バイカウツギ 梅花空木

Flora of Mikawa
アジサイ科 Hydrangeaceae バイカウツギ属
別 名 | サツマウツギ |
英 名 | Japanese mock orange |
学 名 | Philadelphus satsumi Sieb. ex Lindl. et Paxton synonym Philadelphus satsumanus Siebold ex Miq. synonym Philadelphus laxus Schrad. ex DC. |







花 期 | 6~7月 |
高 さ | 1~3m |
生活型 | 落葉低木 |
生育場所 | 林縁、林内 |
分 布 | 在来種(日本固有種) 本州、四国、九州 |
撮 影 | 設楽町 12.6.1 |
幹は灰褐色、縦に薄く裂けて、剥がれ落ちる。葉は対生し、長さ4~10㎝、幅2~4㎝の卵形で、先が長くとがり、3~5脈が目立ち、縁に浅い鋸歯がる。葉柄は長さ5~10㎜。花は集散花序に5~9個つき、直径2~3㎝の白色の4弁花。雄しべが約20個あり、葯が黄色であり、やや梅の花に似る。花柱の先は4裂する。萼は円錐形で、先が4裂して大きい。花柄は長さ5~7㎜。果実は長さ7~8㎜の蒴果、熟すと4裂する。種子は長さ約1.5㎜、褐色、片側に膜質の翼がある。2n=26。
葉裏に毛が多いものはケバイカウツギという。
モックオレンジ(mock orange)はバイカウツギ属の園芸品種の総称である。フィラデルフスともいわれる。品種のベルエトワールが香りバイカウツギの名で販売され、栽培されている。
バイカウツギ(フィラデルフス)属
family Hydrangeaceae - genus Philadelphus低木、直立、まれによじ登り、まれに刺がある。小枝は対生。托葉は無い。葉は対生、葉脈は基部から3~5脈があり、全縁又は鋸歯縁。花序は総状花序、円錐花序、集散花序、まれに、花が単生。花は芳香がある。萼筒は鐘形又はこま形、子房につく。萼片は4(又は5)個。花弁は4(又は5)個、白色、回旋状。雄しべは13~90個。花糸は平ら、分離又は基部で合着。葯は卵形又は長楕円形、まれに、球形。子房は下位又は半下位、4(又は5)室、中軸胎座、胚珠は多数、垂れ下がる。花柱は(3又は)4(又は5)裂。柱頭はこん棒形又はへら形。果実は蒴果、4(又は5)バルブ、バルブから裂開する。外果皮は紙質、内果皮はコルク質。種子は多数
世界に約70種あり、主に北半球の温帯に分布する。英名ではmock-orangeという。
バイカウツギ(フィラデルフス)属の主な種と園芸品種
1 Philadelphus coronarius L. セイヨウバイカウツギ 西洋梅花空木イタリア、オーストリア、トルコ原産。英名は mock orange , sweet mock orange。 中国名は欧洲山梅花。Philadelphus satsumanus Siebold ex Miq.(バイカウツギ)と同一種との見解もある。原産地ははっきり確定したものでなく、ヨーロッパ、コーカサス、ロシア、アルメニア、グルジア、アゼルバイジャンを原産地とする説もある。北アメリカ(USA、カナダ)で広く栽培され、野生化している。
低木、高さ1~4m。茎は直立又は斜上し、緑色、古くなると、褐色、分枝し、無毛又はまばらに剛毛があり(特に節に)。樹皮は落ちやすく、剥離又は薄片状になり、帯赤色。枝は直立~弓状に曲がる。蕾は腋生、袋の中に隠れ、ときに先が露出し、とくに強い若いシュートでは出る。葉柄は長さ1~6㎜。葉身は広披針形~広卵形~狭楕円形~広楕円形、まれに栽培種では披針形、長さ3~10㎝、幅2~6㎝。大きい葉身は普通、長さ6㎝×幅2.5㎝より大きい。葉の基部は狭楔形~円形、葉縁は全縁~不規則な鋸歯縁~規則的な鋸歯縁~円鋸歯~歯状。葉の下面は無毛又はまばらに剛毛があり、毛は普通、伏せ状~斜上、捻じれず、中脈の腋にしばしば中~密に剛毛が密生し、中脈上にときにまばらに剛毛があり、2次脈、3次脈にはめったに剛毛はない。葉の上面は無毛又はまばらに剛毛があり、特に、基部や縁にある。花序は集散状の総状花序、花が5~7(~9)個つき、下部では2個の花がしばしば、普通の大きさ~小さい葉(苞のような)の腋につく。花柄は長さ3~20㎜、無毛又はまばらに剛毛がある。花托筒は無毛~まばらに剛毛~柔毛がある。萼片は卵形~卵状披針形~三角形、長さ4~8㎜、幅2.5~5㎜、先は鋭形~尖鋭形、外面は無毛又はまばらに剛毛があり、内面は上部に柔毛が密生する以外は無毛。花弁は白色~クリーム色、長楕円形~倒卵形~円形、長さ5~25㎜、幅5~22㎜。雄しべは20~50個。花糸は分離、長さ4~9㎜。葯は長さ1~1.5㎜、幅0.7~1㎜。花柱は4個、基部で合着し、円柱形、長さ7~10㎜、裂片は長さ3~8㎜、幅0.3~0.9㎜。柱頭は表面が長さ1~4㎜。蒴果は倒円錐形~倒卵形、長さ7~11㎜、幅4~7㎜。種子は尾形、長さ3㎜。2n=26。花期は5~7月。果期は7~9月。
品種) 'Aureus' , 'Bowles's Variety' , 'Gold Mound' ,Threave form , 'Variegatus'(v)
2 Philadelphus delavayi L. フィラデルフス・デラバイー
中国(四川省、西蔵、雲南省)、ミャンマー原産。中国名は云南山梅花 yun nan shan mei hua。標高700~3800mの混交林、雑木林、山地斜面に生える。
