アサマフウロ 浅間風露
Flora of Mikawa
フウロソウ科 Geraniaceae フウロソウ属
別 名 | ホソバアサマフウロ |
中国名 | 线裂老鹳草 xian lie lao guan cao |
学 名 | Geranium soboliferum Komar.
synonym Geranium hakusanense Matsum. ハクサンフウロ synonym Geranium hidaense Makino ヒダフウロ synonym Geranium kiusianum Koidz. ツクシフウロ synonym Geranium soboliferum Kom. var. hakusanense (Matsum.) Kitag. synonym Geranium yesoense var. hidaense (Makino) H.Hara synonym Geranium soboliferum Kom. var. kiusianum (Koidz.) H.Hara |
花 期 | 8~9月 |
高 さ | 50~90㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 広葉樹林、牧草地、草地 |
分 布 | 在来種 本州(中部地方)、朝鮮、中国(黒竜江省、吉林省)、ロシア |
撮 影 | 八島ケ原湿原 03.8.7 |
アサマフウロはフウロソウ科フウロソウ属の多年草。和名は浅間山麓地方に多いことによる。フウロソウの中では最も大型である。国の絶滅危惧種に指定されている。
多年草。根茎は±垂直、直径8~9mm、疣状突起はなく、長く肥厚した根が束生する。茎は高さ49~89㎝、直立し、節から発根せず、長さ0.2~0.5㎜の後向きの伏毛を持つ。托葉は披針形、少なくとも基部で合着する。葉は対生する。葉柄は長さ0.2~0.5 mmの後向きの伏毛持ち、葉身は長さ4.1~9.5cm、掌状分裂し、主切れ込み/中裂片の長さの比=0.89~0.96、伏した直軟毛がある。裂片は5個、菱形、基部の幅1.6~4.4㎜、上半分に8~18裂片があり、第2切れ込み/中裂片の長さの比=0.3~0.58。小集散花序は単生し、2個の花がつく。花序柄は長さ4.7~10.4(~13.7)㎝。小花柄は長さ1.1~4.1㎝、後ろ向きの長さ0.2~0.6 mm の伏した、まれに開出する毛がある。小苞は披針形。萼片は7.3~10.8㎜、微突形、微突は1.2~2.5㎜、微突/萼片の長さの比=0.13~0.26、外側に長さ0.2~0.4㎜の前向きの伏毛があり、内側は無毛。花弁は濃い赤紫色、長さ(1.3~)1.4~1.8(~2)㎝、直立~開出し、外側の基部に毛があり、内側の基部1/3~1/2に毛があり、縁は基部に縁毛があり、先は円形。雄しべの花糸は紫色、披針形、基部はわずかに幅が広くなり、外側に直軟毛があり、上半分に縁毛があり、毛は長さ0.2~0.6㎜。葯は帯青色、長さ1.5~2.3㎜。蜜腺は5個、半球形、頂点に毛状突起の房があり、外側は無毛。柱頭は赤色を帯びる。果実は長さ2.8~3.5㎝、未熟時には直立する。分果は平滑、基部にカルスがあり、長さ0.1~0.7㎜の±開出する毛があり、ときに頂端に長さ0.7~1.1㎜の開出する腺毛を有する。嘴は長さ1.8~2.3cm、先端は1.9~3.4㎜が狭くなる。柱頭は長さ5~6.7㎜、宿存する。種子は長さ2.3~2.6㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。2n=28。
POWOではハクサンフウロ、ヒダフウロ(Geranium hidaense)、ツクシフウロをアサマフウロのsynonymとしている。
