ベニフクリンセンネンボク 紅覆輪千年木

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Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae ドラセナ属

別 名 ドラセナ・コンシンネ、コンシンネ、ドラカエナ・コンキンナ
英 名 Madagascar dragon tree , dragon tree
学 名 Dracaena concinna Kunth
 synonym Dracaena marginata var. concinna (Kunth) K.Koch
 synonym Dracaena betschleriana (Göpp.) K.Koch
ベニフクリンセンネンボクの葉先
ベニフクリンセンネンボクの葉基部
ベニフクリンセンネンボクの茎
ベニフクリンセンネンボク
ベニフクリンセンネンボクの葉表
ベニフクリンセンネンボクの葉裏
花 期 3~7月
高 さ 高さ2~3(4.5)m
生活型 常緑低木
生育場所 乾燥した熱帯林、 熱帯雨林
分 布 外来種  モーリシャス原産
撮 影 デンパーク 24.10.2
ベニフクリンセンネンボクはキジカクシ科ドラセナ属の低木。観賞用に栽培される。写真は品種のホワイボリー 'Whibolly'であり、紅色でなく白色の覆輪斑が入り、ドラセナ・コンシンネ・ホワイボリーと呼ばれる。Dracaena marginataの品種ともされるが、現在ではDracaena marginataはドラセラ・レフレクサの変種 Dracaena reflexa var. angustifoliaとされている。
 常緑低木、高さ2~3(4.5)m。茎は灰白色で直立し、上部は分枝する。葉は長さ30~40(50) cm、細く、線状披針形、先が尖鋭形、濃緑色で縁に濃紅色の覆輪斑が入り、葉は成長すると下部から枯れ落ち、茎頂部に放射状に密生する。花は穂状花序が集まり円錐花序になり、小さな白色の花が多数つく。花には甘い芳香がある。花期は3~7月。
品種) Rainbow , 'Tricolor' , 'Tricolor Rainbow' , 'Whibolly'ホワイボリー='White Holli'ホワイトホリー , ドリーミー

ドラセナ属(リュウケツジュ属)

  family Asparagaceae - genus Dracaena

 高木状、低木状、または亜低木状。茎は単純または分枝し、±木質。葉は茎の先に密集するか、または茎の上部に沿って間隔を開けてつき、無柄または葉柄がある。葉柄は長さ8㎝以下で、基部は茎を抱く。葉身は通常、剣形~楕円状披針形、葉脈は基部と真に平行で、側脈はない。花序は頂生、分枝し、まれに単純である。花は両性、密集し、ときに単生する。小花柄は関節がある。花被は円筒形、鐘形、または漏斗形で、筒部は短く、裂片は6個で、類似する。雄しべは6本で、花被の筒部または喉部に挿入される。葯は多方向(versatile)。子房は3室で、胚珠は室ごとに1個または2個。花柱は細く、柱頭は頭状または3裂する。果実は液果、球形、1~3 個の種子がある。種子は植物メラニン(phytomelanin)で覆われていない。
 世界に約200種があり、熱帯、亜熱帯地域に広く分布し、特にアフリカに多い。英名はdragon-trees。
 チトセラン属(Sansevieria)は約70種あり茎や葉柄がなく、英名はsnake-plants。別名はトラノオ。現在はドラセナ属に含められている。
 チトセラン属は茎がなく、粗く、常緑で、干ばつに強い多年草。根茎が強く、群落を形成する。根茎は円筒形、太く、繊維質。葉は無柄で、ロゼット状または二列生。花序は密な円筒形の総状花序。花は多数つき、無柄、花茎に沿って不規則に束生し、夜間に咲き(nocturnal)、ほのかな香りがします。花被は細長い筒状で、基部は球根状で、6個の裂片が広がる~反り返る。果実は液果、種子は1~3個あり、骨質。

ドラセナ属の主な種と園芸品種

1 Dracaena angolensis (Welw. ex Carrière) Byng et Christenh. ボウチトセラン 棒千歳蘭

  synonym Sansevieria angolensis Welw. ex Carrière
  synonym Sansevieria cylindrica Bojer ex Hook.
 アンゴラ、ザンビア、ジンバブエ原産。英名はAfrican spear, spear sansevieria, cylindrical snake plant。別名はヤリラン。乾燥した場所に生える。  常緑小低木、地中に根茎を這わせて水平に広がり、葉は地表から出て、高さは2mにもなる。葉は細長いほぼ円筒形、直径は3㎝以下、平滑で緑灰色、縞模様がある。花は筒状、長さ約3㎝、緑白色でピンク色を帯びる。

