アワブキ 泡吹

mark

Flora of Mikawa

アワブキ科 Sabiaceae アワブキ属

中国名 多花泡花树 duo hua pao hua shu
学 名 Meliosma myriantha Siebold et Zucc.
アワブキ花序
アワブキ花序2
アワブキ花
アワブキ花横
アワブキ開きかけの蕾
アワブキ幹
アワブキ
アワブキ花弁等
アワブキ葉表
アワブキ葉裏
アワブキ葉裏の毛
花 期 (5)6~7月
果 期 9~10月
高 さ 10~20m
生活型 落葉高木
生育場所 丘陵~山地の林内
分 布 在来種 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国
撮 影 東栄町  15.6.10
和名の由来は生木を燃やすと泡を吹くことから。
 樹皮は灰褐色、小さな楕円形の皮目がある。若枝や葉柄は茶色がかった毛がある。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ5~15㎜、褐色の斜上毛が密生し、上面に溝がある。葉身は倒卵状楕円形~長楕円形、長さ8~30㎝、幅3.5~12㎝、膜質~紙質。若葉の葉表は緑色、毛が少なく、後に無毛になる。葉裏は淡緑色、脈が突出し、毛が多い。側脈は (10)20~25(28)対、直線状、枝分かれが少し見られ、鋸歯に達する。葉の基部は鈍形、葉縁は小さな鋸歯又は基部が全縁、先は短い鋭尖頭。本年枝の先端に円錐花序を直立する。円錐花序は長さ15~25㎝、有毛、枝は扁平で細長く、軸は3稜形。小花柄は短い。花は直径約3㎜、淡黄白色、芳香がある。萼片は3~5個、長さ約1㎜の卵形~広卵形、先が円形~鈍形、縁毛がある。花弁は5(又は3)個、外側の3(又は1個)は類円形、直径約1.5㎜、内側の2個は披針形、長さ約1.5㎜、全縁。雄しべは5個、1~2個が完全雄しべで披針形の花弁の基部につき、長さ1~1.2㎜。残りの仮雄しべは小さい鱗片状、類円形の花弁の基部につき、花柱の基部を包む。雌しべは長さ約2㎜。柱頭は線形。子房は淡緑色。花粉は黄色。果実は核果、倒卵形~球形、直径4~5㎜、赤色に熟す。核は褐色で硬い。

アワブキ属

  family Sabiaceae - genus Meliosma

 高木又は低木、常緑又は落葉。冬芽は裸生、帯褐色の綿毛がある。葉は単葉又は奇数羽状複葉、葉及び小葉は全縁、しばしば歯状縁。葉柄は普通、基部が太くなる。花序は頂生、ときに腋生、ピラミッド形の円錐花序であり、普通、花が豊富につくが、ときにまばらにつき、長さは枝の4倍までで、非常に大きい。花は多数つき、直径1~3㎜、両性、左右相称、花柄は無又は短柄がある。萼片は[3~](4~)5(~9)個、覆瓦状、下部に苞をもつ。花弁は5個、覆瓦状、不等長、外側の3個は大きく、普通、ほぼ円形~腎形、凸面。内側の2個はかなり小さく、2裂又は全縁、ときに3裂、稔性の雄しべの基部に±付着し、蕾の段階では外側の花弁の下に隠れる。稔性の雄しべは2本、2個の内側の花弁に対生する。花糸は平らで、短く、杯形の葯隔の中に先が内側に曲がる。葯は2室、球形又は楕円形。仮雄しべは3本、外側の咢片に対生し、その基部につく。花盤は杯形~浅い杯形、5歯がある。子房は無柄、2(~3)室、室に1~ 2個の胚珠をもつ。果実は核果、小さく、中果皮は肉質、内果皮は石状又は皮殻質。種子はほぼ球形、普通、腹側がやや凸面、胚乳は無い。
 世界に約50種あり、東南アジア、中央アメリカ、南アメリカに分布する。

