アカバナヒメアヤメ 赤花姫菖蒲
Flora of Mikawa
アヤメ科 Iridaceae トリトニア属
別 名 | トリトニア・クロカタ |
英 名 | Mossel Bay tritonia , flaming freesia。blazing star, blazing stars, orange tritonia |
学 名 | Tritonia crocata (L.) Ker Gawl. |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | 25~50㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 外来種 南アフリカ(ケープ州)原産 |
撮 影 | 蒲郡市 22.4.29 |
アカバナヒメアヤメ(トリトニア・クロカタ)はアヤメ科トリトニア属の栽培種。よく栽培され、品種も多い。
高さ25~50㎝。地下の球茎によって冬成長する。球茎は直径2.5㎝以下、扁平で、薄い繊維状の薄皮(tunics)で被われ、基部に多数の小球茎(cormlets)を生じる。葉は秋に出て、剣形(短い披針形)の葉が扇形になる。葉は長さ7~30㎝×幅0.4~1.5㎝。穂状花序の屈曲する(flexuose)軸に4~10個の鮮やかな燃えるような橙色又は赤橙色(ときにピンク色を帯びた橙色)のほぼ放射相称の杯形の花をつける。1次の苞は乾き、膜質、暗褐色。花の下側の3個の花被片はのど部に狭い黄色~暗赤色の縞を中央にもち、ときに低いうね状に隆起し、全ての花被片は縁に魅力的な狭い半透明なゾーン又は「窓」をもつ。花被の筒部は長さ1~1.2㎝、基部は細く、上部は広がる。花被片は長さ1.8~2.5㎝、広がり、凹面。雄しべは花柱の周りに不規則に又は花の片側に非対称につき、橙色~帯赤色。葯は淡褐色、縁が暗褐色。果実は小さな蒴果で熟しと褐色、先端から底まで縦に裂開し、多数の種子を放出する。種子は小さく、硬く、角(かど)があり、褐色。花期は春下旬~夏初旬(南半球9~11月)。
多年草、葉や花は1年草。球茎(corm)は球形、外側は緩い繊維状の層になる。葉は数枚、根生又は類根生し、かま形又は狭い卵形~線形、平ら、無毛、3~7本の明瞭な葉脈がある。花序は花茎が直立、円柱形、針金状、まれに分枝する。花は軸の片側につくか又は類2列につく。花の軸は直立又は片側に曲がり、分枝しない。1次の苞は切形、短い歯があり、乾いて膜質になるまで草質、ほぼ等長、上部(内側)の苞は短く、2裂。花は放射相称又はわずかに左右相称、無柄。花被の筒部は基部が狭く、幅広になり、上部は漏斗形、花被片は筒部より長く、等長又は2唇形、内側の裂片が最も大きく、フード形。雄しべは花柱の周りに対称的に又は非対称につく。葯は突き出ず、ほぼ底着~多方向、曲がる。花柱は雄しべを超え、3枝があり、各枝は全縁、反曲し、紐状又は広がる。蒴果は楕円形~卵形、3稜形、膜質。種子は多数。英名はflame freesia , montbretia。
世界に約28種があり、アフリカ南部に分布する。3種がオーストラリアに帰化している。
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はMossel Bay tritonia , Flaming Freesia。blazing star, blazing stars, orange tritonia。別名はトリトニア・クロカタ。
高さ25~50㎝。地下の球茎によって冬成長する。球茎は直径2.5㎝以下、扁平で、薄い繊維状の薄皮(tunics)で被われ、基部に多数の小球茎(cormlets)を生じる。葉は秋に出て、剣形(短い披針形)の葉が扇形になる。葉は長さ7~30㎝×幅0.4~1.5㎝。穂状花序の屈曲する(flexuose)軸に4~10個の鮮やかな燃えるような橙色又は赤橙色(ときにピンク色を帯びた橙色)のほぼ放射相称の杯形の花をつける。1次の苞は乾き、膜質、暗褐色。花の下側の3個の花被片はのど部に狭い黄色~暗赤色の縞を中央にもち、ときに低いうね状に隆起し、全ての花被片は縁に魅力的な狭い半透明なゾーン又は「窓」をもつ。花被の筒部は長さ1~1.2㎝、基部は細く、上部は広がる。花被片は長さ1.8~2.5㎝、広がり、凹面。雄しべは花柱の周りに不規則に又は花の片側に非対称につき、橙色~帯赤色。葯は淡褐色、縁が暗褐色。果実は小さな蒴果で熟しと褐色、先端から底まで縦に裂開し、多数の種子を放出する。種子は小さく、硬く、角(かど)があり、褐色。花期は春下旬~夏初旬(南半球9~11月)。
品種) 'Aurora' , 'Baby Doll' , 'Bridal Veil' , 'Duchess' , 'Flaming Fancy' , 'Isabella' , 'Pink Sensation' , 'Plymouth Pastel' , 'Prince of Orange' , 'Princess Beatrix' , 'Roseline' , 'Salmon King' , 'Salmon Queen' , 'Serendipity' , 'Tangerine' , 'Tearose' , 'White Glory