2 Dracaena angustifolia (Medik.) Roxb. ホソバセンネンボク 細葉千年木

  synonym Pleomele reflexa var. angustifolia (Medik.) M.R.Almeida

  synonym Pleomele angustifolia (Roxburgh) N. E. Brown.
 中国(海南省、雲南省)、インド、アンダマン諸島、ニコバル諸島、アッサム、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、ビスマルク諸島、ソロモン諸島、オーストラリア原産。中国名は长花龙血树 chang hua long xue shu。別名はドラセナ・アングスティフォリア。森林、茂みに生える。  低木状で、根茎を持ち、高さ1~3m。茎は単純または少数の分枝があり、しばしば節間は幅より長い。樹皮は帯灰色、平滑。葉は茎の上部に間隔をあけてつき、ほぼ無柄または不明瞭な葉柄がある。葉柄は長さ1㎝まで、基部は節間を完全には覆わない。葉身はほぼ剣形~線状倒披針形、長さ20~45㎝×幅1.5~5.5㎝。花序は頂生、分岐し、長さ30~50㎝。花序軸は無毛。花は2個または3個が房状につく。小花柄は長さ7~8㎜、間接は上部または先端近くにある。花被は緑白色で、長さ1.9~2.3㎝、筒部の直径7~8㎜、花被片は長さ1.1~1.6㎝。花糸は糸状。葯は長さ2~3㎜。花柱は子房の長さ5~8倍。液果は橙色、球形、直径0.8~1.2㎝、種子が1個または2個。花期は3~5月。果期は6~8月。2n=40。
品種) 'Honoriae'

3 Dracaena cinnabari Balf.f. ベニイロリュウケツジュ 紅色竜血樹

 ソコトラ島固有種。英名はSocotra dragon tree。別名はソコトラ・ドラゴンツリー。ソコトラ島は中東イエメンのアラビア海に位置し、花崗岩質と石灰岩質の痩せた乾燥地である。ほとんど雨が降らないが、季節と場所によっては朝になると霧が発生する。この植物は密生した葉に結露が生じ、その水を滴下させ、根から吸収して育つという特異な形態をもつ。
 常緑低木、通常高さ0.9~1.8mで3~4mになる。幹は直径約30㎝で丈夫、1本または数本に枝分かれし、真っぐ直立し、上部で枝分かれし、樹形は大きなキノコ状(傘形)になる。枝を切ったり傷をつけたりすると血のように赤い透明感のある樹液がにじみ出る。葉は最も若い枝の先端にのみ見られ、3~4年ごとに落葉し、同時に新しい葉が成熟する(dracoid habitusとして知られる独特の成長習性)。葉は剣形で、上向きにつく。花は2~5個が房状につき、総状花序または円錐花序となる。果実は小さな肉質の液果、1~4個の種子を含み、熟すと緑色~橙色になる。種子の平均重量は68mg、直径4~5㎜。

4 Dracaena concinna Kunth ベニフクリンセンネンボク 紅覆輪千年木
  synonym Dracaena marginata var. concinna (Kunth) K.Koch
  synonym Dracaena betschleriana (Göpp.) K.Koch
 モーリシャス原産。英名はMadagascar dragon tree, dragon tree。別名はドラセナ・コンシンネ、コンシンネ、ドラカエナ・コンキンナ。
 常緑低木、高さ2~3(4.5)m。茎は灰白色で直立し、上部は分枝する。葉は長さ30~40(50)cm、細く、線状披針形、先が尖鋭形、濃緑色で縁に濃紅色の覆輪斑が入り、葉は成長すると下部から枯れ落ち、茎頂部に放射状に密生する。花は穂状花序が集まり円錐花序になり、小さな白色の花が多数つく。花には甘い芳香がある。花期は3~7月。
品種) Rainbow , 'Tricolor' , 'Tricolor Rainbow' , 'Whibolly'ホワイボリー='White Holli'ホワイトホリー , ドリーミー

