アカメガシワ 赤芽柏

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Flora of Mikawa

トウダイグサ科 Euphorbiaceae アカメガシワ属

別 名 ゴサイバ
中国名 野梧桐 ye wu tong
学 名 Mallotus japonicus (Thunb. ex Murray.) Mueller-Arg.
アカメガシワの雄花
アカメガシワの雌花
アカメガシワの実
アカメガシワの若葉の赤い星状毛
アカメガシワの葉身基部の蜜腺
アカメガシワの幹
アカメガシワ
アカメガシワの若葉
アカメガシワ葉の両面
アカメガシワ葉先の蜜腺
花 期 6~7月
高 さ 5~15m
生活型 落葉高木
生育場所 林縁
分 布 在来種  本州、四国、九州、朝鮮、中国
撮 影 三ヶ根山  09.7.12
春に芽葉が赤く、山で目立つ。花期には赤い葉は緑に変わり、少し赤味が残る程度である。和名の由来はカシワの葉と同じように食べ物を乗せるのに使い、芽が赤いことから。
 幹は灰褐色で、縦の網目となる。葉は互生し、長さ8~20㎝、幅5~15㎝の卵形。葉の両面に星状毛があり、葉裏には白色の腺点もあり、若葉の星状毛は赤い。葉表の基部に2個の蜜腺があり、葉先の縁にも数個の蜜腺がある。葉柄は長さ3~17㎝。花は雌雄別株。雌花の花柱には乳頭状の突起、白色の腺点及びはじめは紅色である星状毛が密生する。柱頭は2~4個に分かれ、普通は淡黄色であるが、鮮やかな赤色になるものがある。果実は直径約8㎜、刺状突起が密生し、熟すと褐色になって裂開する。種子は直径約4㎜、褐色~黒色。

アカメガシワ属

 familiy: Euphorbiaceae - genus Mallotus

 高木又は低木、まれにつる性、普通、落葉。密毛は普通、単純毛と星状毛、帯白色~帯赤色の腺のある鱗片がある。葉は互生又は対生、1対は小さい。托葉は普通、錐形。葉身は分裂せず又は裂片があり、ときに盾状、下面はしばしば腺のある鱗片があり、上面はしばしば、腺が目立ち、基部に普通、2個又はそれ以上の腺があり、脈は掌状又は羽状。花序は頂生又は腋生、ほとんど分枝せず、たまに分枝し、普通、多数の花をつける。雄花は普通、各苞に数個。咢は3~5深裂し、敷石状。花弁と花盤は無い。雄しべは15~250本。花糸は離生。葯は2室、葯隔はしばしば幅が広く、仮雌しべは無い[まれに有る]。雌花は各苞に1(~2)個。咢は3~5裂し、ときに仏炎苞があり早落性。子房は(2~)3(~4)室。花柱は単純、羽毛又は長いパピラがある。胚珠は各室に1個。蒴果は(2~)3(~ 4)室、平滑又は柔らかい刺がある。種子はほぼ球形~卵形、平滑、ときに仮種皮がある。
 世界に約150種あり、アジアの熱帯、亜熱帯地域に分布し、少数がアフリカやオーストラリアに分布する。