低木、高さ2~4m。前年の小枝は灰褐色または灰色、当年の小枝は紫褐色、粉白色を帯び、無毛または絨毛がある。葉柄は長さ3~5mm。葉身は長円形または卵状披針形、長さ4.5~6cm、幅3~8cm、下面は灰色の絨毛が密にあり、上面は剛毛があり、脈は3~5本、わずかに求頂性(basifugal)、基部は円形または楔形、縁は小鋸歯状またはほぼ全縁、先は尖鋭形、まれに鋭形。総状花序には花が5~9(~21)個付き、最下位の対には3~5花が付く。花序軸は長さ5~9cm、無毛。小花柄は5~10(~13)mm、無毛。萼は紫色、黒紫色、または褐色。萼筒は粉白色または無毛。萼片は卵形、長さ5~6mm、幅3~4mm、先は鋭形。花冠は円盤形または十字形。花弁は白色、長円形、卵状長円形、または広倒卵形、長さ1.2~1.5cm、幅1~1.2cm、縁はほぼパリパリに縮れ、先は円形、ときに2裂する。雄しべは30~35本、最長は約9mm。葯は長円形、長さ約1.5mm。花弁と花柱は無毛。花柱はわずかに裂けるかまたは全縁、長さ7~8mm。柱頭は棍棒形、長さ1.8~2mm、葯より長い。蒴果は長円形、長さ8~10mm、幅7~7.5mm。種子は長さ約4mm、短い尾を持つ。花期は6~8月。果期は9~11月。
Flora of North Americaでは3変種に分類しているが、POWOではvar. melanocalyxをvar. delavayiに含めている。
2-1 Philadelphus delavayi var. delavayi
synonym Philadelphus delavayi var. melanocalyx Lemoine ex L. Henry
中国(四川省、西蔵、雲南省)、ミャンマー原産。中国名は云南山梅花 yun nan shan mei hua。標高700~3800mの混交林、雑木林、山地斜面に生える。2-2 Philadelphus delavayi var. melanocalyx Lemoine ex L. Henry
中国(雲南省)原産。中国名は黑萼山梅花 hei e shan mei hua。標高2500~2800メートルの山地斜面に生える。当年の小枝は無毛。小花柄は無毛。萼筒は黒紫色または褐色で、粉白色ではない。花弁は長楕円形または卵状長円形、基部のみ重なり、十字形になる。
2-3 Philadelphus delavayi var. trichocladus Hand.-Mazz.
中国(四川省、雲南省)原産。毛枝山梅花 mao zhi shan mei hua。標高約2600mの山地斜面に生える。
当年花の小枝には絨毛がある。小花柄には絨毛がある。萼筒は紫色で粉白色になる。花弁は卵状ほぼ円形、その大半が重なり合い、ほぼ円形の円盤形。
品種) 'Nyman's Variety' =var. melanocalyx
3 Philadelphus lewisii Pursh フィラデルフス・レウィシー
USA、カナダ原産。英名は Lewis's mock orange , wild mock orange。
低木、高さ1.5~4m。茎は直立又は斜上し、緑色、風化すると褐色、灰色、わら色になり、無毛又はまばらに剛毛がある(特に節に)。樹皮は落ちやすく、剥離又は薄片状になり、帯赤色。蕾は腋生、袋の中に隠れ、ときに先が露出し、とくに強い若いシュートでは出る。葉柄は長さ1~6㎜。葉身は披針形~広卵形~狭楕円形~広楕円形、長さ1.5~10㎝、幅1~5㎝。大きい葉身は普通、長さ6㎝×幅2.5㎝より小さい。葉の基部は狭楔形~円形~心形、葉縁は全縁~不規則な鋸歯縁~規則的な鋸歯縁~円鋸歯~歯状、平坦又はわずかに反り返る。葉の下面は無毛又はまばらに剛毛があり、毛は普通、伏せ状~斜上、捻じれず、中脈の腋にしばしば剛毛が密生し、ときに脈上はまばらになり、2次脈、3次脈にはめったに剛毛がない。葉の上面は無毛又はまばら~中位に剛毛があり、特に、基部や縁にある。花序は普通、集散状の総状花序又は集散状の円錐花序、ときに花が単生、花が(1~)7~49個つき、下部では2,4、6個の花がしばしば、普通の大きさ~小さい葉(苞のような)の腋につく。花柄は長さ3~8㎜、無毛又は剛毛がある。花托筒は無毛又はまばらに剛毛があり、毛は脈に散在又は集中する。萼片は卵形~卵状披針形~三角形、長さ5~8㎜、幅3~5㎜、先は鋭形~尖鋭形、外面は無毛又はまばらに剛毛があり、内面は上部に柔毛が密生する以外は無毛。花弁は白色、長楕円形~倒卵形~円形、長さ5~20(~25)㎜、幅4~15㎜。雄しべは25~40(~50)個。花糸は分離、長さ5~11㎜。葯は長さ2㎜、幅1.5㎜。花柱は4個、円柱形、長さ4~8㎜、下部で合着し、裂片は長さ1~4㎜、幅0.4~0.5㎜。柱頭は表面が長さ1~3.5㎜。蒴果は倒円錐形~倒卵形、長さ7~11㎜、幅5~7㎜。種子は尾形、長さ3㎜。2n=26。花期は5~7月。果期は6~9月。
品種) 'Galahad' , ''Siskiyou' , 'Snow Velvet' , 'Waterton'
4 Streptanthus maculatus Nuttall フィラデルフス・マクラトゥス
