ドラゴンフルーツ
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Flora of Mikawa
サボテン科 Cactaceae セレニケレウス属
別 名 | ピタヤ、ホワイトドラゴン、ホワイトピタヤ |
中国名 | 量天尺 liang tian chi |
英 名 | dragon fruit , night blooming cereus , strawberry pear , Belle of the Night , Cinderella plant , Jesus in the cradle , moonflower , white-fleshed pitahaya , pitahaya |
学 名 | Selenicereus undatus (Haworth) D.R.Hunt synonym Hylocereus undatus (Haw.) Britton & Rose |
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花 期 | 7~10月 |
高 さ | 長さ3~15m |
生活型 | 蔓性木 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 外来種 メキシコ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス原産 |
撮 影 | 浜名湖ガーデンパーク 20.9.30 |
蔓性木。よじ登り又は乱雑に広がる。茎は濃緑色、長さ3~15m。節茎(Joints)は長さ20~50㎝×幅3~8(~12)㎝、翼又は角(かど)があり、翼や角(かど)の縁は粗い円鋸歯があり、角質。刺座は3~6㎝離れ、 直径2~5㎜。刺は刺座に1~3(~6)本、様々な方向に広がり、灰褐色、円錐形~錐形、長さ2~5(~10)㎜。花は長さ25~30㎝×幅15~34㎝。花托筒は漏斗形。外花被片は中肋が帯緑色、縁はほぼ白色、披針状線形~線形、長さ10~15㎝×幅1~1.5㎝、縁は全縁、先は尖鋭形、後屈する。内花被片は直立~開出し、白色、狭倒披針形、縁は全縁又は微細不整歯。花糸はクリーム色、長さ5~7.5㎝。葯は線形、長さ約4.5mm。花柱はクリーム色、長さ14~20㎝、丈夫。柱頭は20~24個、2~2.3㎜突き出し、細い。果実は赤色、球形~楕円形、長さ7~12.5㎝×幅6~12㎝、多数の三角形の鱗片がつき、へそは小さい。果肉は白色。種子は倒卵形、約・長さ2㎜×幅1㎜。花期は7~10月。
セレニケレウス属
family Cactaceae - genus Selenicereus低木、蔓状、攀縁性、地上生、半着生、着生 又は岩生、わずか~多数、分枝し、枝は節に束生する。根は拡散又は茎に不定につく。茎は節があり、又は無く、普通、明るい緑色又は青緑色~帯紫色、細い円筒形または多角形[いくつかの着生種では扁平になり、葉状]、長さ100~500㎝×幅0.8~5[~30]㎝、無毛。肋は[3~]4~8[~12]本、 [又はある着生植物では2翼]、明瞭で鋭形から低くて丸い、肋のとさか(crests)は真っすぐ~やや波打ち[歯、ノッチ、又は翼が葉状であるなら明瞭に分裂する]。刺座は肋に沿って[10~]15~25[~60]㎜離れ、小さく、円形、短い白色の綿毛があり、腺は無い。皮質は薄く、太い茎ではやや粘り、髄は普通、粘らない。刺は刺座に1~18本 [着生種の成熟した茎には無い]、黄色、帯黒色、又は褐色[白色、帯緑色又は帯赤色]、茎の上に側生し、剛毛状、針状又は円錐形、長さ1~15[~20]㎜、柔らか~硬い。放射状の刺は[0~]1~18本、真っすぐ~捻じれ、普通、中心の刺より細く、しなやか。中心の刺は刺座に[0~]1[~4]本、しばしば放射状の真っすぐ[から曲がる] 刺と区別できず、長さ1[~15]㎜。花は夜咲き(nocturnal)、茎に側生し、しばしば芳香があり、長い筒部をもち[S. innesiiでは本質的に筒部が無い ]、漏斗形~高坏(たかつき)形、長さ12~40㎝×幅8~20(30)㎝。花の筒部は花托筒[hypanthium:子房と花托(receptacle)を囲む組織全体]であるが、基部の子房部分をペリカーペル(子房外周壁)[pericarpels:サボテンの子房を囲む組織であり果実になる部分で子房ともいわれる]と呼び、花被との間の筒部を花托(receptacle)または筒部と分けて解説していることがある。花托筒にしばしば突起があり、鱗片(小苞)や刺座がつき、この突起をポダリア(podarios[英], podarios[スペイン語]と呼び、基部がときに沿下し、小さいときには疣状突起になる。外花被片(萼片)は完全に開花したとき、普通、広く、広がり、黄色、橙色、帯褐色、又は帯緑色 [~赤色又は紫色]、線形~狭倒披針形。内花被片(花弁)は完全に開花したとき、斜上~開出し、白色[まれに有色]、幅が広い。刺座の横には小さい鱗片があり(S. spinulosusでは欠く)、毛と剛毛又は刺がある。刺は針状、しなやかで髪の毛状。柱頭の裂片は10~20本、白色~帯黄色、普通、長い。果実は普通、赤色、球形~長円形~卵形、長さ5~9㎝、肉質、毛と剛毛は脱落性、鱗片がもしあれば、小さく、不明瞭。種子は黒色、卵形~腎形、光沢がある。x=11。
世界に約30種があり、USA、メキシコ、西インド諸島、中央アメリカ、南アメリカの熱帯~亜熱帯に分布する。英名はmoonlight cactus, pitaya, dragon fruit。
セレニケレウス属の主な種と園芸品種
1 Selenicereus anthonyanus (Alexander) D.R.Hunt セレニケレウス・アンソニアヌス
synonym Cryptocereus anthonyanus Alexanderメキシコ原産。英名はfish bone cactus, St. Anthony's rik-rak, zig-zag cactus, rick rack cactus。園芸名はジグザグサボテン。英語読みではセレニセレウス・アントニアナス。海抜180~700mの低地の熱帯雨林に生える。