5 Dracaena fragrans (L.) Ker Gawl. ニオイセンネンボク 匂千年木
  synonym Dracaena deremensis Engl. シロシマセンネンボク
 アフリカ原産。中国名は香龙血树。乾いた低地の森林に生える。
 低木または小高木、高さ1~6+m、まばらに枝分かれする。鉢植えの場合は高さ50~100㎝になり、幹が直立し、たまに枝分かれする。葉は茎の上部に集まり、無柄、幅広、長さ(20~)40~90(~120)㎝×幅約5~10㎝、狭披針形~倒披針形、基部がやや広がり、しばしば緑色または帯黄色がかったコントラストの色合いの縞模様または縁に色がつき、光沢があり、弧を描き、縁は波状で、先はわずかに鈍形。花序は穂状、ほぼ無柄~短い花序柄があり、主花序軸は長さ約20~100㎝。小花柄は長さ2~5㎜。花は密に束生し、強い芳香(特に夜間)がある。花被は長さ約13~18㎜、乳白色でピンク色または紫色を帯びる。成熟した果実は直径約2㎝、扁球形~ほぼ球形、しばしば、やや裂け、明るい橙色、味が甘く、1~3個の大きな種子がある(Manual de Plantas de Costa Ricaなど)。
品種) 'Massangeana'マッサンゲアナ 幸福の木 , 'Santa Rosa', 'Victoria'

6 Dracaena draco (L.) L. リュウケツジュ 竜血樹
 カナリア諸島原産。英名はDragon tree , Canary Islands dragon tree。中国名は龙血树。乾燥した半砂漠地域に生える。古代ローマ時代から貴重な薬品や染料として珍重されてきたものであり、観賞用にも栽培されている。ドラゴンツリー(Dragon tree)の名はギリシャ神話に因んで名付けられた。樹皮や葉を切ると、ドラゴンズブラッドと呼ばれる赤い樹液が出る。樹液は痛みや苦痛を和らげる伝統的な薬として使われる。
 常緑の小~中高木、高さ15mまたはそれ以上になり、密集した傘形の樹冠をもつ。幹は平滑、横長の細い葉痕が多数あり、古くなるとザラつく。成長が早いこともあるが、通常は10年で約1.2mになる。初めは幹が1本で成長し、10~15年ほどで上部で分枝が始まり、花がつき、各枝は10~15年間成長して再分枝する。葉は密集し、剣形、長さ30~60㎝×幅1~4㎝、灰白色、先は長く細くなる。花序は枝先に頂生し、穂状の枝を持ち、花が多数つく。花は芳香があり、白色、クリーム色、または帯緑色。花被片は長さ7~9㎜ 鈍形。雄しべは花被片を超えない。果実は液果、球形、直径約1㎝、オレンジ色に熟す。

7 Dracaena goldieana Hort. ex Bull トラフセンネンボク 虎斑千年木
 カメルーン、赤道ギニア、ガボン、ナイジェリア、ザイール原産。中国名は虎斑龙血树 hu ban long xue shu。英名はgold dust dracaena, green zebra, green zebra plant, zebra striped dragon tree。観賞用に栽培されている。
 亜低木または低木、高さは野生では4mに達するが、栽培では通常高さ1~2m。葉は無毛、長い葉柄があり、葉柄の基部は茎を抱く。葉身は平滑で薄く、広卵形、基部は円形、先は尖鋭形、縁は全縁、上面は横向きに暗緑色と白色(銀灰色)の縞が交互に並ぶ虎斑様、若葉の下面は帯赤色、中脈は太く上面で凹み、下面に隆起し、他の平行脈は細いする。頂生の無柄の頭状花序に白色の花がつく。花は両性、緑色と白色の斑紋がある。果実はほぼ球形、橙黄色。花期は北半球では3~5月、8~10月、南半球では10~3月と4~6月。

8 Dracaena hyacinthoides (L.) Mabb. ヒロハチトセラン 広葉千歳蘭
  synonym Sansevieria angustiflora Lindb.
  synonym Sansevieria grandis Hook.f.
  synonym Sansevieria hyacinthoides (L.) Druce
  synonym  アフリカ南東部原産。英名はmother-in-law's tongue, piles root, bowstring hemp, Somali Hemp, Somali Good Luck Plant。別名はオオヒロハチトセラン、サンセベリア・ヒアシントイデス。ブッシュフェルトの木陰の岩の間、樹木が生い茂った川岸や渓谷に生える。レッドリストにLC(軽度懸念)として掲載されている。ジャイアント サンセベリア Dracaena zebra(syn. Sansevieria metallica)と混同されることがある。
 常緑多年草、丈夫で高さ60㎝にもなる。根茎は丈夫で繊維質、明るいオレンジ色。葉は直立し、5~12枚が対になってゆるい房状になり、地面から生え、広披針形~卵形、平らで、約・長さ60㎝×幅8㎝、暗緑色に淡い斑点があり、縁は赤色になる。花序は花が多数付いた総状花序、高さ約45㎝。花は無柄、白色、クリーム色、または緑白色~淡い藤色、束生し、かなり良い香りがし、夜に開花する。花期は9~5月。果実は橙色の液果、直径約8㎜。

