は黄緑色または白色、ときに紫色を帯びる。萼片はほぼ等形、後屈し、ほぼ楕円形、長さ6~9mm×幅約4mm、外側はほぼ無毛または密に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形または鈍形。花弁は後屈し、狭長円状倒披針形、長さ6~9mm×幅1.8~2.2mm、無毛、3脈があり、基部に爪部があり、先は鈍形または鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、広三角形、長さ6~9mm×幅4~9mm、3裂する。側裂片は長円形、かま形状長円形、または卵状三角形、その先で幅9mm、先は斜めに切形で鈍形。中裂片は深い切れ込みによって2個の小裂片に分割され、小裂片は散開し、ほぼ長円形、側裂片よりも狭い。ディスクはほぼ中裂片の切れ込みまで広がる疣状のカルスの3つの集団をもつ。距は曲がり、円筒形、長さ5~12mm、外側はまばらに微軟毛があり、内側は密に微軟毛がある。ずい柱は長さ約3mm、太く、先に向かって広がり、ほぼ無毛またはまばらに微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1mm。花粉塊はほぼ洋ナシ形または倒卵形で、大きさは同じで、長さ約1㎜、短い花粉塊柄(caudicles)がある。粘着体(viscidium)は小さい。蒴果は卵形、約・長さ13mm×幅7mm。花期は6~7月。果期は9~10月。2n=40, 44。
6-1 Calanthe davidii Franch. var. bungoana (Ohwi) T.Hashim. タガネラン
synonym Calanthe bungoana Ohwi
KewscienceやFlora of Chinaでは変種に分けない。
7 Calanthe discolor Lindl. エビネ 海老根
日本()、朝鮮、中国原産。中国名は虾脊兰 xia ji lan。 別名はジエビネ 地海老根。常緑広葉樹林に生える。
多年草、高さ(30)40~65cm。根茎は目立たない。偽鱗茎はほぼ円錐形、小さく、直径約1cm、3~4個の鞘がある。葉は3枚つき、開花時に十分に発達せず、落葉性では無い。葉身は倒卵状楕円形~楕円状長方形、長さ13~25cm×幅3~9cm、下面に密に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ3~9cm、普通、長さ6~10cm×直径約2cmの偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、1~2本、長さ18~30cm、密に微軟毛がある。花序軸は長さ6~8cm、緩く、花が6~10個つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ4~7mm、ほぼ無毛。花は褐紫色で、唇弁は白色。小花柄と子房は長さ6~13mm、密に微軟毛がある。萼片は等形、楕円形、わずかに斜め、長さ11~13mm×幅6~7mm、外側の中間より下に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形。花弁は萼片と同色、ほぼ長円形または倒披針形、長さ11~12mm×幅3.5~5mm、無毛、3脈があり、先はわずかに鈍形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、外形が扇形、長さ10~13mm×幅約18mm、3深裂する。側裂片はかま形状倒卵形またはくさび状倒卵形、長さ9~10×幅6~9 mm、中裂より大きく、先は切形状鈍形で、中裂片に向かって内曲する。中裂片は倒卵状くさび形、長さ7~8mm×幅約6mm、先の縁はときに不規則に歯状になり、先は凹形。ディスクは中裂片の葉の中央まで伸びる3個の膜状の三角形の薄板(lamellae)を備える。距は円筒形、長さ5~10mm、外側にはまばらに微軟毛があり、先に向かって漸尖する。ずい柱は長さ約4mm、先で広がり、翼は唇弁の付け根に沿下する。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約0.6 mm。花粉塊はこん棒形、長さ約1.8mm。蒴果は長さ約3㎝の惰円形。花期は4~5月。2n=40。
品種)
春日局(かすがのつぼね) , 峡谷の花(きょうこくのはな) , 黒小町(くろこまち) , 黒真珠(くろしんじゅ) , 黒砂(いさご) , 黒太陽(くろたいよう) , 里子(さとこ) , 紫天皇(してんのう) , 志摩の幻(しまのまぼろし) , 白滝(しらたき) , 大文字(だいもんじ) , 太陽(たいよう) , 武尊(たける) , 茶坊主(ちゃぼうず) , 南蛮(なんばん) , 備中小町(びっちゅうこまち) , 飛緑梅(ひりょくばい) , 紅小町(べにこまち) , 円(まどか) , 山田黒(やまだくろ) , 羅生華(らしょうか) , 良寛(りょうかん) , 涼風(りょうふう) , 龍馬(りょうま) , 渡川の幻(わたりがわのまぼろし) , 'Gold Fairy'
7-1 Calanthe discolor Lindl. var. amamiana (Fukuy.) Masam. アマミエビネ 奄美海老根
synonym Calanthe amamiana Fukuy.
synonym Calanthe aristulifera Rchb.f. var. amamiana (Fukuy.) Hatus.
synonym Calanthe tokunoshimensis Hatus. et Ida トクノシマエビネ 徳之島海老根
synonym Calanthe discolor Lindl. var. tokunoshimensis (Hatus. et Ida)
synonym Calanthe tokunoshimensis f. latilabella (Ida) Hatus.