成長が早く、柔らかい多年生の着生サボテンで、縁が分裂したジグザグの緑の茎をもつ。茎は攀縁性またはよじ登り、明るい緑色~黄緑色、平滑、長さ1mまたはそれ以上になり、幅は7~15cm、先はやや先細り、丸みを帯び、平ら、少数の気根があり、深く裂け、裂片は長さ2.5~4.5cm、幅1~1.6cm、先は丸みを帯びる。茎に沿って一定の間隔で枝が密につく。刺座は小さく、中脈の近くの切れ込みに凹んでつく。刺は刺座に3本つき、短い。花は夜に開花し、香りがあり、クリーム色、長さ10~12cm×直径10~20cm。ペリカーペル=子房外周壁(pericarpels)[サボテンの子房を囲む組織(果実になる部分)、花托筒(hypanthium)は子房と花托(receptacle)を囲む組織]は長さ15~20mm、多数の小さな疣状突起があり、長さ1~2mmのオリーブグリーン色の小苞(鱗片)を持ち、小苞の腋には灰色の羊毛状毛、灰褐色の剛毛、および長さ1~3mmの頑丈な淡褐色の刺がある。花托(receptacle)は長さ3~4cm、幅1~5cm、円筒形で、小苞は長さ3~6mm、卵状披針形、最下部には羊毛状毛と剛毛があり、上部は裸で、最上部は長さ8~10mmで茜色である。最も外側の花被片は長さ1~2cmで、小苞に似ており、その内側の花被片は長さ6cmで、広がり、反曲し、披針形、紫色である。中間の花被片は5枚、披針形で先が鋭形である。内花被片は約10枚で、長さ6cm、披針状鋭形、直立して広がり、クリーム色で、最も外側はクリーム色で下側の縁は紫色である。雄しべは短く、長さ15mm、帯黄色。花柱は長さ6.5~7cm、喉部の上の部分は太さ6mmで、喉の部分は太さ4mmに急に細くなり、クリーム色。柱頭の裂片は12~14個、披針形、長さ16~18mm。花期は年に1回だけであり、晩春または初夏の1晩だけ開花する。まれにしか開花しないか、まったく開花しないことも多いが、開花する場合は通常、痩せた土壌で根が絡み合っていて、その後たくさんの花を咲かる。花は夕暮れ時に開き始め、夜行性の花粉媒介者を引き付ける心地よい香りを放つ。この種の受粉は完全には解明されていない、コウモリが受粉を担っていると考えられている。果実は卵形、約・長さ6cmx幅5cm、香りがあり、刺座は幅4mm、刺は長さ1~2cm、濃い緑色。種子は約・長さ2mmx幅1.5mm、黒色。
2 Selenicereus atropilosus Kimnach セレニケレウス・アトロピロサス
メキシコ原産。英名はblack-spined queen of the night, black-spined moon cactus。熱帯、亜熱帯の砂漠や開けた森林、道端などに生える。茎はよじ登りまたは傾伏し、気根をもち、長さ3m以上、直径1.5~2cm、肋は(3~)4(~6)本、高さ4~7mm、鈍形~ほぼ鋭形。刺座は3~6cm、離れており、三角状の小苞は長さ1mmで、白い毛があり、1~3本の細い刺と1~3本の太い刺があり、刺の長さは1~6mm、帯白色~帯赤色または帯黒色、表皮は緑色。花は先端近くにあり、長さ12cm、ペリカーペル(pericarpel;子房外周壁)は長さ2cm、花托=ペリカーペルを除いた花冠筒部(receptacle[英], receptáculo)は長さ7cm、ポダリア(podarios[英], podarios;突起)は50~60個、高さ1mm、わずかに沿下し、三角状の小苞(鱗片)は下部では 長さ1~2mm、上部では長さ10mmまで、羊毛状毛と3~10本の湾曲した毛があり、褐色または帯黒色、長さ3~20mm、同じ色の刺が1~10本あり、長さ3~6mm。外花被片は長さ3~5cm、赤みがかった黄緑色。内花被片は長円形~倒披針形、先はほぼ鋭形、長さ4.5~5cm、黄色または緑がかったクリーム色。花糸は長さ5~6cm、黄色、花柱は長さ8.5cm、クリーム色。柱頭裂片は長さ7mm、帯黄色。果実はほぼ球形から長円形、長さ5~6cm、直径約4cm、紫色で光沢があり、表皮は平滑。種子は長さ2.25~2.5 mm、幅約1.5mm、平滑だが、へそ近くはやや疣があり、黒色。花期は春~夏。
3 Selenicereus costaricensis (F.A.C.Weber) S.Arias & N.Korotkova セレニケレウス・コスタリケンシス
synonym Hylocereus costaricensis (F.A.C.Weber) Britton & Roseコロンビア、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ペルー原産。英名はCosta Rican pitahaya , Costa Rica nightblooming cactus , purple pitaya。別名はレッドドラゴン、レッドドラゴンフルーツ、レッドピタヤ。観賞用に広く栽培され、果実のために商業用に栽培されている。
蔓性木。茎は3うねがあり、多少、細く、年とともに太く、直径3~6(~10)㎝。刺座は(2~)3~4(~6)本の円錐形の刺があり、暗灰褐色、刺は長さ2~6㎜。花は夜咲き(nocturnal)で、長さ20~30cm。花冠筒部=花托筒[hypanthium](ペリカーペル[pericarpel]+花托[receptacle])は長さ9~12㎝、長さ2~4㎝×幅0.4~1cmの葉状の鱗片が重なり覆われる。外花被片は線状披針形、長さ60~120mm×幅8~12mm、緑色、縁は帯赤色。内花被片は長さ8~12㎝×幅1~1.8㎝、白色。子房[外周壁を含めたものがペリカーペル]は長さ2~4㎝。葉状の鱗片は長さ0.5~3㎝×幅0.5~1㎝。花柱は長さ18~22㎝、クリーム色。柱頭は約16本、帯黄色。果実は卵形、長さ8~10㎝×直径6~8㎝、葉状の鱗片(紫色)を宿存する。果皮は赤色、果肉は赤色~紫色。花期は5~9月。果期は6~10月(ニカラグア)。
4Selenicereus grandiflorus (L.) Britton & Rose セレニケレウス・グランディフロルス
メキシコ、西インド諸島(バハマ、ケイマン諸島、キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ジャマイカ)、中央アメリカ(ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア)原産。英名はQueen-of-the-night。別名はダイリンチュウ(大輪柱)。フロリダ州、ミャンマー、バングラデシュなどに帰化している。陸生で半着生、ときに着生、よじ登りまたは蔓性。根は陸生および不定根。茎は緑色~青緑色で、うねに沿って帯紫色になり、長さ数m、直径1~2.5cmになり、うねは5~8本で低い。刺座は通常、脈に沿って1~2cm間隔でつき、直径1~2mm。刺は最終的には脱落し、刺座あたり6~18本、帯白色~帯褐色、±剛毛状または短い針状で、長さ4.5~12(~15)mm、長く帯白色の毛が混ざる。放射状の刺と中央の刺は区別できない。花被は筒部が細長く、先に多数の花被片がつき、長さ17.5~30cm×幅12.5~17.5cm。外側の花被片は褐茶色、橙色、またはレモンイエロー色、線形。内側の花被片は白色、倒披針形、先は鋭形。子房(ペリカーペル)と花筒の刺座には長い毛状の刺がある。果実はピンク色~帯白色、卵形、長さ50~90mm×幅45~70mmあり、多数の毛状の刺で覆われる。2n=22。[Flora of North America]
4-1 Selenicereus grandiflorus subsp. donkelaarii (Salm-Dyck) Ralf Bauer セレニケレウス・ドンケラーリー