2 Tritonia florentiae (Marloth) Goldblatt トリトニア・フロレンティアエ
南アフリカ(ケープ州)原産。乾燥した石の多い粘土質の平地。流域や排水路の砂利質の平地、乾いた岩地に生える。
高さ5~7(~10~18)㎝。球茎は中程度に地中深く、卵状円錐形、直径10~20㎜、薄皮はきめの細かい繊維状、薄皮の首は紙質。茎は主に地下にあるか苞に隠れ、長さ約10㎜の枝が4本以下ある。葉は5~8枚が密集してつき、扇状に広がり、わずかに鎌形、わずかに多肉質で、長さ30~70㎜x幅3~6㎜、先は鋭形で、主脈は半透明。茎葉は基部の扇状部より上には突き出ず、乾燥して苞状である。花序は4個まで、1花の穂状花序が基部の葉の間に隠れる。苞は膜質または乾いた紙質、すぐにしわになり、半透明または淡い麦わら色で、半透明で細かい点または斑点があり褐色、長さ12~18㎜、外側の苞は鋭く、すぐに裂け、内側の苞には2鋸歯がある。花は左右相称、2唇形、明るい黄色、喉部は赤みがかり、下側の花被片には赤い矢印形の斑紋があり、中央部には明るい黄色のカルス(calluses)がある。花被筒は漏斗形、長さ(15~)18~25(~30)㎜、下部は糸状で8~10(~15)㎜、上部は直径1/2から± 8~10㎜に大きく広がる。花被片は先端で反り返り、長さ(15~)20~25 mm、背側が最も大きく、倒卵形、幅13~15(~18)㎜、上側側花被片は倒披針形、幅8~10㎜、下側花被片は倒披針形、幅5~7(~9)㎜、下側1/2に長くパリパリまたは波打った紋様カルスがあり、高さ0.5~1.0㎜、長さ8~10㎜。花糸は片側性、弓状、長さ10~13㎜、短く突出して最大5 mm、葯は長さ5~6㎜、淡色から藤色、花粉は淡黄色。花柱は長さ25~33㎜、葯のすぐ先で分岐し、枝は長さ3~4㎜。蒴果は膨らみ、卵形3角形から楕円形3角形、長さ12~20㎜。花期が最も早く、花期は冬(5月下旬~9月上旬)[e-Flora of South Africa]。
品種) Tanqua Karoo
3 Tritonia gladiolaris (Lam.) Goldblatt & J.C.Manning トリトニア・グラジオラリス
南アフリカ原産。英名はchiffon lace , lined tritonia , montbretia , tritonia。低地~高知の草原、亜断崖の草原、原生林、雑木林、粗粒玄武岩(dolerite)または砂岩の土壌に生える。
多年草、直立し、高さ(15~)20~50(~80)㎝。球茎はほぼ球形~凹んだ球形、直径10~20㎜。薄皮は褐色、きめの細かい網目繊維状。薄皮の先が繊維状または紙状の襟状に伸びることもある。茎は直立するか上部の葉より上で外側に曲がり、傾斜し、単純または上部1/2から1(2)本のほぼ直立する枝が出る。葉は5~8枚、束状に2列に根生し剣状、長い紐状、ほぼ直立し、きめは固く、狭披針形またはまれに鎌形、長さ(40~)150~300(~500)㎜x幅(5~)7~10(~18)㎜、全縁、先は鋭形または尖鋭形で、隆起した主脈と縁から±1mmに幅5~10㎜の強い亜縁脈があり、高さは通常穂の基部まで達しない。茎葉は茎の下半分で±重なり合い、最上部は乾燥いて抱茎し、苞状。穂状花序は直立または傾斜し、ほぼ2列につき、中程度の密または緩く、4~12(~15)個の花がつく。苞は膜質、乾くと紙質、褐色、または下側は淡い半透明、密に斑点があり、上部1/2に暗褐色の斑点がある。外側の苞は長さ7~10(~12)㎜、先に3~5個の鋸歯があり、中歯は縮小または不規則な鋸歯がある。内側の苞はわずかに短く、2裂する。花はわずかに左右相称、弱い2唇形、長さ約2.5㎝、クリーム色~淡黄色、麦わら色または先端近くまたは裏面が淡いアプリコット色を帯び、通常、暗色の脈があり、無臭。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ10~15㎜、基部は2~4㎜狭くなり、外側に湾曲し、直径8~10㎜まで広がる。花被片は長さがほぼ等しく、長楕円形~倒卵形倒卵状披針形()、長さ(15~)18~20(~23)㎜、鈍形、広がり、背側は直立し、わずかに広く、幅8~10(~14)㎜、その他は幅 5~8(~10)㎜、下側の中央の花被片はときに基部に低く厚くなったうねがある。花糸は片側性で弓状、長さ7~12㎜、突き出ない。葯は長さ5~9㎜、湾曲し、先に小突起があり、ピンク色または黄色。花粉はクリーム色。花柱は湾曲し、葯の頂点近くまたはそれ以降で分岐し、枝は3本、長さ3~5㎜。蒴果は亜球形または倒卵形、長さ3~8㎜×幅2~3㎜、熟すと褐色になり、裂開する。種子は多数、球形又は角(かど)がある。花期は8~11月。[e-Flora of South Africa]。
品種) 'Parvifolia'
4 Tritonia laxifolia (Klatt) Benth. & Hook.f. ex Baker トリトニア・ラクシフォリア
synonym Tritonia laxifolia Benth. & Hook.f.
