きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 チャヒラタケ  茶平茸
別  名 コチャヒラタケ
中 国 名 粘锈耳 zhan xiu er
英  名 peeling oysterling
学  名 Crepidotus mollis Peck
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 アセタケ科  Inocybaceae  チャヒラタケ属
 ヒラタケやウスヒラタケに比べて小型。
 夏~秋に広葉樹の腐朽材、枯木に群生する。傘は直径1~5(6)㎝、鐘形~貝殻形~腎形、無柄~ほぼ無柄。傘表面は湿時には粘性があり、黄土褐色(ochre brown)、縁は灰褐色で条線があり、乾くと帯黄土白色(creamy-ochre)~ほぼ白色、無毛、ゼラチン質で覆われる。ひだは垂生、密、初め類白色~ニッケイ色、幅2~4㎜、胞子の成熟が反転状に起こるので、点状の濃淡が表出する。肉は白色半透明、ゼラチン質、極薄い。無味、無臭。胞子紋は暗褐色(snuff-brown)。胞子は楕円形~卵形~広楕円形、長(7)7.5~10µm、幅5~6(7)µm、平滑、淡銹色。縁シスチジアは長さ32~67µm、幅8~28µm、紡錘形~便腹形。菌糸にクランプなし。
チャヒラタケ
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型~中型、直径1~6㎝
栄養摂取 白色腐生菌
発生場所 広葉樹の腐朽材、枯木
分  布 北半球、オーストラリアに広く分布
食  毒 不明
撮  影 蒲郡市大塚町 16.9.19
チャヒラタケ傘
チャヒラタケ傘2
チャヒラタケひだ
【類似種】
●クリゲノチャヒラタケCrepidotus badiofloccosus はチャヒラタケに似ているが、傘表面に褐色の小鱗片を密生する。夏~秋に、広葉樹の腐朽材、枯木に群生する。傘は直径1~5.5㎝、腎形~半円形~へら形~類円形、ほぼ無柄、縁は遅くまで内巻き。傘表面は乾き、汚白色~汚白黄色の地に褐色~帯紫褐色の小鱗片を密生し、幼時、帯紫褐色、成熟すると小鱗片がまばらになり、基部に汚白黄色~黄褐色の細軟毛がある。ひだは密、黄白色又は白色~灰黄色又は帯橙褐色~灰褐色、幅2~5㎜。肉は白色半透明、ゼラチン質、厚さ2~3㎜。無味、無臭。胞子紋は粘土褐色。胞子は類球形、直径5~7µm、微細な刺状突起に覆われる。縁シスチジアは長さ24~60µm、幅6.5~12µm、棍棒形~円柱形、しばしば不規則に屈曲する。
●ヒロハノチャヒラタケCrepidotus malachius は夏~秋に広葉樹の腐朽材、枯木に群生する。傘は直径3~5㎝、半円形~腎形、無柄~ほぼ無柄、側着生、傘表面は湿時弱粘性、帯褐白色、縁に細かい条線があり、乾くと消失し、基部に白色の軟毛が密生する。ひだは上生~離生、密、初め白色~淡灰褐色、後に暗褐色、幅6㎜以上。肉は白色、ゼラチン質、質が薄い。無味、無臭。胞子紋は汚褐色。胞子は球形、直径6..5~7µm、微細な刺状突起に覆われる。縁シスチジアは長さ21~50µm、幅6.5~13µm、棍棒形、不規則な屈曲、くびれがある。傘上表皮は細かい葡萄状菌糸、無色、クランプが無く、ゼラチン化しない。
●マルミノチャヒラタケCrepidotus applanatus (Pers.) P. Kumm.傘は幅1~4㎝、半円形、平滑、白色、古くなると褐色を帯び、縁に細い条線がある。傘の基部やごく短い柄に白毛が密生する。ひだは密、初め白色、後に褐色を帯びる。肉は厚さ1.5~2㎜と薄い。胞子は球形、直径5~6µm、微細な刺状突起がある。
●キチャヒラタケCrepidotus viticola Imai 夏~秋に広葉樹(ヤマブドウなど)の落枝に発生する。傘は淡黄白色~ラクダ色、微細な褐色軟毛に覆われる。ひだは直生、初め白色、後に褐色。胞子は長さ7.5~9(11)µm、幅4.5~5.5(6.5)µm。縁シスチジアは長さ45~74µm、幅6~8µm、棍棒形。菌糸にクランプがある。