USA原産。英名はspotted mock orange。1年草、粉白を帯びる。普通、全体が無毛(ときに、茎の基部に短毛がある)。茎は分枝せず又は上部で分枝し、高さ17~106㎝(毛状突起は長さ0.05~0.5㎜)。根出葉(すぐに枯れる)はロゼットになり、葉柄があり、葉身は茎葉と似ている。茎葉は葉身が広卵形~広長楕円形~披針形、長さ2~15㎝、幅10~80㎜、上部では小さく、基部は茎を抱き、全縁、先は鋭形~尖鋭形~円形。総状花序は苞が無く(密又は疎)。果時の花柄は開出~斜上、(真っすぐ)長さ4~7㎜。萼は鐘形。萼片は(直立)帯紫色、長さ4~9㎜(側萼片はまれに先付近に長さ01~03㎜のカルスをもつ)、竜骨は無い。花弁は(広く開出~やや反り返る)マゼンタ色(中央が濃紫色)、長さ11~21㎜、花弁の舷部(blade)は長さ6~12㎜、幅5~11㎜、縁は縮れない。爪部は長さ5~10㎜、舷部より狭い。雄しべは4長雄しべ。花糸は中央の対が長さ5~7㎜。側対は長さ3~5㎜。葯はすべて稔性、長さ3~4㎜。子房柄( gynophore)は長さ0.7~1.5㎜。果実は斜上し、平滑、真っすぐ、扁平、長さ6~11.4㎝、幅2~3㎜。バルブは中脈が明瞭。レプルム(replum)は真っすぐ。胚珠は子房に56~92個。花柱は長さ1~2.5㎜。柱頭は強く2裂。種子は広長楕円形、長さ2~2.5㎜、幅1~1.3㎜、翼は連続し、幅0.2~0.3㎜。
品種) 'Mexican Jewel' , 'Scented Storm' , 'Sweet Clare'
5 Philadelphus mexicanus Schltdl. フィラデルフス・メキシカヌス
メキシコ、グアテマラ原産。英名は Mexican mock orange。スペイン語名はmosqueta。蔓性常緑低木。高さ3~4.5m。シュートは垂れ下がり、茎に剛毛がある。若い新芽には毛があり、腋芽は葉柄の基部に隠れない。葉は緑色、卵形~卵状披針形、長さ5~11㎝、ときに部分的に歯があり、両面に淡色の伏毛があり、下面には多い。花は枝先単生(まれに花が3個)、一重、杯形、直径2.5~5㎝、強いバラの香りがある。若い新芽には毛があり、腋芽は葉柄の基部に隠れない。花弁はは白色~クリーム白色~黄白色、丸みを帯び、重なり合う。萼には毛があり、萼片には時に鋸歯がある。小花柄は非常に短く毛がある。花柱は雄しべとほぼ同長。柱頭は分裂する。花期は5~6月。
'Rose Syringa'が最も一般的に栽培されている品種で、花の中央に紫色の斑点がある。
品種) 'Double Flowering' , 'Evergreen Mock Orange' , 'Flore Plena' , 'Rose Coulteri' , 'Rosemary Brown' , 'Rose Syringa'(syn. Philadelphus maculatus) , 'Silver Storm'
6 Philadelphus microphyllus A. Gray フィラデルフス・ミクロフィルス
synonym Philadelphus microphyllus subsp. typicus C.L.Hitchc.USA(アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、ネバダ州、ニューメキシコ州、テキサス州、ユタ州、ワイオミング州)、メキシコ原産。英名はdesert mock orange , littleleaf mock orange , small-leaf mock orange。
低木、樹高5~12(~20)m。茎は銅色から赤褐色、硬くまたは緩く枝分かれし、伏した絨毛状絹毛、±剛毛、毛はしばしば基部に赤色の腺がありまたは無毛、外皮はすぐにまたは遅れて脱落し、皮質(cortex)および条線のある維管束帽 (striate bundle caps)が露出する。樹皮は帯灰色、節間は(0.1~)1~2.5(~6)cm。短シュートは存在しない。腋芽は袋の中に隠れている。葉柄は長さ1~2(~4)mm。葉身は下面が帯緑色または帯白色、上面は緑色、線状披針形、狭卵形~卵形、長さ(0.5~)0.8~3(~5.5)cm×幅(0.2~)0.3~1.3(~3.3)cm、草質~革質、縁は普通全縁、まれにまばらに小鋸歯があり、乾くと平らまたは外巻きし、下面には短い絹毛状剛毛があり、または絹毛状絨毛があり、長い毛または斜上~直立する毛があり、ときに下部に細く巻いた毛が密~中程度にあり、上面は無毛、ほぼ無毛、±絹毛状剛毛、絨毛、または直立する毛がある。花序は通常単生だが、ときに3~5花の集散花序となる。小花柄は長さ0.5~3mm。花は、花托筒が基部または全体が無毛で、絹毛状剛毛、または弱~密な絨毛~密な羊毛状毛があり、剛毛と絨毛の混ざった毛で覆われ(vestiture)、下層に細い巻き毛がある。萼片は卵形~披針形、長さ(2.5~)4~8.5(~10)mm×幅(2.5~)3~4.3(~5)mm、先は鋭形~尖鋭形で尾状、下面は無毛で、絹毛状剛毛があり、または弱~密な絨毛~密な羊毛状毛があり、剛毛と絨毛の混ざった毛で覆われ、下層に細い巻き毛がある。上面は上部の位縁に沿って絨毛がある以外は無毛である。花弁は白色[基部近くが紫色]、長円形~広楕円形、長さ(5.8~)7~16(~21)mm×幅(5.3~)6~11(~15)mm、縁は全縁またはギザギザの波状、先は±鋭形、円形、または切れ込みがある。雄しべは26~64本。花糸はしばしば下部の0.5~4mmで合着し、不規則な房状になり、長さ1.8~8mm、長さは不均一、無毛。葯は帯黄色、長さ0.7~1.2 mm。花柱は4本、基部で合着し、円筒形、長さ2.5~5.5(~7) mm、裂片はときに基部で対になって合着し、長さ0.5~2.5 mm。柱頭の面は内側の裂片から外側の裂片上を経て円筒形の花柱まで伸びる。蒴果は長円状球形または球状こま形、長さ(3.6~)5~8(~9.5)mm、幅(3.5~)4~7(~9.5)mm、萼片が赤道面またはそれよりの上部まで宿存、蒴果の上部の面にはしばしば4(~8)本の放射状線が刻まれる。種子は上部に短い尾があり、長さ1.5~2.5mm。
