アマナ 甘菜
Flora of Mikawa
ユリ科 Liliaceae アマナ属
別 名 | ムギグワイ |
中国名 | 老鸦瓣 lao ya ban |
学 名 | Amana edulis (Miq.) Honda synonym Tulipa edulis (Miq.) Baker |
花 期 | 3~4月 |
高 さ | 10~25㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 草地、畔、林縁 |
分 布 | 在来種 本州(東北地方南部以西)、四国、九州、朝鮮、中国 |
撮 影 | 鳳来町 04.4.11 |
鱗茎がクワイに似ているので別名をムギクワイという。葉は長さ15~20㎝、幅0.5~1㎝、中央に白色の線がある。花茎は細く、高さ15~20㎝になり、茎頂に普通1個の白い花がつく。花被片は6個、長さ約2㎝。花被片の裏に細い暗紫色の脈がある。雄しべも6個。花の下部の苞は普通2個(稀に3個)つく。果実は直径5~7㎜のほぼ球形。2n=48
ヒロハノアマナは葉の幅が広く、白線の幅も広い。また、苞が常に3個つく。
多年草。地下にある鱗茎は球形、肉質の鱗片からなる。根出葉は線形で、地表に2個つく。苞は広線形、花茎の上部に普通2個、まれに3個つく。花は、細く直立する花茎の先端に1個、上向き~横向きに咲く。花被片は6個、腺体はなく、花被片は花後に落ちる。雄しべは6個、花被片より短い。子房は上位。果実は蒴果で、やや球状または長円形。以前はチューリップ属(Tulipa)に入れられていたが、花の大きさ、葉の形態、花茎の苞の有無、花粉の形態の違いから、別属とされる。チューリップ属のsect. Amanaは、異なる長さと方向の条線を形成するが、バイモ(Lilieae)やキバナノアマナ属(ユリ亜科 Lloydieae)のように結節によりpluricolumellate壁(murus , pl. muri)を形成しない。(参考5)
世界に6種あり、アジア東部(日本、朝鮮、中国)に分布する。
1 Amana anhuiensis (X.S.Shen) Christenh. 中国安徽省(2013)
2 Amana baohuaensis B.X.Han, Long Wang & G.Y.Lu 中国江蘇省(2019)
3 Amana edulis (Miq.) Honda アマナ
4 Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan & D.Y.Hong ヒロハアマナ
5 Amana kuocangshanica D.Y.Tan & D.Y.Hong 中国浙江省(2007)
6 Amana wanzhensis Lu Q.Huang, B.X.Han & K.Zhang 中国安徽省寧國市(2014)
synonym Tulipa edulis (Miq.) Baker [Flora of China]
日本(本州の東北地方南部以西、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は老鸦瓣 lao ya ban。鱗茎がクワイに似ているので別名をムギクワイという。草地、畔、林縁などに生える。
多年草、高さ10~25㎝。鱗茎は卵形、直径1.5~4㎝。薄皮(tunic)は帯褐色、紙質、内側に密に絨毛状綿毛がある。花茎は普通、1本単純、長さ10~25㎝、細く、無毛。 葉は普通、2個、粉白色、線形、長さ(10~)15~25㎝×幅(2~)5~9(~12)㎜、比較的厚く、無毛、中央に白色の細い線がある。苞は普通2個、花茎の上部に対生し、ごくまれに3個つき、輪生し、狭い線形、長さ1.5~3㎝×幅1~2㎜。 花は単性。小花柄は長さ2~4㎝。花被片は白色、花被片の裏に紫赤色の条線があり、狭楕円状披針形または披針形、長さ2~3㎝×幅4~7㎜。雄しべは6本、内側の雄しべは外側の雄しべよりわずかに長い。花糸は無毛、中間または基部近くでわずかに広がる。花柱は長さ約4mm。蒴果はほぼ球形、直径5~7㎜、先に長い嘴がある。花期は3~4月。果期は4~5月。2n=48。
1-1 Amana edulis (Miq.) Honda f. duplexa Yashiro, Ichihara et Iwase ヤエノアマナ
千葉県で発見された。雄しべが弁化して重弁化したアマナ。花被片の内側には先には葯をつけたものがあり、稔性がある。
2 Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan et D.Y.Hong ヒロハノアマナ 広葉の甘菜
synonym Amana latifolia (Makino) Honda
synonym Tulipa erythronioides Baker
synonym Tulipa latifolia (Makino) Makino
日本(本州の東北地方南部以西、四国、九州)、中国原産。中国名は阔叶老鸦瓣 kuo ye lao ya ban。別名はヒロハアマナ。
多年草、高さ11~20㎝。地下の鱗茎は卵形、直径2~4㎝。薄皮は帯褐色、紙質、内側に密に絨毛状綿毛がある。花茎は長さ11~20㎝、無毛。 葉は普通、2枚、粉白を帯び、線形~狭い長円形、長さ(7)15~20㎝×幅(0.5~)0.9~2.2㎝、無毛、中央に白色の線がある。苞は普通、3または4個、輪生し、ごくまれに2個が対生し、狭線形、長さ1.5~2㎝×幅1~2㎜。小花柄は長さ1~4㎝。花被片は広披針形、長さ(1.5)1.8~2.4cm×幅2.5~3㎜、白色に暗紫色の脈がある。雄しべは6本、外側の雄しべは長さ5~6 mm、内側の雄しべは長く、長さ約7.5㎜。花糸は下部で広がり、無毛。花柱は長さ約3㎜。蒴果はほぼ球形、直径約12㎜、3稜がある。花期は4月。
Tulipa
Amana
Amana
日本産アマナ(ユリ科)の1新品種,ヤエノアマナ
Contributions to the Pollen morphology and taxonomy of the Liliaceae p27
ヒロハノアマナは葉の幅が広く、白線の幅も広い。また、苞が常に3個つく。
アマナ属