トクノシマエビネ Calanthe tokunoshimensis Hatus. et Idaを World Flora Online、Kewscienceなどではsynonymとしている。
奄美大島、徳之島に分布する。標高300m以上の常緑広葉樹林下に生える。エビネに似ているが、花が白色~淡紫色。距がやや長い。
多年草、高さ25~50㎝。地上生。根生葉は1~3枚、倒卵状長楕円形、長さ15~25㎝×幅5~9㎝、縦皺がある。花茎は高さ25~50㎝。花序は総状花序、花が多数、均等に垂れ気味につく。花は直径2~3㎝、白色~淡黄白色~ピンク色~淡紫色。萼片と花弁は同色、外側が濃色になる。唇弁は白色~淡ピンク色、扇形、長さ10~13mm×幅15~20㎜、3深裂する。中裂片は長円形~倒卵状くさび形、裂片先が浅く凹み、微突がある。ディスクは中裂片の葉の中央まで伸びる3個の膜状の薄板(lamellae)がある。距は長さが7~13㎜。2n=40, 60。花期は(2)3~4月。
品種) 奄美の春 , 奄美の輝き , 'Kuro Suzume' 黒雀
7-2 Calanthe discolor Lindl. f. rosea (Hatus.) Honda アカエビネ 赤海老根
7-3 Calanthe discolor Lindl. f. rufoaurantiaca (Iwata) Honda ダイダイエビネ 橙海老根
7-4 Calanthe discolor Lindl. f. trilabellata F.Maek. キヌタエビネ 砧海老根
7-5 Calanthe discolor Lindl. f. tyo-harae (Makino) Honda アカクラエビネ 赤倉海老根
7-6 Calanthe discolor Lindl. f. viridialba (Maxim.) Honda ヤブエビネ 藪海老根
7-7 Calanthe discolor Lindl. var. divaricatipetala Ida ハノジエビネ 八の字海老根
7-8 Calanthe discolor Lindl. var. kanashiroi Fukuy. カツウダケエビネ 嘉津宇岳海老根
synonym Calanthe discolor Lindl. f. kanashiroi (Fukuy.) K.Nakaj.
8 Calanthe graciliflora Hayata ホソバナエビネ 細花海老根
中国、台湾原産。中国名は钩距虾脊兰 gou ju xia ji lan 。
9 Calanthe hattorii Schltr. アサヒエビネ 旭海老根
小笠原諸島固有種。兄島、父島に自生する。英名はHattori's Calanthe。和名は父島の旭山に因む。
多年草、高さ50~100cm。茎は中程度に太く、毛がある。葉は長い葉柄があり、葉身は楕円状披針形、長さ20~50㎝、基部は狭くなり、先は尖鋭形、扇だたみになる(plicate)。葉腋から花茎を出し、花序柄は長さ15~50㎝、細かい毛がある。花序軸は長さ41㎝以下、緩く、花が10~15個つく。鞘状の花序の苞は卵状披針形、先が尖鋭形。花の苞は披針形、先が鋭形、直立して広がる。花は黄色。花期は8~9月。
10 Calanthe izuinsularis (Satomi) Ohwi et Satomi オオキリシマエビネ 大霧島海老根
Calanthe izu-insularis (Satomi) Ohwi & Satomi 伊豆諸島固有種。高津島、御蔵島、新島に分布し、常緑広葉樹林の湿った場所に生え、芳香が強い。別名はニオイエビネ。現在では自生はほとんど見られない。エビネとオオキリシマエビネの自然交雑種はコオズエビネ(Calanthe x Kozu)と呼ばれる。多数の園芸品種がある。
多年草、高さ30~60㎝。偽鱗茎は丸みを帯びた鎖状、ほとんど分岐しない根を多数つける。葉は2または3枚、根生し、長円状楕円形~長円状倒卵形、長さ15~35㎝×幅7~15㎝、先は鋭形、強い光沢があり、扇だたみになる。花茎は長さ30~60㎝、葉が完全に成熟する前に発達し、毛があり、緩く、花を5~30個またはそれ以上つける。花は直径2~4㎝。萼片と花弁は広がり、同色、約・長さ2㎝×幅1㎝、先は短い尖鋭形、普通、薄紫色~ラベンダー色。唇弁は白色、3裂し、側裂片は大きく、中裂片は三角形、先が浅く凹形、うねが3本あり、基部が淡黄色。ずい柱は白色。距は長い。花は強い芳香がある。花期は4~5月。
品種) 貴陽(きよう) , 紫王(しおう) , 静(しずか) , 自然の香り(しぜんのかおり) , 島の輝(しまのかがやき) , 島の羽衣 ,島の妖精 , 青海(せいかい) , 南国の虹(なんごくのにじ) , ニオイ(無名)(におい) , 御蔵紺青香 , 御蔵白鳳(みくらはくほう) , 御蔵誉(ミクラホマレ)御蔵美水(みくらびすい) , 'Mikura Otome'
11 Calanthe judithiae P.J.Cribb
インドネシアのスラウェシ島原産。地上生。 葉は5~6個つき、類直立、線状披針形、尖鋭形、ひだがあり、緑色に銀色の縞がある。花茎は直立し、長さ40~60㎝、花序は花序軸が長さ4~10㎝、花が5~12個つく。C triplicataに酷似するが、葉に銀色の縞があり、花がクリーム白色、唇弁の側裂片が小さく、中裂片が大きく、距がS形。C. millikenii は葉に銀色の縞があるが、唇弁の側裂片が大きく、距が棍棒形で真っすぐ。
品種) 'Lydia Ruth'
12 Calanthe mannii Hook.f. サクラジマエビネ 桜島海老根
synonym Calanthe oblanceolata Ohwi et T.Koyama
synonym Alismorkis mannii (J. D. Hooker) Kuntze synonym Calanthe brachychila Gagnepain 日本(鹿児島)、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール、ベトナム原産。中国名は细花虾脊兰 xi hua xia ji lan。
日本産のものは萼片と花弁が緑色。唇弁が黄色。ずい柱が白色。花期は5~7月。
多年草、高さ30~45cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は円錐形線、ca。直径1cm、2つまたは3つの鞘付き。葉3-5、開花時に十分に発達しておらず、落葉性では無い。葉身は倒披針形または長円形、18~35㎝×3~4.5㎝、扇だたみ(plicate)で、下面は微軟毛があり、基部はほぼ無柄または葉柄のような柄に漸尖し、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ5~10㎝、普通、長さ5~7㎝の偽茎を形成する。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ51㎝以下、密に微軟毛がある。花序軸は長さ4~10㎝、花が10個またはそれ以上つく。花の苞は宿存性、披針形、長さ2~4mm、無毛。花は小さく、暗褐色、黄金色の唇弁がある。小花柄と子房は長さ5~7mm、密に微軟毛がある。各萼片は似ていて、卵状披針形または長円形、凹面形、長さ7~9mm×幅2.5~4.5mm、下面に密に微軟毛がある、3~5脈があり、先は鋭形。側萼片は±斜め。花弁は倒卵形披針形または長円形、長さ6~7mm×幅1.2~2mm、無毛、1~3脈があり、先は鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、長さ3~4.5mm×幅2.5~3mm、3裂する。側裂片は卵形、斜め、長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm、先は鈍形状円形。中裂片は横向きの長円形またはほぼ腎形、長さ1.5~2mm×幅2.5~3mm、縁はわずかに波打ち、先は凹形、切れ込みに微突がある。ディスクには3個の薄板(lamellae)またはうねがある。薄板は唇弁の基部から中裂片の先端まで伸び、中裂片の半月状の膨れまで広がる。距は真っすぐ、長さ1~3mm×幅約1mm、外側は微軟毛がある。ずい柱は白色、長さ約3mm、先で広がり、腹側に微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は小さく、2裂する。花粉塊は狭卵形で、大きさがほぼ等しく、長さ約0.8mm。粘着体(viscidium)はほぼ円形、小さい。花期は5月[日本:5~7月]。2n=40。
13 Calanthe masuca (D.Don) Lindl. オナガエビネ 尾長海老根
synonym Calanthe textorii Miq.