4変種がある。 Philadelphus microphyllus の変種を区別する上で特に重要な特徴は、葉身の表皮の厚さと葉脈の2つである。葉身の表皮は薄く、パピラがあり、表皮細胞(30~40倍で観察)を忠実に反映している場合もあれば、厚く滑らかな場合もあります。薄い表皮を持つ葉は、表皮に褐色の顆粒が発達しているため、乾燥すると褐色になる。厚い表皮を持つ葉は、表皮細胞に顆粒が発達せず、灰緑色、オリーブグリーン、または黄緑色になる。両方の表皮が密集または大胆にモザイク状に現れる場合もあれば、葉身のパピラのある縁のみが褐色になる場合もある。被覆物(vestiture)は、葉、茎、花托筒、および萼片の上ではほとんどが絹毛状剛毛(sericeous-strigose)であり、伏毛(appressed hairs)は細く、短いものから長いもの(0.2~1.5mm)、密着しているもの、緩く密着しているもの、斜上するもの、直立するものまで様々である。大きな毛は基部が細く、しっかりと密着しているが、一部の分類群では、基部が(乾燥すると)毛を持ち上げ、上方にねじり上げ、毛が様々な方向に向いた状態になる。この状態を混沌とした被毛(chaotic vestiture)と呼ぶ。より密集した被毛を持つ植物では、非常に細く長く、波打つように湾曲した毛が、多少、密集した絹毛状の被毛の下に、下層の被覆物を形成する。
6-1 Philadelphus microphyllus var. argyrocalyx (Wooton) Henrickson
ニューメキシコ州原産。英名はNew Mexican mock orange。標高2000~2700mの石灰岩および火成岩の基質、岩場、渓谷、排水路、ジュニパーオークおよびポンデローサオークの林地、マツ林、モミ林などに生える。葉身は長さ(1.2~)1.5~3(~4.5)cm ×幅(0.5~)0.7~1.3(~1.9)cm、草質、縁は全縁、ときに±外巻し、下面は白灰色、はじめ絹糸状だが、毛はふつう直立して無秩序になり(chaotic)、ときに伏したまま、真っ直ぐまたはわずかに湾曲し、長さ0.3~0.7mm、毛はより長く(長さ0.7~1.1mm)、主脈沿いに多くみられ、上面は褐色(クチクラは薄く、パピラがあり)または灰緑色(クチクラは厚く、平滑)、無毛またはまばら~中程度に剛毛があり、毛はふつう緩く伏すか広がり、まれに直立し、長さ0.3~0.6mm。花序は花が1(~3)個つく。直径23~35(~40)mm。花托筒と萼片は外面が白色、密に絹糸状剛毛と絨毛状羊毛があり、毛は直毛から緩く巻き、下層は細く湾曲した縮れた毛で覆われる。毛は通常、果実を除き表皮(epidermis)を完全に覆う。萼片は長さ4.5~7 mm。花弁は長さ10~16(~21)mm×幅7~11(~15)mm。雄しべは(35~)49~64本。蒴果は球形~長円状球形、長さ6~9.5mm×幅6~9.5mm。花期は6~8月。果期は7月~11月。
6-2 Philadelphus microphyllus var. madrensis (Hemsl.) Henrickson
アリゾナ州、ニューメキシコ州、メキシコ原産。英名はMontane mock orange。標高1800~2700mのオーク、マツ、モミの林、開けた岩の多い流紋岩の尾根に生える。葉身は長さ(0.7~)1.6~3(~5.5)cm×幅(0.4~)0.7~1.3(~3.3)cm、草本から皮質、縁は通常全縁、大きな葉にはまばらに小鋸歯があり、下面は白灰色で、まばらから中程度の絹糸があり、毛は伏せ、緩く密着し、斜上、または無秩序に(chaotic)、±粗く、直線状または波状に曲がり、長さ0.5~1.5mm、まれにもっと密に洋状毛があり、下層(understory)はより細く波状湾曲し、上面は緑色、乾くと灰緑色または褐色(クチクラは厚く、平滑またはまだら模様の平滑でパピラがあり)、まばらから中程度の剛毛状絹糸があり、毛は伏せまたは緩く伏せ、太く、長さ0.2~1mmで直立し、長さ0.2~0.7mm、または全て直立する。花序は花が1~3(~5)個つき、花は直径25~37mm。花托筒および萼片の外面は中程度に、しばしば緩く、絹糸があり、毛は波状で、弱く伏せまたは直立~広がり、長さ0.4~1.2mm、外皮(epidermis)を覆わない。萼片は長さ(3.5~)5~8.5(~10)mm。花弁は長さ9~12(~16)mm×幅6~11mm。雄しべは32~46本または以上。蒴果は球状こま形、長さ5~8mm×幅3.8~6.5mm。花期は6~8月。果期は7~11月。
6-3 Philadelphus microphyllus var. microphyllus