アワブキ属の主な種と園芸品種

1 Meliosma arnottiana (Wight) Walp. ヤンバルアワブキ 山原泡吹
 日本(山口県、九州、沖縄、奄美)、韓国、中国(広西チワン族自治区、西蔵、雲南省)、インド、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。中国名は南亚泡花树 nan ya pao hua shu。標高500~2000mの山の斜面、谷の常緑広葉樹林に生える。
 常緑高木、高さ20mに達する。小枝は褐色。葉軸、葉の裏面、および花序はまばらに湾曲した軟毛または羊毛状毛(lanuginous)がある。葉は奇数羽状複葉、葉柄は長さ15~30㎜、小葉は7~15枚、下部の軸では卵形、中央部は長円状卵形または狭長円状楕円形、先では狭楕円形、長さ6~14(~17)㎝×幅2.5~4(~5.5)㎝、ほぼ革質、下面は細柔毛または羊毛状毛があり、側脈は5~10対、斜上し、縁から2~6㎜の所で吻合し、脈の腋に長細毛がある(crinite)、基部は円形または広楔形、縁は全縁または上部の縁に沿って刺状の小鋸歯があり、先は尾状尖鋭形で先端は通常湾曲する。円錐花序は頂生または枝の上部の葉腋につき、長さ15~25㎝、花序軸は三角形、3回分枝し、側枝は平ら。小花柄は長さ1~1.5㎜、毛がある。萼片は5個、卵形またはほぼ円形、長さ約1㎜、外側の萼片はより狭く、縁毛がある。花弁は薄黄色、外側の3枚は扁円形または円形、直径約2㎜、内側の花弁2枚は花糸と同じかわずかに短く、鈍角で2分裂~半分から二股に分かれ、中間に歯があり、側裂片は卵形で縁毛がある。雄しべは長さ約1㎜。雌しべは長さ約1.3㎜、子房に軟毛がある、花柱は子房と同長。核果は倒卵形、長さ4~7㎜。内果皮は凸型で、粗く散在する網状の縞があり、中脈は不明瞭。花期は5~7月。果期は8~10月。

2 Meliosma callicarpifolia Hayata アリサンアワブキ 阿里山泡吹
 台湾原産。中国名は紫珠叶泡花树 zi zhu ye pao hua shu。標高約2400mの森林に生える。
 樹木は小型で、常緑。樹皮は平滑。若い枝、葉柄、花被片には帯褐色の軟毛がある。葉は単葉で、葉柄は長さ1~3㎝。葉身は下面が灰緑色、上面は暗緑色で無毛、倒披針形または狭楕円形、長さ10~16㎝×幅3~5㎝、紙質、下面は脈腋を除いて無毛、上面は中脈を除いて無毛、側脈は6~10対、細くわずかに斜上し、縁近くで吻合し、基部は狭い楔形、縁は全縁または波状、先は尖鋭形。円錐花序は頂生、長さ10~13㎝×幅7~8㎝、3回(または4回)分枝する。花は直径1~1.5㎜で、基部に2つの小さな苞がある。萼片は4個、広卵形、長さ約1.2㎜、縁毛がある。花弁:外側の花弁3 枚は広卵形で、直径約1.5㎜。内側の花弁2枚は直径約0.7㎜、中間まで鋭角に2裂し、裂片は披針形。稔性の雄しべは長さ約0.8㎜。子房は無毛、花柱は子房と同長。核果は黒色、球形で、直径3~5㎜、内果皮は楕円状球形で凸型、粗く散在する網状の縞模様があり、中脈は明瞭に目立つ。花期は夏。果期は秋。