family Liliaceae - genus Amana多年草。地下にある鱗茎は球形、肉質の鱗片からなる。根出葉は線形で、地表に2個つく。苞は広線形、花茎の上部に普通2個、まれに3個つく。花は、細く直立する花茎の先端に1個、上向き~横向きに咲く。花被片は6個、腺体はなく、花被片は花後に落ちる。雄しべは6個、花被片より短い。子房は上位。果実は蒴果で、やや球状または長円形。以前はチューリップ属(Tulipa)に入れられていたが、花の大きさ、葉の形態、花茎の苞の有無、花粉の形態の違いから、別属とされる。チューリップ属のsect. Amanaは、異なる長さと方向の条線を形成するが、バイモ(Lilieae)やキバナノアマナ属(ユリ亜科 Lloydieae)のように結節によりpluricolumellate壁(murus , pl. muri)を形成しない。(参考5)
世界に6種あり、アジア東部(日本、朝鮮、中国)に分布する。
1 Amana anhuiensis (X.S.Shen) Christenh. 中国安徽省(2013)
2 Amana baohuaensis B.X.Han, Long Wang & G.Y.Lu 中国江蘇省(2019)
3 Amana edulis (Miq.) Honda アマナ
4 Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan & D.Y.Hong ヒロハアマナ
5 Amana kuocangshanica D.Y.Tan & D.Y.Hong 中国浙江省(2007)
6 Amana wanzhensis Lu Q.Huang, B.X.Han & K.Zhang 中国安徽省寧國市(2014)
アマナ属の主な種と園芸品種
1 Amana edulis (Miq.) Honda アマナ 甘菜synonym Tulipa edulis (Miq.) Baker [Flora of China]
日本(本州の東北地方南部以西、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は老鸦瓣 lao ya ban。鱗茎がクワイに似ているので別名をムギクワイという。草地、畔、林縁などに生える。
多年草、高さ10~25㎝。鱗茎は卵形、直径1.5~4㎝。薄皮(tunic)は帯褐色、紙質、内側に密に絨毛状綿毛がある。花茎は普通、1本単純、長さ10~25㎝、細く、無毛。 葉は普通、2個、粉白色、線形、長さ(10~)15~25㎝×幅(2~)5~9(~12)㎜、比較的厚く、無毛、中央に白色の細い線がある。苞は普通2個、花茎の上部に対生し、ごくまれに3個つき、輪生し、狭い線形、長さ1.5~3㎝×幅1~2㎜。 花は単性。小花柄は長さ2~4㎝。花被片は白色、花被片の裏に紫赤色の条線があり、狭楕円状披針形または披針形、長さ2~3㎝×幅4~7㎜。雄しべは6本、内側の雄しべは外側の雄しべよりわずかに長い。花糸は無毛、中間または基部近くでわずかに広がる。花柱は長さ約4mm。蒴果はほぼ球形、直径5~7㎜、先に長い嘴がある。花期は3~4月。果期は4~5月。2n=48。
1-1 Amana edulis (Miq.) Honda f. duplexa Yashiro, Ichihara et Iwase ヤエノアマナ
千葉県で発見された。雄しべが弁化して重弁化したアマナ。花被片の内側には先には葯をつけたものがあり、稔性がある。
2 Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan et D.Y.Hong ヒロハノアマナ 広葉の甘菜
synonym Amana latifolia (Makino) Honda
synonym Tulipa erythronioides Baker
synonym Tulipa latifolia (Makino) Makino
日本(本州の東北地方南部以西、四国、九州)、中国原産。中国名は阔叶老鸦瓣 kuo ye lao ya ban。別名はヒロハアマナ。
多年草、高さ11~20㎝。地下の鱗茎は卵形、直径2~4㎝。薄皮は帯褐色、紙質、内側に密に絨毛状綿毛がある。花茎は長さ11~20㎝、無毛。 葉は普通、2枚、粉白を帯び、線形~狭い長円形、長さ(7)15~20㎝×幅(0.5~)0.9~2.2㎝、無毛、中央に白色の線がある。苞は普通、3または4個、輪生し、ごくまれに2個が対生し、狭線形、長さ1.5~2㎝×幅1~2㎜。小花柄は長さ1~4㎝。花被片は広披針形、長さ(1.5)1.8~2.4cm×幅2.5~3㎜、白色に暗紫色の脈がある。雄しべは6本、外側の雄しべは長さ5~6 mm、内側の雄しべは長く、長さ約7.5㎜。花糸は下部で広がり、無毛。花柱は長さ約3㎜。蒴果はほぼ球形、直径約12㎜、3稜がある。花期は4月。
参考
1) Flora of ChinaTulipa
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=133974
2) Plants of the World Online| KewscienceAmana
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:23968-1
3) World Flora OnlineAmana
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000001456
4) 植物研究雑誌 85(5): 333–335(2010)日本産アマナ(ユリ科)の1新品種,ヤエノアマナ
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_085_333_335.pdf
5) Grana 38: 20±30, 1999Contributions to the Pollen morphology and taxonomy of the Liliaceae p27
https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/001731300750044672