【その他のチャヒラタケ属】
●コナカブリCrepidotus variabilis (Pers.) P. Kumm.世界に広く分布し、秋に落葉樹の枝に発生する。傘は幅0.5~2㎝、類円形、初め白色、古くなると淡黄褐色(creamy-ochre)、普通、側着生、普通、小枝に柄でなく、傘でつく。(傘には白い毛が密生する。)ひだは着点から放射状につき、密、初め白色、次第に黄褐色~バフ色に変わる。胞子紋はピンク色を帯びたバフ色。胞子は長さ5~7µm、幅3~3.5µm、楕円形、微細な刺状突起がある。縁シスチジアは長さ20~25、幅5~12µm、棍棒形、ときに分枝する。
●コナカブリモドキCrepidotus epibryus (Fr.) Quél.世界に広く分布し、晩夏~秋、広葉樹の枝、葉に発生する。傘は幅0.4~1.5㎝、饅頭形、腎形、縁は内巻き。傘表面は白色~淡バフ色、細かいフェルト状、柄は無く、側着生~背の一部で着生する。ひだはやや密、白色~ピンク色を帯びた褐色。胞子紋は淡バフ色。胞子は長さ7~9µm、幅3~3.5µm、楕円形、平滑。
●ニセコナカブリCrepidotus subsphaerosporus (J.E. Lange) Kühner et Romagn. ex Hesler et A.H. Sm. → Crepidotus cesatii (Rabenh.) 広葉樹の倒木、枯木に発生。傘は幅4~12(20)㎜、扇形~類円形、無柄。傘表面は白色、小繊維状~絨毛状。ひだはやや密~ほぼ疎、初め白色~後に、赤ワイン色を帯びた又はピンク色を帯びたシナモン色~粘土褐色。胞子が長さ5~7(8)µm、幅4~6µm、楕円形~類球形、微細な点や突起がある。縁シスチジアは長さ23~50µm、幅5~9(11)µm、棍棒形~円柱形~便腹形、たまに又状に分岐し、しばしば類頭状になる。
●メンモウチャヒラタケCrepidotus byssinus T. Kasuya et Takah. Kobay.
●Crepidotus cacao (Berk. et M.A. Curtis) Sacc.
●ウロコチャヒラタケCrepidotus calolepis (Fr.) P. Karst.
●ヒイロチャヒラタケCrepidotus cinnabarinus Peck
●サカゲチャヒラタケCrepidotus longicomatus Har. Takah.
●ザラミノチャヒラタケCrepidotus longistriatus S. Imai
●オガサワラチャヒラタケCrepidotus palmularis Berk. et M.A. Curtis
●スエヒロチャヒラタケCrepidotus regularis Hesler et A.H. Sm.
●バライロチャヒラタケCrepidotus roseus Singer var. boninensis Hongo
●Crepidotus scymnodes Berk. et M.A. Curtis = Agaricus scymnodes Berk. et M.A. Curtis
●セピアコナカブリモドキCrepidotus sepiarius Peck
●ムラサキチャヒラタケCrepidotus subpurpureus S. Ito et S. Imai
●フジチャヒラタケCrepidotus sulphurinus Imazeki et Toki 傘が黄色
●ツチチャヒラタケCrepidotus terrestris S. Imai 
●ムニンヒメチャヒラタケCrepidotus uber (Berk. et M.A. Curtis) Sacc.
●シロチャヒラタケCrepidotus virgineus Har.Takah.
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