南アフリカ、タンザニア原産。雑木林や草原の斜面、ほぼ断崖に生える。Tritonia securigera に似るが花期が異なり秋、花が小さく、のど部が白色、細い暗色の線がある。蒴果が大きい。
多年草、高さ(10~)20~45(~60)㎝。球茎は亜球形、直径10~15mm、短い~長い匍匐茎と先端に小球茎をもち、薄皮はきめの細かい網状繊維が基部と平行。茎は直立し、分岐しないか、基部近く又は中央から1、2分枝する。葉はほぼ直立し、4~8個、披針形又は狭披針形で直立又は時に扇状に広がり、花茎の長さの±1/2~同長、長さ(40~)80~150(~200)×幅5~10(~12)mm、鋭形~尖鋭形、主脈は中程度に肥厚し、時に縁から±1mmのところにわずかに肥厚した亜縁脈がある。最上部の茎葉は鞘状又は膜質の苞状、突出するか上部の葉に隠れる。穂状花序は堅く直立し、やや緩く、2番目以下で、6~15個の花がつく。苞は乾いた膜質で、縁は紙質、赤褐色、半透明で、上部1/2に淡褐色で斑点があり、外側は長さ6~12(~18) mm、3鋸歯またはまれに5鋸歯または鋭形、内側は±長さと同程度かわずかに短く、2裂する。花は左右相称、2唇形、サーモンピンク色、赤橙色またはアプリコット色で、喉部は黄色~白色、細い暗色の線があり、縁は紙質。下側の花被片3個には鈍い歯牙状のカルスを取り囲む黄色の斑点がある。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ12~16㎜、下部の円筒形部分は長さ3~6㎜、直径6~8㎜まで広がる。花被片は倒卵形で幅が不均等、背側の花被片が大きく、葯の上にわずかにフード状になり、内側はより淡色で、上部の側裂片は広がり、下側の花被片は反り返り、上側の花被片は長さ10~15㎜x幅8~12㎜、下側の花被片は長さ10~15㎜x幅5~8㎜で、基部近くに高さ2~4㎜の方形の黄色いカルスがある。雄しべは湾曲する。花糸は片側性で弓状、長さ12~15㎜、最大6mm 突出する。葯は長さ4~6㎜で湾曲していることが多く、突出し藤色または紫色。花粉は黄色。花柱は長さ18~22㎜、葯と反対側または葯を超えて分岐し、枝は長さ2~4㎜。蒴果は楕円形、3稜形、長さ(12~)15~22㎜、直立し軸に密着する。花期は秋(3~7月)[e-Flora of South Africa]。
5 Tritonia parvula N.E.Br. トリトニア・パーヴァラ
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はsalmon tritonia。Tritonia securigerと同じ地域に生育し、よく似ている。石の多い砂岩土壌、低木地帯の石の多い粘土質またはローム質の平地および土手、また砂岩の崖の割れ目に生える。
多年草、高さ(5~)8~15(~25)㎝。球茎は卵形~円錐状球形、直径5~10㎜。薄皮は粗い~細かい網状繊維、紙状または繊維状の首状に伸びる。茎は最上部の鞘より上で直立または屈曲し、通常は分枝せず単純、基部近くから1本の枝を出すことが稀にある。葉は4~8 個、線形、柔弱(flaccid)、直立または広がる~這い、通常は茎とほぼ同程度の高さかそれ以上で、長さ50~150(~200)㎜x幅(0.5)1.0~2.0(~4.0)㎜、先は鋭形~尖鋭形、主脈は中程度に肥厚し、縁はわずかに肥厚する。茎葉は膜質、苞状、鞘に包まれ、最上部の葉に隠れる。穂状花序は傾斜し、中程度に緩く、2~6個の花がつく。苞は乾くと膜質、半透明で淡褐色(麦わら色)、褐色の脈があり、上部1/2に斑点があり、長さ5~9㎜、微細な3鋸歯があり、内側の苞は短く2歯がある。花は左右相称、2唇形、赤橙色~サーモンオレンジ色で、喉部は黄色、下側の花被片に歯状のカルスを取り囲む黄色の斑点がある。