ヤハズカズラ 矢筈葛

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Flora of Mikawa

キツネノマゴ科 Acanthaceae ヤハズカズラ属

別 名 ヤバネカズラ
中国名 翼叶山牵牛 yi ye shan qian niu
英 名 Black-eyed Susan vine
学 名 Thunbergia alata Bojer ex Sims
ヤハズカズラの花
ヤハズカズラの花横
ヤハズカズラの蕾
ヤハズカズラの茎
ヤハズカズラの葉裏
ヤハズカズラ
 ヤハズカズラの葉表
ヤハズカズラの葉柄
花 期 4~10月
高 さ 20~50㎝
生活型 多年草(日本では1年草)
生育場所 栽培種
分 布 帰化種  アフリカ原産
撮 影 西尾市  17.8.22
柔らかなつる性草本。茎長さ約1~5m、幅約1㎜、4角(かど)があるか又は扁平、2溝があり、有毛。葉柄は長さ1.5~3㎝、翼があり、まばらに毛がある。葉身は矢じり形~デルタ状卵形、長さ2~7.5㎝、幅2~6㎝、葉下面には粗毛があり、葉上面はまばらに剛毛があり、掌状に5脈がある。葉の基部は鉾形~心形、縁は全縁~波打ち、葉先は鋭形。花は腋生、単生。花序柄は長さ2.5~3㎝、まばらに剛毛がある。小苞は卵形、長さ1.5~1.8㎝、幅1~1.4㎝、外側は粗毛があり、5~7脈があり、先は鋭形~尖鋭形~鈍形。萼は環状、不等に10~13裂する。花冠は橙色、のど部に腺のある暗紫色の目があり、長さ2.5~4.5㎝、花冠筒部は基部が円柱形、長さ2~4㎜、のど部は長さ1~1.5㎝。花冠裂片は倒卵形、先は切形。雄しべは花糸が長さ約4㎜、無毛。葯は葯室が長さ3.5~4㎜、不等形、縁と基部に毛がある。子房は無毛。花柱は長さ約8㎜、無毛。柱頭は漏斗形、不等に2裂、下側の裂片は広がり、上側の裂片は直立する。蒴果は鳥に頭に似ていて、毛があり、基部の球形の部分は長さ約7㎜、幅約10㎜、2種子が入る。嘴は長さ約1.4㎝、基部の幅約3㎜、種子は背面が網状。花期は10~3月(暖かい場所では通年)。果期は2~4月。2n=18。
 多数の園芸品種があり、色も多彩。写真はヤハズカズラ(Thunbergia alata)の園芸品種サニー・レモンスター Thunbergia alata 'Sunny™ Lemon Star'

ヤハズカズラ属

  family Acanthaceae - genus Thunbergia

 つる性草本又は低木、鍾乳体(cystolith)がある。鍾乳体はクワやイラクサなどに見られ、表皮近くに大型の細胞があり、細胞壁の一部が、炭酸カルシウムなどの沈着により、細胞内に鍾乳石のように突出したもの。葉は葉柄がある。葉身は全縁~歯状。花は葉腋に単生又は双生又は頂生し、二出集散花序をもつ密穂花序、花序柄がある。小苞は葉状、対につき、萼と花冠筒部のほとんどを包み、分離又は一方に融合し、宿存性。萼は小苞よりはるかに小さく、円蓋状、10~2個の錐形の裂片があるか又は全縁の環状になる。花冠は漏斗形、大きい。花冠筒部は短円筒形、基部は広がる。花冠の拡大部はほぼ等しく5裂する。雄しべは4個、いばしば2強雄しべ、花冠筒部の基部近くにつき、花冠から突き出ない。葯は2葯室。葯室は長楕円形又は卵形、平行、基部に距は有又は無、ときに毛がある。花盤は短い環状又はクッション状。子房は肉質。胚珠は室に2個、並ぶ。花柱は無毛又は有毛。柱頭は2裂~全縁~縁毛状~漏斗形。蒴果は基部が類球形、先に目立つ嘴があり、2~4種子を入れ、支帯(retinacula)は無い。種子は楕円形~球形、毛状突起は無い。
 旧大陸の熱帯に100種以上が分布する。

【亜属】9亜属に分けられる。
T. subg. Adelphia , T. subg. Coniostephanus , T. subg. Hexacentris , T. subg. Hypenophora , T. subg. Macrosiphon , T. subg. Parahexacentris , T. subg. Stellatae , T. subg. Thamnidium , T. subg. Thunbergia

