ベニバナ 紅花

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae ベニバナ属

別 名 サフラワー、クレノアイ
中国名 红花 hong hua
英 名 dyer's-saffron , false saffron , safflower
学 名 Carthamus tinctorius L
 synonym Carthamus tinctorius L. var. spinosus Kitam.
ベニバナの頭花
ベニバナの頭花2
ベニバナの頭花後
ベニバナの頭花後2
ベニバナの中間の総苞片
ベニバナの茎
ベニバナ
ベニバナ総苞
ベニバナ葉表
花 期 6~7月
高 さ 60~100㎝
生活型 1年生(越年草)
生育場所 栽培種
分 布 帰化種  アジア南西部(おそらく)
撮 影 長野県  17.7.17
原産地のはっきりしない(おそらく、アジア南西部原産)栽培種。世界中で栽培され、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリアなどで野生化している。種子からはサフラワー油が得られ、花は薬用や染料として使われる。観賞用にもよく栽培されている。
 1年草、高さ (20~)50~100(~150) ㎝、茎や枝は白色又は帯白色、平滑、無毛。葉は硬く、革質、無毛。茎の下部や中間の葉は無柄披針形~卵状披針形~楕円形、単葉、長さ7~15㎝、幅2.5~6㎝、基部は漸尖でやや茎を抱く、縁は刺状の歯があるか又は全縁、葉先は鋭形、歯はごくまれに羽状深裂、先に長さ1~1.5㎜の小刺がある。茎上部の葉は披針形、上部ほど小さく、縁は刺のある歯状、先端の刺は長さ約3㎜。頭状花序は散房合成花序に少数~多数、まれに1個、つく。総苞は卵形、直径約2.5㎝。総苞片は5列につく。外総苞片(基部につき平開)は葉状、卵状披針形、長さ2~4㎝、幅約1㎝、刺がまばらにあり、先は鋭形~鈍形。中間の総苞片は長さ6~20㎜、幅4~7㎜、中間でくびれ、下部は淡色、平行脈、先端の葉状部は緑色、網状脈があり、先端は鈍形。内総苞片は倒披針状楕円形~倒披針形、長さ約22㎜、幅約5㎜、淡色、平行脈、硬く、乾膜質、先は尖鋭形。花冠は赤色~オレンジ色、初め、黄色、徐々に赤色になり、長さ約2.8㎝。痩果は卵形~楕円形、長さ約5.5㎜、4角(かど)がある。冠毛は無い。花期と果期は(5)6~8月。2n=24。

ベニバナ属

 family Asteraceae - subfamily Carduoideae - tribe Cardueae - genus Carthamus

  草本、1年生又は多年生。葉は羽状浅裂~羽状全裂~不分裂、縁は普通、刺状。頭花は両性、1~数個、茎や枝の先につく。総苞は卵形又は狭い楕円形。外総苞片は葉状、硬く、刺のある歯状。内総苞片は薄く、ときに先に付属体がある。小花は両性。柱頭の枝は短い。痩果は象牙色、卵形~倒披針形~倒ピラミッド形、4角があり、無毛、普通、先にしわがあり、先端に縁がある。外側の痩果はしばしば冠毛が無く、内側の痩果は普通、宿存性又は脱落性の冠毛がある。冠毛は多列に着くか又は欠く。
 アジア中部、南西部、ヨーロッパ、地中海沿岸に約47種が分布する。世界中で栽培されているベニバナが最もよく知られている。属の英名はdistaff thistles、中国名は红花属(hong hua shu)。

