1年草または多年草、野生では高さ約1.2m、1.5m以下、夏に受け取る水の量に応じて高さが異なる。栽培では高さ1.5～2mになる。茎は単一または分枝し、花がピンク色のものは普通暗赤色、花が白色のものは黄緑色。葉、茎、花は細い白色の腺毛で覆われ、わずかに粘着性があり、つぶすと強い不快臭がある。葉柄は細く、長さ13㎝以下。葉は様々に変化し、茎の中間で広心形～3裂し、ときに3深裂または掌状、長さおよび幅が15㎝以下。毛があり、基部は広心形、縁は粗い円鋸歯。高い茎のまばらな穂状花序に花が対につく。しかし、一度に開花するのは茎に2個か3個の花だけであり、下から順次、開花し、開花から数週間以内に、果実が形成される。花はジギタリスの花によく似ていて、白色、ピンク色または藤色、長さ約4(2～6)㎝、5裂し、下側の裂片は他の裂片より長く、花冠喉部と下唇に繊細な濃色の条線がある。果実は長さ約20(15～28)㎜×5～7㎜、褐色で乾き、先端に目立つ、長さ約8mmの2本の角(つの)があり、裂開し、種子を放出する。種子は黒色、小さな扁平の洋ナシの形。花期は7～10月。

ケラトテカ属

　 family　Pedaliaceae － genus Ceratotheca

　一年草または多年草、直立し、悪臭がある。葉は対生または類対生、葉柄がある。葉身は形が様々で、大きいものはしばしば矢じり形または3裂する。花は葉腋に単生し、短い花柄があり、垂れ下がり、花柄の基部に蜜腺がある。白色、ピンク色、またはライラック色。萼はしばしば宿存する。花冠は筒状漏斗形(斜めの鐘形)、拡大部は±2唇形。上裂片と側裂片は短く、ほぼ等長。下裂片は最も長い。雄しべは4本、花糸は細い。葯室は長円形、平行。子房はほぼ円筒形、わずかに扁平、2室、室は偽隔壁によりほとんど先まで分かれる。胚珠は多数、各区画に1列につく。果実は木質でない胞背裂開蒴果、先端の両角(かど)に横向きの角(つの)がある。 種子は多数、扁平、倒卵形～ほぼ円形、翼は無い。
　世界に5種があり、すべてアフリカに分布する。

ケラトテカ属の主な種と園芸品種

1 Ceratotheca sesamoides Endl.　ケラトテカ・セサモイデス
　　synonym　Sesamum sesamoides (Endl.) Byng & Christenh.
　熱帯アフリカ原産。英名はfalse sesame。ジギタリスに似た花を葉腋に単生する。種子は油分を含むが、ゴマより品質が落ちる。
　1年草、高さ15～90㎝。茎は直立または半平伏し、単一または分枝し、毛がある。葉は普通対生し、卵状三角形～披針状三角形、まれに卵状心形、上部の葉は狭く、ときに全縁、下部の葉は少なくとも基部に粗い歯があり、長さ1.5～8㎝×幅0.4～4.5cm、先は鋭形、基部は切形、広くさび形、または類矛形、毛があり、、下面には密に腺があり、上面は腺がごくまばら。葉柄は毛があり、長さは様々、下部のものは長さ6㎝以下、上部のものは長さ0.1㎝以上。花はピンク色、ライラック色、藤色または紫色、喉部と唇はしばしばクリーム色で暗色の線がある。花柄は長さ3～5㎜。萼は宿存し、萼片は披針形、毛があり、鋭形、長さ4～5㎜。花冠は長さ1.3～4㎝、薄く毛があり、最下の裂片は広卵形、上裂片と側裂片ははるかに短く、横方向に楕円形。子房は薄く毛がある。蒴果は毛と腺があり、長さ1.2～2.3㎝×幅0.4～0.7㎝、角(つの)は長さ1～3.5㎜の範囲で変化し、ときに短くなる。種子は淡褐色または黒色、長さ2.5～4㎜×幅2～2.5㎜、縁に横皺があり、中央部分が凸状で平滑。

2 Ceratotheca triloba (Bernh.) Hook. f.　ケラトテカ・トリロバ
　　synonym　Ceratotheca lamiifolia (Engl.) Engl.
　　synonym　Sesamum lamiifolium Engl.
　　synonym　Sporledera kraussiana Bernh.
　　synonym　Sporledera triloba Bernh.
　ボツワナ、ザンビア、ジンバブエ、モザンビーク、南アフリカ原産。英名はwild foxglove , South African foxglove ,African foxglove , false foxglove 別名はワイルドフォックスグローブ。
　1年草または多年草、野生では高さ約1.2m、1.5m以下、夏に受け取る水の量に応じて高さが異なる。栽培では高さ1.5～2mになる。茎は単一または分枝し、花がピンク色のものは普通暗赤色、花が白色のものは黄緑色。葉、茎、花は細い白色の腺毛で覆われ、わずかに粘着性があり、つぶすと強い不快臭がある。葉柄は細く、長さ13㎝以下。葉は様々に変化し、茎の中間で広心形～3裂し、ときに3深裂または掌状、長さおよび幅が15㎝以下。毛があり、基部は広心形、縁は粗い円鋸歯。高い茎のまばらな穂状花序に花が対につく。しかし、一度に開花するのは茎に2個か3個の花だけであり、下から順次、開花し、開花から数週間以内に、果実が形成される。花はジギタリスの花によく似ていて、白色、ピンク色または藤色、長さ約4(2～6)㎝、5裂し、下側の裂片は他の裂片より長く、花冠喉部と下唇に繊細な濃色の条線がある。果実は長さ約20(15～28)㎜×5～7㎜、褐色で乾き、先端に目立つ、長さ約8mmの2本の角(つの)があり、裂開し、種子を放出する。種子は黒色、小さな扁平の洋ナシの形。花期は7～10月。
品種)　 'Alba'

参考

1) Flora of Zimbabwe
　Ceratotheca 　Ceratotheca triloba (Bernh.) Hook. f. 2) Plants of the World Online| Kewscience
　Ceratotheca 3) World Flora Online
　Ceratotheca 4) PlantZAfrica
　Ceratotheca triloba (Bernh.) Hook. f.