9 Dracaena nilotica (Baker) Byng et Christenh. チトセラン 千歳蘭
  synonym Sansevieria nilotica Baker
  synonym Sansevieria massae (Chiov.) Cufod.
 中央アフリカ、エチオピア、スーダン、ウガンダ原産。英名はsnake plant。別名はトラノオ、サンセベリア(サンスベリア)。小笠原諸島に帰化している。明治時代に、繊維作物として導入され、栽培され、野生化している。
 常緑多年草、ほぼ無茎で地生、太さ1.2㎝の灰褐色の根茎が地下にある。葉は2~3枚つき、剣形、長さ(50)100~120㎝×幅2.5~3.2(3.5)㎝×厚さ0.1㎝、長い溝があり(中央の溝の跡や折り目がなく)、柔軟だが耐久性があり、非常に平らで平滑、中央部分の側面の30cmはかなり平行であり、先端部分は長さ0.3~0.5cmの柔らかい緑色の狭い先端になり、縁は灰緑色、葉全体にはっきりとした斑点があり、濃い緑色と淡緑色の横方向のジグザグな縞が密集して多数の狭い斑点が配置されるが、ほとんどの斑点は経年変化や標本素材の変化で消える。葉柄は長さ30~40(~60)cm。花序は不規則に花が散在する緩い総状花序であり、長さ37~45㎝×幅0.4~0.5㎝、1総状花序あたり花が2~9個つく。花被は白緑色~淡紅白色、花被筒は細く、長さ0.9~1㎝、花被片は6個、線状披針形、反り返る。雄しべ6本と雌しべ1本は白色で花被片より長い。果実は液果、幅0.7~0.9㎝、帯黄色に熟す。

10 Dracaena reflexa Lam. ドラセラ・レフレクサ
 モザンビーク、マダガスカル、アルダブラ環礁、チャゴス諸島、コモロ諸島、モーリシャス島、ロドリゲス島、レユニオン島、セイシェル環礁原産。英名はsong of India, song of Jamaica。
 良好な環境では高さ4~5m、まれに6mに達することもある。観葉植物として育てる場合ははるかに小さくなる。成長が遅く、直立し、楕円形の開いた樹冠になることが多い。葉は螺旋状につき、単葉、披針形、長さ5~20㎝×幅1.5~5㎝、均一な濃い緑色、全縁、平行脈がある。花は小さく、密集し、通常は白色、非常に香りがよく、花期は真冬。
品種) 'Variegata'[AGM]
10-1 Dracaena reflexa var. angustifolia Baker
  synonym Dracaena marginata Lam.
 マダガスカル、アルダブラ環礁、チャゴス諸島、コモロ諸島、モーリシャス島、ロドリゲス島、レユニオン島、セイシェル環礁原産。別名はドラセナ・マルギナータ。よく栽培されている熱帯観葉植物であり、様々な成長パターンや異なる栽培品種があるため、一般的に多くの名前がある。よく使われる名前は、レッドエッジドラセナ(red edge dracaena)、マダガスカルドラゴンツリードラセナ(Madagascar dragon tree dracaena)、ドラゴンブラッドツリー(dragon blood tree)、ツリードラセナ(tree dracaena)など。基本変種とは花がマゼンタ色で葉がオリーブグリーン色である点で異なる。ベニフクリンセンネンボク(Dracaena concinna)はレッドエッジドラセナとよく似ているが葉幅は狭い。
 低木状、高さ2.5~4mまで成長し、最終的には幅1.5~2.5mに広がる。葉は狭卵形または非常に狭い楕円形、中肋が明瞭、オリーブグリーン色(光沢のある濃い緑色)で、縁が赤色、通常、長さ30~90㎝×幅2~7㎝、先は漸尖して尖鋭形、赤色や淡い黄色に斑入りの品種もあり、ハイブリッド交配種もいくつかある。花がマゼンタ色。
品種) 'Bicolor'
10-2 Dracaena reflexa var. linearifolia Ayres ex Baker
 マダガスカル、モーリシャス島、レユニオン島原産。
 葉はほぼ線形、長さ20~26㎝×幅0.5㎝以下、明瞭な中肋があり、細い枝がある。
10-3 Dracaena reflexa var. reflexa
 モザンビーク、マダガスカル、アルダブラ環礁、コモロ諸島、モーリシャス島、レユニオン島原産。
 葉は楕円形で、明確な中肋は有または無

