ドンベヤ・セミノール  
別名] ドムベヤ
[英名] dombeya
[学名] Dombeya 'Seminole'
アオイ科 Malvaceae  ドンベヤ属
三河の植物観察
ドンベヤ・セミノールの花序
ドンベヤ・セミノールの花
ドンベヤ・セミノールの咢状総苞
ドンベヤ・セミノールの咢片
ドンベヤ・セミノールの幹
ドンベヤ・セミノール
ドンベヤ・セミノールの花序2
ドンベヤ・セミノールの葉
 ドンベヤはアオイ科ドンベヤ属の観賞用のアフリカ、マダガスカルなど原産の栽培種。ドンベヤ・ブルゲッシアエがドンベヤ属の中でが最もよく栽培され、ドンベヤ・セミノールはD. burgessiaeの系統の園芸品種。
 D. burgessiae E29とD. aff burgessiae 'Rosemound'の交配種。密な中間サイズの低木、、高さ1.5~3m、雄親の半球形と雌親の紫赤色の花を持ち、外形が美しい。花期は11~3月。葉は心形、約長さ23㎝×幅17㎝、互生、縁は円鋸歯、、上面及び下面は暗緑色、星状毛が散生する。上向きの散房花序に多数の花がつき、花は直径3~4㎝。花弁は約長さ24㎜×幅17㎜、濃い紫赤色。咢片は約長さ20㎜×幅5㎜、花弁から離れて曲がる。花期は12~1月。
[花期] 12~1月
[高さ] 1.5~3m
[生活型] 常緑低木
[生育場所] 栽培種
[分布] 帰化種 アフリカ原産
[撮影] 安城市(デンパーク)    19.1.4
 ドンベヤ属
  family Malvaceae - genus Dombeya

 低木又は高木、花時に落葉性、まれに常緑、星状毛、単純毛、腺毛をもつ。托葉がある。葉は全縁又は3~5(~7)掌状分裂、葉柄があり、基部はしばしば心形、縁は鋸歯縁、歯状、まれに円鋸歯、普通、掌状脈、星状毛があり、しばしば単純毛と腺毛が混じる。托葉は狭い三角形、落葉性。花序は腋生、花序柄があり、腋生又は頂生の集散花序、苞があり、類散形花序又は二出集散花序状、花が10~40個つき、花柄がある。、花は両性花、白色~ピンク色~帯紫色。苞(咢状総苞)は、普通、3個、咢に接して輪状につき、離生、普通、等形、脱落性、まれに花柄に互生する。咢は基部で統合して筒部は短く、咢片は5個、敷石状、三角形、しばしば、反り返り、内側の基部に蜜腺があり、外面は有毛。花弁は5個、よじれ、広がり、白色、ときに脈や基部が赤色又はピンク色、斜めで非対称、倒卵形又は半卵形~半楕円形、短い爪部があり(蝶の羽根形)、無毛、枯れて褐色になり、宿存し、果時に紙質又は薄膜質になる。雌雄蕊柄(androgynophore)は無い。普通(10~)15個の稔性の雄しべが1つの輪にグループ状につき、花糸の基部が短い筒に統合する(D amaniensisでは長さ1.5~1.6㎝)。花糸は長さの異なる3~8グループ(まれに2又は4グループ)になり、5個のわずかに長い又はほぼ等しい舌状へら形の花弁状の仮雄しべを互生する。葯は長楕円形、隙間から裂開する。子房は卵形~扁球形、綿毛があるか又はまれに腺があり、3~5室、各室に2~8個の、並生して斜上する胚珠をもち、中軸胎座。花柱は雄しべとほぼ等長、短く (2~)3~5分枝する。果実は蒴果、球形~卵形、褐色、乾き、わずかに木質、3~5バルブに胞背裂開する。種子は室に1~数個、類腎形又は角張り(球形~倒卵状長楕円形)、褐色又は黒色、肉質では無く、種皮は硬く、粗く、小さなうねや点、穴がある。

