中 国 名	蘑菇 mo gu
英　　名	meadow mushroom , field mushroom
学　　名	Agaricus campestris L.:Fr.
分　　類	坦子菌門　ハラタケ亜門　ハラタケ綱　ハラタケ亜綱　ハラタケ目(Agaricales)
科　　属	ハラタケ科　 Agaricaceae 　ハラタケ属

　世界に広く分布する。腐生菌。春と秋(アメリカでは晩秋～初冬、ときに夏)に牧草地、畑地、芝生、草地に単生、群生する。ときに菌輪状に発生する。傘は直径3～10(12)㎝、饅頭形～広饅頭形～扁平～ほぼ扁平、帯白色（白色～乳白色）、平滑、表面、湿時弱粘性、絹糸状の光沢があり、繊維状～羊毛状～鱗片状。成熟してくると傘の周囲から赤褐色～黒褐色に変色する。柄は中実～中空、長さ2～6(9)㎝、幅0.7～2.5㎝、上下同径、ときにわずかに基部に向かって細くなり、上部にすぐに壊れる膜質、白色のつばがあり、傷ついても柄の基部で黄色に変色しない。柄の表面は白色～帯黄白色、平滑。ひだはごく密、離生、初期に白色、その後、淡ピンク色～濃ピンク色～帯紫褐色、成熟すると暗紫褐色（dark chocolate brown）～黒褐色になり、初期(button stage)には薄い白色の内被膜で被われる。肉は厚く、全体に白色、傷ついても黄色に変色せず、非常にまれに、湿った天候で、ピンク色を帯びたワイン色に変色し、臭いは良く、味はマッシュルームに似る。KOHで傘表面は黄色に変色しない。胞子紋は暗紫褐色(dark chocolate brown)。担子器は4胞子性で、1～3胞子を混在する。胞子はKOH中で暗褐色、卵形(長楕円形～円柱形)、長さ5.5～10µm、幅4～7µm。縁シスチジアは幅10µm以下(日本ではシスチジアは認めず）。菌糸はクランプ無し。内被膜の菌糸（傘の上と柄の基部）は膨らんだ部分が無い。
●ツクリタケ Agaricus bisporus (button mushrooms)は販売されているマッシュルームである。ハラタケによく似ている。大形、傘が直径3～16㎝。柄は長さ2～8㎝、幅1～3㎝。ひだが最初、白色～帯ピンク色～ピンク褐色。肉は白色、傷つくと褐色を帯びる。胞子は長さ5.5～8.5µm、幅4～6.5µm、平滑。担子器は2胞子性。
●シロオオハラタケAgaricus arvensis 子実体は単生～群生。傘は直径5～20㎝、半球形～饅頭形～広饅頭形～扁平。背面は乾き、平滑、白色～淡黄色、成熟すると、繊維や鱗片をつけ（とくに、乾いた時など）、淡黄色に変色する。柄は長さ5～15㎝、幅0.8～1.5（3）㎝、上下同径～やや下部が太くなり、基部は塊状に膨れず（やや膨れるものもあり）、中空、表面は傘と同色、つばがあり、つばより下は白色の鱗片で覆われる。つばは白色、裏面は放射状に疣があり、膜質、やや厚く、落ちやすい（又は宿存性で歯車状）。ひだは隔生し、極密につき、初め白色、後に帯紫褐色～黒褐色になる。アメリカのものは途中でピンク色にならない。肉は厚く、白色、ときに黄色に変色し、傷つけても変色しないか、わずかに黄色くなる。柄の基部の肉は黄色くならない。臭いは若くて新鮮なときは甘く（アニスやアーモンドのような）、味は良い。胞子紋は暗褐色。胞子は長さ7～10µm、幅4.5～6（7）µmの楕円形、平滑、褐色。側シスチジアはなく、縁シスチジアは淡黄色、類紡錘形、長さ25～37.8µm、幅5～7µm。菌糸はクランプがない。KOHで傘は黄色に変色する。