Ylistではヒダフウロ(Geranium hidaense)を独立種とし、ハクサンフウロはエゾフウロの変種(Geranium yesoense var. nipponicum)としている。
(1) Geranium hidaense Makino ヒダフウロ 飛騨風露
飛騨地方(高山付近)に分布。
多年草、高さ約140㎝達する。根茎は太くて硬く、丈夫な根が束生し、葉柄の基部の古い繊維があり、赤褐色。茎は少数~1本、直立し、細く、直立・開出し、緩く枝分かれし、白色の後ろ向きの微軟毛があるが、その後下部でほぼ無毛、上部では密になり、節間は長く、基部の節の上で膨らむ。葉(茎)は対生し、外形は腎形、5~7分裂し、連続し、上面は緑色で薄く直軟毛があり、下面はより淡色、脈上に非常に薄く前向きの直軟毛があり、縁には前向きの縁毛があり、幅4~14㎝。小葉は楔状倒卵形で、上部で小葉に再分裂し、通常は粗く少数の小裂片状の歯があり、下面に緩く目立つ葉脈がある。葉柄は細く、しばしば非常に長い。根生葉は多数つき、大きく、非常に長い葉柄(長さ70㎝に達する)を持ち、最大の葉は幅約15.5㎝。托葉は卵形、錐状三角形、三角状卵形、または卵状錐形で、質が薄く、無毛であるが、縁に微細な縁毛があり、しばしば、先に鋭い歯が少数あり、長さ約3~12㎜。花序柄は細く、上部に2個の花がつく。苞は細かく、錐形、鋭く先細り、淡緑色、長さ1.5~3㎜。小花柄は細く、直立・開出し、散開し、花時に長さ約1.5~3.5㎝、果時には散開または多少、後屈する。開いていない蕾はうなずく(alabastrum nodding)。花は直径約2.5㎝、ライラック色、可憐ではかない。萼片は5個、花時には広がるが、果時には直立し、長楕円形だが外側の萼片は卵状長円形、先に長い微突起(long-mucronate)があり、先の縁には微細な縁毛があり、内側の萼片には薄膜質の縁があり、縦に5脈があり、外側に非常に微細な微軟毛があり、宿存し、微突を含めて長さ8~9㎜。花弁は5枚、倒卵形、先は丸く、基部の爪部(白色の毛がある)に向かって楔形になり、全縁で、縁に不明瞭な緩い微細な縁毛があり、表面は多少波状で脈があり、長さ12㎜、幅8㎜。雄しべは10本、外側の列のものは短く、内側の列のものは長さ約8㎜。花糸はほぼ錐状の糸状、帯赤色、基部に縁毛がある。葯は長円形、紫色、長さ2㎜。子房と嘴にはわずかに微軟毛がある。花糸は5本、短く、糸状、星状になり、反り返り、内側に沿って柱頭があり、長さ2.5㎜。蒴果は幅5㎜、嘴は細長く、真っ直ぐ、花柱を含み長さ12~13㎜。種子は無毛。花期は8月(J. J. B. 3: 36 (1926))。
多年草。根茎は±垂直、直径8~9mm、疣状突起はなく、長く肥厚した根が束生する。茎は高さ49~89㎝、直立し、節から発根せず、長さ0.2~0.5㎜の後向きの伏毛を持つ。托葉は披針形、少なくとも基部で合着する。葉は対生する。葉柄は長さ0.2~0.5 mmの後向きの伏毛持ち、葉身は長さ4.1~9.5cm、掌状分裂し、主切れ込み/中裂片の長さの比=0.89~0.96、伏した直軟毛がある。裂片は5個、菱形、基部の幅1.6~4.4㎜、上半分に8~18裂片があり、第2切れ込み/中裂片の長さの比=0.3~0.58。小集散花序は単生し、2個の花がつく。花序柄は長さ4.7~10.4(~13.7)㎝。小花柄は長さ1.1~4.1㎝、後ろ向きの長さ0.2~0.6 mm の伏した、まれに開出する毛がある。小苞は披針形。萼片は7.3~10.8㎜、微突形、微突は1.2~2.5㎜、微突/萼片の長さの比=0.13~0.26、外側に長さ0.2~0.4㎜の前向きの伏毛があり、内側は無毛。