synonym Calanthe sylvatica auct. non (Thouars) Lindl.
synonym Calanthe textorii Miq. var. longicalcarata (Hayata ex Yamam.)Garay et H.R.Sweet
synonym Calanthe longicalcarata Hayata ex Yamam.
日本(宮崎県、沖縄、奄美大島、徳之島、屋久島)、中国、台湾、アッサム、ボルネオ、東ヒマラヤ、インド、ジャワ、ラオス、レッサースンダ諸島、マダガスカル、マラヤ、ミャンマー、ネパール、スリランカ、スラウェシ、スマトラ、タイ、チベット、ベトナム原産。中国名は长距虾脊兰 chang ju xia ji lan。林内、渓谷沿い、川沿いの湿った場所に生える。
World Flora OnlineではCalanthe sylvaticaのsynonymとしている。
多年草、高さ80cm以下、明瞭な根茎は無い。偽鱗茎は円錐形、長さ1~2㎝×幅約1㎝。葉は3~6枚つき、よく発達し、開花時に広がり、落葉性では無い。葉身は楕円形~倒卵形、長さ20~40㎝×幅約10.5㎝、下面にまばらに毛があり、先は鋭形または尖鋭形。葉柄のような基部は長さ11~23㎝。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ45~75㎝、丈夫、中間の下に2個の筒状の鞘をもつ。花序軸は緩く、花が多数つく。花の苞は宿存性、披針形、長さ10~18mm、密に微軟毛がある。花は淡ピンク紫色、唇弁は紫色、ときにオレンジ色に染まる。小花柄と子房は長さ約35mm、密に微軟毛がある。背萼片は楕円形、長さ18~23mm×幅6~10mm、外面にまばらに微軟毛があり、5~7脈があり、先は鋭形。側咢片は長円形、長さ20~28mm×幅6~9mm、外面にまばらに微軟毛があり、5~7脈があり、先は鋭形で短い尾状。花弁は倒卵形または広長円形、長さ15~20mm×幅9~12mm、5脈があり、先は鈍形またはほぼ鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、長さ11~17mm×幅6~14mm、3裂する。側裂片はかま形状披針形、長さ約5mm×幅1.5~2mm、先に向かって漸尖する。中裂片は扇形または腎形、幅10~14mm、基部に短い爪部があり、先は凹形または浅く2裂する。ディスクは基部に3列の小さな黄色のとさかのある疣がある。距は円筒形、長さ25~50mm、外側はまばらに微軟毛があり、先は鈍形。ずい柱は長さ約5㎜、先で広がり、ほぼ無毛。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約0.7mm。花粉塊は狭倒卵形、同サイズで、長さ約2mm。粘着体(viscidium)はほぼ長円形、小さい。花期は4~9月。2n=20, 40, 42, 52。
13-1 Calanthe masuca (D.Don) Lindl. f. albiflora (Ida) Nackej. シロバナオナガエビネ 白花尾長海老根
白花品種。
14 Calanthe nipponica Makino キンセイラン 金精蘭
synonym Calanthe trulliformis King & Pantling var. hastata Finet.
日本(北海道、本州、四国、九州の宮崎県)、中国原産。中国名は戟形虾脊兰 ji xing xia ji lan 。林内に生える。
多年草、高さ25~38cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は非常に小さく、3~4個の鞘がある。葉は4枚つき、十分に発達し、開花時に広がり、落葉性ではなく、ほぼ無柄。葉身は狭披針形または狭楕円形、長さ12~16㎝×幅1.5~2㎝、先は尖鋭形。花茎は葉腋から生じ、直立し、長さ24~34㎝、微軟毛がある。花序軸は長さ 6~12㎝、緩く、花が3~7個つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ13~15㎜、下面にわずかに微軟毛がある。花はうなずき、淡黄色と緑色。小花柄と子房は長さ15~20㎜、密に微軟毛がある。背萼片は楕円状披針形、約・長さ14㎜×幅5㎜、下面に微軟毛があり、5脈があり、先は尖鋭形。側萼片は卵状披針形、斜めで、約・長さ14㎜×幅4.5㎜、下面に微軟毛があり、5脈があり、先は尖鋭形。花弁は線形、約・長さ12㎜×幅2㎜、無毛、3脈があり、先は尖鋭形。唇弁はずい柱の翼の全長につき、黄色、基部は橙褐色、ほぼ卵状三角形、3裂する。側裂片は卵形、約・長さ5.5mm×幅4mm、それらの先で幅約8㎜、先は鈍形。中裂片はほぼ長円形、約・長さ6㎜×幅4.5mm、先は鋭形。ディスクは3本の薄板(lamellae)をもち、中央の薄板はほぼ中裂の先端まで伸びる。距は円筒形、長さ4~5㎜、外側に微軟毛があり、先は鈍形。ずい柱は長さ約5㎜、太く、先に向かって広がる。嘴状体(rostellum)は2裂し、裂片は長さ約1.2㎜。花粉塊は狭倒卵形、長さ約14㎜。粘着体(viscidium)はほぼ円形。花期は6月。2n= 38、40。
15 Calanthe puberula Lindl. ナツエビネ(広義) 夏海老根
synonym Calanthe reflexa Maxim.