3 Meliosma dilleniifolia (Wallich ex Wight & Arnott) Walpers メリオスマ・ディレニーフォリア

 中国、インド、パキスタン、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ原産。中国名は重齿泡花树 chong chi pao hua shu。
 高さ8m以下。葉は単葉、葉柄は長さ約3.5㎝。葉身は長さ10~30㎝×幅4.5~8(14)㎝、卵状惰円形、基部は楔形、先は鋭形~尖鋭形、重鋸歯縁。葉表は軟毛があり、葉裏は曲がった長軟毛がある。側脈は16~20本、直線、歯に達する。円錐花序は頂生、直立し、長さ14~30㎝、3~4回分枝する。花は直径約2㎜。萼片は5個、卵形~広卵形、長さ約1㎜、縁毛がある。花弁は3個、外側の1個は白色、円形、幅約2㎜、内側の2個は幅約1㎜、中間まで2裂し、裂片は尖り、縁毛がある。雄しべは長さ約1.5㎜。雌しべは長さ約1㎜。核果は球形、直径3~3.5㎜、明瞭な中肋がある。2n=32。

4 Meliosma myriantha Siebold et Zucc. アワブキ 泡吹
 日本(本州、四国、九州)、韓国、中国原産。中国名は多花泡花树 duo hua pao hua shu
 落葉高木。高さ10~20m。樹皮は灰褐色、小さな楕円形の皮目がある。若枝や葉柄は茶色がかった毛がある。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ5~15㎜、褐色の斜上毛が密生し、上面に溝がある。葉身は倒卵状楕円形~長楕円形、長さ8~30㎝×幅3.5~12㎝、膜質~紙質。若葉の葉表は緑色、毛が少なく、後に無毛になる。葉裏は淡緑色、脈が突出し、毛が多い。側脈は(10)20~25(28)対、直線状、枝分かれが少し見られ、鋸歯に達する。葉の基部は鈍形、葉縁は小さな鋸歯又は基部が全縁、先は短い鋭尖頭。本年枝の先端に円錐花序を直立する。円錐花序は長さ15~25㎝、有毛、枝は扁平で細長く、軸は3稜形。小花柄は短い。花は直径約3㎜、淡黄白色、芳香がある。萼片は3~5個、長さ約1㎜の卵形~広卵形、先が円形~鈍形、縁毛がある。花弁は5(又は3)個、外側の3(又は1個)は類円形、直径約1.5㎜、内側の2個は披針形、長さ約1.5㎜、全縁。雄しべは5個、1~2個が完全雄しべで披針形の花弁の基部につき、長さ1~1.2㎜。残りの仮雄しべは小さい鱗片状、類円形の花弁の基部につき、花柱の基部を包む。雌しべは長さ約2㎜。柱頭は線形。子房は淡緑色。花粉は黄色。果実は核果、倒卵形~球形、直径4~5㎜、赤色に熟す。核は褐色で硬い。花期は(5)6~7月。果期は9~10月。
4-1 Meliosma myriantha Siebold et Zucc. f. leucocarpa Sugim.  シロミアワブキ

5 Meliosma oldhamii Maxim. フシノハアワブキ 節葉泡吹

  synonym Meliosma arnottiana (Wight) Walp. subsp. oldhamii (Maxim.) H.Ohba

  synonym Meliosma pinnata (Roxb.) Walp. subsp. arnottiana (Wight) Beusekom var. oldhamii (Maxim.) Beusekom

