中 国 名 |
紫红蘑菇 zi hong mo gu |
英 名 |
wine-colored agaricus |
学 名 |
Agaricus subrutilescens (Kauffman) Hotson et D.E.Stuntz |
分 類 |
坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales) |
科 属 |
ハラタケ科 Agaricaceae ハラタケ属 |
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写真はハラタケモドキと間違えていたザラエノハラタケ。ハラタケモドキは傘の鱗片が小さく、黒っぽいとナカグロモリノカサに似ている。褐色の場合もあるが、ザラエノハラタケより鱗片が明らかに細かい。柄の表面がやや粉状になる程度でほぼ平滑。
子実体は単生~散生。傘は直径5~13㎝、半球形~饅頭形~扁平。背面は乾き、幼時、ワイン色~褐色の繊維に覆われ、成熟すると縁から細鱗片化して白色の地肌が露出し、中央は濃色、辺縁は淡色になる。柄は長さ4~12(20)㎝、幅1~2(3)㎝、逆棍棒形、中実~髄状~中空、表面は白色、膜質、白色の大きなつばをつけ、上部は条線が密にあり(又は平滑)、下部は白色の柔らかな綿毛状鱗片がささくれ状につく。ひだは密につき、隔生、白色~ピンク色から、成熟すると黒褐色に変わる。肉は質が脆く、無味無臭、白色、傷つけると淡紅色に変色し、古くなると紫褐色を帯びる。胞子紋は暗紫褐色(チョコレート色)。胞子は褐色、長さ4~6.5µm、幅3~4µmの楕円形、平滑、非アミロイド。縁シスチジアは長さ40µm、幅17µm以下の近棍棒形。菌糸はクランプがない。
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発生時期 |
夏~秋 |
大 き さ |
中型~大型 直径4~12㎝ |
栄養摂取 |
腐生菌 |
発生場所 |
林内の腐葉上 |
分 布 |
日本、中国、北アメリカ |
食 毒 |
有毒(軽度の胃腸障害) |
撮 影 |
豊橋市 15.9.13 |
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【類似種】
●ハラタケモドキAgaricus placomyces は初夏~秋に林内の腐葉上に単生、散生する。日本、中国、北アメリカに分布。傘は直径5~10(14)㎝、饅頭形~広饅頭形~扁平~浅皿形、乾き、褐色の表皮が細鱗片化し、下の白色の地肌が見え、中央部は褐色で鱗片化しない。柄は長さ5~10(15)㎝、幅0.6~1(1.5)㎝、髄状~中空、上下同径、中上部に白色の大形の膜質のつばがある。柄の表面は白色、淡褐色の条線があり、やや粉状。ひだは密、離生、帯白色~淡紅褐色~紫褐色、傷つくと柄の基部で淡黄色に変色する。肉は白色、傷つくと柄の基部でだけわずかに黄色に変色し、他は変色性なく、無味、無臭(ときにフェロール臭)。胞子紋は褐色。胞子は褐色、広楕円形、長さ5~7µm、幅3.5~5µm。シスチジアは無い。菌糸はクランプ無し。KOHにより傘表面は黄色に変色する。 Agaricus meleagris(western flat-topped agaricus)は北アメリカの西部に分布し、よく似ている。ハラタケモドキAgaricus placomycesと同種とする見解もある。また、最近はナカグロモリノカサAgaricus moelleriと同種であるとされている。
●ナカグロモリノカサAgaricus moelleri Wasser 林内の腐葉上に散生する。日本、ヨーロッパ、北アメリカに分布。 傘は直径3~10㎝、饅頭形~中丘扁平、浅皿形、乾き、灰褐色~黒褐色の表皮が細鱗片化し、下の絹状の類白色地が見え、中央部は灰褐色~黒褐色で鱗片化しない。柄は長さ5~12㎝、幅0.3~1㎝、中空、下部はやや太く、基部はやや膨れ、上部につばがある。つばは白色の垂れた二重膜、下面はやや綿くず状。柄の表面は白色、絹状の光沢があり、基部付近は傷つくと黄変する。ひだは密、離生~隔生、白色~淡紅褐色~チョコレート色、。肉は白色、傷ついても変色せず、柄の基部付近だけで黄変し、無味、異臭(インク臭、ヨードホルム臭、汗臭、カビの生えたわら臭)。胞子紋は紫褐色。胞子は楕円形、長さ5~7µm、幅3.3~4(4.3)µm。縁シスチジアは直径8~16µmの嚢状。側シスチジアは無い。 ●モリハラタケAgaricus silvaticus 針葉樹林に夏~秋、発生する。日本、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。傷つけると赤変する。傘は直径5~10㎝、饅頭形、黄土色~褐色の繊維質の小さな平たい鱗片に覆われる、柄は長さ5~8㎝、幅1~1.2㎝、帯白色、ときに汚褐色のつば以下に褐色の繊維状鱗片がある。肉は白色、傷つけると赤変し、後に暗褐色に変わり、無味、無臭。ひだは初め、淡色、その後赤色を帯び、さらに帯褐色に変わる。縁シスチジアは薄壁、棍棒形。胞子紋は褐色。胞子は卵形長さ4.5~6µm、幅3~3.5µm。類似のAgaricus haemorrhoidariusは落葉樹林に発生する。
●コゲチャワタカラカサタケLepiota magnispora は柄に白色の鱗片がつき、似ている。傘が茶褐色。ひだが白色で黒くならない。胞子紋は白色。 |