アオギリ 青桐

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Flora of Mikawa

アオイ科 Malvaceae アオギリ属

別 名 ケナシアオギリ
英 名 Chinese Parasol Tree
学 名 Firmiana simplex (L.) W.Wight

 synonym Firmiana platanifolia (L.f.) Schott et Endl.

アオギリの花序
アオギリの葉裏
アオギリの葉3裂
アオギリの幹
アオギリ
アオギリ葉5裂
花 期 6月
高 さ 10~16m
生活型 落葉高木
生育場所 栽培種
分 布 在来種 日本(本州、四国、九州、沖縄、奄美大島)、中国、台湾、インド、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、スリランカ、バングラデシュ、アッサム、ネパール、ラオス、バングラデシュ、ボルネオ、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、フィジー原産
撮 影 浜名湖ガーデンパーク  23.7.7
アオイ科アオギリ属の栽培種。世界中で広く栽培されている。日本(本州、四国、九州)へは極めて古くに渡来したと考えられている。
 落葉高木、高さ16mまで。樹皮は帯緑色、平滑。葉柄は長さ15~30㎝。葉身は心形、掌状に3~5裂し、直径15~30㎝、裂片は三角形、両面無毛または微軟毛があり、基部に脈が7本あり、基部は心形、先は尖鋭形。雌雄同株。花序は円錐花序、頂生し、長さ20~50㎝。萼は黄緑色、長さ7~9㎜、ほぼ基部近くまで裂け、裂片は線形、外側に捻じれ、外面に軟毛があり、帯黄色、内側の基部のみに絨毛がある。小花柄は萼とほぼ同長。雄花:両性花は萼とほぼ同長、下部が厚く、無毛。葯は 15個、不規則に束状でになり、退化雌しべ(pistillode)は洋ナシ形で非常に小さい。 雌花:子房は球形、毛がある。袋果は膜質、有柄、葉状、長さ6~11㎝×幅1.5~2.5㎝、2~4個の種子があり、外面に毛があり、またはほぼ無毛。 種子は球形、直径約7㎜、しわがある。花期は6月。2n=40。

アオギリ属

 family Malvaceae- genus Firmiana

 高木または低木、落葉。葉は単葉で、掌状に3~5裂するか、または全縁。花序は円錐花序またはまれに総状花序、腋生または頂生。花は単性または雌雄混株(polygamous)、ときに葉の展開前に現れる。萼は橙赤色または金色、漏斗形または円筒形、(4~)5浅裂または深裂、裂片は短いか基部近くで裂け、反り返る。花弁は無い。雄花: 雄しべは10~20個、雌雄しべ柄(androgynophore)の先に頭状の集団になる。葯は2細胞で、葯細胞は湾曲する。未発育の雌しべがある。雌花:子房は5室、卵形または球形で、基部は未発達の葯で囲まれる。花柱は基部で合着する。柱頭は心皮と同数。胚珠は1小室あたり2個~多数。袋果(follicle)は柄がある。内果皮は膜質で、成熟のかなり前に裂開し、葉質(foliaceous)。種子は袋果に1個~多数、葉質の内果皮の内周縁につき、球形、胚乳(endosperm)は平らまたはひだがあり、子葉は平らで、非常に薄い。
 世界に約16種あり、熱帯、亜熱帯、温帯アジアに分布する。中国には7種あり、5種が固有種。

アオギリ属の主な種

1 Firmiana colorata (Roxburgh) R. Brown
 中国(雲南省)、ブータン、インド(アンダマン諸島含む)、インドネシア(スマトラ島)、マレーシア、ミャンマー、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は火桐 huo tong。英名はBonfire Tree。標高700~1000mの森林に覆われた斜面に生える。
 落葉高木、高さ15mにもなる。小枝は乾燥すると灰黒色になり、微細な灰色の微軟毛がある。葉柄は長さ10~15cm。葉身は広心形、長さ17.5~25㎝×幅18~20㎝、薄い革質、両面にまばらに帯黄色の星状微軟毛があり、根部の脈は5~7本、細脈は両面に明瞭に隆起し、ほぼ平行、基部は深い心形、先は3~5裂し、中裂片は長さ約5cm、先は鈍形、側裂片は長さ約3㎝。花序は集散花序状円錐花序、長さ7㎝以下、密な橙赤色の星状の微軟毛がある。小花柄は長さ4~5㎜、微軟毛がある。萼は漏斗形、基部はほぼ楔形、長さ約20㎝×幅7~8㎜、先は5裂、外面に密に星状の微軟毛があり、橙色の毛があり、内面に密に微軟毛があり、萼片は卵状三角形、長さ約4㎜、先は鋭形。雄花は雌雄しべ柄(androgynophore)が長さ10~12㎜、星状の微軟毛がある。雌花は子房が5室、ほぼ分離、無毛。花柱は短い。柱頭は外側に曲がる。袋果(follicle)は柄があり、成熟すると赤色または紫色、葉質、舌形、長さ5~7㎝、2~4個の種子があり、明らかな脈がある。 種子は黒色、球形、直径約6㎜。花期は3~4月。