synonym Cereus donkelaarii Salm-Dycksynonym Selenicereus donkelaari (Salm-Dyck) Britton et Rose
メキシコ、西インド諸島(キューバ)、中央アメリカ(ベリーズ、グアテマラ)原産。英名はChohkan, sakbakelkan。園芸名はドンケル柱。沿岸および沿岸下の乾燥低木林、モゴテス植生複合林に生える。茎は非常に長く、長さ8m以上、細く、わずかに角張っているかまたは円筒形で、直径は1cm、肋または先端は緑色または赤緑色、肋は8~10本、鈍形で、あまり目立たない。刺座は直径1.5mm、白色の毛があり、後に灰色になり、刺は10~25本つき、放射状の刺は長さ7~9mm、蛇行し、密着し、白色。中央の刺は1~3(~6)本、長さ1~2mm、円錐形、基部は広く、帯黄色、ときに帯黒色になる。花は長さ18~21cm、ペリカーペル(pericarpel)と筒部は長さ15cm、ペリカーペルは直径18~20mm、暗緑色~オリーブグリーン色、長さ2mm×幅0.5mmの三角形の鱗片を持ち、鱗片は鋭く、平らで、帯赤色。筒部には細長いポダリア(突起)があり、筒部は黄褐色~緑褐色、下側の直径は13mm、花被片の始まり部の直径は30~40mm。鱗片は三角形~線形、下側の鱗片は長さ2~3mm、上側の鱗片は長さ2cm、幅2mm、帯赤色~ワインレッド色で先端は褐色、4~6本の細い針状の刺があり、刺は長さ2~5mm、帯白色、ときに先端が褐色になり、25~30本の曲がりくねった白色の毛があり、毛は長さ12~20mmである。外花被片は線形で、暗褐色または赤みがかった黄褐色。内側の外被片は黄色、長さ6~6.5cm、幅3~5mm。内花被片は白色で、長さ6~8cm、幅1~1.5cm。花糸はほぼ白色または帯黄色、下部は緑色である。柱頭裂片は長さ14~15mm、先が尖り、黄白色。
4-2 Selenicereus grandiflorus subsp. grandiflorus
synonym Selenicereus coniflorus (Weing.) Britton & Rose
メキシコ、西インド諸島(バハマ、ケイマン諸島、キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ジャマイカ)、中央アメリカ(グアテマラ、ニカラグア原産。英名はpitahaya, dog's dick, queen of the night, queen of flowers。キューバのすべての州に生息する。岩の多い海岸や沿岸から亜沿岸の乾燥低木地、半落葉樹林、常緑樹林、常緑樹林に生える。 美しい夜花のため、観賞用に栽培され、外花被片は褐色ブロンズ色、橙ピンク色、または黄緑色。刺は硬く、茎に伏せない。
つる茎は長さ数メートル、直径2~3cm、7~8本の肋があり、肋が少ない場合もあり、わずかに盛り上がり、幅の広い溝は古い茎では目立たず、若い茎では深く、明るい緑色~暗緑色で、古くなると赤みがかる。刺座は帯白色または帯黄色の毛で覆われ、後に灰色になり、その後脱落し、間隔は1~2.5cmである。放射状の刺は7~8本、針状で、長さ5~8mm、帯黄色、後に帯灰色になる。刺座の下部には4~7本の帯白色の毛があり、長さ6~9mm、時が経つと脱落し、刺座の先端には帯赤色の三角形の鱗片がある。中央の刺は3(~4)本、基部が広く、長さ6~8mm、黄色~白色、先端は帯黒色、ときに赤みがかる。花芽は黄褐色の毛で覆われる。花は長さ約18(~26)cm。ペリカーペル(pericarpel)と筒部は長さ15cm、ペリカーペルは直径15mm、筒部は下部で直径15mm、花被の基部近くで直径45mm、ペリカーペルは暗褐緑色、ポダリアは疣状突起であり、線形または長三角形の帯赤色の鱗片を持ち、鱗片は長さ2~5mm、幅1mm以下、白っぽい剛毛が10~12本あり、剛毛は長さ10~20mm、刺は0~2本、針状、長さ2~5mm。筒部は赤褐色、長いポダリアがあり、鱗片は長さ6~20mm、幅1~3mm(上部のものの方が大きい)、披針形、先端は赤みがかり、腋に長さ最大30mmの帯白色の毛が10~12本あり、長さ2~7mmの針状の刺が1~2本ある(上部のものを除く)。外花被片は長い披針形、長さ11cm以下、幅5mm以下、赤褐色、内側の外花被片は黄色。内花被片は長さ11cm以下、ほぼ鋭形、幅20mm。花糸は帯黄色。雌しべは長さ19cm、直径3mm、下部は帯緑色。柱頭裂片は17個、長さ9mm、帯黄色。花期は5~7月。果実は卵形または洋ナシ形、長さ4~8cm、直径3~4cm、暗緑色、刺座に目立つポダリアをもち、線形の鱗片をもち、鱗片は果実の下部で長さ2~3mm、上部で長さ5~6mmになり、鋭く、赤みがかる。刺座は帯白色の羊毛状毛で覆われ、帯白色または灰白色の針状の刺が5~7 本あり、長さは5~8mm、刺座の下部には7~10本の剛毛があり、やや褐色で、長さ2cm以下、残骸が残っている[Méxicoベラクルス州カテマコ地域の植物データによって補足]。
つる茎は直径1~2cm、多数の気根を持ち、淡緑色、肋に沿って紫色または暗緑色を帯び、肋は5~6本、溝は浅く、肋の背はやや波打つ。刺座は羊毛状毛があり毛は帯白色、その後帯灰色になり、脱落し、間隔は1.5~2cm。刺座の刺は針状で淡黄色、放射状に4~6本つき、中央に1本あり、真っ直ぐで、長さ1~1.5cm、下部に2本の後屈する剛毛がある。花芽は白色の毛に覆われる。花は長さ22~25cm。ペリカーペル[pericarpel]と花托[receptacle]は長さ14~15cm、ペリカーペルは直径22mm、筒部は暗緑色~褐緑色、ポダリア(疣状突起)はやや目立ち、長さ1~1.5mmの三角形の鱗片を持ち、1~2本の白色の刺と長さ12~17mmの毛がある。筒部は下側で直径1.5cm、花被片の始まりで直径4cm、ポダリアは長く沿下し、褐色または赤褐色で、鱗片は下部で三角形、上部では線状披針形、下部は長さ2~4mm×幅1mm、上部は長さ13~15mm×幅2mm、鋭形、筒部より暗色、上側は赤みがかり、長さ4~8mmの白色の針状の刺が5~7本、長さ15~25mmの白い蛇行した毛が10~12本ある。外花被片は長さ3~9cm、幅2~2.5mm、黄色~淡黄色。内花被片は白色、倒披針形、長さ9~10cm、幅15mm。花糸は下部が帯白色またはやや帯緑色。花柱は長さは14cm、直径3mm。柱頭裂片は17個、長さ8~9mm、黄色またはわずかに緑色がかる。果実は直径約6cmの球形。[Selenicereus coniflorus]。
4-3 Selenicereus grandiflorus subsp. hondurensis (K.Schum. ex Weing.) Ralf Bauer セレニケレウス・ホンデュレンシス