日本、中国、インド、ブータン、ネパール、ベトナム原産。中国名は镰萼虾脊兰 lian e xia ji lan 。常緑広葉樹林に生える。
多年草、高さ25~60㎝。根茎は普通、目立たない。偽鱗茎は狭円筒形、約・長さ2㎝×幅1.5㎝、葉鞘に包まれる。葉は4または5枚つき、根生し、開花時によく発達し、落葉性では無い。葉身は楕円形または楕円状長円形、長さ12~22㎝×幅5~7㎝、無毛または下面の脈に沿ってまばらに微軟毛があり、5本の主脈があり、先は鋭形または尖鋭形。葉柄のような基部は長さ13㎝以下。花茎は1~2本、偽鱗茎の先近くから生じ、直立し、長さ23~40㎝、細く、数個の披針形の不稔の苞がある。花序軸は長さ 6~14㎝、緩く、花が4~10個つく。花の苞は宿存性、披針形、長さ13~20㎜、下面は微軟毛があり、先は長い尖鋭形。花はピンク色。小花柄と子房は長さ15~20㎜、密に微軟毛がある。萼片は等形、卵状披針形、長さ11~16(~20)㎜×幅約5㎜、外側は微軟毛があり、5脈があり、先は尖頭形。側萼片は斜め。花弁は線形、長さ11~13㎜×幅1~2(~3)㎜、1~3脈があり、先は尖鋭形。唇弁はずい柱の翼の基部につき、長さ11~13㎜×幅6~11㎜、距は無く、3裂する。側裂片は長円状かま形、先で幅7~9㎜、縁は全縁、先は鈍形。中裂片は菱状楕円形~卵状くさび形、先の縁は不規則に歯があるかまたは房飾りがあり、先は鋭形。ディスクは薄板(lamellae)またはカルス(calli)が無い。ずい柱は長さ約6㎜、無毛。嘴状体(rostellum)は3裂する。葯帽は狭卵状心形、長さ約4㎜。花粉塊はこん棒形、長さ約2㎜、花粉塊柄(caudicle)は明瞭。粘着体(viscidium)は線形、長さ約1㎜。花期は6~8月。2n=40 , 40+1B, 42。
15-1 Calanthe puberula Lindl. var. reflexa (Maxim.) M.Hiroe ナツエビネ
北海道(奥尻島)、本州、四国、九州、朝鮮半島南部、台湾、中国東部~ヒマラヤに分布する。
15-2 Calanthe puberula Lindl. var. okushirensis (Miyabe et Tatew.) M.Hiroe オクシリエビネ 奥尻海老根
synonym Calanthe reflexa Maxim. var. okushirensis (Miyabe et Tatew.) Ohwi
北海道(奥尻島)、青森県、千葉県、和歌山県、長崎県、熊本県に分布する。
オクシリエビネは葉下面の全面に毛(微小突起状)があることで、ナツエビネから区別される。この微小突起は単細胞からなる錐状の突起で、細長い形状のものや、突起下部が太く棘状になるものもあり、脱落・欠損しやすく、標本で長期的に保存されるものではない。
16 Calanthe rosea (Lindl.) Benth.
ミャンマー、タイ原産。英名はpink calanthe
落葉多年草、地上生、叢生、紡錘形の長さ6~8㎝又はそれ以上の偽鱗茎をもち、先に長楕円形の葉をつける。葉は長さ約30㎝以下。葉の落ちた後の冬に、偽鱗茎の基部から生じる、長さ40~70㎝の花茎に総状花序をつける。花は10~30個つき、直径5~7㎝、咢片と花弁は似ていて、ピンク色。唇弁は平らで、より濃いピンク色、のど部は白色。花は1~2か月続く。
品種) 'Alba' , 'Bougainville Rose'
17 Calanthe striata R.Br. ex Lindl. キエビネ 黄海老根
synonym Calanthe striata R.Br. f. sieboldii (Decne. ex Regel) Ohwi
synonym Calanthe sieboldii Decne. ex Regel [Flora of China]
synonym Calanthe discolor Lindl. f. sieboldii (Decne. ex Regel) Ohwi ex W.T.Lee
synonym Calanthe discolor Lindl. var. flava Yatabe
synonym Calanthe striata R.Br. var. sieboldii (Decne. ex Regel) Maxim.
synonym Calanthe citrina Scheidw.
synonym Calanthe bicolor Lindl.