 世界に約200種があり、アフリカ、マダガスカル、マスカリン諸島に分布する。

 ドンベヤ属の主な種と園芸品種
 1  Dombeya burgessiae Gerr. ex Harv. ドンベヤ・ブルゲッシアエ
   synonym Dombeya greenwayi Wild
   synonym Dombeya mastersii Hook.f. 
   synonym Dombeya parvifolia K.Schum.,
   synonym Dombeya rosea E.G.Baker,
   synonym Dombeya tanganyikensis Baker
 アフリカ(ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ザイール、アンゴラ、マラウィ、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ、スワジランド)原産。英名はpink wild pear, pink dombeya, persdrolpeer 。
 小高木又は低木、高さ2~4(~8)m、密に毛があるか又は無毛になり、毛は単純毛~星状毛~柄の無い腺又は腺毛。葉は類円形、明瞭に3裂、まれに5裂又は全縁、長さ11~23㎝×幅7~18㎝、先は尖鋭形、縁は粗い、不規則な円鋸歯又は歯状、基部は深い心形、上面は密に長い枝の星状毛がある。葉柄は長さ7~15㎝。托葉は披針形~広卵形、長さ0.8~1.3㎝×幅0.3~0.6㎝、長い尖鋭形。花序は腋生、長さ6~21㎝、散房花序又は±散形花序、多数花がつく。花序柄は長さ2.2~3.8㎝。咢状総苞は咢の基部、まれに花柄の上につき、楕円形~卵形~長楕円形~披針形~倒披針形、長さ1~1.4㎝×幅0.2~0.5㎝、英系~長い尖鋭形、脱落性。咢片は反り返り、披針形、長さ0.9~1.3㎝×幅0.2~0.8㎝、鋭形、外側は有毛。花弁は広がり、ピンク色又は白色、基部又は脈が赤色になるか又はならず、長さ1.2~2.5㎝×幅1~2.5㎝。雄しべ群は長さ1.2㎝。雄しべ筒は長さ0.1~0.5㎝、先が広がり、又は横が凸面。仮雄しべは長さ0.7~1.6㎝。最も長い雄しべは長さ0.6~1㎝。葯は長さ0.2~0.5㎝。子房は球形~卵形、綿毛がある。花柱は長さ0.5~1.6㎝、有毛又は無毛、5分枝。蒴果は卵形又は球形、直径0.5~1.5㎝、綿毛がある。種子は長さ3~4㎜×幅葯2㎜、暗褐色~黒色。2n = 54。花期は4~7月(アフリカ南部)。果期は6~10月(アフリカ南部)。

 2  Dombeya cacuminum Hochr. ドンベヤ・カクミナム
 マダガスカル原産。英名はstrawberry snowball tree
 高木、高さ9~16m、幹は直径30㎝以下。枝の樹皮は褐色、無毛。葉は単葉、互生。托葉は広卵形~類円形、長さ約15㎜、ほぼ無毛、脱落性。葉柄は長さ25㎝以下、先を除いて無毛。葉身は類円形~3裂、長さ26㎝×幅22㎝以下、基部は深い心形、裂片は三角形、中央の裂片が最も大きく、先は長い尖鋭形、縁は歯状、基部の脈を除いて両面とも無毛、脈は掌状脈、基部から9~11脈があり、脈は下部で明瞭。花序は腋生、散形花序状の集散花序、枝先に集まり、長さ15㎝以下。花序軸は不規則に二又になり、無毛、枝も無毛。花は両性、放射相称、5数性。花柄は長さ3~4.5㎝、無毛。咢状総苞は3個、類円形、長さ約1㎝、無毛、脱落性。咢は深く5裂、長さ約2㎝、外側は無毛、咢片は披針形、最終的には反り返る。花弁は離生、広く、非対称の倒卵形、長さ45㎜×幅35㎜以下、赤色~紫色。雄しべ群は王冠形、雄しべの王冠は長さ1~1.5㎜、雄しべは15個、花糸は不等長、長さ4.5~10㎜、分離又は王冠の上部で合着し、5個の長さ20~23㎜の仮雄しべが互生する。子房は上位、有毛。花柱の柱は長さ30~35㎜、5枝がある。果実は卵形の蒴果、長さ約13㎜、3~5室、有毛、胞背裂開。種子は倒卵状三角形、長さ約2.5㎜、褐色。

 3  Dombeya elegans Cordem. ドンベヤ・エレガンス
   synonym Dombeya frappieri Arenes
 レユニオン島の固有種。英名はPink Shrub Dombeya , Dombeya elegans hybrid , Tropical Hydrangea。
 Dombeya blattiolensとDombeya delisleiの交雑種ではないかと推定されている。Dombeya burgessiaeに含められることもある。
 高さ5~6(~8)m。樹皮は帯黒色~帯灰色、平滑又は弱く裂ける。若枝は無毛。葉柄は無毛。托葉は脱落性、楕円形、無毛、内側に小さな腺がある。葉は単葉、浅く0~3~5分裂(歯状)、脈は掌状、基部は浅い心形~円形、先は鋭形。花序は散房花序状の集散花序、花が3~10個つく。花弁は5個、ピンク色又は白色。咢状総苞片は線形。雄しべは20個以下。仮雄しべは白色又はピンク色。花柱は無い。果実は球形、直径9~11㎜、有毛。花期は2~6月。
 ※'Pink Cloud' がDombeya elegans の品種とされることがあるが、誤り。
3-1 Dombeya 'Rosemound'
 Dombeya sp. aff(類似). D. burgessiae Gerrard, P. I.205654は元はレユニオン島の固有種であるD. elegans,として1951年に米国に輸入されたものである。6年間の無性繁殖の研究後に、Crops Research Divisionにより1967年に品種の'Rosemond'として発売された。元の上向きの苗からのクローンは親の足の長い状態に戻る傾向は無く、11~12月にくすんだピンク色の花が低木の表面全体につく。