11 Dracaena sanderiana Mast. ギンヨウセンネンボク 銀葉千年木
  synonym Dracaena poggei Engl.
 アンゴラ、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ、ガボン、ザイール原産。銀葉虎斑木。英名はSander's dracaena, ribbon dracaena, lucky bamboo, curly bamboo, Chinese water bamboo, Goddess of Mercy's plant, Belgian evergreen, ribbon plant。別名はサンデリアーナ、ミリオンバンブー、ラッキーバンブー、万年竹、フウキダケ(富貴竹)。
 多年草、高さ100~150㎝。茎は直径1.3~2.5㎝、1本で直立し、節を持ち、節ごとに分かれているため、竹と間違えられることがあるが、肉質で、竹とは異なる。葉は間隔を開けて互生し、長さ10~20(25)cm×幅2~3(4)cm、長披針形、先は尖鋭形、基部は漸尖して茎を抱き、縁は波打ち、やや下方に湾曲し、わずかにねじれ、濃緑色、光沢があり、中脈が目立ち、縁に白~黄白色の縞が入る(白覆輪)。花序は総状花序。花は白色、筒状、先は星形、直径約5㎜。甘い芳香がある。果実は液果。花期は不規則。
品種) 'Borinquensis' ボリンクエンシス , 'Celes' , 'Gold'ゴールド , 'Margaret Barkery' マーガレット・バークリー , 'Victory' ,'Virescens' ビレスケンス , 'Yellow Gold'

12 Dracaena stuckyi (God.-Leb.) Byng et Christenh. ツツチトセラン 筒千歳蘭

  synonym Sansevieria stuckyi God.-Leb.
  synonym Sansevieria andradae God.-Leb. ex Gérôme
 ケニア、モザンビーク、ジンバブエ原産。英名はmother-in-law's tongue and Saint George's sword。
 高さ約2mまでになる。匍匐性の根茎に沿って短い二列生の茎が密な列を形成し、それぞれに1~数本の直立した太い棒状の葉を持ち、叢生する。葉は先が漸尖形、断面が円形だが、内側に浅い溝があり、革質で肉厚で、暗色で、淡い大理石模様(緑色に薄緑色の横縞模様)で飾られる。花茎を伸ばし、総状花序を春または秋に発生し、香りのよい小さい花を多数つける。花は白色~黄白色~淡紅白色、蕾は細長い筒状、花被片は6個、反り返る。雄しべと雌しべが長く突き出る。

13 Dracaena surculosa Lindl. ホシセンネンボク 星千年木
  synonym Draco surculosa (Lindl.) Kuntze
  synonym Pleomele surculosa (Lindl.) N.E.Br.
 アフリカ中西部(ベナン、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ、ガボン、ガーナ、ギニア、ギニア湾諸島、コートジボワール、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ、トーゴ)原産。英名はgold dust dracen , spotted dracaena。
 低木または小高木、枝分かれし、高さ通常4m未満であるが、たまに8mに達することもある。一般的な鉢植えでは成長は遅く、高さ1m程度。塊茎は赤褐色、ときに杖のような新芽を形成し、ときに薄緑色~白色の鱗片葉(phrophylls)に覆われる。茎は多数、株立ち状に直立し、あまり分枝せず、成長しても太くならない。葉は2~4(6)枚、対生~輪生し、無柄~短柄、葉身は薄く柔らかく、長さ約7~12㎝、楕円形~卵形、先が尖鋭形、基部は漸尖形~楔形、全縁、星斑があり、星斑は最初はクリーム色だが、次第に白色になる。 花は緑白色~白色、長さ約1.5㎝、長さ約8~15㎝の向きに垂れ下がった花序柄の頂部に球形の房状(cluster)につく。果実は橙色~明るい赤色、球形、直径2㎝以下。
品種) 'Florida Beauty'[AGM], ‘Friedmannii’, 'Godseffiana' , 'Mike'
13-1 Dracaena surculosa var. maculata Hook.f.
  synonym Dracaena interrupta Harv. ex G.Don
  synonym Dracaena surculosa var. capitata Hepper
 カメルーン、中央アフリカ、ガーナ、ギニア、コートジボワール、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ、トーゴ原産。英名はJapanese Bamboo。
 葉は斑紋が濃緑色の地に明るい緑色のまだら。
13-2 Dracaena surculosa var. surculosa
  synonym Dracaena godseffiana Sander ex Mast.
  synonym Pleomele godseffiana (Sander ex Mast.) N.E.Br.
 ベナン、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ、ガボン、ガーナ、ギニア湾諸島、コートジボワール、ナイジェリア、トーゴ原産。