日本(本州の紀伊半島以南、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は大黄花虾脊兰 da huang hua xia ji lan 。英名はSiebold's hardy calanthe orchid , Siebold's hardy orchid
多年草、高さ30~55㎝。根茎は長く、太い。偽鱗茎は小さく(長さ2~2.5㎝×幅2~2.5㎝)、5~7個の鞘をもつ。葉は2~3枚つき、花時によく発達し、落葉しない。葉身は広楕円形、長さ20~60㎝×幅7~15㎝、先は鋭形又は微突形。基部は葉柄状になり、6~18㎝、偽茎は長さ4~14㎝×直径約1.5㎝。花茎は長さ40~50㎝、まばらに微軟毛がある。花序軸は長さ6~15㎝、緩く~ほぼ密に、花が6~13個つく。花の苞は宿存性、緑色、披針形、膜質、長さ10~15㎜、無毛、先は尖鋭形。花は明るい黄色、大きく、幅5.5~6.5㎝、わずかに肉質、芳香があるものもある。花柄及び子房は長さ10~15(20)㎜、まばらに微軟毛がある。背咢片は楕円形、長さ22~30㎜×幅10~15㎜、先は鋭形。側咢片は卵状長楕円形、斜め、長さ18~28㎜×幅8~14㎜、先は鋭形。花弁は狭楕円形、長さ19~24㎜×幅7~9.5㎜、基部は狭く、先は鋭形。唇弁はカラムの翼の長さ全体につき、水平に広がり、黄色、基部がまだらの赤色で、深く3裂する。側裂片は卵形又は鎌状倒卵形、斜め、長さ10~15㎜×幅5~8㎜、先は鈍状円形。中裂片は楕円形に近く、長さ9~13㎜×幅5~9㎜、先は微突形。中裂片のディスクには基部に5うねと2列の白色の短毛をもち、側2うねは肉質、中央の3うねは中裂片のほとんど先まで広がり、距は長さ約8㎜、内側には微軟毛がある。カラムは長さ約5㎜、太く、小嘴状に2裂し、花粉塊は短い花粉塊柄をもち、楕円形の粘着体につく。花期は(2~)4~5月。 2n = 40。 品種) 王冠(おうかん) , 黃福(こうふく) , 福姫(ふくひめ) , Kawakamii Group , 'Wossen'
18 Calanthe sylvatica (Thouars) Lindley
アフリカ、マダガスカル原産。河川、小川または湿地帯の近くの常緑樹林の深い日陰に生える。紫色の美しい花をつける。
多年草、高さ65cm以下、地上生、大型で直立する。偽鱗茎は直立またはほぼ直立、円筒状円錐形、4~5節があり、長さ2~5cm×直径1.2cm以下、葉が腐った後にだけ明瞭になる。葉は3~5枚、ほとんどがロゼット状につき、ほぼ直立または広がり、披針形~楕円状長円形、鋭形または尖鋭形、長さ15~45cm×幅5~13cm、上面は光沢があり、暗緑色、下面は±毛がある。葉柄は溝があり、長さ4~25cm。花序は直立し、花が少数~多数つき、長さ60cm以下またはそれ以上。花序柄は丈夫、毛がある。花序軸は毛がある。苞は披針形、鋭形または尖鋭形、ほぼ直立~半曲し、長さ1~3cm。花は大きく、派手で、白色~バラ紫色、唇弁は濃色。カルスは白色~橙色。ずい柱は白色。背萼片は披針形~狭楕円形または長円状楕円形、鋭形、長さ1.3~3.5cm×幅0.4~1.2cm。側萼片は似ているが斜め。花弁は楕円形~倒披針形、鋭形または鈍形、長さ1~3cm。唇弁は3裂、ずい柱に基部でつき、長さ1.2~2.5cm×幅0.8~2cm、基部に距がある。側裂片は±耳があり、長さ0.5~7cm。中裂片ははるかに大きく、扇形~倒卵形、先は凹形。カルスはいぼ状 、3うねがあり、中央のうねが最もい。カルスは肉質、長さ3~7mm。距は垂れ下がり、S字形または内曲し、長さ1~4cm。花期は1~3月。
19 Calanthe tokunoshimensis Hatus. et Ida トクノシマエビネ 徳之島海老根
synonym Calanthe discolor var. amamiana (Fukuy.) Masam. synonym Calanthe aristulifera H. G. Reichenbach Hatus.
First published in Sci. Rep. Kanazawa Univ., Biol. 9: 136 (1964) World Flora Online、Kewscienceなどでは独立種と認めず、アマミエビネ Calanthe discolor var. amamianaに含めている。 鹿児島徳之島固有種。照葉樹林内の湿った場所に生える。エビネ(C. discolor)に似るが、全体に大型、葉は長さ30~40㎝×幅8~10㎝、唇弁が比較的に小さく、縦の薄板(lamellae)が目立たない。絶滅危惧IB類EN33に指定されている。
常緑性多年草、高さ30~60㎝。葉は立性で越年しても横伏せず、やや肉厚、倒卵状楕円形、柄を含めて、長さ30~40㎝×幅8~10㎝。花茎はより太くて長く30~60cm、総状花序に花が10~25個、やや斜上気味につく。花も平均的に大きい。萼片と花弁はほぼ平開し、同色で、普通、紫褐色。唇弁は白色で、裂片は比較的幅が狭い。ずい柱がよく発達し、芳香を放つ。花期は3~4月。
20 Calanthe tricarinata Lindl. サルメンエビネ 猿面海老根
synonym Calanthe tricarinata Lindl. var. torifera (Schltr.) F.Maek.
日本(北海道、千葉県・愛知県・大阪府を除く本州、四国、九州)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、カシミール原産。中国名は三棱虾脊兰 san leng xia ji lan。ブナ林などの深山の落葉樹林下、草が茂った斜面などに生える。
多年草、高さ35~50cm。根茎は目立たない。偽鱗茎は球形、直径約2㎝、3個の鞘がある。葉は3~4枚、根生し、開花時に十分に発達せず、落葉性ではない。葉身は楕円形または倒卵状披針形、長さ20~30㎝×幅5~11㎝、下面に密に微軟毛があり、縁が波打ち、先は鋭形または尖鋭形。葉柄のような基部は鞘になり、長さ4~15cm、直径1~2.5cmの丈夫な偽茎を形成する。鞘は大きく、先は鈍形、最も下部の鞘は長さ約2㎝、上部の鞘は長くなる。花茎は葉腋に生じ、直立し、長さ60㎝以下、直径1.5㎝以下、丈夫で、微軟毛があり、数個~多数の卵状披針形の無捻の苞がつく。花序軸は長さ3~20㎝、緩く、花が少数~多数つく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ5~10㎜、膜質、無毛。花は淡黄色で、唇弁は赤褐色。小花柄と子房は長さ10~20㎜、微軟毛がある。萼片は等長で、長円形、長さ16~18㎜×幅5~8㎜、外側の基部にまばらに微軟毛があり、5~8脈があり、先は尖鋭形。花弁は卵状披針形、長さ11~15㎜×幅3~5㎜、3脈があり、先は鋭形またはほぼ鈍形。唇弁はずい柱の翼の基部につき、赤褐色、長さ10~16㎜×幅7~5㎜、距は無く、3裂する。側裂片は耳があり、またはほぼ耳があり、小さく、長さ約4㎜×幅4~5㎜。中裂片は腎形、長さ8~10㎜×幅10~15㎜、縁は強く波打ち、先は凹形、切れ込みで微突形。ディスクは3~5個のとさか状の薄板(lamellae)をもつ。ずい柱は長さ約6㎜、太く、腹側にまばらに微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は2裂する。葯の帽子は嘴がある。花粉塊は狭く卵形-球状、長さ約2㎜、花粉塊柄(caudicle)は明瞭。粘着体(viscidium)は楕円形、小さく、長さ約1㎜。花期は5~6月。2n=40, 42, 60。
21 Calanthe triplicata (Willem.) Ames ツルラン 鶴蘭
synonym Calanthe furcata Batem. ex Lindl.
synonym Calanthe hoshii S.Kobay.
synonym Calanthe veratrifolia R.Br. ex Ker Gawl.