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ6~10(~13)㎜、下部の円筒形部分は長さ3~6㎜、上部は直径6~8㎜に広がる。花被片は倒卵形~倒披針形で、鈍形、背側が大きく、葯の上にわずかにフード状になり、内側はより淡色で、上側の側花被片は広がり、下側の花被片は屈曲し、上側の花被片は長さ11~15㎜x幅6~10(~12)㎜、下側の花被片は長さ8~10㎜x幅4~6㎜で、それぞれ直径1~2㎜の方形の黄色いカルスがある。基部近くにあり、ときに側花被片のカルスは中央より小さい。雄しべは湾曲。花糸は片側性で弓状またはときにわずかに散開し、長さ6~10㎜、4㎜まで突き出す。葯は長さ4~5㎜、しばしば湾曲し、紫色~赤紫色。花柱は葯の中央から先端に向かって反対側に散開し、枝は長さ2~3㎜。蒴果は短楕円形で長さ約6㎜。花期は春、9~10月。[e-Flora of South Africa]。
6 Tritonia securigera (Aiton) Ker Gawl. トリトニア・セクリゲラ
synonym Tritonia watermeyeri L.Bolus
南アフリカ(ケープ州)原産。乾燥した草原、草原、雑木林、低木地帯の石の多い平地、粘土または砂質の斜面に生える。
多年草、高さ(6~)15~25(~40)㎝。球茎はほぼ球形、直径10~20㎜、きめの細かいまたは針金状の繊維の被膜で、基部で厚くなって平らな爪状になることがある。細い繊維の外被を持つ。茎は直立または最上部の鞘より上で外側に曲がり、通常は分枝しないが、基部近くから 1 本の分枝がまれに生じる。葉は4~8枚、剣状から鎌状、線状披針形~披針形、直立または2列の扇形に広がり、通常茎の±1/2の長さがあり、長さ(40~)80~200(~250)㎜x幅(4~)6~10(~12)㎜、先は鋭形~尖鋭形、主脈は中程度に肥厚し、縁はわずかに肥厚し、平らまたは捻じれ、波打つか又は縮れる。最上部の茎葉は膜質、苞状、鞘状、ときに最上部の葉に隠れる。花序はほぼ片側生の穂状花序、ほぼ直立し、中程度に緩く、2~15個の花がつく。苞は乾膜質、半透明で淡褐色で上半部に斑点があり、長さ7~10(~12)㎜、微細な3歯または不規則な歯があり、内側の苞は長さがほぼ同じで、短く2裂する。花は左右相称、直径約2㎝、橙色またはアプリコット色、喉部は黄色。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ(10~)12~15(~20)㎜、下側の円筒形部分は長さ3~6(~15)㎜、直径6~8㎜まで広がる。花被片は不等長、卵形で、背側が大きく、葯にわずかにフード状で覆われ、内側はしばしばより淡色で、上側の花被片は広がり、下側の花被片は屈曲し、上側の花被片は長さ10~15(~20)㎜x幅7~15㎜、下側の花被片は長さ(10~)12~15㎜x幅5~8㎜、脈は不明瞭、それぞれ基部近くに直立する高さ2~4㎜の大きな方形(斧形)のカルス(calli)を囲む黄色の斑点がある。雄しべは3本、湾曲して、後花被片に向かう。花糸は片側性で弓状、長さ9~12(~15)㎜、最大6㎜まで突出する。葯は長さ(4~)5~6㎜、しばしば湾曲し、紫色~藤色。花粉は藤色。花柱は長さ17~25㎜、葯と反対側または葯を超えて分岐し、枝は長さ4~6㎜。蒴果は楕円形で長さ7~10㎜。花期は春(8~9月)[e-Flora of South Africa]。
7 その他ハイブリッド Tritonia hybrids
品種) 'Jim's Select' , 'Lynette' , 'Night Dancer' , 'Orange Delight'
Tritonia
Tritonia crocata (L.) Ker Gawl.
Tritonia
Trelitzia A29 (2012) Tritonia p170
Tritonia Ker Gawl.
