アワブキ  泡吹
[中国名] 多花泡花树 duo hua pao hua shu
[学名] Meliosma myriantha Siebold et Zucc.
アワブキ科  Sabiaceae  アワブキ属
三河の植物観察
アワブキ花序
アワブキ花序2
アワブキ花
アワブキ花横
アワブキ開きかけの蕾
アワブキ幹
アワブキ
アワブキ花弁等
アワブキ葉表
アワブキ葉裏
アワブキ葉裏の毛
 和名の由来は生木を燃やすと泡を吹くことから。
 樹皮は灰褐色、小さな楕円形の皮目がある。若枝や葉柄は茶色がかった毛がある。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ5~15㎜、褐色の斜上毛が密生し、上面に溝がある。葉身は倒卵状楕円形~長楕円形、長さ8~30㎝、幅3.5~12㎝、膜質~紙質。若葉の葉表は緑色、毛が少なく、後に無毛になる。葉裏は淡緑色、脈が突出し、毛が多い。側脈は (10)20~25(28)対、直線状、枝分かれが少し見られ、鋸歯に達する。葉の基部は鈍形、葉縁は小さな鋸歯又は基部が全縁、先は短い鋭尖頭。本年枝の先端に円錐花序を直立する。円錐花序は長さ15~25㎝、有毛、枝は扁平で細長く、軸は3稜形。小花柄は短い。花は直径約3㎜、淡黄白色、芳香がある。萼片は3~5個、長さ約1㎜の卵形~広卵形、先が円形~鈍形、縁毛がある。花弁は5(又は3)個、外側の3(又は1個)は類円形、直径約1.5㎜、内側の2個は披針形、長さ約1.5㎜、全縁。雄しべは5個、1~2個が完全雄しべで披針形の花弁の基部につき、長さ1~1.2㎜。残りの仮雄しべは小さい鱗片状、類円形の花弁の基部につき、花柱の基部を包む。雌しべは長さ約2㎜。柱頭は線形。子房は淡緑色。花粉は黄色。果実は核果、倒卵形~球形、直径4~5㎜、赤色に熟す。核は褐色で硬い。
[花期] (5)6~7月
[果期] 9~10月
[高さ] 10~20m
[生活型] 落葉高木
[生育場所] 丘陵~山地の林内
[分布] 在来種 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国
[撮影] 東栄町  15.6.10

 アワブキ属

  family Sabiaceae - genus Meliosma

 高木又は低木、常緑又は落葉。冬芽は裸生、帯褐色の綿毛がある。葉は単葉又は奇数羽状複葉、葉及び小葉は全縁、しばしば歯状縁。葉柄は普通、基部が太くなる。花序は頂生、ときに腋生、ピラミッド形の円錐花序であり、普通、花が豊富につくが、ときにまばらにつき、長さは枝の4倍までで、非常に大きい。花は多数つき、直径1~3㎜、両性、左右相称、花柄は無又は短柄がある。咢片は[3~](4 ~)5(~9)個、覆瓦状、下部に苞をもつ。花弁は5個、覆瓦状、不等長、外側の3個は大きく、普通、ほぼ円形~腎形、凸面。内側の2個はかなり小さく、2裂又は全縁、ときに3裂、稔性の雄しべの基部に±付着し、蕾の段階では外側の花弁の下に隠れる。稔性の雄しべは2本、2個の内側の花弁に対生する。花糸は平らで、短く、杯形の葯隔の中に先が内側に曲がる。葯は2室、球形又は楕円形。仮雄しべは3本、外側の咢片に対生し、その基部につく。花盤は杯形~浅い杯形、5歯がある。子房は無柄、2(~ 3)室、室に1~ 2個の胚珠をもつ。果実は核果、小さく、中果皮は肉質、内果皮は石状又は皮殻質。種子はほぼ球形、普通、腹側がやや凸面、胚乳は無い。
 世界に約50種あり、東南アジア、中央アメリカ、南アメリカに分布する。


 アワブキ属の主な種と園芸品種

 1  Meliosma arnottiana (Wight) Walp.  ヤンバルアワブキ 山原泡吹
 日本(山口県、九州、沖縄、奄美)、韓国、中国、インド、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。中国名は南亚泡花树 nan ya pao hua shu 。

1-1 Meliosma arnottiana (Wight) Walp. subsp. oldhamii (Maxim.) H.Ohba  フシノハアワブキ
   synonym Meliosma pinnata (Roxb.) Walp. subsp. arnottiana (Wight) Beusekom var. oldhamii (Maxim.) Beusekom 
   synonym Meliosma oldhamii Maxim. var. rhoifolia (Maxim.) Hatus.
   synonym Meliosma oldhamii Maxim.
   synonym Meliosma rhoifolia Maxim.