USA(アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、ネバダ州、ニューメキシコ州、テキサス州、ユタ州、ワイオミング州)、メキシコ原産。標高1600~2700mの乾燥山地の低木林、広葉樹林またはマツ・オーク林、イエローマツ・モミ林、石灰岩および流紋岩質の基盤、渓谷、開けた斜面、断崖、峡谷に生える。葉身は長さ(0.8~)1~2.2(~4)cm×幅(0.3~)0.4~1(~1.8)cm、草質~皮質、縁は全縁、下面は灰白色で、しばしば褐色の斑点があり、まばらから中等度の絹糸状剛毛があり、毛は伏せまたは緩く伏せ、長さ0.2~0.6mm、またはより粗く、長さ0.5~1.2mm になるか、または密に覆い、下層には細く波打った毛、または無秩序に粗毛状細柔毛があり(var. argyrocalyx の交雑による)、縁毛はしばしばより直立し、表面は緑色で、乾燥すると暗褐色(表皮は薄く、細かいパピラがあり)、暗褐色と黄灰緑色のモザイク(表皮は薄くパピラのある部分と厚く平滑な部分のモザイク状)、またはまれに均一に黄灰緑色(クチクラは厚く平滑)で、普通まばらに絹毛状剛毛があり、毛は伏せまたはわずかに斜上し、細く、長さ0.3~0.7mm、ときにほぼ無毛または無毛、まれに弱く、微細粗毛があるかまたは基部近くに直立毛がある。花序は花が1~3個つく。花は直径14~32mm。花托筒と萼片の外側は無毛、下部にまたは小花柄から互生する萼片にかけて4列にまばらに絹毛があり、または全体に中程度の絹毛があり、毛は伏せ、粗い~細かく、外皮を不明瞭にせず、または密に絹毛状剛毛があり、下層ではより細い湾曲した波状毛が外皮を完全に覆う。萼片は長さ(3.5~)6.5~8mm。花弁は長さ(5.8~)8~10(~15)mm×幅(5.3~)6~8(~10)mm。雄しべは(26~)34~46本。蒴果は長さ4.5~6mm×幅4.5~6 mmのこま形。花期は6~8月。果期は7~11月。
6-4 Philadelphus microphyllus var. pumilus (Rydb.) Henrickson
カリフォルニア州、ネバダ州、メキシコ原産。英名はStraw-stemmed mock orange。標高1600~3000mの石灰岩および花崗岩の基質、ピニヨン、オーク、ビャクシンの林、低木のマツ林に生える。葉身は長さ(0.5~)0.8~1.7(~2.7)cm×幅(0.2~)0.3~0.6(~1.1)cm、± 革質、縁は全縁、乾くと反り返り、下面は帯灰色、斑点があり、中~密に絹糸状剛毛があり、毛は伏せまたは緩く伏せ、長さ0.3~0.7mm、下面の毛は細く、波状湾曲し、上面は緑色、乾くと灰褐色がかったオリーブ緑色で、ときに黄褐色に退色し、クチクラは厚く、平滑または縁近くにパピラがあり、一様に絹毛があり、毛は伏せ、長さ0.1~0.6mm、しばしば一部の毛が直立し、より短く(0.1~0.3mm)、縁の毛はしばしば広がる。花序は花が1(~3)個つく。花は直径 15~30 mm。花托筒と萼片の外側は中程度から密に絹毛状剛毛があり、毛は長さ0.4~0.5mmで、しばしば細く波打ち、下層には波状巻毛が生え、通常外皮を完全に覆い、稀にほぼ無毛。萼片は長さ(2.5~)3.5~6mm。花弁は長さ7~11(~13.5)mm×幅6~8(~11)mm。雄しべは26~42本。蒴果は球形、長さ3.6~6mm×幅3.5~6mm。花期は5月~7月。果期は6~11月。
7 Philadelphus pekinensis Rupr. ヒメバイカウツギ 姫梅花空木
synonym Philadelphus scaber Nakai チントウバイカウツギ中国、朝鮮原産。太平花 tai ping hua 。英名はPeking mock orange。
低木、高さ1~2m。前年の小枝は褐色、無毛、当年の小枝は黄褐色。葉柄は長さ5~12㎜。葉身は卵形~広楕円形~披針形、長さ4~9㎝、幅1~4.5㎝、又は花がつくシュートの葉は楕円形~披針形、長さ2.7~5㎝、幅1~2.5㎝、両面とも無毛、たまに脈に毛があり、葉脈は基部から3~5脈、葉の基部は楔形又は広楔形、鋸歯縁、まれに全縁、先は尖鋭形又は長い尖鋭形。総状花序は花が5~7(~9)個つき、花序軸は黄緑色、長さ3~5㎝、無毛。花柄は長さ3~6㎜、無毛。萼は乾くと黄緑色、無毛。萼片は卵形、長さ3~4㎜、幅約2.5㎜、脈があり、先は鋭毛。花冠は円盤形。花弁は倒卵形、長さ0.9~1.2㎝、幅約0.8㎝。雄しべは25~28個、最も長いものは長さ約1.7㎝。花盤と花柱は無毛。花柱は上部でわずかに分裂し、細く、長さ4~5㎜。柱頭は木槌形(mallet-shaped)、長さ約1㎜、葯より短い、内側は短く広い。蒴果は類球形又は倒円錐形、直径5~7㎜。種子は長さ3~4㎜、短い尾がある。花期は5~7月。果期は8~10月。
8 Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton バイカウツギ 梅花空木
synonym Philadelphus satsumanus Siebold ex Miq.synonym Philadelphus laxus Schrad. ex DC.
synonym Philadelphus coronarius auct. non L.
synonym Philadelphus coronarius L. var. satsumi (Siebold ex Lindl. et Paxton) Maxim.