高さ25~50㎝。地下の球茎によって冬成長する。球茎は直径2.5㎝以下、扁平で、薄い繊維状の薄皮(tunics)で被われ、基部に多数の小球茎(cormlets)を生じる。葉は秋に出て、剣形(短い披針形)の葉が扇形になる。葉は長さ7~30㎝×幅0.4~1.5㎝。穂状花序の屈曲する(flexuose)軸に4~10個の鮮やかな燃えるような橙色又は赤橙色(ときにピンク色を帯びた橙色)のほぼ放射相称の杯形の花をつける。1次の苞は乾き、膜質、暗褐色。花の下側の3個の花被片はのど部に狭い黄色~暗赤色の縞を中央にもち、ときに低いうね状に隆起し、全ての花被片は縁に魅力的な狭い半透明なゾーン又は「窓」をもつ。花被の筒部は長さ1~1.2㎝、基部は細く、上部は広がる。花被片は長さ1.8~2.5㎝、広がり、凹面。雄しべは花柱の周りに不規則に又は花の片側に非対称につき、橙色~帯赤色。葯は淡褐色、縁が暗褐色。果実は小さな蒴果で熟しと褐色、先端から底まで縦に裂開し、多数の種子を放出する。種子は小さく、硬く、角(かど)があり、褐色。花期は春下旬~夏初旬(南半球9~11月)。
トリトニア属
family Iridaceae - genus Tritonia多年草、葉や花は1年草。球茎(corm)は球形、外側は緩い繊維状の層になる。葉は数枚、根生又は類根生し、かま形又は狭い卵形~線形、平ら、無毛、3~7本の明瞭な葉脈がある。花序は花茎が直立、円柱形、針金状、まれに分枝する。花は軸の片側につくか又は類2列につく。花の軸は直立又は片側に曲がり、分枝しない。1次の苞は切形、短い歯があり、乾いて膜質になるまで草質、ほぼ等長、上部(内側)の苞は短く、2裂。花は放射相称又はわずかに左右相称、無柄。花被の筒部は基部が狭く、幅広になり、上部は漏斗形、花被片は筒部より長く、等長又は2唇形、内側の裂片が最も大きく、フード形。雄しべは花柱の周りに対称的に又は非対称につく。葯は突き出ず、ほぼ底着~多方向、曲がる。花柱は雄しべを超え、3枝があり、各枝は全縁、反曲し、紐状又は広がる。蒴果は楕円形~卵形、3稜形、膜質。種子は多数。英名はflame freesia , montbretia。
世界に約28種があり、アフリカ南部に分布する。3種がオーストラリアに帰化している。
トリトニア属の主な種と園芸品種
1 Tritonia crocata (L.) Ker Gawl. アカバナヒメアヤメ 赤花姫菖蒲南アフリカ(ケープ州)原産。英名はMossel Bay tritonia , Flaming Freesia。blazing star, blazing stars, orange tritonia。別名はトリトニア・クロカタ。
高さ25~50㎝。地下の球茎によって冬成長する。球茎は直径2.5㎝以下、扁平で、薄い繊維状の薄皮(tunics)で被われ、基部に多数の小球茎(cormlets)を生じる。葉は秋に出て、剣形(短い披針形)の葉が扇形になる。葉は長さ7~30㎝×幅0.4~1.5㎝。穂状花序の屈曲する(flexuose)軸に4~10個の鮮やかな燃えるような橙色又は赤橙色(ときにピンク色を帯びた橙色)のほぼ放射相称の杯形の花をつける。1次の苞は乾き、膜質、暗褐色。花の下側の3個の花被片はのど部に狭い黄色~暗赤色の縞を中央にもち、ときに低いうね状に隆起し、全ての花被片は縁に魅力的な狭い半透明なゾーン又は「窓」をもつ。花被の筒部は長さ1~1.2㎝、基部は細く、上部は広がる。花被片は長さ1.8~2.5㎝、広がり、凹面。雄しべは花柱の周りに不規則に又は花の片側に非対称につき、橙色~帯赤色。葯は淡褐色、縁が暗褐色。果実は小さな蒴果で熟しと褐色、先端から底まで縦に裂開し、多数の種子を放出する。種子は小さく、硬く、角(かど)があり、褐色。花期は春下旬~夏初旬(南半球9~11月)。
品種) 'Aurora' , 'Baby Doll' , 'Bridal Veil' , 'Duchess' , 'Flaming Fancy' , 'Isabella' , 'Pink Sensation' , 'Plymouth Pastel' , 'Prince of Orange' , 'Princess Beatrix' , 'Roseline' , 'Salmon King' , 'Salmon Queen' , 'Serendipity' , 'Tangerine' , 'Tearose' , 'White Glory
2 Tritonia florentiae (Marloth) Goldblatt トリトニア・フロレンティアエ
南アフリカ(ケープ州)原産。乾燥した石の多い粘土質の平地。流域や排水路の砂利質の平地、乾いた岩地に生える。