日本(九州南部、沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、スリランカ、カンボジア、ラオス、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、マダガスカル、太平洋諸島原産。中国名は三褶虾脊兰 san zhe xia ji lan 。常緑広葉樹林に生える。
多年草。高さ40~100㎝。根茎は目立たない。偽鱗茎は卵状円筒形、長さ1~3㎝×幅1~2㎝、2~3個の鞘がある。葉は3~4枚つき、落葉性ではなく、開花時によく発達して広がる。葉身は楕円形または楕円状披針形、長さ20~60㎝×幅5~12㎝、無毛またはときに、下面に微軟毛があり、先は鋭形。葉柄のような基部は長さ10~18㎝。花茎は葉腋から生じ、直立し、長さ30~70㎝、微軟毛がある。花序軸は長さ5~20㎝、密に多数の花がつく。花の苞は宿存性、卵状披針形、長さ10~20㎜、微軟毛があるかまたはときにほとんど無毛になる。花は白色、ときに紫赤色になり、後に橙色に変わり、乾燥すると黒色になる。小花柄と子房は長さ30~40㎜、微軟毛がある。背萼片は後ろに反り返り、ほぼ楕円形、長さ10~12㎜×幅4.5~5.5㎜、外側に微軟毛があり、5脈があり、先は鋭形または短突起がある。側萼片は反り返り、倒卵状披針形、わずかに斜め、長さ10~13㎜×5~6㎜、外側に微軟毛があり、5脈がある。花弁は反り返り、倒卵状披針形、長さ8~10㎜×幅3~4.5㎜、外側に微軟毛があり、3脈があり、基部に爪部がある。唇弁はずい柱の翼の全長に付着し、長さ12~18㎜×幅約14㎜、3深裂する。側裂片は長円形~狭倒卵状くさび形形、約・長さ7㎜×幅3㎜、先は鈍形。中裂片は深く切れ込み、2小裂片があり、切れ込みの中に短い短突起がある。小裂片は散開し、線状長円形、側裂片の大きさほぼ同じで、幅約3mm。ディスクは3~4列の小さな金色または橙赤色の疣状のカルス( calli)が基部につく。距は真っ直ぐ、白色、円筒形、長さ(6~)12~15㎜、細く、外側はまばらに微軟毛があり、先が鈍形。ずい柱は長さ約5㎜、先が広がり、まばらに微軟毛がある。嘴状体(rostellum)は2裂する。裂片はほぼ長円形、長さ約2㎜、先は類切形。花粉塊はこん棒形、大きさは等しく無く、長さ2~4㎜、花粉塊柄(caudicle)は明瞭。粘着体(viscidium)はほぼ楕円形、小さい。花期は4~5月。2n=18, 20, 40, 42。
品種) 'Angraeciflora' , あかてんつるらん(赤鮎鶴蘭)
22 Calanthe vestita Wall. ex Lindl.
ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア原産。
地上生、落葉性、偽鱗茎が目立つ。花茎は長さ約60㎝、花はツルランに似る。唇弁は白色で、中心に紅色の班紋がある。花期は冬~春。
品種) 'Gigantea' , 'Nivalis' , 'Norman' , 'Oculata-rubra' , 'Rubro-oculata'
23 ハイブリッド
(1) Calanthe x dominyi Lindl. リュウキュウエビネ 琉球海老根
synonym Calanthe x matsumurana Schltr
synonym Calanthe x okinawensis Hayata
日本(九州、屋久島、種子島~沖縄)、台湾原産
オナガエビネ(Calanthe masuca) とツルラン(Calanthe triplicata)の自然交雑種。
園芸品種が作り出されている。
(2) Calanthe x kibanakirishima F.Maek. キバナキリシマエビネ 黄花霧島海老根
キエビネ(C. sieboldii)とキリシマエビネ(C. aristulifera)との自然交雑種と考えられていたが、これを否定する報告が出された。(2014 Korea )。
(3) Calanthe x oodaruma F.Maek. オオダルマエビネ 大達磨海老根
ダルマエビネ(Calanthe alismifolia )とツルラン(Calanthe triplicata)の自然交雑種
(4) Calanthe discolor Lindl. x C. striata R.Br. タカネエビネ 高嶺海老根(大海老根)
synonym Calanthe discolor Lindl. var. bicolor sensu Makino
synonym Calanthe bicolor auct. non Lindl.