synonym Cereus hondurensis K.Schum. ex Weing.synonym Selenicereus hondurensis (K.Schum. ex Weing.) Britton & Rose
メキシコ、中央アメリカ(グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア)原産。英名はHonduran Moon-Torch Cactus, Queen of the Night, Night Blooming Cereus。別名は新月柱、ホン国柱。非常に珍しい着生サボテン。茎は茎は登り、這い、緑色で冬に帯紫色になり、直径6~18(22)㎜と細く、長く伸び、低い肋が7~10本あり、わずかに凹み刺座があり、刺座は6~10 mm離れ、帯褐色の毛と剛毛があり、長さ4~7mmの剛毛状の白色の刺が7~10本ある。花は夜開花し、午前遅くまで開花がつづく。花は長さ23cm×幅18cm・までと大きい。ペリカーペルと花筒には線形の鱗片があり、多数の長い毛がある。外花被片は線形、最も外側が金色~黄色またはブロンズ色(褐色)。内花被片はクリーム白色、長さ10cm。雄しべは多数つき、黄色。果実は洋こま形、長さ6cm×直径5.5cm・以下、熟すと濃いピンク色。花期は夏~秋。天候が十分に暖かい場合は、季節外れに開花することがある。
グアテマラとホンジュラス、メキシコのチアパス州シンタラパで金色の花が発見された。
の種の標本は、オコシンゴの北7kmと、チスのトニナで発見され、トニナの標本は、刺座が1.5~2.5cm離れており、刺はより細く、ときに剛毛で、より短く、長さ3~6mmで、新茎の先端にはより多くの毛が生える。花には直径最大29mmの心皮があり、外花被片は長さ最大8cm、幅2.5~3mmである。
4-4 Selenicereus grandiflorus subsp. lautneri Ralf Bauer
メキシコ原産。オアハカ州の太平洋沿岸の低地に広く分布する。茎に9~11本の肋がある。
5 Selenicereus guatemalensis (Eichlam ex Weing.) D.R.Hunt セレニケレウス・グアテマレンシス
synonym Cereus guatemalensis (Eichlam ex Weing.) A.Bergersynonym Cereus trigonus var. guatemalensis Eichlam ex Weing.
synonym Hylocereus guatemalensis (Eichlam ex Weing.) Britton & Rose
グアテマラ原産。英名は 別名は三角柱。栽培され、栽培品種の台木に使われる。木に着生し、気根がある。強い青緑色または灰緑色、しばしば粉白色になり、基部がわずかに丸みを帯びた三角形のシュートを持つ。シュート(新芽)は長さ3~5mになり、直径は2~7cm、波状の肋は低く、角質の縁があり、刺座は2cm以下離れてまばらにつき、刺座に長さ3mmまでの2~4本の円錐形の帯黒色の刺が生える。茎の先端近く花がつく。花は白色、夜開花し、香りがよく、長さ30㎝以下、直径は8~9㎝。外花被片は幅が狭く、内花被片は幅が広く白色。雄しべは非常に多数つき、花被から突き出ない。果実は直径は6~7cm、食用になる。
品種) 'American Beauty'
非常に風味豊かな果実で、果肉はフクシア色、皮は赤みがかった緑色。皮が薄く果肉が柔らかいため傷つきやすい。現地での市場販売に適している。原産地は 親不明であるが、グアテマラからフロリダ、そしてカリフォルニアに導入された品種である。 植物: 茎は三角形で、3本の明瞭な肋があり、比較的細く、短い。成熟した茎は濃い緑色で脆く、多数の新芽を出す。剪定は必須。刺座には1~2本の刺があり、刺は長さ1~5mm、刺座の節はかなり凸形で、長さ36.4mm。花は小さく、花弁は白色、萼は黄緑色、葯と柱頭裂片は黄色。寒さや暑さへの耐性は平均的、直射日光下では苦戦する。保護された環境で育てれば商業的可能性は抜群である。
果実は丸形、中型、380g、で市場向けである。皮は緑がかった赤色。果肉はフクシア色。品質は並外れ、果肉は非常にジューシーで硬さに欠ける。皮は薄く、苞葉が散在する。糖度は18.51。南カリフォルニアでは開花から収穫までに43日を要し、収穫は6~11月。
6 Selenicereus hamatus (Scheidw.) Britton & Rose セレニケレウス・ハマトゥス
synonym Cereus hamatus Scheidw.synonym Selenicereus radicans (DC.) A.Berger
メキシコ原産。 ベラクルス州に分布する。園芸名は鍵柱。広く栽培されている。
茎はよじ登り、古いものは木質で円筒形、直径2.5~3cmまで、その他のものは角張っていて、明るい緑色、直径1.5cmまで、非常に長く、4本(まれに3本)の肋があり、反曲する花柄の腋につく刺座をもち、長さ1cmまで、間隔3~5cm、古い茎では最大10cmになる。若い茎の刺は分化せず、2~5本、針状または剛毛、長さ2~3mm、帯白色~帯灰色または帯黒色。成体の茎では、刺は4~5本、放射状、針状、帯白色または帯黄色、長さ2~4mm、中央の刺は3~4本、やや円錐形で、基部は広がり、長さ3~4mm、ときに上部の刺の1本が錐形になり、白色。開花は夜、芳香がある。花は茎の頂部に単生し、長さ20~35cm、直径約20~30㎝。上部の鱗片は赤みがかった緑色、ペリカーペル[pericarpel]と花托[receptacle]は長さ10~12cm、ペリカーペルの直径は約12~14mm、目立つポダリア(podarios[英], podarios;突起)があり、草緑色、筒部は下部で直径11~12mm、花被の始まり部で幅25mm、赤褐色、ポダリアは沿下する、刺座は三角形の鱗片を持ち、帯緑色または緑褐色で、下側の長さは2~3mm、上側の長さは6~10mm、針状の刺と長い毛がある。外花被片は赤褐色~黄褐色、内側の外花被片は橙黄色、幅12~15mm、先は鋭形~ほぼ鋭形。内花被片は倒披針形、白色、鈍形、先は尖鋭形、幅約25mm。花糸と花柱は黄白色で、柱頭は約20裂片があり、先端が尖り、長さ約12~15mm、帯黄色。果実は約・長さ10cm×幅8cm、黄色に熟す。果肉は甘く食べられる。
7 Selenicereus inermis (Otto) Britton & Rose セレニケレウス・イネルミス
synonym Cereus inermis Ottosynonym Mediocactus inermis (Otto) Doweld
synonym Selenicereus inermis subsp. rubineus (Kimnach) Gómez-Hin. & H.M.Hern.