日本固有種。本州、四国、九州に分布。英名はJapanese mock orange。別名はサツマウツギ。林縁、林内に生える。落葉低木。幹は灰褐色、縦に薄く裂けて、剥がれ落ちる。葉は対生し、長さ4~10㎝、幅2~4㎝の卵形で、先が長くとがり、3~5脈が目立ち、縁に浅い鋸歯がる。葉柄は長さ5~10㎜。花は集散花序に5~9個つき、直径2~3㎝の白色の4弁花。雄しべが約20個あり、葯が黄色であり、やや梅の花に似る。花柱の先は4裂する。萼は円錐形で、先が4裂して大きい。花柄は長さ5~7㎜。果実は長さ7~8㎜の蒴果、熟すと4裂する。種子は長さ約1.5㎜、褐色、片側に膜質の翼がある。2n=26。
8-1 Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton f. nikoensis (Rehder) Ohwi ex Yonek. ニッコウバイカウツギ 日光梅花空木
synonym Philadelphus coronarius L. var. parviflorus (Dippel) Kitam. et Murata
synonym Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton var. parviflorus (Dippel) Kitam. et Murata
synonym Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton nothovar. kiotensis Murata
synonym Philadelphus coronarius L. nothovar. kiotensis (Murata) Kitam. et Murata
8-2 Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton f. shikokianus (Nakai) H.Ohba et S.Akiyama シコクウツギ 四国空木
synonym Philadelphus satsumi Siebold ex Lindl. et Paxton var. lancifolius (Uyeki) Murata
synonym Philadelphus coronarius L. var. lancifolius (Uyeki) Kitam. et Murata
synonym Philadelphus shikokianus Nakai9 Philadelphus schrenkii Rupr. チョウセンバイカウツギ 朝鮮梅花空木
synonym Philadelphus tenuifolius Rupr. et Maxim. var. schrenkii (Rupr.) J.Vassiljew
中国、朝鮮、ロシア原産。东北山梅花 dong bei shan mei hua
低木、高さ2~4m。前年の小枝は灰褐色~褐色~灰色、無毛、当年の小枝は褐色、柔毛がある。葉柄は長さ3~10㎜。葉身は卵形~楕円状卵形、花のつかないシュート葉は長さ7~13㎝、幅4~7㎝、花がつくシュートの葉は長さ4.5~7.5㎝、幅1.5~4㎝、下面は脈に柔毛があり、上面は無毛、葉脈は基部から3~5脈、葉の基部は楔形又は広楔形、鋸歯縁、まれに全縁、先は尖鋭形。総状花序は花が 5~7個つき、花序軸は黄緑色、長さ2~5㎝、まばらに柔毛がある。花柄は長さ6~12㎜、無毛。咢は乾くと黄緑色。咢筒はまばらに短毛がある。咢片は卵形、長さ4~7㎜、目立つ脈がある。花冠は円盤形。花弁は白色、倒卵形~長楕円状倒卵形、長さ1(~1.8)㎝、幅(0.7~)1.2㎝、無毛。雄しべは25~30個、最も長いものは長さ約1㎝。花盤は類凹面。花柱は長さの1/2又はそれ以上が分裂し粗毛がある。柱頭は木槌形(mallet-shaped)、長さ1~1.5㎜、葯より短い。蒴果は楕円形、長さ8~9.5㎜、幅3.5~4.5㎜。種子は長さ2~2.5㎜、短い尾がある。花期は6~7月。果期は8~10月。
9-1 Philadelphus schrenkii Rupr. var. lasiogynus (Nakai) W.T.Lee シラゲバイカウツギ
9-2 Philadelphus schrenkii Rupr. var. mandshuricus (Maxim.) Kitag. オオバイカウツギ
10 Philadelphus subcanus Koehne フィラデルフス・スブカヌス
中国(湖北省、四川省、雲南省)原産。中国名は毛柱山梅花 mao zhu mei hua。標高500~2300mの混交林、藪に生える。
低木、高さ3~6m。前年の小枝は灰褐色、当年の小枝は紫色で、まばらに白色の絨毛があるかまたは無毛。葉柄は長さ5~10mm。葉身は卵形または広楕円形、長さ6~14cm、幅3~7cm、卵形または卵状披針形で、花のつく枝では長さ3~12cm、幅2~5cm、紙質、下面には亜絨毛または脈に沿ってのみ絨毛があり、面面にはまばらに毛があり、脈は3~5本、基部は楔形または広楕円形、縁にはまばらに小鋸歯があり、先は鋭形または尖鋭形。総状花序は花が9~11個つき、たまに円錐花序をつけ、活発なシュートに花が5~25個つく。花序軸は長さ2.5~15cm。小花柄は長さ5~10(~15)mm、密に絨毛がある。萼筒は黄金色または灰黄色の絨毛があり、下地が見える。萼片は卵形または卵状披針形、長さ6~7mm×幅3~4mm、先は鋭形または尖鋭形、尖端は長さ1~1.5mm。花冠は円盤形。花弁は白色、倒卵形または楕円形、まれに卵状楕円形、長さ1~1.8cm×幅0.7~1.3cm、無毛から剛毛がある。雄しべは25~33本、最も長いものは長さ約1cm。葯は長円形、長さ約1.5mm。花弁と花柱は基部に黄金色の絨毛がある。花柱は先端が長さ約2/3でわずかに分裂または分裂し、長さ約6mm。柱頭はへら形、長さ1.5~2mm、葯より長い。蒴果は倒卵形、長さ8~10mm、幅は約6mm、萼片が頂端付近に宿存する。種子は長さ3~3.5mm、長さ約1mmの尾がある。花期は6~7月。果期は8~10月。
