トヤマシノブゴケ 富山忍蘚

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Flora of Mikawa

シノブゴケ科 Thuidiaceae シノブゴケ属

中国名 短肋羽藓 duan-le yu xian
学 名 Thuidium kanedae Sakurai
トヤマシノブゴケの蒴
トヤマシノブゴケの枝葉
トヤマシノブゴケの枝葉先
トヤマシノブゴケの葉身細胞パピラ
トヤマシノブゴケの葉状の毛葉
トヤマシノブゴケの蒴歯
トヤマシノブゴケ
トヤマシノブゴケの茎
トヤマシノブゴケの茎葉
トヤマシノブゴケ茎葉先の透明尖
トヤマシノブゴケの毛葉
トヤマシノブゴケ胞子
分 類 蘚類
高 さ 5~10㎝(長さ)
生育場所 山地の日陰の岩上、地上
分 布 在来種  日本全土、朝鮮、中国
撮 影 新城市   10.3.27/td>
植物体は黄緑色~淡緑色、大形、長さ10㎝以上になる。茎が3回羽状に扁平に分裂し、ところどころに固まって仮根をつけ、白色~淡黄褐色の毛葉を一次茎、二次茎に密生する。毛葉は小さな葉状又は1~2細胞列からなり、細胞の中央にパピラがある。茎葉は縦じわが目立ち、一次茎の茎葉は長さ2~3㎜程度、二次茎の茎葉は長さ1.3~1.6㎜程度の三角形、先が長く糸状に尖り、透明尖となる。葉縁は狭く折れ曲がる。太い中肋が葉先近くまで伸びる。中部の葉身細胞は長さ5~20µmの不規則な丸みを帯びた矩形~六角形、厚壁、先が2~4個(まれに1個)に分かれたパピラある。枝葉は茎葉より小さく、長さ0.3~1㎜程度、枝先ほど小さくなる。葉先は透明尖がなく、葉身細胞には茎葉と同様な先が2~4個に分かれたパピラあり、明瞭に見える。雌雄異株。内雌苞葉の先に毛がある。蒴柄は長さ約3㎝、赤褐色~褐色。蒴は非相称、傾く。蒴帽は僧帽形、平滑。赤色の口環がある。蒴歯は2列、完全。外蒴歯は広披針形、赤褐色、上部にパピラが密生する。内蒴歯にも細かいパピラがある。シリアは2~3本、胞子は直径10~15(China Moss:15~20=実測)µm。n=10,11
 ヒメシノブゴケはやや小形、茎葉に同じような透明尖があるが、葉身細胞のパピラの先が1個だけである。
 オオシノブゴケは葉に透明尖がない。毛葉がほとんど1細胞列である。葉身細胞のパピラは1個。
 コバノエゾシノブゴケはやや小形、透明尖がない。細胞のパピラは1個。大枝の先端の細胞にだけパピラが2~4個ある。