synonym Selenicereus rubineus Kimnachメキシコ、中央アメリカ(コスタリカ、パナマ)、南アメリカ(コロンビア、ベネズエラ)原産。園芸名は無刺柱。
着生植物。茎は長さ約5m、直径約2cm、肋は明瞭で3~5(~6)本、小さな窪みに刺座はあるが刺はない。花は長さ12~17.5cm、幅14cmまで、ペリカーペル(子房部分)は短く、筒部は花被とほぼ同長、緑色、刺座があり、刺がつき、ペリカーペルには刺が密にある。外花被片は赤色、内花被片は基部がフクシア色(赤紫色)、先端が白色。雄しべは花筒に沿って数段に伸び、花被片のほぼ中央と基部から生じ、花糸は白色、葯はクリーム色。花柱は上部を除きフクシア色。柱頭裂片は約20個、クリーム色。午後6時半に開花し始めた花は夜明けまで咲き続ける。午後8時頃から強いユリの香りが始まるが、午前8時までにはマリーゴールド(Tagetes)のような香りになる。果実は緑色~黄色。種子は黒色、三角状卵形、約・長さ2mm×幅1mm。
8 Selenicereus megalanthus (K.Schum. ex Vaupel) Moran セレニケレウス・メガランサス
synonym Hylocereus megalanthus (K. Schum. ex Vaupel) Ralf Bauern
synonym Mediocactus megalanthus (K. Schum. ex Vaupel) Britton & Rose
コロンビア、エクアドル、ペルー原産。英名はyellow dragon fruit , yellow pitahaya。別名はイエロードラゴン、イエロードラゴンフルーツ、イエローピタヤ。蔓性、茎は平伏、よじ登り(攀縁性)、垂れ下がり、しばしば、太さ1.5㎝になり、気根をつけ、3うねがあり、縁はわずかに波打つ。エアロールは白色で、1~3本の長さ2~3mmの帯黄色の刺をつける。若い時には毛があり、とれやすく、表皮は緑色。花は夜咲き(nocturnal)で漏斗形、長さ32~38㎝。 ペリカーペル[pericarpel]は卵形~わずかに球形、ポダリア(小突起)は大きく、扁平、刺座はフェルト状、刺のある刺座は小さな小苞が基部につく。花托(花筒)は長い。外花被片は長く、緑色、三角状鋭形。内花被片は約・長さ10㎝×幅3.5㎝、白色、幅が広い。雄しべは多数、2列につき、黄色。花柱は黄色。柱頭は裂片が多数、緑色。果実は卵形、いぼ状突起があり、刺があり、外皮は黄色(ハイブリッドではときに、赤色、橙色)、種子は黒色。果肉は白色 (ハイブリッドではときに、ピンク色)、穏やかな甘みがあり、美味しい。自家受粉する。
9 Selenicereus monacanthus (Lem.) D.R.Hunt セレニケレウス・モナカンサス
synonym Hylocereus polyrhizus (F.A.C.Weber) Britton & Roseコロンビア、コスタリカ、エクアドル、ニカラグア、パナマ、ペルー、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ原産。英名はNightblooming Cereus。別名はゴールデンドラゴン、ゴールデンピタヤ。茂みや森林に覆われた川岸に着生する。
多肉質の低木、根でからみつき、通常は着生し、若い茎の節は長く、やや頑丈、通常は鋭い3角であり、わずかに波打つ角の縁に刺があり、ごく微細な軟毛があり、ときに目立たない刺が1~数本ある。花は非常に華やかで、花被筒は長さ12~15cm、基部の直径は約1cmで、先で急に広がり長さ約7cm の広倒円錐形の喉部になり、長さ1~2cmの少数~数個の宿存性の葉状苞を付け、花被片は徐々に広がり、緑白色、内花被片はやや広い倒披針形、先は尾状尖鋭形、長さ12~15cm。子房は円筒状卵形、長さ1.5~2.0cm、宿存性の葉状苞は長さ0.2~1.0cmであり、花後に大きくなる。柱頭の裂片は2分岐する。液果は円筒状卵形、長さ約8cm、苞葉の基部が枯れても落ちないで残る(marcescent)以外は無刺である。[Flora de Panama]
10 Selenicereus murrillii Britton & Rose セレニケレウス・ムッリリー
synonym Cereus murillii (Britton & Rose) A.Bergersynonym Mediocactus murrillii (Britton & Rose) Doweld
メキシコ原産。暖かく湿気の多い環境で繁栄し、森林、ジャングル、その他の日陰の場所に生える。花は大きく、香りがよく、夜に開花する。観賞用植物として世界中で広く栽培され、逸出し、野生化している。
よじ登る茎は細く、気根もあり、長さ6m以上、直径8~10mm、暗緑色、肋に赤みがあり、肋は7~10本、低く、鈍形。刺座は直径1.5mm、白毛を持ち、後に灰色になり、最終的に脱落し、互いに10~22mm離れる。放射状の刺は7~8本、刺座の下半分にあり、放射状で真っ直ぐ、白色、長さ4~6mm、下側の2本は毛状、より長く後屈し、ときに上側の1本の刺は長さ1~2mm。刺座の中央の刺は2~3本、基部は広く、帯黄色、基部は暗色、先は褐色、長さ4~5mm。花は長さ13~15cm、ペリカーペル(pericarpel)と花被の筒部は長さ7~7.5cm、ペリカーペルは直径8~9mm、緑がかった赤褐色、上部に三角形~線形の鱗片をもち、鱗片は長さ0.5~2mm、長さ2~3mmの針状刺が2~3本ある。花被の筒部は疣状突起(podarios)を持ち、非常に細長く、赤褐色で下部はやや緑色がかっており、下部の直径は8~9mm、花被の始まり部の直径21~22mmまで、線形で反り返った鱗片を持ち、長さ3~10mm、腋には2~5本の刺があり、長さは9mmまで。外花被片は線形または線状披針形、先は鋭形、幅約3mm、褐色、緑黄色または帯赤色。内花被片は幅広のへら形で、長さ4~5cm、白色。花糸と花柱はクリーム色、柱頭の裂片は9個。果実は食用になる。
11 Selenicereus nelsonii (Weing.) Britton & Rose セレニケレウス・ネルソニー
synonym Cereus nelsonii Weing.メキシコ原産。メキシコ南部に分布する。起源に関する正確なデータがないため、チアパス州から来たものと推定されている。