 4  Dombeya tiliacea (Endl.) Planch.  ドンベヤ・チリアケア
   synonym Dombeya dregeana Sond
 南アフリカ原産。英名forest wild pear, forest dombeya, little-dog-rose。
 低木、小高木、高さ3~4(~10)m 、普通、多数の茎をもつ。樹皮は粗く、暗灰色。小枝は細く、淡色の皮目と葉痕があり、若枝は有毛。葉は単葉、卵形、基部は心形、しばしば、先方向に長くなり、ときに先で浅く3裂し、長さ30~100㎜×幅20~80㎜、質は薄く、暗緑色でわずかに毛があり、古くなると平滑になり、縁はホタテ貝のように波打ち、又は歯状、普通、基部から5脈があるが、3~7脈があり、葉の下面に脈が盛り上がる。葉柄は長さ20~65㎜有毛。花は上部の葉腋に疎に2~9個、束生し、かなり大きく白色、たまにのど部がピンク色。花期は晩夏~秋(3~7月)。花は直径25~30㎜、甘い芳香がある。果実は小さく、丸く、蒴果の内側には毛があり、花の残存物が錆褐色、裂開して冬~早春(6~12月)に数個の種子を放出する。種子は小さく、約長さ5㎜×幅7㎜、粗く、3面がある。
  品種)'Dombella' , 'Kleinemund'

 5  Dombeya wallichii (Lindl.) Benth. ex Baill.  ドンベヤ・ワリッキー
   synonym Dombeya wallichii (Lindl.) K.Schum.
 マダガスカル原産。英名はpink-ball , pink-ball-tree , pink wild pear , pink dombeya , tropical hydrangea
 低木又は小高木、高さ6~9m。葉は長さ10~20㎝×幅5~10㎝、心形、鋸歯縁、先は尖り、下面に細かい毛がある。花序は腋生、散形花序状の集散花序、直径12~15㎝を下垂し、多数の花がつく。花序柄は長さ20㎝以上、有毛。花はピンク色、直径約3㎝、キャラメルコーンのようなよい香りがある。花柄は長さ約4㎝、有毛。咢片は線状長楕円形、長さ約1.5㎝×幅約3~4㎜、外側に密に開出毛がある。花弁は倒卵形、斜め、長さ2~2.5㎝幅1~1.5㎝、稔性の雄しべは長さ約1㎝。仮雄しべは長さ約1.5㎝。心皮は5個。子房は卵状長楕円形、密に絨毛がある。柱頭は突き出る。蒴果は5角形、卵状長楕円形、錆色の毛が密にあり、先に長さ約2㎝の花柱が宿存する。花期は11~3月(フロリダでは12~1月)。
品種) 'Variegata' , 'Pink Ball' , 'Mexican Rose Tree'

 6  園芸種
(1) Dombeya ×cayeuxii Andre
   synonym Dombeya spectabilis Boj.
栽培種。英名はMexican rosetree , pink snowball , pink-ball dombeya , pompomtree
D. burgessiae(D. mastersii) と D. wallichiiの交雑種。1895年にポルトガで作り出され、1907年にアメリカに輸入された。
 小高木、低木、高さ4.5m。。花序は丸い(ボール形の)散形花序状の集散花序を下垂する。花は濃いピンク色。芳香のある花を1か月以上咲かせる。花期は秋~春。

(2) Dombeya 'Seminole' ドンベヤ・セミノール
 D. burgessiae E29とD. aff(類似). burgessiae 'Rosemound'の交配種。
 密な中間サイズの低木、高さ1.5~3m、雄親の半球形と雌親の紫赤色の花を持ち、外形が美しい。花期は11~3月。葉は心形、約長さ23㎝×幅17㎝、互生、縁は円鋸歯、、上面及び下面は暗緑色、星状毛が散生する。上向きの散房花序に多数の花がつき、花は直径3~4㎝。花弁は約長さ24㎜×幅17㎜、濃い紫赤色。咢片は約長さ20㎜×幅5㎜、花弁から離れて曲がる。花期は12~1月。