  synonym Meliosma oldhamii Maxim. var. rhoifolia (Maxim.) Hatus.
  synonym Meliosma oldhamii Maxim.
  synonym Meliosma rhoifolia Maxim.
 日本(本州の山口県、九州の鹿児島、対馬、沖縄)、朝鮮、中国(安徽省、福建省、広東省北部、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、陝西省、雲南省、浙江省)原産。中国名は红柴枝 hong chai zhi。別名はリュウキュウアワブキ。標高300~1900mの谷間の森林、山間の森林、湿潤な山の斜面に生える。
 落葉高木、高さ20mまで。腋芽は球形または扁球形、密に明るい帯褐色の毛がある。葉は奇数羽状複葉、長さ15~30㎝、軸、葉柄、小葉の両面に帯褐色の毛がある。小葉は7~15枚、下部の葉軸の小葉は卵形、長さ3~5㎝、中央部は長卵形または狭卵形、頂部の1枚は倒卵形または長倒卵形、長さ5.5~8(~10)㎝×幅2~3.5㎝、薄い紙質、下部の葉軸に毛があるかほぼ無毛、上部の葉軸にまばらに毛があり、側脈は7~8対、斜上し、縁近くで弓状に吻合し、脈腋に長細毛があり(crinite)、基部は円形または広~狭楔形、縁にはまばらに鋭鋸歯があり、先は鋭形または鋭状尖鋭形。穂状花序は頂生、直立し、長さおよび幅15~30㎝、3回分枝し、帯褐色の毛がある。小花柄は長さ1~1.5㎜。萼片は5枚、楕円状卵形、長さ約1㎜、外側の萼片はより狭く、縁毛がある。花弁は白色。外側の花弁3枚はほぼ円形、直径約2㎜。内側の花弁2枚は花糸よりわずかに短く、2裂~半裂で、ときに3裂し、中央の裂片は非常に小さく、側裂片は狭倒卵形で縁毛がある。稔性の雄しべは長さ約1.5㎜。子房は花柱と同長、黄色の軟毛がある。核果は球形で、直径4~5㎜、内果皮は凸形で、明瞭で散在する網状の縞があり、中肋が顕著に突出す。花期は5~6月。果期は8~9月。

5-1 Meliosma oldhamii var. hachijoensis (Nakai) Jôtani & H.Ohba サクノキ

  synonym Meliosma arnottiana (Wight) Walp. subsp. oldhamii (Maxim.) H.Ohba var. hachijoensis (Nakai) H.Ohba

  synonym Meliosma oldhamii Maxim. var. hachijoensis (Nakai) Jotani et H.Ohba

  synonym Meliosma hachijoensis Nakai
 伊豆諸島固有変種。基本変種とは、葉が全縁または低鋸歯の縁を持ち、13~19枚の小葉と帯黒色の果実を持つことで異なる。
5-2 Meliosma oldhamii var. oldhamii フシノハアワブキ 狭義

  synonym Meliosma oldhamii var. glandulifera Cufod. 有腺泡花树 you xian pao hua shu

 日本、朝鮮、中国原産。中国名は红柴枝 hong chai zhi。標高300~1300mの谷間の森林、湿潤な山腹に生える。
 小葉は密またはまばらに毛が生え、または裏面は無毛に近い。

6 Meliosma rigida Siebold et Zucc. ヤマビワ 山枇杷

  synonym Meliosma simplicifolia (Roxb.) Walp. subsp. rigida (Siebold et Zucc.) Beusekom

 日本(本州の伊豆半島以西、四国、九州、沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江西省、雲南省、浙江省)、台湾、ラオス、ベトナム、フィリピン原産。中国名は笔罗子 bi luo zi。標高1500m以下の広葉樹林、山地林に生える。堅い木は杖に、種子は油に使われる。
 常緑高木、高さ7mに達する。芽、若い枝、裏面の中脈、花序は鉄さび色の羊毛状毛、軟毛または綿毛があり、2、3年後も軟毛が宿存する。葉は単葉、葉柄は長さ1.5~4㎝、葉身は倒披針形または狭倒卵形、長さ8~25㎝×幅2.5~4.5㎝、革質、下面は鉄さび色の毛があり、まばらに細柔毛(pilose)または綿毛が密に生え、上面は中脈と側脈を除いて無毛、側脈は9~18対、基部は基部に向かって1/3または1/2から下方に漸尖し、縁は粗い鋸歯があり、ときに全縁、先は尖鋭形または尾状尖鋭形。円錐花序は頂生、長さ10~30cm、花序軸は直立し、三角形、3回分枝する。小花柄は長さ約2㎜。花は3次枝に密につき、直径(2~)3~4㎜。萼片は 4~5個、卵形またはほぼ円形、長さ1~1.5㎜、外側の基部に毛があり、縁毛がある。花弁: 外側の花弁3枚は白色または淡黄色、ほぼ円形、長さ2~2.5㎜、内側の花弁2枚は鋭角に2裂または半裂し、裂片は鋭形で、先には縁毛がある。稔性の雄しべは長さ1.2~1.5㎜。子房は無毛。花柱は子房の約2倍の長さ。核果は球形、直形5~8㎜、内果皮は斜めの凸型で、網状の縞模様が散在し、中脈はわずかに突出す。花期は夏。果期は9~10月。