枝分かれする茎は長さ3m、直径1.5~2cm、淡緑色でしばしば紫色を帯び、肋はほぼ常に5本で鋭形である。刺座は1~2cm間隔でつく。針状の刺は淡黄色。放射状の刺は約10本、細く、長さ1cm。中央の刺は1~4本、放射状の刺より長くて太い。花は長さ約 25cm。子房には多数の刺座があり、短い鱗片をもち、毛があり、長く非常に柔らかい白色または黄色がかった刺がある。花筒は長さ約12cmで、紫色の鱗片、毛、剛毛がある。外花被片は非常に狭く、緑白色で、外側はやや赤みがかる。内花被片は披針形、先は尖鋭形、白色、長さ10cm。花糸は白色。花柱は白色、花弁と同長、柱頭裂片は多数。果実は長さ2~2.5cm、球形、帯赤色、多数の小さな刺座があり、長さ1cmの針状の刺がある。種子はキャップ形(cap-shaped)、長さ2mm、黒色。
12 Selenicereus ocamponis (Salm-Dyck) D.R.Hunt セレニケレウス・オカンポニス
synonym Hylocereus ocamponis (Salm-Dyck) Britton & Rosesynonym Hylocereus bronxensis Britton & Rose
synonym Cereus ocamponis Salm-Dyck
メキシコ原産。中国名は纽约量天尺、明金星。園芸名は明の明星、オカンポ柱。標高の低い乾燥した森林の木や岩、岩の露頭、大きな岩層に生育する。
常緑のつる性サボテンで、浅い根系を持ち、茎は長さ3m、幅50~60mmにも伸び、気根で他の植物に登って成長し、三角形で縁は鋭い角と小さな棘があり、灰緑色。葉は小さく、すぐに脱落するため、観察が困難。花は大きく白色、夜にのみ咲き、香りがよく、蛾やコウモリなど、さまざまな昆虫などが花粉媒介する。果実は小さく、長さ2.5~5cm、果皮は赤色。果肉も赤色。甘く食べられる。
13 Selenicereus pteranthus (Link ex A.Dietr.) Britton & Rose セレニケレウス・プテランサス
synonym Cereus nycticallus Linksynonym Cereus pteranthus Link ex A.Diet
synonym Selenicereus macdonaldiae (Hook.) Britton & Rose
synonym Selenicereus boeckmannii (Otto ex Salm-Dyck) Britton & Rose
synonym Selenicereus grusonianus (Weing.) A.Bergerメキシコ、西インド諸島(バハマ、ケイマン諸島、キューバ、ドミニカ共和国)、中央アメリカ(ベリーズ)原産。英名はSnake cactus。海抜0~10mの沿岸の乱れた場所に生える。華やかで香りのよい花のために広く栽培され、ときに逸出する。フロリダ州に帰化している。夜の女王(Selenicereus macdonaldiae)とも呼ばれる。
地上性から着生性、蔓性、這い、垂れ下がる。根はしばしば気根および不定根となる。茎は青緑色~紫色、長さ100~300cm×幅2.5~5cm。肋は4~6本、鋭形。刺座は肋に沿って2~2.5cm 間隔であり、幅1.5~3.0mm。刺は1~5本つき、短い円錐形(未熟な茎では針状)、長さ1~3mm。放射刺と中央刺は区別できない。花は 長さ25~30cm×幅20cm。外花被片は褐色または帯紫色(または黄色?)で狭い。内花被片は白色、倒披針形、先が鋭形。子房と花筒の刺には多数の鱗片と長く白色の毛のような刺がある。果実は赤色、球形、直径45~70mm、短い(長さ1cmまで)帯黄色の剛毛のような刺と長い白色の毛のような刺に隠れる。2n=22。1年中開花。
茎は直径1~2.5cm、明るい緑色で、非常に角度があり、3~8本の肋があり、真っ直ぐまたはわずかに波打ち、若い枝では3~4mmだが、古い枝では中間の溝はほとんどない。刺座は直径1.5mm、褐色、老化すると灰色または白色になり、各刺座の間隔は2.5~4.5cm。放射状の刺は3~8本あり、上部の刺は円錐形で基部が広く、帯黄色で基部が褐色、長さ1.5~2mm、下部の刺は2~4本の針状で帯白色~帯黄色、長さ2~4mm。中央の刺は1(~2)本、円錐形で基部が広く、帯黄色で基部が褐色(上部の刺と同様)、長さ1~2mm。花は長さ24~39cm、ペリカーペル[pericarpel]と筒部は長さ10~14cm、ペリカーペル[pericarpel]は直径約22mm、強く疣状突起があり、帯赤色の線形の鋭い鱗片を持ち、下側の鱗片は長さ2~3mm。筒部は下側の直径が11~12mm、花被片の始まりで直径35~40mm、苞は下降し、黄褐色、鱗片は長さ6~15mm、上部の鱗片は幅2.5mmまで、腋に絹毛があり、褐色~帯白色、蛇行し、長さ10~15mm、黄色~褐色の剛毛の刺が5~7本あり、長さ3~7mm。外花被片は線形、長さ9cm、幅3~3.5mm、褐色。内花被片は倒披針形、白色、長さ10cm、幅3cm。花糸は帯緑色。花柱は帯緑色、直径約4mm。果実は球形、直径5~6cm。[Selenicereus boeckmannii]
14 Selenicereus setaceus (Salm-Dyck) Berg セレニケレウス・セタケウス
synonym Hylocereus setaceus (Salm-Dyck) R.Bauer南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ)原産。亜熱帯または熱帯の乾燥林、亜熱帯または熱帯の湿潤低地林、岩礁、砂浜に生える。ときに食用の果実のために栽培され、地元の市場で売られ、時には輸出もされる。
多肉質の常緑、つる性サボテン、気根を出し、岩や樹木に着生する。通常は樹木に着生するが、ときに地上に生える。茎は緑色、縁に太い刺(horny)はなく刺があり、長く弓なりの伸び、肋が凹面状になり、シュートは三角形で先は太くならない。花は長さ19~22cm。花被の筒部に小さな疣状突起と苞がある。外花被片が帯黄色または帯緑色で狭い線形。内花被片は幅が広く、白色。果実はほぼ球形、赤色の果皮に刺があり、果肉は白色。[Flora do Brasil 2020]
15 Selenicereus spinulosus (DC.) Britton & Rose セレニケレウス・スピヌローサス
synonym Cereus spinulosus DC.synonym Mediocactus spinulosus (DC.) Doweld
synonym Cereus pseudospinulosus (Weing.) Weing.
synonym Selenicereus pseudospinulosus Weing.