2 Firmiana malayana Kosterm
 マレーシア。インドネシア原産。英名はBullock's Eye , Mata lembu。標高1200 mまでの低地の森林、川、森林の縁、山地の近くに生える。
 落葉高木、高さ28m、幹の直径75㎝まで。樹皮は平滑、銀灰色、内側の樹皮は淡褐黄色。小枝は平滑、灰褐色、葉痕が目立ち。葉柄は長さ5~20㎝、平滑。托葉は早落性。葉は落葉性、乾季が終わると葉が落ち、木は6~8週間裸出する。葉は卵形、しばしば浅く、3裂し、長さ9~17㎝×幅7~14㎝、通常は対称で、基部は浅い心形、先は円形、淡緑色~緑色で、紙質、全縁、下面に柔らかい毛がある。木に葉がない間の、4~5週間に花と果実が現れ、その後新しいシュートが現れます。葉腋に長さ3~13cmの花序が形成され、橙色の星状毛で密に覆われる。花は5裂し、長い萼筒があり、外面は明るい橙色、内面は明るい赤色で、長さ15~30㎜×直径6~9㎜、しばしば反り返る。果実は舟形、辺縁に種子が1~4個ある袋果からなり、淡緑色~淡褐色に変化し、長さ7.5~10㎝。種子は直径約1㎝。

3 Firmiana simplex (L.) W.Wight アオギリ 青桐
  synonym Firmiana simplex (L.) W.F.Wight var. glabra Hatus.
  synonym Firmiana platanifolia (L.f.) Schott et Endl. f. tomentosa (Thunb.) H.Hara
  synonym Firmiana platanifolia (L.f.) Schott et Endl.
 日本(本州、四国、九州、沖縄、奄美大島)、中国、台湾、インド、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、スリランカ、バングラデシュ、アッサム、ネパール、ラオス、バングラデシュ、ボルネオ、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、フィジー原産。英名はChinese Parasol Tree。中国名は梧桐 wu tong。別名はケナシアオギリ。世界中で広く栽培されている。日本(本州、四国、九州)へは極めて古くに渡来したと考えられている。
 落葉高木、高さ16mまで。樹皮は帯緑色、平滑。葉柄は長さ15~30㎝。葉身は心形、掌状に3~5裂し、直径15~30㎝、裂片は三角形、両面無毛または微軟毛があり、基部に脈が7本あり、基部は心形、先は尖鋭形。雌雄同株。花序は円錐花序、頂生し、長さ20~50㎝。萼は黄緑色、長さ7~9㎜、ほぼ基部近くまで裂け、裂片は線形、外側に捻じれ、外面に軟毛があり、帯黄色、内側の基部のみに絨毛がある。小花柄は萼とほぼ同長。雄花:両性花は萼とほぼ同長、下部が厚く、無毛。葯は 15個、不規則に束状でになり、退化雌しべ(pistillode)は洋ナシ形で非常に小さい。 雌花:子房は球形、毛がある。袋果は膜質、有柄、葉状、長さ6~11㎝×幅1.5~2.5㎝、2~4個の種子があり、外面に毛があり、またはほぼ無毛。 種子は球形、直径約7㎜、しわがある。花期は6月。2n=40。

参考

1) Flora of China
 Firmiana
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=112820
2)Flora of North America
 Firmiana
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=112820
3)Malaysia Biodiversity Information System (MyBIS
 Firmiana malayana Kosterm. (Malvaceae)
https://www.mybis.gov.my/art/298
4) World Flora Online
 Firmiana
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-0000691059
5) Plants of the World Online | Kew Science
 Firmiana
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:38699-1