クリソセファラム・アピクラツムはキク科クリソセファラム属の栽培種。クリソセファラムの名で園芸用に販売さ れている。いくつかの園芸品種も作り出されている。写真の頭花の黄色の半球形部分が総苞、総苞片は多列。
　多年草、様々に変化し、ときに低木状、高さ7～60㎝。分枝し、綿毛(woolly hairs)をもち、±マット状になり、伏した腺毛をもつ。 葉は線状披針形～倒披針形～へら形、長さ1～6㎝×幅10～25mm、先は尖鋭形～円形で微突頭、縁は平ら又は反曲し、枝と同じように 密毛があり、ときに下面がわずかに濃くなる。頭花は小型の密散花序(束生)に数個～多数つき、枝に頂生する。頭花は無柄又は短い 花序柄があり、鐘形～倒円錐形、長さ5～8mm×直径7～15mm。中間の総苞片が最も長く、外総苞片は薄膜質、不透明、黄金色 (golden-yellow)又は±褐色を帯び(たまに白色でときにピンク色を帯びる)。中間の総苞片は小花の長さにほぼ等しく、直立する 薄板をもつ。小花は雌性と両性。痩果は狭長円状倒卵形、4稜があり、わずかに扁平、無毛又はパピラがある。冠毛の剛毛は細かい 芒で覆われ、下半分が白色、上半分は鮮やかな黄色で類羽毛状。両性小花は6～12個、雌性小花は3～8個。花期は通年、主に春。

クリソセファラム属

　 family　Asteraceae － genus Chrysocephalum

　1年草又は多年草又は亜低木。葉は互生、茎葉、腺毛があり、全縁、葉柄はない。頭花は頂生、単生又は6個のグループ以下で 束生する。頭花は半球形。総苞片は膜質、透明、黄色又は褐色、基部は草質でない。花托は平ら、鱗片(パレア)は無い。小花は 主に筒状、両性、黄色。葯は先に凹面の付属体と短い尾をもつ。花柱の枝は切形、内面にパピラがある。痩果は円柱形、小さな腺 のあるパピラがある。冠毛は分離の剛毛、全体に芒で覆われ(barbellate)又は先や基部が類羽毛状(subplumose)。
　世界に約8種あり、全てオーストラリア固有種、全ての州にある。

クリソセファラム属の主な種と園芸品種

1 Chrysocephalum apiculatum (Labill.) Steetz　クリソセファラム・アピクラツム
　　synonym　Helichrysum apiculatum (Labill.) D. Don.
　オーストラリア原産。英名はcommon everlasting, yellow buttons。
　多年草、様々に変化し、ときに低木状、高さ7～60㎝。分枝し、綿毛(woolly hairs)をもち、±マット状になり、伏した腺毛をもつ。 葉は線状披針形～倒披針形～へら形、長さ1～6㎝×幅10～25mm、先は尖鋭形～円形で微突頭、縁は平ら又は反曲し、枝と同じように 密毛があり、ときに下面がわずかに濃くなる。頭花は小型の密散花序(束生)に数個～多数つき、枝に頂生する。頭花は無柄又は短い 花序柄があり、鐘形～倒円錐形、長さ5～8mm×直径7～15mm。中間の総苞片が最も長く、外総苞片は薄膜質、不透明、黄金色 (golden-yellow)又は±褐色を帯び(たまに白色でときにピンク色を帯びる)。中間の総苞片は小花の長さにほぼ等しく、直立する 薄板をもつ。小花は雌性と両性。痩果は狭長円状倒卵形、4稜があり、わずかに扁平、無毛又はパピラがある。冠毛の剛毛は細かい 芒で覆われ、下半分が白色、上半分は鮮やかな黄色で類羽毛状。両性小花は6～12個、雌性小花は3～8個。花期は通年、主に春。
品種)　 'Baby Gold' , 'Desert Flame' , Flambe Orange , Flambe® Yellow , 'Flochrora' , 'Flochrdef' , 'Inchrdesgo' (PBR)' , 'Silsun' , 'Silver and Gold' , Silver Leaf Yellow , 'Silver Sunburst'

2 Chrysocephalum semipapposum (Labill.) Steetz
　オーストラリア原産。英名はclustered everlasting , yellow-buttons
　多年草又は亜低木、直立し、ほとんどが高さ15～60㎝。しばしば芳香があり、たまに根茎をもつ。茎や枝は様々に密毛がある。 葉は変化が多く、しばしば2形、線形～長円形～狭披針形、主に長さ2～50mm×幅1～5(～15)mm、鋭形～尖鋭形、基部はしばしば、 沿下し、縁は普通、反曲又は外巻きし、絹毛、綿毛、剛毛、又はときに無毛になるか無毛。頭花は普通、多数、密な束生の散房 花序につき、たまに、単生、鐘形～半球形、直径3～7mm。総苞は8～10列、長さ5～8mm。総苞片は柄があり、フリンジのある膜質の 薄片がいくらかの大きさまで発達する。外総苞片は綿毛があり、黄金色又は帯褐色。内総苞片は最も長く、直立し、小花の長さと ほぼ同長。外側の小花は雌性、内側の小花は両性。痩果は長さ0.5～1.4mm。冠毛は長さ2～4mm、黄色、ときに雌性の小花では 欠く。花期は主に春と夏。

3 その他ハイブリッド
品種)　'Desert Flame' , 'Midget' , Moxie™ Gold

レイオカルパ属に移された種

1 Leiocarpa semicalva (F.Muell.) Paul G.Wilson
　　synonym　Chrysocephalum ambiguum (Turcz.) Anderb.
　　synonym　Helichrysum ambiguum Turcz.
　　synonym　Leptorhynchos ambiguus (Turcz.) Benth.
　ニューサウスウェールズ州原産。
　多年草、高さ20～40㎝、刺激のある臭いがする。枝は腺でザラつき、普通、綿毛がある。葉は線形又は線状披針形、長さ0.8～ 3㎝×幅1～4mm、先は尖鋭形～微突頭、縁は反曲～後ろ巻き、ときに、波打ち、ほとんどが、枝に似た密毛をもち、特に、下面 に多い。花序柄は長さ2～8㎝、葉がないか、又は少数の小さくなった葉をもつ。頭花は長さ6～10mm。総苞片は多少、等長で、 不規則に切れ込み(lacinate)、総苞が長い綿毛(woolly hairs)に包まれる。透明～薄膜状、先端が多少不透明、帯黄色～金褐色。 小花は両性と雌性。痩果は無毛。両性小花の冠毛の剛毛は芒で覆われ、雌性小花では剛毛を欠くか、1又は2本。花期は通年。
品種)　'Prosil'

参考

1) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE
　Chrysocephalum 　Chrysocephalum apiculatum (Labill.) Steetz 　Leiocarpa semicalva (F.Muell.) Paul G.Wilson subsp. semicalva 　Leiocarpa semicalva (F.Muell.) Paul G.Wilson 2）Plants of the World Online | Kew Science
　 Chrysocephalum 3）GRIN
　Chrysocephalum 4）Flora of Victoria
　Chrysocephalum 　Chrysocephalum semipapposum