ベニバナ属の主な種

1 Carthamus lanatus L. アレチベニバナ 荒地紅花

  synonym Carthamus lanatus subsp. baeticus (Boiss. & Reut.) Nyman ウスイロアレチベニバナ

 地中海沿岸地域、ヨーロッパ、西アジア原産。英名はwoolly distaff thistle。USAに帰化している。道端、穀物畑、牧草地に生える。
 高さ40~180cm、叢生し、±密に腺があり、ゆるくクモ毛~±羊毛状毛がある。茎は堅く直立し、上部で開いて分枝し、わら色。葉は根生葉と茎葉。根生葉はしばしば花時に無くなり、葉柄には翼があり、葉身は長さ10~15㎝、縁は羽状に1~2回分裂し、裂片は線形または披針形、裂片の先端に刺がある。茎葉は広がるかまたは反り返り、披針形~卵形、堅く、抱茎、基部から3~7脈があり、縁には細い刺のある裂片があり、刺状尖鋭形。総苞は卵形、長さ25~35㎜、普通±綿毛がある。外側の総苞片は斜上または±開出し、長さ35~50㎜、普通、内側の総苞片の長さの1.5倍以下で、頂部の付属体は開出~斜上し、線状披針形、裂片に刺があり、先端の刺が目立つ。花冠は黄色、ときに赤色または黒色の脈があり、長さ25~35㎜、のど部は次第に広がる。葯は黄色。花粉は黄色。痩果は褐色、長さ4~6㎜、外側は粗い。冠毛は長さ1~13㎜の鱗片。2n=44。花期は4~9月(~11月)。
1-1 Carthamus lanatus subsp. lanatus
 ヨーロッパ、北アフリカ、コーカサス、トルコ、イラン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンに分布。
1-2 Carthamus lanatus subsp. montanus (Pomel) Jahand. & Maire
 アルジェリア、モロッコ、チュニジアに分布。
1-3 Carthamus lanatus subsp. turkestanicus (Popov) Hanelt
  synonym Carthamus turkestanicus Popov
 アフガニスタン、イラク、キルギスタン、パキスタン、トランスコーカサス、トルクメニスタン、ウズベキスタン、西ヒマラヤに分布。

2 Carthamus tinctorius L. ベニバナ 紅花
 原産地不明の栽培種。中国名は红花 hong hua 。英名はdyer's-saffron , false saffron , safflower。広く栽培されている。
 1年草、高さ (20~)50~100(~150) ㎝、茎や枝は白色又は帯白色、平滑、無毛。葉は硬く、革質、無毛。茎の下部や中間の葉は無柄披針形~卵状披針形~楕円形、単葉、長さ7~15㎝、幅2.5~6㎝、基部は漸尖でやや茎を抱く、縁は刺状の歯があるか又は全縁、葉先は鋭形、歯はごくまれに羽状深裂、先に長さ1~1.5㎜の小刺がある。茎上部の葉は披針形、上部ほど小さく、縁は刺のある歯状、先端の刺は長さ約3㎜。頭状花序は散房合成花序に少数~多数、まれに1個、つく。総苞は卵形、直径約2.5㎝。総苞片は5列につく。外総苞片(基部につき平開)は葉状、卵状披針形、長さ2~4㎝、幅約1㎝、刺がまばらにあり、先は鋭形~鈍形。中間の総苞片は長さ6~20㎜、幅4~7㎜、中間でくびれ、下部は淡色、平行脈、先端の葉状部は緑色、網状脈があり、先端は鈍形。内総苞片は倒披針状楕円形~倒披針形、長さ約22㎜、幅約5㎜、淡色、平行脈、硬く、乾膜質、先は尖鋭形。花冠は赤色~オレンジ色、初め、黄色、徐々に赤色になり、長さ約2.8㎝。痩果は卵形~楕円形、長さ約5.5㎜、4角(かど)がある。冠毛は無い。花期と果期は(5)6~8月。2n=24。
品種) 'Catima' (PBR) , 'Grenade Mix' , 'Grenade Orange' , 'Kinko' , 'Lasting White' , 'Magestic Orange' , 'Oker' , 'Orange Ball' , 'Orange Gold' (Unwins) , 'Panonia' , 'Quadricolor' , 'S-208' , 'Satfire' , 'Sidwell' , 'Zanzibar'
2-1 Carthamus tinctorius L. var. spinosus Kitam.  ベニバナ 狭義

参考

1) flora of China
 Carthamus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105754
2) Flora of North America
 Carthamus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=105754
 Carthamus lanatus L
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=200023630
3) GRIN
 Carthamus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=2127