(3) Dombeya 'Pinwheel'
 Dombeya sp.の放任受粉から得られた種子の実生の選抜。小高木、丸い樹冠をもつ。花は紫色を帯びたピンク色。花期は10~11月。花弁は5個、片側に曲がり、おもちゃの風車(pinwheel)ように見える。葉は心形、約長さ9㎝×幅7㎝、微軟毛があり、3浅裂、縁は歯状。花は散房花序につき、幅26㎜。花弁は約長さ23㎜×幅22㎜、濃紫ピンク色。咢片は花弁と同長、幅約5㎜、花弁に対して上向きに曲がる。花柄、花序柄、咢片は有毛。

(4) Dombeya 'Perrine'
 Dombeya aft", burgessiae Gerr. P. I. 205654..の放任受粉から得られた2次世代の実生の選抜。半球形の樹幹で、密な緑色の葉をもつ。葉は無毛、長さ10~13㎝×幅8~10㎝、裂片は広く浅く、基部は心形、縁は波状の歯状。花は中位の紫ピンク色、葉を超えて全体が見える大きな密の散房花序につく。花期は10月初~11月中旬。

(5) Dombeya 'Pink Clouds'. ドンベヤ・ピンククラウド
 英名はLight Pink Shrubby Dombeya, Light Pink Seminole , Cape Wedding Flower。
 Dombeya dregeana Sond(=Dombeya tiliacea). P. I. 221175.の放任受粉から得られた種子の実生の選抜。オリジナルの7年株は高さ3.7m、幅3.7m。樹冠の中心から多くの枝を斜上する。葉の密度は中間。葉は緑色、長さ13~15㎝×幅10~13㎝、浅裂し、縁は歯状。花は幅約4.5㎝、薄紫ピンク色。花序は、葉の上に出る大きな密散花序。花期は10~11月中旬。
 花は花後にきれいに落ちる。種子はできず、ハイブリッドと思われる。これが誤ってDombeya 'Seminole'として売られていたことがあるといわれている。Pink Cloud' がDombeya elegans の品種とされることがあるが、誤り。
 参考
1) Dombeya wallichii - Pink Ball Dombeya - Flowers of India
 Pink Ball Dombeya
 http://www.flowersofindia.net/catalog/slides/Pink%20Ball%20Dombeya.html
2)Flora of Pakistan
  Dombeya wallichii
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=250045919
3) Dombeya Cav. | Plants of the World Online | Kew Science
 Dombeya Cav.
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:331567-2
4) Dombeya burgessiae Gerrard ex Harv. - prota4u
 Dombeya burgessiae Gerrard ex Harv.
 https://prota4u.org/database/protav8.asp?g=pe&p=Dombeya+burgessiae+Gerrard+ex+Harv.
5) GRIN
  Dombeya
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxon/taxonomysimple.aspx?Dombeya
6) [PDF] dombeya 'seminole' - Florida State Horticultural Society
 DOMBEYA 'SEMINOLE' AND D. 'PINWHEEL',
  NEW CULTIVARS FOR LANDSCAPING IN THE SUBTROPICS
 https://fshs.org/proceedings-o/1973-vol-86/452-453%20(SODERHOLM).pdf
7) SODERHOLM: DOMBEYA INTRODUCTIONS
 https://fshs.org/proceedings-o/1967-vol-80/477-480%20(SODERHOLM).pdf
8) Revision of tlie genus Dombeya (Sterculiaceae) in southern Africa
 Bothalia 16,1; 1-9 (1986)
 1054-2388-1-SM.pde
9) Dombeya elegans var. elegans - Reconnaissance des Dombeya des ...
 Reconnaissance des Dombeya des Mascareignes
 http://mahots.univ-reunion.fr/web/taxa/Dombeya_elegans_var_elegans.html
10) Fibres - 136 ページ  
 Dombeya burgessiae Baker
 Dombeya cacuminum Hochr.
 https://books.google.co.jp/books?id=AspmAgAAQBAJ&pg=PA136&lpg
  =PA136&dq=Dombeya+cacuminum&source=bl&ots=nRFtSCj_sM&sig
  =2HPjNkjG2mbLlLa-_2RyX4iA1lg&hl=ja&sa=X&ved
  =2ahUKEwi7yKLX8dffAhVGdXAKHalRAIE4FBDoATACegQIBxAB#v
  =onepage&q=Dombeya%20cacuminum&f=false
11) [PDF]347622 and 347623. DOMBEYA (hybrid). Sterculiaceae.
 347622 and 347623. DOMBEYA (hybrid). Sterculiaceae.
  https://www.ars-grin.gov/npgs/pi_books/scans/178/pi178_029.pdf

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