アカメガシワ属の主な種

1 Mallotus apelta (Lour.) Mull.Arg. ギンモウガシワ 銀毛柏
 中国、ベトナム原産。中国名は白背叶 bai bei ye。丘の斜面、山の谷、茂み、森林に生える。
 低木または小高木、高さ1~6m。小枝は若いときは帯白色、帯褐色の星状の綿毛がある。托葉は錐形、長さ2.5~4㎜、落葉性。葉柄は長さ5~15㎝、帯白色の綿毛がある。葉身は広卵形、長さ5~60㎝×幅4~20㎝、紙質、下面は帯白色の綿毛があり、橙色の腺のある鱗片が散在し、上面は無毛になりまたはまばらに星状の小直軟毛があり、基部は切形または狭い楔形、まれにわずかに心形、基部に2個の腺をもち、縁はさざ波形の小歯があり、先は鋭形または尖鋭形、基部の脈は3本。雄花序は頂生し、分枝または非分枝、長さ15~50㎝、帯白色の微細綿毛がある。苞は三角形、長さ約2.5㎜。雄花は1~5個、束生する。小花柄は長さ約3mm。萼片は4個、卵形、長さ約3㎜、微細綿毛がある。雄しべは50~75本。雌花序は枝分かれしない。花序柄は長さ5~10㎝。苞は線形、長さ約3㎜。果序は長さ15~60㎝、密な円筒形、帯白色の綿毛がある。雌花は小花柄が長さ1.5~2㎜。萼片は3~5個、卵形~三角形、長さ2.5~3mm、綿毛がある。子房は3(または4)室、星状の微細綿毛がある。花柱は長さ約3㎜、羽毛がある。蒴果はほぼ球形、密に柔らかい刺があり、刺は糸状、長さ3~8㎜、帯白色の星状毛がある。種子は卵形、長さ約4mm、しばしば黒色、いぼ状。花期は5~9月。果期は8~11月。
1-1 Mallotus apelta var. apelta
 中国、ベトナム原産。中国名は白背叶 bai bei ye。丘の斜面、山の谷、茂みに生える。
 低木、高さ1~4m。 小枝は若いときは帯白色で、帯褐色の星状の綿毛がある。葉身は長さ5~20㎝×幅4~20㎝。 雄花序は分枝または分枝せず、長さ15~30㎝。果序は垂れ下がり、長さ15~30㎝、帯白色の綿毛がある。蒴果の棘は長さ3~5mm。花期は5~9月。果期は8~11月。
1-2 Mallotus apelta var. kwangsiensis F. P. Metcalf,
 中国原産。中国名は广西白背叶 guang xi bai bei ye。石灰岩の茂みや森に生える。
 小高木、高さ5~6m。小枝は白色の星状の小綿毛がある。葉身は長さ35~60㎝×幅30~58㎝、下面は白色の小綿毛がある。雄花序は緩く分枝し、長さ30~50㎝。 果序は長さ35~60㎝、白色の綿毛がある。 蒴果の棘は長さ6~8mm。花期および果期は7~10月。

2 Mallotus barbatus (Wall. ex Baill.) Mull.Arg. ハスノハアカメガシワ 蓮の葉赤芽柏
 中国、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア原産。中国名は毛桐 mao tong。山の斜面または谷、森林、茂み、石灰岩の丘、道端、しばしば開拓地に生える。
 低木または小高木、高さ1.5~6m。小枝、葉柄、および花序には密に帯褐色の羽毛状の綿毛があるか、または帯褐色~帯黄色の粉状の綿毛がある。托葉は長さ5~15mmの錐形。葉柄は長さ5~20㎝。葉身はほぼ円形または広卵形、しばしば三尖形(tricuspidate)または短く鋭く、1~2裂し、長さ8~35㎝×幅6~28㎝、紙質、上面は脈に沿って星状絨毛があり、下面は星状綿毛があり、黄色の腺のある鱗片が散在し、基部は円形~広盾形、4個以下の腺を基部にもち、縁はさざ波形の小歯状で、先は尖鋭形、基部の脈は5~7本。雄花序は頂生、分枝または非分枝、長さ15~34㎝。苞は錐形、長さ5~7㎜。雄花は3~5個束生する。小花柄は長さ3~4㎜。萼片は4~5個、長楕円形、長さ3~3.5㎜、星状軟毛がある。雄しべは75~85本。雌花序は分岐または非分岐。花序柄は丈夫。果序は直立し、長さ10~20㎝。苞は錐形、長さ4~5㎜。雌花は小花柄が長さ2~3㎜。萼は4または5裂し、長さ4~5㎜、綿毛がある。子房は3~5室、密に剛毛、綿毛がある。花柱は長さ3~4㎜、羽毛がある。果時の小花柄は長さ5~ 30㎜。蒴果はほぼ球形、直径12~20㎜、密に星状の綿毛があり、柔らかい棘があり、連続した均一な層を形成し、棘は線形、長さ6~7㎜。種子は卵形、長さ約5㎜、黒色、疣状。花期は4~5月。果期は9~10月。
2-1 Mallotus barbatus var. croizatianus (F. P. Metcalf) S. M. Hwang
 中国原産。中国名は石山毛桐 shi shan mao tong。石灰岩の丘や山の斜面や谷に生える。
 低木、高さ1.5~3m。小枝と葉柄には密に帯褐色~帯黄色の粉状の綿毛がある。葉身は長さ8~24㎝×幅6~20㎝、下面は帯黄色または帯白色の星状の綿毛があり、わずかに黄色がかった腺のある鱗片があり、基部には1個または2個の腺が基部にある。雌花序は枝分かれせず、長さ8~15㎝。 雌花は小花柄が長さ5~6㎜。花柱は3または4本、長いパピラまたは羽毛がある。果時の小花柄は長さ5~8㎜。蒴果は直径12~18㎜。花期は6~9月。果期は7~10月
2-2 Mallotus barbatus var. barbatus
 中国、インド、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は毛桐 mao tong。山の斜面、道端、茂み、しばしば開拓地に生える。
 小高木または低木。高さ2~6m。小枝、葉柄、および花序は密に帯褐色の羽毛状綿毛がある。雌花序は枝分かれし、長さ10~20㎝、直立する。果時の小花柄は 長さ5~10mm。蒴果は直径15~20㎜。花期は4~5月。果期は9~11月。
2-3 Mallotus barbatus var. pedicellaris Croizat
 中国、タイ原産。中国名は长梗毛桐 chang geng mao tong。山の谷、森林に生える。
 小高木、高さ3~6m。小枝、葉柄、および花序には密に帯褐色の羽毛状綿毛がある。雌花序は枝分かれせず、長さ15~32㎝、直立。果時の小花柄はしばしば長さ15~30㎜、ときに1~2個の小苞があり、小苞は錐形、長さ約1.5㎜、脱落性。蒴果は直径約20㎜。花期は5~7月。果期は8~11月。