synonym Calanthe 'Takane'=Takane gx タカネ 高嶺
エビネとキエビネの自然交雑種。
品種) 王扇(おうせん) , 家宝(かほう , 紅麗(こうれい) , 静紅(しずべに) , 赤峰(せきほう) , 天竜(てんりゅう) , 日輪(にちりん) , 飛翔(ひしょう) , 恵(めぐみ) , 邪馬の清華(やまのせいか) , 緑光冠(りょっこうかん)
(5) Calanthe x Ishizuchi (shizuchi gx) イシズチ 石鎚 (エビネとサルメンエビネとの交雑種)
品種) 天朝(てんちょう) , 緑神
(6) Calanthe x Kozu (Kozu gx) コオズ 郡戸 (エビネとニオイエビネとの交雑種)
品種) 青空(あおぞら) , 東紫宝(あずましほう) , 天の川(あまのかわ) , 綾紫(あやむらさき) , 伊豆の太陽(いずのたいよう) , うすずみ(うすずみ) , 浦島明秀の園) , 栄西(えいさい) , 江戸紫(えどむらさき) , 鶯宿梅(おうしゅくばい) , 大紫(おおむらさき) , 織女(おりめ) , 鶴粋香(かくすいこう) , かわせみ(かわせみ) , 希粋星(きすいせい) , 希水宝(きすいほう) , 黄富士(きふじ) , 御衣香(ぎょいこう) , 京香(きょうか) , 巨峰(きょほう) , 金星香(きんせいこう) , 公達(きんだち) , 幻影(げんえい) , 紅輝(こうき) ,紅貴の妃 , 紅玉宝(こうぎょくほう) , 暁星 , 紅宝(こうほう) , 紅蓮 , 黄金錦 , 香玉(ころ) , 国宝(こくほう) , 紫雲香(しうんこう) , 紫宴 , 紫幻想(しげんそう) , 紫水香(しすいこう) , 紫聖(しせい) , 紫峰香(しほうこう) , 紫宝閣(しほうかく) , 島葵(しまあおい) , 島雨情(しまうじょう) , 島乙女(しまおとめ) , 島紫香(しましこう) , 島の鶯 , 島の織姫 , 島のかおり(しまのかおり) , 島の鳳凰 , 島の灯影(しまのほかげ) , 島武蔵(しまむさし) , 心香(しんか) , 神秘(しんぴ) , 粋天紫(すいてんむらさき) , 聖香(せいか) , 青香(せいか) , 青海 , 清心(せいしん) , 青墨(せいぼく) , 赤澪(せきれい) , 青帝 , 蒼天 , 染香(そめか) , 大閣(たいこう) , 大紫香(だいしこう) , 大紫泉(だいしせん) , 大納言(だいなごん) , 旅香路(たびこうろ) , 端午(たんご) , 茶香姫(ちゃこひめ) , 千代姫 , 天紫香(てんしこう) , 天新(てんしん) , 桃仙香(とうせんこう) , 南海の瞳(なんかいのひとみ) , 日南の星(にちなんのほし) , 日光(にっこう) , 梅香(ばいこう) , 白雲香(はくうんこう) , 白梅香(はくばいこう) , 白眉香(はくびこう) , ピンク(ぴんく) , 風雅(ふうが) , 富岳 , 文楽(ぶんらく) , 紅桜 , 紅紫鳳(べにしほう) , 紅富士(べにふじ) , 豊光(とよひかり) , 宝珠(ほうじゅ) , 訪春香(ほうしゅんこう) , 墨水(ぼくすい) , 墨酔(ぼくすい) , 真澄(ますみ) , 満天の瞳 , 万葉香(まんようこう) , 御蔵(みくら) , 御蔵黄梅(みくらおうばい) , 御蔵仁王(みくらにおう) , 瑞穂(みずほ) , 大和紅(やまとべに) , 幽玄(ゆうげん) , 夕富士(ゆうふじ) , 夢紫舞(ゆめしまい) , 利吉桜 , りつこの輝(りつこのかがやき) , 緑王(りょくおう) , 緑白香(りょくはくこう) , 緑宝(りょくほう) , ワイン(わいん) , 'Brown' , 'Orange' , 'Purple' , red-flowered
(7) Calanthe x Satsuma (Satsuma gx) 薩摩 サツマ(キリシマエビネとキエビネとエビネとの雑種)
品種) 王妃(おうひ) , 織姫(おりひめ) , 火炎梅(かえんばい) , 金閣宝(きんかくほう) , 幸乃鳥(こうのとり) , 光琳(こうりん) , 鼓童(こどう) , 紫雲麗(しうんれい) , 紫晃(しこう) , 東雲(しののめ) , 寿峰(じゅほう) , 昇炎(しょうえん) , 白熊(しろくま) , 白鳩(しろばと) , 白無垢(しろむく) , 神紫光(しんしこう) , 神寿(しんじゅ) , 神童(しんどう) , 玉錦(たまにしき) , 千歳姫(ちとせひめ)' , 天寿(てんじゅ) , 天馬(てんま) , 富の夕映(とみのゆうばえ) , 南州梅(なんしゅうばい) , 梅寿(ばいじゅ) , 梅弁星(ばいべんぼし) , 春の赤(はるのあか) , 卑弥呼(ひみこ) , 日向の茜(ひゅうがのあかね) , 富士誉 , 幻の金鳥(まぼろしのきんちょう) , 紫頭巾(むらさきずきん) , 友禅(ゆうぜん
(8) Calanthe x Higo (Higo gx) ヒゴ肥後 (キエビネとキリシマエビネとの交雑種)
品種) 彗星(すいせい) , 天照(てんしょう) ,
(9) Calanthe x Hizen (Hizen gx) ヒゼン 肥前(エビネとキリシマエビネとの交雑種)
品種) 春日(かすが) , 桔梗の姫(ききょうのひめ) , 紺竜(こんりゅう) , 静紅(しずかべに) , 翠紅(すいこう) , 情炎(じょうえん) , 白妙(しらたえ) , 千羽鶴(せんばづる) , 鳳凰(ほうおう) , 真光(まひかり) , みかど , 岬の花(みさきのはな) , 優希姫(ゆうきひめ) , 緑仙紅(りょくせんこう)
(10) その他ハイブリッド(分類不明も含む)
品種) Anagawa gx (discolor×Kozu) , Angela gx(Chapmanii × Sedenii ) , Aurora gx(Calanthe vestita×Calanthe rosea) , Avranches gx 'Fliquet Tower' , Baron Schroder gx , Baron Schroder gx × Sedenii gx , Baron Schroder gx × Sedenii gx 'Harrisii' , Beauport gx 'Gorey' , Beauport gx 'Trinity' , Bel Val gx 'Saint Helier' , Bel Val gx 'Trinity' , Beresford gx 'Le Don le Brocq' , Bicolor gx (discolor×sieboldii) , Branchii gx , Brandywine gx 'Mont Millais' , Brandywine gx 'Trinity' , Brunton gx 'Margaret Cookson' , Bryan gx 'William Murray' , Chapmanii gx , Corbiere gx × Diana gx , Dellensis gx , Diana Broughton gx , Dominii gx , 'Dottie' , Five Oaks gx 'Grouville' , Five Oaks gx 'Jersey' , Five Oaks gx 'Mont Millais' , Five Oaks gx 'Saint Helier' , Five Oaks gx 'Saint Martin' , Five Oaks gx 'Saint Sanow' , Five Oaks gx 'Saint Saviour' , Florence gx , Fuji gx(Satsuma × Kozu) , George gx , Gerald gx 'Darkie' , Gigas gx , 'Green Lipstics' , Grouville 6 Dy gx , Grouville gx 'Mont Millais' , Grouville gx 'Trinity' , Grouville H gx , Hallii gx , Harryana gx , Havres des Pas gx 'Le Vier Fort' , Hayato gxハヤト(Hizen × Satsuma) , Hexham Gem gx 'Phyllis' , Hexham Gem gx 'The Abbey' , Hexham Lad gx 'Carmine' , Inage gx (izu-insularis×Kozu) , Kasuga gx (izu-insularis×Bicolor) , 'Kojima Green' , 'Kojima Pink' , 'Kojima Purple' , 'Kojima Red' , 'Kojima White' , 'Kojima Yellow' , Kokubu gx (discolor×Higo) , Kuzo gx , Miyuki gx (Higo×Kozu) , Mont Cochon gx 'Saint Mary' , Mont Mado gx , Mont Mado gx 'Archirondel Tower' , Mont Mado gx 'Saint Mary' , Mont Nicholle gx 'Saint Saviour' , Mont Perrine gx 'Saint Saviour' , Mont Pinel gx 'Saint Peter' , Mont Pinel gx 'Trinity' , Mont Pretre gx 'Saint Brelade' , Mont Pretre gx 'Saint Peter' , Mont Ube gx 'Saint Martin' , 'Murray' , Norman gx , 'Pink Lipstics' , Porphyrea gx , Portelet gx , Portelet gx 'Saint Brelade' , 'Regnierii'あんなんえびね(安南海老秩) , Revertens gx , Rozel gx 'Trinity' , Ruby gx , Ruby gx 'Gigantea' , 'Saint Aubin Gorey' , Saint Aubin 'PWT' , 'Saint Aubin Trinity' , Saint Brelade gx 'Trinity' , Sedenii 'Betty' , Sedenii gx , Sedenii gx 'Alexanderi' , Sedenii gx 'Bella' , Sedenii gx 'Burfordiense' , Sedenii gx 'Hallii' , Sedenii gx 'Hansii' , Sedenii gx 'Harold' , Sedenii gx 'Harrisii' , Sedenii gx 'Mylesii' , Sedenii gx 'Sanguinaria' , Shimoda gxシモダ , Shimousa gx(discolor × Satsuma) , Stella gx , Takane gx × yueana , Tomisu gx(Hizen × Kozu) , Tosa gx トサ 土佐(aristulifera × tricarinata), Triumphans gx , Veitchii gx おとめえびね(乙女海老根) , Veitchii gx 'Alba' , Veitchii gx 'Sandhurstiana' , Veitchii gx 'Splendens' , Veitchii gx 'Superba' , Victoria Regina gx , Warden gx 'Ruby' , 'White Lipstics' , William Murray gx , Wylam gx 'Roses Bower' , Wylam gx 'Snowdrift' , 'Yellow Lipstics' , アワチドリ 'ジパング'、アワチドリ '白饅頭' , 大白鳥(だいはくちょう) , 庵珍(あんちん) , 美鈴(みすず) , '山田黒(やまだぐろ)' , 関の白梅(せきのしらうめ) , 大草原(だいそうげん) , 八筈の蝶(やはずのちょう) , 羅王冠(らおうかん) , 大黒峰(だいこくほう) , 黒紫冠(こくしかん) , ,群青 , 丹頂鶴 , ビーナス , 花明り , 花心 , 友禅 , 大鷹 , 青翔 , 静 , 富士錦 , 白虎 , ポエム , 雷神 , 翠明 , 紫天 , 夢紫宝 , 横綱 , 和兵 , 武蔵の里 , 忍 , 玉 , 彗光 , 飛鳥 , 遮那王 , 野風 , 嵐 , 王将 , 紅鶴 , 神寿 , 桂離宮 , 平和の光 , 万葉の香(まんようのかおり) , 霧王 , 紫雨情 , 夢の香 ,大扇(おおせん) , 天童丸(てんどうまる) ,大閣(たいこう) , 大紫泉(だいしせん) , 大文字(だいもんじ),
※gxはgrex(グレッグス)の略。ランのハイブリッド品種の表示に使われ、ハイブリッドを意味する。国際ラン登録局 (サンダースリスト Sander's List)
参考
1) GRINCalanthe
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxon/taxonomysimple.aspx?Calanthe
2) Flora of ChinaCalanthe
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105024
3) Flora of PakistanCalanthe
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=105024
4) Calanthe - The American Orchid Society Calanthe
http://www.aos.org/orchids/orchids-a-to-z/letter-c/calanthe.aspx
5) Botany 2014 - Origin of Calanthe x ...Origin of Calanthe x kibanakirishima (Orchidaceae).
http://www.2014.botanyconference.org/engine/search/index.php?func=detail&aid=339
6) RHSInternational Orchid Register
https://web.archive.org/web/20060815211724/http://www.rhs.org.uk/research/registerpages/orchid_parentage.asp
7) Orchid rootsCalanthe Hybrid
http://www.orchidroots.com/orchid/
8) 植物研究雑誌 93(4): 278–286(2018)佐藤広行,伊藤美穂子,加藤康子:オクシリエビネ(ラン科)の新産地および生育環境
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB93-4_278-286.pdf
9) World Checklist of Vascular PlantsCalanthe
https://wcvp.science.kew.org/
10) World Flora Online Calanthe
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000005961