高さ5~7(~10~18)㎝。球茎は中程度に地中深く、卵状円錐形、直径10~20㎜、薄皮はきめの細かい繊維状、薄皮の首は紙質。茎は主に地下にあるか苞に隠れ、長さ約10㎜の枝が4本以下ある。葉は5~8枚が密集してつき、扇状に広がり、わずかに鎌形、わずかに多肉質で、長さ30~70㎜x幅3~6㎜、先は鋭形で、主脈は半透明。茎葉は基部の扇状部より上には突き出ず、乾燥して苞状である。花序は4個まで、1花の穂状花序が基部の葉の間に隠れる。苞は膜質または乾いた紙質、すぐにしわになり、半透明または淡い麦わら色で、半透明で細かい点または斑点があり褐色、長さ12~18㎜、外側の苞は鋭く、すぐに裂け、内側の苞には2鋸歯がある。花は左右相称、2唇形、明るい黄色、喉部は赤みがかり、下側の花被片には赤い矢印形の斑紋があり、中央部には明るい黄色のカルス(calluses)がある。花被筒は漏斗形、長さ(15~)18~25(~30)㎜、下部は糸状で8~10(~15)㎜、上部は直径1/2から± 8~10㎜に大きく広がる。花被片は先端で反り返り、長さ(15~)20~25 mm、背側が最も大きく、倒卵形、幅13~15(~18)㎜、上側側花被片は倒披針形、幅8~10㎜、下側花被片は倒披針形、幅5~7(~9)㎜、下側1/2に長くパリパリまたは波打った紋様カルスがあり、高さ0.5~1.0㎜、長さ8~10㎜。花糸は片側性、弓状、長さ10~13㎜、短く突出して最大5 mm、葯は長さ5~6㎜、淡色から藤色、花粉は淡黄色。花柱は長さ25~33㎜、葯のすぐ先で分岐し、枝は長さ3~4㎜。蒴果は膨らみ、卵形3角形から楕円形3角形、長さ12~20㎜。花期が最も早く、花期は冬(5月下旬~9月上旬)[e-Flora of South Africa]。
品種) Tanqua Karoo
3 Tritonia gladiolaris (Lam.) Goldblatt & J.C.Manning トリトニア・グラジオラリス
南アフリカ原産。英名はchiffon lace , lined tritonia , montbretia , tritonia。低地~高知の草原、亜断崖の草原、原生林、雑木林、粗粒玄武岩(dolerite)または砂岩の土壌に生える。
多年草、直立し、高さ(15~)20~50(~80)㎝。球茎はほぼ球形~凹んだ球形、直径10~20㎜。薄皮は褐色、きめの細かい網目繊維状。薄皮の先が繊維状または紙状の襟状に伸びることもある。茎は直立するか上部の葉より上で外側に曲がり、傾斜し、単純または上部1/2から1(2)本のほぼ直立する枝が出る。葉は5~8枚、束状に2列に根生し剣状、長い紐状、ほぼ直立し、きめは固く、狭披針形またはまれに鎌形、長さ(40~)150~300(~500)㎜x幅(5~)7~10(~18)㎜、全縁、先は鋭形または尖鋭形で、隆起した主脈と縁から±1mmに幅5~10㎜の強い亜縁脈があり、高さは通常穂の基部まで達しない。茎葉は茎の下半分で±重なり合い、最上部は乾燥いて抱茎し、苞状。穂状花序は直立または傾斜し、ほぼ2列につき、中程度の密または緩く、4~12(~15)個の花がつく。苞は膜質、乾くと紙質、褐色、または下側は淡い半透明、密に斑点があり、上部1/2に暗褐色の斑点がある。外側の苞は長さ7~10(~12)㎜、先に3~5個の鋸歯があり、中歯は縮小または不規則な鋸歯がある。内側の苞はわずかに短く、2裂する。花はわずかに左右相称、弱い2唇形、長さ約2.5㎝、クリーム色~淡黄色、麦わら色または先端近くまたは裏面が淡いアプリコット色を帯び、通常、暗色の脈があり、無臭。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ10~15㎜、基部は2~4㎜狭くなり、外側に湾曲し、直径8~10㎜まで広がる。花被片は長さがほぼ等しく、長楕円形~倒卵形倒卵状披針形()、長さ(15~)18~20(~23)㎜、鈍形、広がり、背側は直立し、わずかに広く、幅8~10(~14)㎜、その他は幅 5~8(~10)㎜、下側の中央の花被片はときに基部に低く厚くなったうねがある。花糸は片側性で弓状、長さ7~12㎜、突き出ない。葯は長さ5~9㎜、湾曲し、先に小突起があり、ピンク色または黄色。花粉はクリーム色。花柱は湾曲し、葯の頂点近くまたはそれ以降で分岐し、枝は3本、長さ3~5㎜。蒴果は亜球形または倒卵形、長さ3~8㎜×幅2~3㎜、熟すと褐色になり、裂開する。種子は多数、球形又は角(かど)がある。花期は8~11月。[e-Flora of South Africa]。
品種) 'Parvifolia'
4 Tritonia laxifolia (Klatt) Benth. & Hook.f. ex Baker トリトニア・ラクシフォリア
synonym Tritonia laxifolia Benth. & Hook.f.