ヤハズカズラ属の主な種と園芸品種

1 Thunbergia affinis S.Moore ムラサキヤハズカズラ 紫矢筈葛
 アフリカ南部~東部原産。
 常緑低木、茎は有毛、木質、直立又はよじ登り、高さ1~2m。葉は対生、葉柄がある。葉身は単葉、小さい楕円形、微凸形、全縁、硬く、光沢があり、暗緑色、葉脈は目立つ。小苞は普通、短く、白色の小さな鱗片があり、しばしば縁毛がある。花は葉腋につき、単生、高杯形、バイオレット色~白色、筒部は黄色。蒴果は倒円錐形、長さ約2.5㎝、緑色、熟すと暗褐色、無毛、胞背裂開、1~3種子を入れる。種子は球形、硬く、わずかに網目があり、褐色~黒色。花期は4~6月。
品種) 'Fairy Moon'

2 Thunbergia alata Bojer ex Sims ヤハズカズラ 矢筈葛
 アフリカ原産。中国名は翼叶山牵牛 yi ye shan qian niu。英名はblack-eyed Susan。
 多年草(日本では1年草)、柔らかなつる性。茎は長さ約1~5m、幅約1㎜、4角(かど)があるか又は扁平、2溝があり、有毛。葉柄は長さ1.5~3㎝、翼があり、まばらに毛がある。葉身は矢じり形~三角状卵形、長さ2~7.5㎝、幅2~6㎝、葉下面には粗毛があり、葉上面はまばらに剛毛があり、掌状に5脈がある。葉の基部は鉾形~心形、縁は全縁~波打ち、葉先は鋭形。花は腋生、単生。花序柄は長さ2.5~3㎝、まばらに剛毛がある。小苞は卵形、長さ1.5~1.8㎝×幅1~1.4㎝、外側は粗毛があり、5~7脈があり、先は鋭形~尖鋭形~鈍形。萼は環状、不等に10~13裂する。花冠は橙色、のど部に腺のある暗紫色の目があり、長さ2.5~4.5㎝、花冠筒部は基部が円柱形、長さ2~4㎜、のど部は長さ1~1.5㎝。花冠裂片は倒卵形、先は切形。雄しべは花糸が長さ約4㎜、無毛。葯は葯室が長さ3.5~4㎜、不等形、縁と基部に毛がある。子房は無毛。花柱は長さ約8㎜、無毛。柱頭は漏斗形、不等に2裂、下側の裂片は広がり、上側の裂片は直立する。蒴果は鳥に頭に似ていて、毛があり、基部の球形の部分は長さ約7㎜、幅約10㎜、2種子が入る。嘴は長さ約1.4㎝、基部の幅約3㎜、種子は背面が網状。花期は10~3月(暖かい場所では通年、日本では4~10月)。果期は2~4月。2n=18。
品種) 'African Sunset' , 'Alba' , 'Alba Oculata' , 'Amber Eyes' , 'Apricot Smoothie' , 'Arizona Dark Red' , 'Arizona Glow' ,'Arizona Lemon Sunrise' , 'Bakeri' , 'Beauty Spots' , 'Blushing Susie'F1 hybrid , 'Canary Eyes' , 'Caribbean Dawn' , 'Fieldgrown Mixed' , 'Lemon' , 'Lemon Queen' , 'Lemon Star' , 'Moonglow' , 'Nebthu 007' (PBR) , 'Orange Beauty' , 'Orange Wonder' , 'Pure White' , 'Raspberry Smoothie' , 'Salmon Shades' , 'Spanish Eyes' , 'Sumthun 01' (PBR) , 'Sumthun 02' (PBR) ,'Sumthun 03' (PBR) ,'Sundance' , 'Sunny Arizona Glow' , 'Sunny™ Lemon Star' , 'Sunny Susy Brownie' , 'Sunny SuzyR New Orange , 'Sunny SuzyR Red Orange' , 'Sunny Suzy Red-Orange' , 'Sunrise Orange' (Sunrise Series) , 'Sunrise Orange With Eye' (Sunrise Series) , 'Sunrise White With Eye' (Sunrise Series) ,'Sunrise Yellow' (Sunrise Series) , 'Sunrise Yellow With Eye' (Sunrise Series) , 'Sunset Shades' , 'Superstar Orange' , 'Volthu 1007' (PBR)
 【ハイブリッド】 Suzie Hybrids (Suzie Series)= [black-eyed Susan vine]  'Suzie Clear Orange' (Suzie Series) , 'Suzie Clear White' (Suzie Series), 'Suzie Clear Yellow' (Suzie Series) , 'Suzie Orange with Eye' (Suzie Series) , Suzie Series, clear mix , Suzie Series, eyed mix , 'Suzie White Black Eye' (Suzie Series) , 'Suzie Yellow with Eye' (Suzie Series) , 'White-Eyed Susie'
 Lemon A-PeelR Black-Eyed Susan Vine , Orange A-PeelR - Black-Eyed Susan Vine , Apricot-A-Peel