14 Dracaena trifasciata (Prain) Mabb. アツバチトセラン 厚葉千歳蘭
  synonym Sansevieria trifasciata Prain
  synonym Sansevieria trifasciata Hort. ex Prain
 アフリカ中部(カメルーン、中央アフリカ、コンゴ、赤道ギニア、ガボン、ナイジェリア、タンザニア、ザイール)原産。英名はMother-in-law's tongue, snake plant , golden birds nest , good luck plant , mother-in-law's tongue , snake plant。別名はサンセベリア、トラノオ。様々な栽培品種があり、鉢植えまたは庭植えとしてよく栽培され、オーストラリアなどに帰化している。
 茎が非常に短く、強い匍匐茎を持つ。根茎は仮軸性(sympodial)、黄赤色。葉は無柄、直立し、1株につき2~6枚つき、長さ40~175㎝×幅2.5~9㎝、暗緑色で、目立つ明るい緑色または灰緑色の不規則な横縞があり、しばしば縁は明るい緑色~帯黄色または帯赤色になる。総状花序は直立し、花茎を含めて長さ40~75㎝。花房は散在またはまとまってつく。小花柄は長さ6~8㎜。花被は長さ2.5~3㎝、緑白色で香りがあり、花被片は広がり、先端は帯緑色。雄しべは長さ7~8㎜。花糸は長さ6~7㎜、葯は長さ2㎜。花柱は長さ15~18㎜、柱頭は長さ0.5~1㎜。果実はほぼ球形、直径7~9㎜、橙色。種子は通常2個、長さ6~7㎜、直径約5㎜、クリーム褐色(NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE)。
品種) 'Golden Hahnii' フイリマルバチトセラン , 'Hahnii' マルバチトセラン , 'Laurentii' フクリンチトセラン , 'Twisted Sister'

14-1 Dracaena trifasciata subsp. sikawae (R.H.Webb & Yinger) Takaw.-Ny. & Thiede

  synonym Sansevieria trifasciata subsp. sikawae R.H.Webb & Yinger
 タンザニア原産。
14-2 Dracaena trifasciata subsp. trifasciata
 アフリカ中部(カメルーン、中央アフリカ、コンゴ、赤道ギニア、ガボン、ナイジェリア、ザイール)原産。

15 Dracaena zebra Byng & Christenh. ジャイアント サンセベリア
  synonym Sansevieria metallica Gérôme & Labroy
 南アフリカ(クワズール ナタール州)、マラウイ、モザンビーク原産。落葉樹林の、石灰岩の上の浅い土壌に生える。Dracaena goldieana 'Zebra Striped'と混同されやすい。
 茎のない多肉植物で、高さ1.6mまで、地下の根茎から、葉を地上に直立する。葉は2~3枚ずつ出て、数枚が房状になり、幅広い剣形、基部に向かって隆起し、深い溝があり、先は鋭形、縁は全縁、やや波打ち、明るい緑色~銀色~灰色の、薄い斑紋と縦の幅が異なる縞模様があり、金属光沢を帯びる。
品種) 'Siam Silver'(葉が白斑)

参考

1) Flora of China
 Dracaena
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110888
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Dracaena
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30010732-2
3) World Flora Online
 Dracaena
https://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000012499;jsessionid=924C59B44295EFE8D08998CF1189AC6D
4) Flora of Mozambique
 Dracaena
https://www.mozambiqueflora.com/speciesdata/genus.php?genus_id=357
5) Flora of Zambia
 Dracaena
https://www.zambiaflora.com/speciesdata/species.php?species_id=114640
6) NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE
 Dracaena trifasciata
https://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Dracaena~trifasciata