3 Mallotus japonicus (L.f.) Mull.Arg. アカメガシワ 赤芽柏
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は野梧桐 ye wu tong 。英名はkamila tree。別名はゴサイバ。
 落葉高木。高さ5~15m。幹は灰褐色で、縦の網目となる。葉は互生し、長さ8~20㎝、幅5~15㎝の卵形。葉の両面に星状毛があり、葉裏には白色の腺点もあり、若葉の星状毛は赤い。葉表の基部に2個の蜜腺があり、葉先の縁にも数個の蜜腺がある。葉柄は長さ3~17㎝。花は雌雄別株。雌花の花柱には乳頭状の突起、白色の腺点及びはじめは紅色である星状毛が密生する。柱頭は2~4個に分かれ、普通は淡黄色であるが、鮮やかな赤色になるものがある。果実は直径約8㎜、刺状突起が密生し、熟すと褐色になって裂開する。種子は直径約4㎜、褐色~黒色。花期は5~7月。

4 Mallotus paniculatus (Lam.) Mull.Arg. ウラジロアカメガシワ 裏白赤芽柏
 中国、台湾、インド、バングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア原産。中国名は白楸 bai qiu。山の斜面、茂み、二次林に生える。
 低木または高木、高さ3~15m。小枝は帯赤色の星状微細綿毛がある。托葉は小さい。葉柄は長さ2~15㎝。葉身は菱形、卵形、または三角状卵形、しばしば1~3 裂しまたは3尖形(3-cuspidate)、長さ5~15㎝×幅3~12㎝、厚い紙質、上面は無毛、下面は帯灰色の微細綿毛があり、基部はくさび形、ときにわずかに盾状になり、基部に2個の大きな腺があり、先は尖鋭形、基部の脈は3~5本。雄花序と雌花序はしばしば枝分かれし、長さ10~25㎝、微細綿毛がある。苞は卵形、長さ1~2㎜。雄花は2~7個束生する。小花柄は長さ2~3mm。萼片は3~4個、卵形、長さ2~2.5㎜、星状微軟毛がある。雄しべは50~60本。雌花は萼片が4または5個、長円形、長さ2~3㎜、微細綿毛がある。子房は微細綿毛がある。花柱は3本、長さ約3㎜、羽毛がある。果時の小花柄は長さ約2.5㎜。蒴果は3室、直径約10㎜、小綿毛があり、まばらに柔らかい刺があり、刺は錐形、長さ4~5㎜。種子はほぼ球形、直径約4㎜、帯黒色、疣状または平滑。花期は7~10月。果期は10~12月。
4-1 Mallotus paniculatus (Lam.) Mull.Arg. f. formosanus (Hayata) S.S.Ying ホザキアカメガシワ

