ウバユリ 姥百合

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Flora of Mikawa

ユリ科 Liliaceae ウバユリ属

英 名 giant lily
学 名 Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino
ウバユリ花
ウバユリ花3
ウバユリ花期の葉
ウバユリ茎
ウバユリ果実
ウバユリ果実2
ウバユリ
ウバユリ花序
ウバユリ花横
ウバユリ若葉
ウバユリ種子
花 期 7~8月
高 さ 60~100㎝
生活型 多年草
生育場所 山野の林内
分 布 在来種(日本固有種) 本州(関東地方以西の太平洋岸)、四国、九州
撮 影 稲武町  05.8.15
ウバユリの和名の由来は、花の咲く時期に歯(葉)が枯れてくることを語呂合わせしたものとか。
 鱗茎(球根)がある。茎は直立し、基部ではなく、下部に長柄のある葉を輪生状に5~6個かたまってつける。葉身は長さ15~25㎝の卵状楕円形、網状脈、基部は心形、先は鈍形。下部の葉の先に茎を高く直立し、その頂部付近に花を1~8個、横向きにつける。茎は中空、無毛、茎葉は小さく、中部に数個つく。花は花被片6個、大きく開かず筒状、先端がやや開く程度。花被片は緑白色、長さ10~15㎝、内側の先や奥に赤褐色の斑点があり、外側の一部につくこともある。雄しべは6個、花糸の長さが少しずつ異なる。花柱は長く、柱頭は三角状。蒴果は直立し、長さ4~5㎝、楕円形、種子を多数入れ、熟すと3裂開する。種子は周囲に広い翼がつき、長さ11~13㎜(翼を含めて)、鈍3角状。
 オオウバユリ var. glehnii は、中部地方以北に分布する。花つきが10~20個と多く、全体に大型で、高さ2mに達するものもある。

ウバユリ属

  family Liliaceae - genus Cardiocrinum

 多年草、球根をもつ。普通、落葉性の根生葉のつく基部が膨れて球根ができる。鱗茎(bulbels)は数個つき、卵形、薄皮(tunics)で覆われる。茎は非常に高く、丈夫で、無毛。葉は根生葉および茎葉、葉柄があり、普通、卵状心形、網状脈。花序は頂生の総状花序であり、花が数個~多数つく。苞は宿存性または脱落性。花は両性、筒状漏斗形、大きい。小花柄はかなり短い。花被片は6個、分離、±輻合(connivent)する。雄しべは6本、花被片の基部につく。花糸は扁平。葯は背着、多方向、狭楕円形。子房は円筒形、3室。 胚珠は各室に多数。花柱は長い。柱頭はわずかに3裂する。果実は胞背裂開蒴果。種子は赤褐色、扁平、全周に幅の狭い翼がある。  世界に3種あり、日本、中国、インド、ブータン、ミャンマー、ネパール、シッキム、ロシアに分布する。

ウバユリ属の主な種と園芸品種

1 Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino ウバユリ 姥百合
 日本固有種。本州(関東地方以西の太平洋岸)、四国、九州に分布。英名はheart-shaped lily , giant lil。山野の林内に生える。
多年草。高さ60~100㎝。鱗茎(球根)がある。茎は直立し、基部ではなく、下部に長柄のある葉を輪生状に5~6個かたまってつける。葉身は長さ15~25㎝の卵状楕円形、網状脈、基部は心形、先は鈍形。下部の葉の先に茎を高く直立し、その頂部付近に花を1~8個、横向きにつける。茎は中空、無毛、茎葉は小さく、中部に数個つく。花は花被片6個、大きく開かず筒状、先端がやや開く程度。花被片は緑白色、長さ10~15㎝、内側の先や奥に赤褐色の斑点があり、外側の一部につくこともある。雄しべは6個、花糸の長さが少しずつ異なる。花柱は長く、柱頭は三角状。蒴果は直立し、長さ4~5㎝、楕円形、種子を多数入れ、熟すと3裂開する。種子は周囲に広い翼がつき、長さ11~13㎜(翼を含めて)、鈍3角状。花期は7~8月。
1-1 Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino f. rubrum Hatus., nom. nud. ベニバナウバユリ 紅花姥百合
 熊本県と長崎県のごく限られた狭い地域に分布する。花が紅色になる。
1-2 Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino var. glehnii (F.Schmidt) H.Hara オオウバユリ 大姥百合
  synonym Cardiocrinum glehnii (F.Schmidt) Makino
 北海道、本州中部地方以北に分布する。
 花つきが10~20個と多く、全体に大型で、高さ2mに達するものもある。

2 Cardiocrinum giganteum (Wall.) Makino ヒマラヤウバユリ 
 中国。ブータン、ネパール、ミャンマー、ネパール、シッキム原産。中国名は大百合 da bai he。英名はgiant lily , giant Himalayan lily。別名はエゾウバユリ。森林、丘の中腹などに生える。
鱗茎(bulbels)は長さ3.5~4㎝×幅1.2~2㎝。茎は直立し、緑色または暗緑色、長さ1~3m×幅3~5㎝、中空。葉は茎の下部1/2につく葉は大きく、上部1/2の葉ははるかに小さく、ときに、苞状。葉柄は長さ15~20㎝。葉身は卵状心形、長さ15~20㎝×幅12~15㎝。総状花序は花が10~16個つく。苞は早落性。花被片は白色または帯緑色、上面には紫色の条線があり、下面は帯緑色、線状倒披針形、長さ12~15㎝×幅1.5~2㎝、先は鈍形。雄しべは長さ6.5~7.5㎝。花糸は基部に向かってわずかに広がる。葯は約・長さ8㎜×2㎜。子房は長さ2.5~3cm×幅4~5㎜。花柱は長さ5~6㎝。蒴果はほぼ球形、直径3.5~4㎝、先は嘴がある。種子の卵状三角形、長さ4~5㎜×幅2~3㎜。花期は6~7月、fr。 9~10月。2n=24。
品種) 'Big and Pink'

参考

1) Flora of China
 Cardiocrinum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105621
2) Plants of the World Online| Kewscience
 Cardiocrinum
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:925333-1
3) World Flora Online
 Cardiocrinum
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000006679
4) World Checklist of Vascular Plants (WCSP)  Cardiocrinum
https://wcvp.science.kew.org/