USA(テキサス州)、メキシコ原産。英名はVinelike moonlight cactus。標高0~20mの亜熱帯林に生える。
つる茎は長さ2~4m、直径1~2cm、緑色~淡緑色、稜はやや明瞭~非常に鈍角。肋は4~5(~7)本、刺座は帯黒色の羊毛状毛で覆われ、後に灰色になり、互いに10~22 mm離れており、短く黄色がかった黒っぽい刺があり、放射状刺は7~8本、5~6本は針状で、下側の2本は剛毛状である。中央の1~3(~4)本はやや円錐形で、基部が広がっている。花は長さ2~14cm、ペリカーペル[pericarpel]と筒部は長さ6~7 cm、ペリカーペル[pericarpel]の直径は13~16mm、筒部は下側の直径が11~12mm、上側の直径が25mm、ポダリア(podaria)は下側で疣状になり、上側で沿下し、刺座は直径1~2mm、黄色~褐色の羊毛状毛があり、帯赤色の三角形の鱗片を持ち、針状の刺が7~12本あり、下部の少数には長さ3~6mmで黒っぽい剛毛が3~5本ある。外花被片は披針形で鋭形、長さ2.5~4cm、幅4~5mm、帯緑色であり、先端が赤みがかる。内花被片はほぼ鋭形、幅6~8mm、白色。花糸は帯白色。雌しべは長さ6.5~8cm、直径2~3mm。柱頭裂片は14~15個あり、長さ8~9mm。
蔓状で、這い上がる。根は主に地上に生えるが、地中にも生える。茎は薄緑色で、長さ200~400cm×幅1~2cm。肋は4~6本で鋭形、肋に沿って1.5~2.5cm間隔で刺座がある。刺は7~8本で、黄色~帯黒色の円錐形、長さ1mmまで(まれにこれより長い)。放射状の刺は6~7本で、断面は円形で、毛状の刺はない。中央の刺は1本。花は長さ12~14cm×幅7~8.5cm。外花被片は細く、長円形。内花被片は白色~ピンク色、狭長円形。子房と花筒の刺座には刺がある。鱗片と長い毛はない。果実は観察されない。2n=22。 開花時期は不明。[Flora of North America]
16 Selenicereus stenopterus (F.A.C.Weber) D.R.Hunt セレニケレウス・ステノプテルス
synonym Cereus stenopterus F.A.C.Weberコスタリカ、パナマ原産。標高0~800(~1000)mの湿気の多い森林に生える。温室でよく育ち、頻繁に開花する。
着生低木、弱い蔓性植物で、少なくとも栽培では側面から自由に根を張らない。茎は2.5~5cm、薄緑色、粉白色にはならず、肋は3本で薄く(板状)、鋭い、縁は波状または浅く裂け、刺座はわずかに隆起する。刺は1~3本、太い円錐形で小さく、長さ1~3mm、淡褐色、先は鋭い。花は長さ(8)9~10(12)cm、幅13~15cm で、午後6時頃から開き始め、朝6時頃閉じる(午前9時には完全に閉じる)。花筒は短く、長さ約2cm、わずかに上向きに湾曲する。子房と花筒の小苞は円形または上部が狭卵形で、緑色で、縁は赤紫色(マゼンタ色)。花被片はすべて類似し、赤紫色で線形、長さ約7cm。雄しべは多数、短く、クリーム白色、花被片の基部に突き出る。花柱は直立し、クリーム白色、太く、雄しべより上にかなり突き出る。柱頭裂片は白色、平開し、先が尖る。果実は緑色~黄緑色、卵形~ほぼ球形、果肉は白色、種子は黒色。
17 Selenicereus triangularis (L.) D.R.Hunt サンカクチュウ 三角柱
synonym Hylocereus triangularis (L.) Britton & Rosesynonym Cactus triangularis L.
キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、リーワード島、プエルトリコ原産。英名はStrawberry Pear, Queen of the Night。広く栽培され、いくつかの地域で、食用果実のために商業的に栽培されている。
陸生または着生のサボテン、多数の緑色の枝または蔓性枝を持ち、長さは最大10mに達し、幅約3~4cm、3(4)本の顕著な波状の鋭い肋を持ち、角質化しない。刺座に放射状に1~14本の鋭い硬い刺があり、刺は4~7mm、老化すると褐色になり、ときに数本の剛毛がある。花は香りがあり、夜行性、白色、漏斗形、長さ14~25cm、外花被片は肉厚で緑色、内花被片は白色で、成熟すると帯黄色になる。果実は楕円形、赤ピンク色~ピンク紫色、長さ約10cm、直径3~5cm、肉質の鱗片で覆われる。栽培種の最大は長さ14cm×直径7.5cm・までになる。
18 Selenicereus undatus (Haw.) D.R.Hunt ドラゴンフルーツ
synonym Hylocereus undatus (Haw.) Britton & Rosesynonym Cereus undatus Haworth
メキシコ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス原産。中国名は量天尺 liang tian chi。英名はdragon fruit , night blooming cereus , strawberry pear , Belle of the Night , Cinderella plant , Jesus in the cradle , moonflower , white-fleshed pitahaya , pitahaya。別名はピタヤ、ホワイトドラゴン、ホワイトピタヤ、サンカクサボテン, ハイサボテン。
蔓性木。よじ登り又は乱雑に広がる。茎は濃緑色、長さ3~15m。節茎(Joints)は長さ20~50㎝×幅3~8(~12)㎝、翼又は角(かど)があり、翼や角(かど)の縁は粗い円鋸歯があり、角質。刺座は3~6㎝離れ、 直径2~5㎜。刺は刺座にに1~3(~6)本、様々な方向に広がり、灰褐色、円錐形~錐形、長さ2~5(~10)㎜。花は長さ25~30㎝×幅15~34㎝、漏斗形。外花被片は中肋が帯緑色、縁はほぼ白色、披針状線形~線形、長さ10~15㎝×幅1~1.5㎝、縁は全縁、先は尖鋭形、後屈する。内花被片は直立~開出し、白色、狭倒披針形、縁は全縁又は微細不整歯。花糸はクリーム色、長さ5~7.5㎝。葯は線形、長さ約4.5mm。花柱はクリーム色、長さ14~20㎝、丈夫。柱頭は20~24個、2~2.3㎜突き出し、細い。果実は赤色、球形~楕円形、長さ7~12.5㎝×幅6~12㎝、多数の三角形の鱗片がつき、へそは小さい。果肉は白色。種子は倒卵形、約・長さ2㎜×幅1㎜。花期は7~10月。
茎は3翼で、翼は幅2~3cm、細く、円鋸歯があり、縁は角質。刺座(areoles)には長さ1~3mmの円錐状の刺が1~4本ある。夜に開花する花(nocturnal)で、長さ25~30cm、直径15~25cm。長さ7~9cmの花托筒(receptacle tube)は長さ3~8cm、幅0.5~1.2cmの重なり合った葉状の鱗片で覆われている。花被片の萼片部分は線状~線状披針形、長さ100~150mm、幅10~15mm、緑白色。花被片の花弁部分は倒披針形、長さ10~15cm、幅2.5cm、白色。子房は長さ2~3cm、葉状鱗片は長さ2~3cm、幅1~1.5cm、花柱は長さ17.5~20cm、クリーム色、柱頭裂片は最大24個、クリーム色。果実は長楕円形、長さ5~12.5cm、直径4~9cm、葉状の鱗片が残る。花期は5~6月。ボアコ島とチョンタレス島では野生植物としては珍しいが、広く栽培されている。 [Flora of Nicaragua]
19 Selenicereus validus S.Arias & U.Guzmán セレニケレウス・バリダス