5 Mallotus philippensis (Lam.) Mull.Arg. クスノハガシワ 楠の葉柏
 中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、ニューギニア、北オーストラリア原産。中国名は粗糠柴 cu kang chai 。英名はkamala , kamala-tree , orange kamala , red kamala。山の斜面または谷、石灰岩の丘または川の谷、森林に生える。
 低木または小高木、高さ2~15m。小枝、葉柄、花序は帯黄褐色の星状の綿毛がある。托葉は小さく、長さ約1㎜。葉柄は長さ2~9㎝。葉身は卵形~披針形、長さ5~20㎝×幅3~6㎝、革質、上面は無毛、下面は灰黄色の微細綿毛があり、まばらに赤色の腺鱗片があり、基部はくさび形または鈍形、基部に2~4個の腺を持ち、縁はほぼ全縁、先は尖鋭形、基部の脈は3本。雄花序は枝分かれせず、長さ5~10㎝。苞は三角形、長さ約1㎜。雄花は1~5個、束生する。小花柄は長さ1~2㎜。萼片は3個または4個、長円形、長さ約2㎜、微細綿毛がある。雄しべは15~30本。雌花序は長さ3~8㎝、果実は長さ10~15㎝。苞は三角形、長さ約1㎜。雌花は小花柄が長さ約2㎜。萼片は3~5個、ほぼ卵形、長さ約3㎜、綿毛がある。子房は綿毛と赤色の腺鱗片がある。花柱は3本、長さ3~4㎜、羽毛がある。蒴果はほぼ球形、直径8~10㎜、(2~)3個の小室があり、赤色の腺鱗片の層で覆われる。種子はほぼ球形、直径約4㎜、黒色。花期は3~5月。果期は6~8月。
5-1 Mallotus philippensis var. philippensis
 中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、インド、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニューギニア、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム。 オーストラリア原産。中国名は粗糠柴 cu kang chai。山の斜面または谷、森林に生える。
 小枝と花序は帯黄褐色の星状の綿毛がある。葉身は卵形、長円形、または披針形、長さ5~20㎝×幅3~6㎝、革質、上面は青緑色、灰黄色の微細綿毛があり、まばらに赤色の腺鱗片があり、縁はほぼ全縁。蒴果は真紅の腺のある鱗片がある。種子はほぼ球形、直径約4㎜。花期は3~5月。果期は6~8月。
5-2 Mallotus philippensis var. reticulatus (Dunn) F. P. Metcalf
 中国原産。中国名は网脉粗糠柴 wang mai cu kang chai。石灰岩の丘または川の谷に生える。
 低木、高さ2~7m。 小枝と花序は帯灰黄色の綿毛がある。葉身は楕円形~卵形または卵形~披針形、長さ10~23㎝×長さ5~10㎝、薄い革質、下面は灰色の綿毛、橙赤色の腺状鱗片があり、縁は繰さざ波状の歯があり、脈は隆起する。蒴果は3室、直径約10㎜、密に赤色の腺のある鱗片がある。種子はほぼ球形、黒色、直径約5㎜。花期は4~6月。果期は9~11月。