花弁は濃い赤紫色、長さ(1.3~)1.4~1.8(~2)㎝、直立~開出し、外側の基部に毛があり、内側の基部1/3~1/2に毛があり、縁は基部に縁毛があり、先は円形。雄しべの花糸は紫色、披針形、基部はわずかに幅が広くなり、外側に直軟毛があり、上半分に縁毛があり、毛は長さ0.2~0.6㎜。葯は帯青色、長さ1.5~2.3㎜。蜜腺は5個、半球形、頂点に毛状突起の房があり、外側は無毛。柱頭は赤色を帯びる。果実は長さ2.8~3.5㎝、未熟時には直立する。分果は平滑、基部にカルスがあり、長さ0.1~0.7㎜の±開出する毛があり、ときに頂端に長さ0.7~1.1㎜の開出する腺毛を有する。嘴は長さ1.8~2.3cm、先端は1.9~3.4㎜が狭くなる。柱頭は長さ5~6.7㎜、宿存する。種子は長さ2.3~2.6㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。2n=28。
POWOではハクサンフウロ、ヒダフウロ(Geranium hidaense)、ツクシフウロをアサマフウロのsynonymとしている。
Ylistではヒダフウロ(Geranium hidaense)を独立種とし、ハクサンフウロはエゾフウロの変種(Geranium yesoense var. nipponicum)としている。
(1) Geranium hidaense Makino ヒダフウロ 飛騨風露
飛騨地方(高山付近)に分布。
多年草、高さ約140㎝達する。根茎は太くて硬く、丈夫な根が束生し、葉柄の基部の古い繊維があり、赤褐色。茎は少数~1本、直立し、細く、直立・開出し、緩く枝分かれし、白色の後ろ向きの微軟毛があるが、その後下部でほぼ無毛、上部では密になり、節間は長く、基部の節の上で膨らむ。葉(茎)は対生し、外形は腎形、5~7分裂し、連続し、上面は緑色で薄く直軟毛があり、下面はより淡色、脈上に非常に薄く前向きの直軟毛があり、縁には前向きの縁毛があり、幅4~14㎝。小葉は楔状倒卵形で、上部で小葉に再分裂し、通常は粗く少数の小裂片状の歯があり、下面に緩く目立つ葉脈がある。葉柄は細く、しばしば非常に長い。根生葉は多数つき、大きく、非常に長い葉柄(長さ70㎝に達する)を持ち、最大の葉は幅約15.5㎝。托葉は卵形、錐状三角形、三角状卵形、または卵状錐形で、質が薄く、無毛であるが、縁に微細な縁毛があり、しばしば、先に鋭い歯が少数あり、長さ約3~12㎜。花序柄は細く、上部に2個の花がつく。苞は細かく、錐形、鋭く先細り、淡緑色、長さ1.5~3㎜。小花柄は細く、直立・開出し、散開し、花時に長さ約1.5~3.5㎝、果時には散開または多少、後屈する。開いていない蕾はうなずく(alabastrum nodding)。花は直径約2.5㎝、ライラック色、可憐ではかない。萼片は5個、花時には広がるが、果時には直立し、長楕円形だが外側の萼片は卵状長円形、先に長い微突起(long-mucronate)があり、先の縁には微細な縁毛があり、内側の萼片には薄膜質の縁があり、縦に5脈があり、外側に非常に微細な微軟毛があり、宿存し、微突を含めて長さ8~9㎜。花弁は5枚、倒卵形、先は丸く、基部の爪部(白色の毛がある)に向かって楔形になり、全縁で、縁に不明瞭な緩い微細な縁毛があり、表面は多少波状で脈があり、長さ12㎜、幅8㎜。雄しべは10本、外側の列のものは短く、内側の列のものは長さ約8㎜。花糸はほぼ錐状の糸状、帯赤色、基部に縁毛がある。葯は長円形、紫色、長さ2㎜。子房と嘴にはわずかに微軟毛がある。花糸は5本、短く、糸状、星状になり、反り返り、内側に沿って柱頭があり、長さ2.5㎜。蒴果は幅5㎜、嘴は細長く、真っ直ぐ、花柱を含み長さ12~13㎜。種子は無毛。花期は8月(J. J. B. 3: 36 (1926))。