南アフリカ、タンザニア原産。雑木林や草原の斜面、ほぼ断崖に生える。Tritonia securigera に似るが花期が異なり秋、花が小さく、のど部が白色、細い暗色の線がある。蒴果が大きい。
多年草、高さ(10~)20~45(~60)㎝。球茎は亜球形、直径10~15mm、短い~長い匍匐茎と先端に小球茎をもち、薄皮はきめの細かい網状繊維が基部と平行。茎は直立し、分岐しないか、基部近く又は中央から1、2分枝する。葉はほぼ直立し、4~8個、披針形又は狭披針形で直立又は時に扇状に広がり、花茎の長さの±1/2~同長、長さ(40~)80~150(~200)×幅5~10(~12)mm、鋭形~尖鋭形、主脈は中程度に肥厚し、時に縁から±1mmのところにわずかに肥厚した亜縁脈がある。最上部の茎葉は鞘状又は膜質の苞状、突出するか上部の葉に隠れる。穂状花序は堅く直立し、やや緩く、2番目以下で、6~15個の花がつく。苞は乾いた膜質で、縁は紙質、赤褐色、半透明で、上部1/2に淡褐色で斑点があり、外側は長さ6~12(~18) mm、3鋸歯またはまれに5鋸歯または鋭形、内側は±長さと同程度かわずかに短く、2裂する。花は左右相称、2唇形、サーモンピンク色、赤橙色またはアプリコット色で、喉部は黄色~白色、細い暗色の線があり、縁は紙質。下側の花被片3個には鈍い歯牙状のカルスを取り囲む黄色の斑点がある。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ12~16㎜、下部の円筒形部分は長さ3~6㎜、直径6~8㎜まで広がる。花被片は倒卵形で幅が不均等、背側の花被片が大きく、葯の上にわずかにフード状になり、内側はより淡色で、上部の側裂片は広がり、下側の花被片は反り返り、上側の花被片は長さ10~15㎜x幅8~12㎜、下側の花被片は長さ10~15㎜x幅5~8㎜で、基部近くに高さ2~4㎜の方形の黄色いカルスがある。雄しべは湾曲する。花糸は片側性で弓状、長さ12~15㎜、最大6mm 突出する。葯は長さ4~6㎜で湾曲していることが多く、突出し藤色または紫色。花粉は黄色。花柱は長さ18~22㎜、葯と反対側または葯を超えて分岐し、枝は長さ2~4㎜。蒴果は楕円形、3稜形、長さ(12~)15~22㎜、直立し軸に密着する。花期は秋(3~7月)[e-Flora of South Africa]。
5 Tritonia parvula N.E.Br. トリトニア・パーヴァラ
南アフリカ(ケープ州)原産。英名はsalmon tritonia。Tritonia securigerと同じ地域に生育し、よく似ている。石の多い砂岩土壌、低木地帯の石の多い粘土質またはローム質の平地および土手、また砂岩の崖の割れ目に生える。
多年草、高さ(5~)8~15(~25)㎝。球茎は卵形~円錐状球形、直径5~10㎜。薄皮は粗い~細かい網状繊維、紙状または繊維状の首状に伸びる。茎は最上部の鞘より上で直立または屈曲し、通常は分枝せず単純、基部近くから1本の枝を出すことが稀にある。葉は4~8 個、線形、柔弱(flaccid)、直立または広がる~這い、通常は茎とほぼ同程度の高さかそれ以上で、長さ50~150(~200)㎜x幅(0.5)1.0~2.0(~4.0)㎜、先は鋭形~尖鋭形、主脈は中程度に肥厚し、縁はわずかに肥厚する。茎葉は膜質、苞状、鞘に包まれ、最上部の葉に隠れる。穂状花序は傾斜し、中程度に緩く、2~6個の花がつく。苞は乾くと膜質、半透明で淡褐色(麦わら色)、褐色の脈があり、上部1/2に斑点があり、長さ5~9㎜、微細な3鋸歯があり、内側の苞は短く2歯がある。花は左右相称、2唇形、赤橙色~サーモンオレンジ色で、喉部は黄色、下側の花被片に歯状のカルスを取り囲む黄色の斑点がある。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ6~10(~13)㎜、下部の円筒形部分は長さ3~6㎜、上部は直径6~8㎜に広がる。花被片は倒卵形~倒披針形で、鈍形、背側が大きく、葯の上にわずかにフード状になり、内側はより淡色で、上側の側花被片は広がり、下側の花被片は屈曲し、上側の花被片は長さ11~15㎜x幅6~10(~12)㎜、下側の花被片は長さ8~10㎜x幅4~6㎜で、それぞれ直径1~2㎜の方形の黄色いカルスがある。基部近くにあり、ときに側花被片のカルスは中央より小さい。雄しべは湾曲。花糸は片側性で弓状またはときにわずかに散開し、長さ6~10㎜、4㎜まで突き出す。葯は長さ4~5㎜、しばしば湾曲し、紫色~赤紫色。花柱は葯の中央から先端に向かって反対側に散開し、枝は長さ2~3㎜。蒴果は短楕円形で長さ約6㎜。花期は春、9~10月。[e-Flora of South Africa]。
6 Tritonia securigera (Aiton) Ker Gawl. トリトニア・セクリゲラ