7 Meliosma squamulata Hance  ナンバンアワブキ 南蛮泡吹
  synonym Meliosma lepidota Blume subsp. squamulata (Hance) Beusekom
 日本(琉球諸島)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、湖南省、江西省、台湾、雲南省、浙江省)、台湾、ベトナム原産。中国名は樟叶泡花树 zhang ye pao hua shu。標高1800m以下の常緑広葉樹林に生える。
 樹木は小型で、高さ15mまでになり、常緑。若い枝や芽は帯褐色の毛があり、古くなると無毛になる。葉は単葉で、葉柄は長さ2.5~6.5㎝、まれに10㎝までになり、細く、葉身は下面が淡色、上面は光沢があり(nitid)、楕円形または卵形、長さ5~12㎝×幅1.5~5㎝、薄い革質、下面は密に褐色の鱗片状、上面は無毛、側脈は3~5対、斜上、吻合し、基部は楔形、縁は全縁、先は尾状尖鋭形または先端が鈍形。円錐花序は頂生または腋生、単生または2~8個束生し、長さ7~20㎝、軸、枝、小花柄、苞は密に帯褐色の毛がある。小花柄は長さ3mmまで、ときに花は無柄。花は直径約3mm。萼片は5個、卵形で縁毛がある。花弁は白色、外側の花弁3個はほぼ円形、直径約2.5mm。内側の花弁2個は花糸と同長で、鈍角に2深裂し、裂片は狭く鋭形。雌しべは長さ約2mm。花柱は子房と同長。子房は無毛。核果は球形で、直径4~6mm、内果皮は球形で、やや斜めの凸型、目立つ散在する網状縞模様があり、中肋は突出する。花期は夏、9~10月初旬。

8 Meliosma tenuis Maxim.  ミヤマハハソ 深山柞

  synonym Meliosma dilleniifolia (Wall. ex Wight et Arn.) Walp. subsp. tenuis (Maxim.) Beusekom

 日本固有種(本州、四国、九州)。別名はミヤマホウソ。
 落葉低木。高さ2~3m。幹は黒紫色、楕円形~円形の皮目ある。枝は紫褐色、毛が散生し、淡褐色の皮目がある。冬芽は裸芽、褐色の毛が密生する。葉痕は半円形、維管束痕は3個。葉は単葉、互生し、葉柄は長さ1~1.5㎝。葉身は長さ5~15㎝、幅2.5~7㎝の倒卵状長楕円形、基部は楔形、先は尾状に尖り、縁は波状の粗い鋸歯がある。葉表は毛が散生し、葉裏は脈上に毛が多く、脈腋に毛叢がある。側脈は7~14対。円錐花序は頂生、垂れ下がり、花序枝はジグザグに曲がり、短毛が密生する。小花柄は長さ1~3㎜。花は直径約4㎜、淡黄緑色。花弁は普通5個、うち3個は類円形、2個は小形、深く2裂し、裂片は尖り、縁毛がある。雄しべは2個、小形の花弁の基部につき、花粉を出し花弁とともにすぐに落ちる。仮雄しべは3個、鱗片状、大きい花弁の基部につく。核果はほぼ球形、直径3~4㎜、黒色に熟す。花期は6~7月。果期は9~10月。

参考

1) Flora of China
 Meliosma
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=120161
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Meliosma
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328036-2
3)GRIN
 Meliosma
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7433
4)植物研究雑誌第 64巻 第 11号J. Jap. Bot. 64: 327 (1989)
 Meliosma Oldhamii Miq. ex Maxim var. hachijoensis (Nakai) Jotani et H. Ohba
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/64/11/64_64_11_8388/_pdf/-char/ja