10-1 Philadelphus subcanus var. dubius Koehne
中国(四川省)原産。中国名は密毛山梅花 mi mao shan mei hua。標高500~1200mの混交林に生える。低木、高さ1.5~3m。葉身は卵形、長さ3~6cm、幅1~3cm、下面は黄色または褐色のほぼ羊毛状絨毛がある。萼筒は長いほぼ羊毛状絨毛がある。花弁はほぼ無毛、基部には少数の毛がある。花期は6月。
10-2 Philadelphus subcanus var. magdalenae (Koehne) S.Y.Hu フィラデルフス・スブカヌス・マグデレナエ
synonym Philadelphus magdalenae Koehne中国(湖北省、四川省)原産。中国名は城口山梅花 cheng kou mei hua。標高1200~2000mの茂みに生える。
低木、高さ4m以下。葉身は卵形、長さ3~6㎝、幅1~3㎝、下面に脈上だけに伏した柔毛が±ある。萼筒にはまばらに灰黄色の絨毛がある。花弁は無毛。花柱は先が長さの約2/3まで裂ける。花期は6月。
品種) 'Koehne'
10-3 Philadelphus subcanus var. subcanus
synonym Philadelphus paniculatus Rehdersynonym Philadelphus sericanthus var. rehderianus Koehne
synonym Philadelphus subcanus var. wilsonii (Koehne) Rehder
synonym Philadelphus wilsonii Koehne
中国(湖北省、四川省、雲南省)原産。中国名は毛柱山梅花 mao zhu mei hua。標高1800~2300mの混交林、雑木林に生える。
低木、高さ3~6m。葉身は卵形または卵状披針形、長さ3~12cm、幅2~5cm、葉の下面は脈に沿ってのみ絨毛がある。萼筒は黄金色の絨毛を持つ。花弁は単色。花柱は先端がわずかに裂ける。花期は6~7月。果期は8~10月。
11 Philadelphus tenuifolius Maxim. & Rupr. ウスババイカウツギ 薄葉梅花空木
synonym Philadelphus coronarius var. tenuifolius (Maxim. & Rupr.) Maxim.
synonym Philadelphus koreanus Nakai ヨウトクバイカウツギsynonym Philadelphus tenuifolius f. koreanus (Nakai) M.Kim
synonym Philadelphus koreanus var. robustus (Nakai) W.Lee ヨウトクバイカウツギ
synonym Philadelphus tenuifolius var. latipetalus S.Y.Hu 宽瓣山梅花 kuan ban shan mei hua
朝鮮、中国(黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区)、ロシア原産。中国名は薄叶山梅花 bo ye shan mei hua。標高100~900mの低木地帯に生える。低木、高さ1~3m。前年の小枝は灰褐色、当年の小枝は褐色で、軟毛がある。葉柄は長さ3~8mm。葉身は卵形または卵状楕円形、長さ3~11cm、幅2~6cm、下面には脈に沿って普通絨毛があり、面面にはまばらに絨毛があり、基部はほぼ円形または広楔形、縁は離れた鋸歯または歯があり、先は鋭形または尖鋭形。花のつくしたシュート上の葉身は卵形または卵状楕円形、長さ3~6cm、幅2~3cm、基部は円形または鈍形、縁はほぼ全縁、先は尖鋭形。総状花序には花が3~7(~9)個つく。花序軸は長さ3~5cm、まばらに毛がある。小花柄は長さ3~10cm。萼筒は乾くと黄緑色になり、まばらに絨毛がある。萼片は卵形、長さ約5mm。花冠は円盤形。花弁は白色、卵状長円形またはほぼ円形、長さ1~1.5cm×幅0.6~1.3cm、先は円形、わずかに2裂する。雄しべは20~30本、最長のものは長さ約1cm。花冠は無毛。花柱はわずかに分裂し、細く、無毛。柱頭は金槌形(mallet-shaped)、長さ約1.5mm、葯より短い。蒴果は倒円錐形、長さ4~6mm×幅4~5mm。種子は長さ2.5~3mm、短い尾を持つ。花期は6~7月。果期は8~9月。
12 ハイブリッド
Philadelphus coronariusから非常に多くの園芸品種が作り出されている。交配親の不明な不明な品種も多い。
(1) Philadelphus x airetonii
品種) 'Albatre' , 'Alabaster' ,'Belle Etoile' , 'Bouquet Blanc'
(2) Philadelphus x congestus
(3) Philadelphus x cymosus(P. ‘Lemoinei’× (probably) P. inodorus var. grandiflorus.)
品種) 'Bouquet Blanc' , 'Voie Lactee'
(4) Philadelphus x falconeri 親不明 Falconer's mock orange
(5) Philadelphus x insignis Carr.