メキシコ原産。英名はthick night blooming cereus, moonlight cactus. Jungle Cactus 。山地の斜面に生える。着生植物、節のある茎は長さ20~40cm、直径2~2.8cm、肋は(9~)10(~12)、高さ5~7mm、幅2~5mm、縁は鋭い。刺座は直径1mm、刺は17~21本、針状で白色、先端は黒色。刺の内訳は、放射状の刺が15~17本、硬く、長さ10mm、そのうち1~4本は硬く、中央の刺は2~4本、長さ8~14mm。花は長さ18~22cm、ペリカーペル[pericarpel]は長さ15~18mm×幅13~14mm、緑色、ポダリアは8列あり、鱗片は長さ1~2mm、赤緑色、0~3本の剛毛があり、剛毛は長さ2~7mm、白色。筒部は長さは8~10cm、下部の直径は10mm、上部の直径は22mm、黄緑色、ポダリアは沿下する。鱗片は長さ3~15mm×幅1mm、緑色で先は帯赤色、長さ5~10mmの帯白色の剛毛がある。外花被片は長さ4.5~6cm×幅0.2cm、長円形、赤褐色~帯黄色。内花被片は長さ6.5~7cm×幅0.6~0.8cm、黄白色。花糸は黄白色、花柱は長さ17cm×幅0.2cm、黄色。柱頭裂片は14~16個、パピラがあり、薄緑色。果実は球形~ほぼ球形、長さ4cm×幅3cm、紫ピンク色、刺座には白色の羊毛状毛があり、鱗片は長さ1~2mm、4~8本の剛毛と白色の毛がある。果実はほぼ球形、果皮は赤色、多数の刺座に多数の白色の刺がある。種子は長さ1.5mm×幅0.8mm、卵形、種皮は細胞装飾がある。花期は夏~秋。
20 Selenicereus vagans (K.Brandegee) Britton & Rose セレニケレウス・バガンス
synonym Cereus vagans K.Brandegeesynonym Mediocactus vagans (K.Brandegee) Doweld
synonym Selenicereus longicaudatus (F.A.C.Weber) Borg
メキシコ原産。シナロア州、ハリスコ州に分布し、沿岸地域の岩の上に生育する。 茎は直径1~1.5cm、しばしば大きな茂みを形成する。肋は約10本、低い。刺座は直径2.5~3mm、羊毛状毛があり、刺座間の距離は1~1.5cm、多数の針状の刺があり、刺は長さ1cmで、褐黄色である。花は長さ15~17.5cm。ペリカーペル[pericarpel]と筒部は長さ約9~10cm、やや湾曲し、褐緑色。ペリカーペルは下部に円錐形のポダリアをもち、上部のポダリアはより長く、非常に薄い帯赤色の鱗片をもち、刺座には長さ1~1.5mmの刺があり、白色、帯赤色、または帯黒色。花筒は下部で直径10mm、花被の始まり部で直径2cm、長いポダリアをもち、特に上部のポダリアは長く、刺座は直径1.5mmで、下側に錐形または円錐形の鱗片があり、上側の鱗片は三角形で長さ1.5mm、刺は下側に5~8本、長さ3~4 mm、上側に3~4本の刺があり、長さ6~10mm、帯赤色、最上部の鱗片は長さ5~10mm、幅2~3mm。外花被片は線形、先が鋭形、長さ3~6.5cm、幅3~4mm、緑白色~褐緑色。内花被片は倒披針形、白色、短く尖り、縁は波状または歯状、長さ6cm、幅1cm。花糸は白色、基部が帯緑色。花柱は下部が帯緑色、上部はクリーム色、細い。柱頭裂片は12個、線形。果実は楕円形、疣状突起があり、ピンク色、長さ7cm、直径3~5cm、刺座は直径2mm、白色のフェルト状毛と8~15本の黄色い刺がある。 花期は4月。
21 Selenicereus wercklei (F.A.C.Weber) Britton & Rose セレニケレウス・ウェルックレイ
synonym Cereus wercklei F.A.C.Webersynonym Mediocactus wercklei (F.A.C.Weber) Doweld
synonym Selenicereus inermis subsp. wercklei (F.A.C.Weber) Gómez-Hin. & H.M.Hern.
コスタリカ原産。熱帯雨林に生える。Selenicereus inermis異名や亜種とされたこともあったが。POWOでは独立種としている。
茎に刺のない、攀縁性の着生のサボテン。茎は幅約1cm、肋が6~9本あり、肋は低く、鈍く、わずかに窪みはあるが刺はない。花は通常長さ約15cm、花被の筒部は長く、花被片の長さの約2倍あり、緑色、太さは約1cm、刺座があり、白色の刺がある。基部の花托筒部分には密に刺がある。外花被片は緑色、直立または開出し、後屈しない。内花被片は白色、基部が赤色になる。花柱は上部が白色、花被片の中間あたりから下の部分が赤色になる。柱頭は白色、葯を超えて伸びる。花は開花期を通して刺激的なマリーゴールドのような香りがする。
22 ハイブリッド
(1) S. undatus × S. ocamponis ピンクドラゴン
(2) S. undatus × S. monacanthus ピンクドラゴン
(3) S. undatus × S. megalanthus オレンジドラゴン
(4) S. costaricensis × S. megalanthus オレンジドラゴン
(5) S. undatus × S. stenopterus × S.Guatemalensis. Connie Gee Dragon Fruit
(6) S. stenopterus × S. undatus. Connie Mayer Dragon Fruit
(7) S. stenopterus × S. undatus. Bruni Dragon Fruit
(8) Connie Mayer (S. stenopterus + S. undatus) × S. guatemalensis Celeste Dragon Fruit
(9) その他ハイブリッド品種) 'Aida' , 'Titan' , 'variegatae'
ヒモサボテン属
family Cactaceae - genus Hylocereusよじ登り、這いまわり、着生する。茎は分枝し、普通、3翼又は3角(かど)があり、縁はしばしば角質、しばしば多数の気根を生じる。アレオール(Areoles:刺座)は 離れ、翼や角のノッチの中にある。刺は短く、又は無い。花は夜咲き(nocturnal)、白色又はまれに赤色、漏斗形、大きい。花托筒は普通、長く、上部で、幅広の葉状の鱗片を持つ。雄しべは多数、花筒の基部と花筒ののど部(花被片の基部)につき、花被より短い。胎座は側膜胎座。柱頭は多数、ときに2裂又は扇形。果実は球形、楕円形、又は卵形、大きく、肉質、刺は無く、幅広の鱗片がある。種子は多数、卵状腎形、種皮は光沢のある黒色、平滑又は小さな斑点がある。
世界に約15種があり、メキシコ、西インド諸島~南アメリカに分布する。数種が栽培されている。Hylocereus
参考
1) Flora of ChinaHylocereus
Selenicereus
Selenicereus
Hylocereus
Lista anotada de cactus nativos y naturalizados de Cuba
The Cactaceae family in Tabasco, Mexico
El género Selenicereus en México p77-95
PODARIUM (PODARIA) – A CONTROVERSIAL BOTANICAL TERM
The Cutting Edge Volume XIV, Number 3, July 2007
SEASON'S PICK: Selenicereus inermis vs. S. wercklei
Hylocereus stenopterus (F.A.C.Weber) Britton & Rose
Selenicereus inermis (O ex Pfeiff) Br & R