1-1-1 Meliosma arnottiana (Wight) Walp. subsp. oldhamii (Maxim.) H.Ohba var. hachijoensis (Nakai) H.Ohba  サクノキ
   synonym Meliosma oldhamii Maxim. var. hachijoensis (Nakai) Jotani et H.Ohba 
   synonym Meliosma hachijoensis Nakai

 2  Meliosma callicarpifolia Hayata  アリサンアワブキ
 台湾原産。中国名は紫珠叶泡花树 zi zhu ye pao hua shu

 3  Meliosma dilleniifolia (Wallich ex Wight & Arnott) Walpers
 中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は重齿泡花树 chong chi pao hua shu。   高さ8m以下。葉は単葉、葉柄は長さ約3.5㎝。葉身は長さ10~30㎝×幅4.5~8(14)㎝、卵状惰円形、基部は楔形、先は鋭形~尖鋭形、重鋸歯縁。葉表は軟毛があり、葉裏は曲がった長軟毛がある。側脈は16~20本、直線、歯に達する。円錐花序は頂生、直立し、長さ14~30㎝、3~4回分枝する。花は直径約2㎜。萼片は5個、卵形~広卵形、長さ約1㎜、縁毛がある。花弁は3個、外側の1個は白色、円形、幅約2㎜、内側の2個は幅約1㎜、中間まで2裂し、裂片は尖り、縁毛がある。雄しべは長さ約1.5㎜。雌しべは長さ約1㎜。核果は球形、直径3~3.5㎜、明瞭な中肋がある。2n=32

 4  Meliosma myriantha Siebold et Zucc.  アワブキ 泡吹
 日本(本州、四国、九州)、韓国、中国原産。中国名は多花泡花树 duo hua pao hua shu
 落葉高木。高さ10~20m。樹皮は灰褐色、小さな楕円形の皮目がある。若枝や葉柄は茶色がかった毛がある。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ5~15㎜、褐色の斜上毛が密生し、上面に溝がある。葉身は倒卵状楕円形~長楕円形、長さ8~30㎝×幅3.5~12㎝、膜質~紙質。若葉の葉表は緑色、毛が少なく、後に無毛になる。葉裏は淡緑色、脈が突出し、毛が多い。側脈は (10)20~25(28)対、直線状、枝分かれが少し見られ、鋸歯に達する。葉の基部は鈍形、葉縁は小さな鋸歯又は基部が全縁、先は短い鋭尖頭。本年枝の先端に円錐花序を直立する。円錐花序は長さ15~25㎝、有毛、枝は扁平で細長く、軸は3稜形。小花柄は短い。花は直径約3㎜、淡黄白色、芳香がある。萼片は3~5個、長さ約1㎜の卵形~広卵形、先が円形~鈍形、縁毛がある。花弁は5(又は3)個、外側の3(又は1個)は類円形、直径約1.5㎜、内側の2個は披針形、長さ約1.5㎜、全縁。雄しべは5個、1~2個が完全雄しべで披針形の花弁の基部につき、長さ1~1.2㎜。残りの仮雄しべは小さい鱗片状、類円形の花弁の基部につき、花柱の基部を包む。雌しべは長さ約2㎜。柱頭は線形。子房は淡緑色。花粉は黄色。果実は核果、倒卵形~球形、直径4~5㎜、赤色に熟す。核は褐色で硬い。花期は(5)6~7月。果期は9~10月。

4-1 Meliosma myriantha Siebold et Zucc. f. leucocarpa Sugim.  シロミアワブキ

 5  Meliosma rigida Siebold et Zucc.  ヤマビワ 山枇杷
   synonym Meliosma simplicifolia (Roxb.) Walp. subsp. rigida (Siebold et Zucc.) Beusekom
 日本(本州の伊豆半島以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、ラオス、南ベトナム、フィリピン原産。中国名は笔罗子 bi luo zi

 6  Meliosma squamulata Hance  ナンバンアワブキ 南蛮泡吹
   synonym Meliosma lepidota Blume subsp. squamulata (Hance) Beusekom
 日本(琉球諸島)、中国、台湾原産。中国名は樟叶泡花树 zhang ye pao hua shu
 
 7  Meliosma tenuis Maxim.  ミヤマハハソ 深山柞
   synonym Meliosma dilleniifolia (Wall. ex Wight et Arn.) Walp. subsp. tenuis (Maxim.) Beusekom
 日本固有種(本州、四国、九州)。別名はミヤマホウソ
 落葉低木。高さ2~3m。幹は黒紫色、楕円形~円形の皮目ある。枝は紫褐色、毛が散生し、淡褐色の皮目がある。冬芽は裸芽、褐色の毛が密生する。葉痕は半円形、維管束痕は3個。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ1~1.5㎝。葉身は長さ5~15㎝、幅2.5~7㎝の倒卵状長楕円形、基部は楔形、先は尾状に尖り、縁は波状の粗い鋸歯がある。葉表は毛が散生し、葉裏は脈上に毛が多く、脈腋に毛叢がある。側脈は7~14対。円錐花序は頂生、垂れ下がり、花序枝はジグザグに曲がり、短毛が密生する。小花柄は長さ1~3㎜。花は直径約4㎜、淡黄緑色。花弁は普通5個、うち3個は類円形、2個は小形、深く2裂し、裂片は尖り、縁毛がある。雄しべは2個、小形の花弁の基部につき、花粉を出し花弁とともにすぐに落ちる。仮雄しべは3個、鱗片状、大きい花弁の基部につく。核果はほぼ球形、直径3~4㎜、黒色に熟す。花期は6~7月。果期は9~10月


 参考

1) Flora of Cnina
 Meliosma
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=120161
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Meliosma
 http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328036-2
3)GRIN
 Meliosma
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7433

TOP Back