USA西海岸に分布。summer mock orange
(6) Philadelphus x lemoinei(P. coronarius × P. microphyllus)
‘Low shrubs with small leaves
品種) 'Erectus' , 'Frosty Morn' ,‘Rosace’;
(7) Philadelphus x monstrosus
品種) 'Monster' , TERMIUM PlusR
(8) Philadelphus x nivalis Jacq. (Philadelphus pubescens × Philadelphus coronarius)
USA中部に分布
(9) Philadelphus x pendulifolius
(10) Philadelphus x polyanthus (Philadelphus x lemoinei × (probably)Philadelphus x insignis )
品種) Atlas' , 'Boule d'Argent' , 'Favorite' , 'Mont Blanc' , 'Norma' , 'Pavillon Blanc' , 'Van Houttei'
(11) Philadelphus x purpureo-maculatus (P. Fantaisie=P. 'Lemoinei’× (probably)P. mexicanus 'Rose Syringa') purple-red spotted Philadelphus
品種) Sybille' , 'Belle Etoile'[ベルエトワール] ,
(12) Philadelphus x virginalis (P. x nivalis f. plenus (Spath) Rehder× P. ‘Lemoinei)
USA東部に分布
品種) 'Natchez' , 'Virginal'
(13) Philadelphus x zeyheri USA東部に分布 Zeller's mock orange
(14) その他mock orange
'Silberregen'
バイカウツギ属の栽培品種分類
ICNCP (1995)に従ったM.H.A. Hoffmanによる4分類01 Philadelphus Purpureo-maculatus Group
Name first published in; Bean, W.J. (1976) Trees and Shrubs Hardy in the British Isles, vol 4, p. 145.【Basionym】 Philadelphus x purpureo-maculatus (Lemoine) Rehder.
植物体は高さ0.3~2m。花のつかないシュートの葉は長さ2~8㎝。花は一重、各花弁の基部に紫赤色の斑点がある。[花弁の基部に紫赤色の斑点があるのが特徴]
【標準品種】 Philadelphus ‘Purpureo-maculatus’ (standard specimen: Leonard A. Springer 12610, conserved at WAG). Cultivars: ‘Beauclerk’, ‘Belle Etoile’[ベルエトワール] , ‘Bicolore’, ‘Burkwoodii’, ‘Galathee’, ‘Nuage Rose’, ‘Oeil de Pourpre’, ‘Purpureo-maculatus’ , ‘Sybille’.
02 Philadelphus Lemoinei Group
Name first published in: Bean, W.J. (1976) Trees and Shrubs Hardy in the British Isles, vol 4, p. 141.【Basionym】Philadelphus. x lemoinei (Lemoine) Rehder.
植物体は高さ0.2~2m。花のつくシュートは常に、花のつかないシュートの葉は普通、長さ5㎝以下。
。花は一重又は(半)八重、完全に(クリーム・)白色。[葉の小さいのが特徴]
Description: plants 0-2-2 m high. Leaves on the flowering shoots always and on the non-flowering shoots usually less than 5 cm long. Flowers single or (semi-)double, completely (creamy-)white.
【標準品種】Philadelphus ‘Lemoinei’(standard specimen: Gert Fortgens GF 200, conserved at WAG). Cultivars: ‘Avalanche’, ‘Dame Blanche’, ‘Erectus’, Fimbriatus’, ’Frosty Morn’, ‘Lemoinei’, ‘Manteau d’Hermine’(d), ‘Mont Blanc’, ‘Pavilion Blanc’, ‘Silberregen’, ‘Snowdwarf, ‘Snowgoose’ and ‘Velleda’
03 Philadelphus Virginalis Group
Name first published in; Bean, W.J. (1976) and Trees and Shrubs Hardy in the British Isles, vol 4, p. 146.
【Basionym】Philadelphus x virginalis Rehder.
植物体は人の高さ。花のつかないシュートの葉は大部分が5㎝より長い。花は大部分が八重又は半八重、完全に(クリーム・)白色。[大きい葉と花が八重が特徴]
【標準品種】Philadelphus ‘Virginal’ (standard specimen: Gert Fortgens GF 287, conserved at WAG). Cultivars: ‘Albatre’, ‘Arctica’, ‘Audrey’, ‘Banniere’, 'Boule d’Argent’, ‘Bouquet Blanc’, ‘Buckley’s Quill’, ‘Enchantment’, ‘Girandole’,‘Glacier’, ‘Komsomoletz’, ‘Minnesota Snowflake’, ‘Pekphil’, ‘Pyramidal’, ‘Rusalka’,‘Schneesturm’, ‘Snowbelle’, ‘Virginal’, ‘Yellow Hill’ and ‘Zhemczug’
04 Philadelphus Burfordensis Group (new cultivar group) [P. x cymosus , P. x polyanthus ]
植物体は高さ1~4m。花のつかないシュートの葉は大部分が5㎝より長い。花は大部分が一重、完全に(クリーム・)白色。[大きい葉と花が一重が特徴]【標準品種】Philadelphus ‘Burfordensis’ (standard specimen: Gert Fortgens GF 283, conserved at WAG). Cultivars:‘Academic Komarov’, ‘Apollo’, ‘Atlas’, ‘Bialy Sopel’,‘Burfordensis’, ‘Conquete’, ‘Falconeri’, ‘Favorite’, ‘Hidden Blush’, 'Innocence'(v),‘Kalina’, ‘Karolinka’, ‘Kasia’, ‘Limestone’, ‘Marjorie’, ‘Norma’, ‘Rosace’, ‘Slavinii’,‘Switzeianka’, and ‘Voie Lactee’
参考
1) Flora of ChinaPhiladelphus
Species of Philadelphus
Rhodora Vol. 17, No. 198, June, 1915
Acta Bot. Neerl. 45(2), June 1996, p. 199-209