3 Thunbergia coccinea Wall. ex D.Don ベニバナヤハズカズラ 紅花矢筈葛
 中国、ラオス、ミャンマー、タイ原産。英名は Scarlet Clock Vine 。中国名は红花山牵牛 hong hua shan qian niu。
 つる性木、茎は9角(かど)があり、ほぼ無毛、節が有毛。葉柄は長さ2~7㎝、溝がある。葉身は広卵形~卵形~披針形、長さ 8~15㎝×幅3.5~11㎝、両面に毛がある。掌状の3~5脈があり、葉の基部は円形~心形、縁は波状縁~離れた歯状。葉先は尖鋭形。総状花序は腋生又は頂生、長さ35㎝以下、垂れ下がる。花序柄は長さ3~4㎝、有毛。苞は披針形、外側は有毛、内側は無毛。小苞は長円形、長さ2.2~2.6㎝×幅1.1~1.5㎝、先は鋭形。萼は長さ約2㎜。花冠は赤色、花冠筒部は長さ5~6㎜、のど部は長さ1.5~1.6㎝。花冠裂片は類円形、直径約7㎜。花糸は長さ1.2~1.5㎝、無毛、基部に毛状突起の房がある。葯は葯室が平行、不等長、長い葯室は長さ約5.5㎜、短い葯室は長さ約4.5㎜、基部に距がある。子房は無毛。花柱は無毛、花冠から突き出る。柱頭は2裂。蒴果は無毛、基部の部分は長さ1~1.2㎝×幅1.5~2㎝、嘴は長さ1.5~2.3㎝。種子はつぶれ、外形が卵形、いぼ状。花期は9~1月。果期は1~4月。2n=20。
 品種) 'Lutea'

4 Thunbergia erecta (Benth.) T.Anders. コダチヤハズカズラ 木立矢筈葛

 西アフリカ原産。英名はwhite fan-flower , bush clockvine , king's-mantle , Bush Clockvine, King's Mantle。別名はキンギョボク。
 低木、落葉性、株立となり、高さ1.2~2.4m。茎は4稜形、枝は垂れ下がり、若枝は赤色を帯びる。葉は対生し、葉身は卵状楕円形、長さ3~4㎝、先は鋭形、縁は全縁~鈍い歯が先半分にあり波打ち、ときにごく浅く3裂する。花序は腋生、単生又は双生。花は直径3~4㎝、青紫色、わずかに芳香がある。苞は緑白色、仏炎苞様。萼はごく小さく、杯形、15歯があり、有毛。花冠は曲がり、漏斗形、花冠裂片は5個、不等形、濃バイオレット色、花冠筒部はクリーム色、口部は黄色~黄白色。雄しべは4個。2強雄しべ。葯は有毛。子房は2室、上位。花柱は長い。柱頭は2裂。蒴果は4種子を入れる。種子は球形。花期、果期は3~9月(温暖地では通年)。
 品種)  'Alba' , 'Blue Moon' , 'Fairy Moon' , 'Full Moon' , 'Futtunblu' (PBR) , 'King's Mantle'

5 Thunbergia fragrans Roxb. カオリカズラ 香葛
  中国、台湾、インド、スリランカ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア原産。英名はsweet clock-vine 。中国名は碗花草 wan hua cao。
 つる性、草本。茎はほとんど、4稜形~扁平、溝があり、粗毛がある。葉柄は長さ0.5~4.5㎝、粗毛がある。葉身は長楕円状卵形~卵形~広卵形~楕円状披針形~披針形、長さ3~14㎝×幅1.8~7㎝、両面が微軟毛状~脈上の毛状突起以外はほぼ無毛~無毛、掌状に3~5脈があり、葉の基部は円形ときに楔形又は心形、縁は全縁~不規則な波状縁~粗い浅歯状、葉先は鋭形~尖鋭形。花は腋生、単生。花序柄は長さ1.5~5.5㎝。小苞は卵形、長さ1.5~2.5㎝×幅0.8~1.5㎝、 微軟毛があり、先は鋭形。萼は長さ3~5㎜、不等形の10~17歯があり、無毛。花冠は白色、長さ3~5㎝、まばらに、微軟毛がある。花冠筒部は基部が円柱形、長さ4~7㎜、のど部は長さ1.8~2.3㎝。花冠裂片は倒卵形、長さ1.3~2.5㎝×幅1.5~2.3㎝。雄しべは花冠から突き出ない。花糸は長さ6~10㎜、無毛。葯は葯室が長さ約3㎜、不等長、無毛。子房は無毛。花柱は長さ1.5~2㎝、花冠から突き出る。柱頭は漏斗形、長さ約2㎜。蒴果は無毛、基部の部分は長さ約7㎜、幅10~13㎜。嘴は長さ1.5~1.9㎝。種子は直径4~5㎜、平滑又は鱗片がある。花期は8~1月。果期は11~3月。
品種) 'Angels' Wings'