6 Mallotus repandus (Rottl.) Mull.Arg. ツルアカメガシワ 蔓赤芽柏
 中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ニューギニア、太平洋諸島(ニューカレドニア) 、オーストラリア原産。中国名は石岩枫 shi yan feng。雑木林、森林、森林周辺、丘または山の谷に生える。
 つる性の低木、普通、高さ5~10m。小枝、葉柄、および花序には鈍い帯黄褐色の星状微細綿毛がある。托葉は三角形、長さ約1㎜。葉柄は長さ1.5~6㎝。葉身は三角卵形、楕円形卵形、または卵形、長さ3.5~10㎝×幅2.5~7㎝、紙質、表面は無毛、裏面は星状毛があり、散在して黄色がかった顆粒状~腺状、基部は広くさび形、ときにわずかに盾状、基部に4個の腺があり、縁は全縁またはさざ波形、先は鋭形または尖鋭形、基部の脈は3本。雄花序は頂生、まれに腋生し、枝はほとんどないか、または存在せず、長さ5~15㎝。苞は錐形、長さ約1.5㎜。雄花は2~5個、束性する。小花柄は長さ2~4㎜。萼片は3個または4個、長円形、長さ約3㎜、微細綿毛がある。雄しべは40~75本。雌花序は長さ5~8㎝。苞は披針形、長さ約2㎜。雌花は小花柄が長さ2~3㎜。萼片は4または5、披針形、長さ2~3㎜、微細綿毛がある。子房は2または3室、鈍黄色の微細綿毛がある。花柱は長さ3~5㎜、ほぼ離生、羽毛がある。果時の小花柄は長さ8~12㎜。蒴果は2室、直径約10㎜、黄褐色の微細綿毛があり、腺のある鱗片が散在する。種子はほぼ球形、直径約5㎜、黒色。花期は3~5月。果期は6~9月。
6-1 Mallotus repandus var. repandus
 中国、台湾、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ニューギニア、フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア、太平洋諸島 (ニューカレドニア)原産。中国名は石岩枫 shi yan feng。茂みや森林の周辺に散在する。
 つる性の低木、高さ5~10mになることが多い。小枝は帯鈍黄褐色の微細綿毛がある。葉身は三角状卵形~卵形、長さ3.5~10㎝×幅2.5~7㎝、紙質、下面は軟毛と散在する帯黄色の腺のある鱗片があり、基部は広くさび形、ときにわずかに楯状、先は鋭形又は尖鋭形。花序は枝分かれしていないか、またはゆるく枝分かれし、長さ5~15㎝、鈍い帯黄褐色の微細綿毛がある。雄花は萼片が3または4個、楕円形、長さ約3mm、ほとんど離生。雄しべは40~75本。雌花は子房が2室、帯黄褐色の微細綿毛がある。花柱は長さ約3㎜、ほとんど離生、羽毛がある。蒴果は2室、帯黄褐色の微細綿毛があり、腺のある鱗片が散在する。小花柄は長さ8~12㎜。花期は3~5月。果期は6月~9月。
6-2 Mallotus repandus var. scabrifolius (A. Jussieu) Müller
 中国原産。中国名は卵叶石岩枫 luan ye shi yan feng。丘や山の谷、茂み、森林に生える。
 よじ登るつる性低木。小枝は若いときは密に鈍黄色の星状微細綿毛があり、無毛になる。葉身は卵形、円状卵形または披針状卵形、長さ7~15㎝×幅4~11㎝、ほぼ紙質、上面は無毛、下面は無毛になり、脈腋に軟毛があり、ときに葉脈に沿って軟毛があり、帯黄色の腺のある鱗片が散在し、基部は心形またはほぼ切形、先は尖鋭形。花序は枝分かれせず、長さ2~10㎝、鈍黄色の微細綿毛がある。雄花は萼片が4または5個、長さ約3㎜。雄しべは40~55本。雌花は子房が3室、帯黄褐色の綿毛がある。花柱は3本、長さ約5mm、約1.5㎜が合着し、羽毛がある。蒴果は3質、帯黄色の微細綿毛がある。小花柄は長さ5~7mm。花期は4~5月。果期は6~7月。
6-3 Mallotus repandus var. chrysocarpus (Pampanini) S. M. Hwang
 中国原産。中国名は杠香藤 gang xiang teng。山谷、雑木林に生える。
 つる性低木、高さ2~5m。小枝は帯褐色の綿毛がある。葉身は卵形または楕円状披針形、長さ6~10㎝×幅1.5~4.5㎝、紙質、下面に軟毛と散在する帯黄色の腺のある鱗片があるかまたは無毛、基部はくさび形または鈍形、先は短い尖鋭形。花序は枝分かれせず、長さ5~7㎝、帯黄褐色の微細綿毛がある。雄花は萼片が3個、長さ約2.5㎜。雄しべは35~45本。雌花は子房が3室、黄褐色の綿毛がある。花柱は3本、長さ約3.5㎜、約1mm合着し、羽毛がある。果時の小花柄は長さ3~5㎜。蒴果は3室、帯褐色の微細綿毛がある。花期は5~6月。果期は8~9月。

7 Mallotus tiliifolius (Blume) Mull.Arg. タイワンアカメガシワ 台湾赤芽柏
 中国、台湾、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、太平洋諸島、オーストラリア原産。中国名は椴叶野桐 duan ye ye tong。沿岸地域の茂みに生える。
 低木または小高木、高さ3~7m。小枝や花序には灰黄土色の微細綿毛がある。葉は対生し、各対の葉はわずかに不等。托葉は廃れる。葉柄は長さ3~12㎝。葉身は三角形、三角状卵形、または菱状卵形、長さ5-20㎝×幅4.5-20㎝、紙質、上面はまばらに星状微軟毛があり、下面は微細綿毛があり、まばらに帯赤色の腺のある鱗片があり、基部は円形~心形、2~4個の斑点のある腺(maculate glands)があり、縁は全縁またはさざ波形、先は鋭形または尖鋭形、基部の脈は3本。雄花序は頂生、枝分かれせず、長さ6~15㎝。苞は錐形、長さ1.5~2㎜。雄花は3~9個、束生する。小花柄は長さ2~3㎜。萼片は3~5個、長円形または披針形、長さ2~3㎜。雄しべは80~100本。雌花序は3~15㎝。雌花は萼片が3~5個、卵状披針形、長さ2.5~3㎜、微細綿毛がある。子房は綿毛があり、柔らかい刺がある。花柱は3本、長さ4~5㎜、中間で合着し、羽毛がある。果時の小花柄は長さ約5mm。蒴果は3室、直径約12㎜、微細綿毛があり、まばらに短く柔らかい刺がある。種子はほぼ球形、直径約5㎜。花期は4~6月。果期は8~10月。

参考

1) GRIN
 Mallotus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=7206
2) Flora of Pakistan
 Mallotus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=119552
3)Plants of the World Online | Kew Science
 Mallotus
4) Flora of China
 Mallotus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=119552