synonym Tritonia watermeyeri L.Bolus
南アフリカ(ケープ州)原産。乾燥した草原、草原、雑木林、低木地帯の石の多い平地、粘土または砂質の斜面に生える。
多年草、高さ(6~)15~25(~40)㎝。球茎はほぼ球形、直径10~20㎜、きめの細かいまたは針金状の繊維の被膜で、基部で厚くなって平らな爪状になることがある。細い繊維の外被を持つ。茎は直立または最上部の鞘より上で外側に曲がり、通常は分枝しないが、基部近くから 1 本の分枝がまれに生じる。葉は4~8枚、剣状から鎌状、線状披針形~披針形、直立または2列の扇形に広がり、通常茎の±1/2の長さがあり、長さ(40~)80~200(~250)㎜x幅(4~)6~10(~12)㎜、先は鋭形~尖鋭形、主脈は中程度に肥厚し、縁はわずかに肥厚し、平らまたは捻じれ、波打つか又は縮れる。最上部の茎葉は膜質、苞状、鞘状、ときに最上部の葉に隠れる。花序はほぼ片側生の穂状花序、ほぼ直立し、中程度に緩く、2~15個の花がつく。苞は乾膜質、半透明で淡褐色で上半部に斑点があり、長さ7~10(~12)㎜、微細な3歯または不規則な歯があり、内側の苞は長さがほぼ同じで、短く2裂する。花は左右相称、直径約2㎝、橙色またはアプリコット色、喉部は黄色。花被筒は斜めの漏斗形で、長さ(10~)12~15(~20)㎜、下側の円筒形部分は長さ3~6(~15)㎜、直径6~8㎜まで広がる。花被片は不等長、卵形で、背側が大きく、葯にわずかにフード状で覆われ、内側はしばしばより淡色で、上側の花被片は広がり、下側の花被片は屈曲し、上側の花被片は長さ10~15(~20)㎜x幅7~15㎜、下側の花被片は長さ(10~)12~15㎜x幅5~8㎜、脈は不明瞭、それぞれ基部近くに直立する高さ2~4㎜の大きな方形(斧形)のカルス(calli)を囲む黄色の斑点がある。雄しべは3本、湾曲して、後花被片に向かう。花糸は片側性で弓状、長さ9~12(~15)㎜、最大6㎜まで突出する。葯は長さ(4~)5~6㎜、しばしば湾曲し、紫色~藤色。花粉は藤色。花柱は長さ17~25㎜、葯と反対側または葯を超えて分岐し、枝は長さ4~6㎜。蒴果は楕円形で長さ7~10㎜。花期は春(8~9月)[e-Flora of South Africa]。
7 その他ハイブリッド Tritonia hybrids
品種) 'Jim's Select' , 'Lynette' , 'Night Dancer' , 'Orange Delight'
参考
1) Flora of VictoriaTritonia
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/a47ea430-74e5-4cca-814e-3850d5aca522
2) PlantZAfricaTritonia crocata (L.) Ker Gawl.
http://pza.sanbi.org/tritonia-crocata
3) Pacific Bulb SocietyTritonia
https://www.pacificbulbsociety.org/pbswiki/index.php/Tritonia
4) Flora of Australia Online
http://www.anbg.gov.au/abrs/online-resources/flora/redirect.jsp?vol4950=false&search=Do+Search&taxon_name=li&commonname=&sn_fam=&sn_gen=&sn_sp=&sn_infsprnk=%25&sn_infspnm=&synonyms=&displaytype=StandardFloraDisplay&sort_by=a.pnid&FORMAT=TABLE&volslist=NOT%20IN%20(%27%27lichenchecklist%27%27,%20%27%2749%27%27,%20%27%2750%27%27)
5) Plants of the Greater Cape Floristic Region - SANBITrelitzia A29 (2012) Tritonia p170
https://www.sanbi.org/sites/default/files/documents/documents/strelitzia-29-2012.pdf
6) World Flora Online - WFOTritonia Ker Gawl.
https://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000039407;jsessionid=7B41CE3AD92F201E11A5CF33741ACFD8