6 Thunbergia gibsonii S.Moore カバイロヤハズカズラ 樺色矢筈葛
 中央アフリカ原産。英名はGolden Glory Creeper , Golden Clock Vine , Orange Clock Vine。Thunbergia gregorii S.Mooreと同種ともいわれる。普通、別種として扱われている。
 落葉つる性木。長さ5~6(8以上)m。葉柄は長さ2.5~3.㎝、翼が無い。葉は卵形~三角形、長さ2.5~7.5㎝。花は橙色。花期は6~11月。

7 Thunbergia gregorii S.Moore ツンベルギア・グレゴリー
  東アフリカ原産。英名はOrange Clock Vine 。
  常緑つる性、多年草。高さ2.4~3m。茎は中程度に細く、黄褐色(tawny)の剛毛で覆われる。葉は卵形~広卵形、基部は心形、5~7裂、又は矢じり形、両面に軟毛があり、長さ3~4㎝、幅2.5~3.2㎝。葉柄は長さ約1.9㎝、翼がある。花序柄は長く、軟毛があり、長さ約13㎝。小苞は広卵形、基部は心形、外側は黄褐色の剛毛で覆われ、内側は無毛。花は橙色、中心に暗色の目がない。花冠は花筒が長さ約5㎝。裂片は先が切形(やや凹形)。葯は上部が鈍形、各葯室の基部に距があり、軟毛がある。柱頭は2個の広い唇状。子房は長さ約.5㎝、有毛。
品種) 'Mango' , 'Sun Lady'

8 Thunbergia grandiflora (Roxb. ex Rottl.) Roxb.  ベンガルヤハズカズラ 榜葛刺矢筈葛

 中国、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。英名はBengal clock vine 。中国名は山牵牛( shan qian niu) 。
 つる性木、長さ10m以上になる。茎は4角(かど)があり、溝があり、有毛。葉柄は長さ1~7㎝、溝があり、有毛。葉身は卵形~三角状卵形長さ 5~10㎝、幅4~8㎝、紙質、両面に毛があり、掌状に3~7脈がある。葉の基部は類心形~切形、縁は波打ち、基部半分に不規則な角(かど)があり、まれに全縁、葉先は尖鋭形~鋭形。花は葉腋に単生、双生、又は頂生の総状花序に花が節ごとに2~4個つく。花序柄は長さ4~7㎝、溝があり、有毛、軸は有毛、大きな 杯状の腺体がつく。先の花序の苞は錐形~線状錐形、長さ2~6㎜、幅1~1.5㎜、有毛。小苞は長楕円形~卵形、長さ2.5~4㎝、幅1.5~2.2㎝、、両面に毛があり、5~7脈があり、基部は切形、縁は全縁~縁毛状、先は鋭形で短い微凸がある。萼は長さ約2㎜、環形、不分裂、密に毛がある。花冠は帯青色、のど部が帯黄色、長さ4~6㎝、外側は無毛。花冠筒部の基部は円柱形、幅約3㎜、のど部は約7㎜から次第に約5㎝に広がり、拡大部は類放射相称。花冠裂片は卵形、長さ約3㎝、幅約2.5㎝。花糸は長さ7~9㎜。葯は葯室が有毛、基部に付属体がある。花柱は無毛。柱頭は2個のほぼ等しい裂片がある。蒴果は長さ1.2~1.5㎝、有毛、基部の部分は直径1.3~1.8㎝、嘴は長さ約2.5㎝。種子は外形が卵形、つぶれ、いぼ状。花期は8~1月。果期は11~3月。2n = 56。
品種) 'Alba' , 'Angkor Beauty' , 'Antigua' , 'Samantha' , 'Variegata'

9 Thunbergia laurifolia Lindl. ゲッケイカズラ 月桂葛
  ミャンマー、マレーシア原産。英名はlaurel clockvine , blue trumpet vine , laurel-leaved thunbergia 。別名はローレルカズラ。オーストラリア、ハワイなどに帰化し、小笠原諸島の父島で野生化した群落が見られる。日本へは大正時代初めに渡来し、名前は葉が月桂樹(ローレル)に似ていることから。ベンガルヤハズカズラによく似るが、葉形が異なる。薬用に使われる。
 つる性多年草。高さ2~5m。葉は対生し、葉身は厚い革質、長楕円形~卵状披針形、長さ10~20㎝、基部は円形、先は鋭形、縁はほぼ全縁~低く粗い鋸歯縁、葉脈は三行脈状。花は腋生又は頂生、総状花序状になり、節に数個ずつ花をつける。花冠は直径5~6(~8)㎝、漏斗形、先は5裂して広がる。花冠裂片は淡青紫色、のど部は淡黄色、淡青紫色との境は白色、下側の花弁ののど部は盛り上がり、淡青紫色の縦の筋があり、やや唇弁状に見える。野生のものはよく結実するが、栽培種はほとんど結実しない。花期は1~12月。
  品種) 'Augusta's Blue' , 'Variegata'

10 Thunbergia mysorensis (Wight) T.Anderson マイソルヤハズカズラ
 インド南部原産。英名は Mysore trumpetvine , Indian clock vine , Lady's slipper。種名はインドの都市マイソール Mysore に由来する。スペインなどでよく栽培され、藤の花などのように、テラスのパーゴラなどに利用されている。
 つる性常緑多年草 高さ3~6(10)m、茎は基部が木質化する。葉は長楕円形~披針形、光沢があり、緑色~暗緑色、長さ10~15㎝、縁に歯があり、先は鋭形。葉腋から長さ30~100㎝の細長い総状花序が下垂し、基部から順に開花する。花柄は垂れ下がり、花は横向きにつき、小苞が花の基部に対につく。小苞は鮮やかな赤褐色、卵形、先は鋭形。 花序軸、花柄も赤褐色。萼は小さく、環状、10~12歯がある。花冠は2唇形、上唇は2裂、下唇は3裂する。花冠裂片は全て反り返り、裂片の内側は小苞と同色の赤褐色、外側は筒部と同色の濃黄色。花筒は短く、花筒の内側は濃黄色、口部は幅4~5㎝、上側がやや狭い楕円形、花冠裂片が下側以外、反り返って見えないため、黄色のスリッパ状に見える。雄しべは4個。葯は毛があり、基部に距がある。子房は2室、各室に胚珠2個。柱頭は漏斗形(infundibuliform)。花冠の口が広く、雨が花冠にたまり、蜜や花粉が混じり、小鳥や蝶を誘う。花期は3~10月。

11 Thunbergia vogeliana Benth. ツンベルギア・フォーゲリアナ
 アフリカ西部原産
 つる性の常緑低木。高さ1.4~4.5m。茎は木質、若い時は四角形、節に少し毛がある。葉は卵形~披針状楕円形、基部は尖鋭形~鋭形、長さ20㎝以下×幅5~9㎝、無毛。葉柄は長さ約1.3㎝。花は小さな葉のついた枝腋に3~4個、束生し、又は単生する。花序柄は無毛、長さ1.3~1.9㎝。小苞は広卵形、厚く、白色、長さ4~6㎝×幅3~5㎝、鈍形又は微凸形、無毛。萼は萼歯が多数ある。花は直径約5㎝。花冠筒部は真っすぐ、白色、長さ3~4㎝、微毛に覆われる。花冠裂片は長さ1.3㎝、バイオレット色。葯は上部が微突形、下部が円形で不等長、基部に剛毛があり、上部は柔かい毛がある。柱頭は2個の唇状、長さはほぼ等しく、最上部は内巻き。蒴果は無毛、長さ約3㎝、稔性の部分は急に狭くなり、尖った嘴になる。花期は1~12月。

12 ハイブリッド
 Thunbergia 'Sun Lady'( T. alata x T. gibsonii)

参考

1) Thunbergia gregorii in Global Plants on JSTOR
 Thunbergia gregorii
http://plants.jstor.org/compilation/Thunbergia.gregorii
2)Thunbergia vogeliana in Global Plants on JSTOR
 Thunbergia vogeliana
http://plants.jstor.org/compilation/thunbergia.vogeliana
3) Thunbergia mysorensis - Some Magnetic Island Plants
 Thunbergia mysorensis (Wight) T.Anderson
https://www.somemagneticislandplants.com.au/index.php/plants/37-thunbergia-mysorensis
4)Thunbergia - ZipcodeZoo
 Thunbergia
http://zipcodezoo.com/index.php/Thunbergia
5)Flora of China・
 Thunbergia.
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=132906