ソクシンラン 束心蘭

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Flora of Mikawa

キンコウカ科 Nartheciaceae  ソクシンラン属

中国名 粉条儿菜 fen tiao er cai
学 名 Aletris spicata (Thunb.) Franch.
ソクシンランの花序
ソクシンランの花
ソクシンランの花横と茎の腺毛
ソクシンランの茎葉
ソクシンラン
ソクシンラン腺毛
ソクシンランの葉表
ソクシンランの葉裏
ソクシンランの葉
花 期 4~6月
高 さ 15~50(70)㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりの良い草地、林道
分 布 在来種 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、中国、台湾、マレーシア、フィリピン
撮 影 新城市  14.6.2
和名は束状の葉の中心から花茎が1本出る姿に由来する。
 高さ15~50(70)㎝。葉は多数、密に束生し、ロゼット状になり、線形、長さ5~30㎝、×幅2~4(~5)㎜。花茎は長さ15~70㎝、白色の腺毛が密生する。総状花序は細く、長さ5~35㎝、花が緩く、10~80個つき、花序軸には密に軟毛がある。花柄はほぼ無~長さ1(~2)㎜、密に軟毛がある。苞や小苞は花柄の上部につき、線状披針形、下部に軟毛がある。苞は1~2個つき、長さ4~8㎜、花の長さより短いか同長(ときに、総状花序の基部に少数の苞がつき、花の長さの2倍以下、まれに、全ての苞が花の長さより長いことがある)、先は鋭形。花被は筒状、白色、黄白色、又は黄緑色、ときに縞があり又は先がピンク色を帯び、長さ4~7㎜、密に腺軟毛があり、まれに毛がまばらになる。筒部は長円状つぼ形、花被片は6個、±直立、線状披針形、長さ1.5~3㎜×幅約0.5㎜、普通、筒部の長さと同長又は短く、先は鋭形。蒴果はこま形、倒卵形、又は長円状倒卵形、明瞭な角(かど)があり、長さ3~5㎜×幅2~3㎜、裂開するとき、上部が急にくびれ、バルブの先は次第に狭くなる。花柱は長さ約1㎜、柱頭は無いか又はわずかに太くなるだけ。種子は長さ0.4~0.5㎜の長楕円形。花期は(3)4~6(8)月。果期は5~8月。2n=26, 52。

ソクシンラン属

  family Nartheciaceae - genus Aletris

 多年草。密毛(もしあれば)には普通、腺がある。根は普通、ひげ根、ときに太く肉質になり、あるいは両者が混じる。根茎は短く、まれに球茎状になる。葉は根生、束生し、草状、披針形~線形、目立つ中脈がある。花茎は単純、直立し、普通、少数の小さな苞状の葉をもつ。花序は頂生の総状花序であり、密な頭状花序~短い円筒形~緩く長くなり、ときに粘り、花序軸に軟毛、微軟毛があるか、又は無毛。花は両性、小さく、明瞭な花柄ががあるか又ははぼ無柄。花柄は基部と先のどちらかに苞と小苞をもち、軟毛~微軟毛があるか又は無毛。小苞は苞に似るが小さい。花被は6裂、上部に軟毛~微軟毛があるか又は無毛。筒部の基部は子房につく。花被片は直立、開出、反曲、又は外巻きする。雄しべは6本。花糸は短い。葯は底着。子房は半下位、3室。胚珠は各室に多数。花柱は単純、ときに不明瞭。柱頭は不明瞭に3裂する。果実は胞背裂開蒴果、宿存する花被に包まれ、頂部に宿存する花柱と柱頭をもつ。種子は多数、褐色、紡錘形、長さ1.5㎜以下。
 世界に約21種があり、インド~日本の東アジア、北アメリカ東部に分布する。中国には15種、日本には3種が分布する。

ソクシンラン属の主な種

1 Aletris foliata (Maxim.) Bureau et Franch.  ネバリノギラン 粘り芒蘭
 日本固有種(北海道、本州、 四国、九州)
 多年草。高さ20~40㎝。葉は長さ10~25㎝、幅約2㎝で叢生する。花序は総状で、壷形の花を多数つける。花や花茎に腺毛があり、さわると粘る。花は長さ6~8㎜の倒卵状壺形。花被片は6個、黄緑色~黄褐色、先がやや開くだけであまり開かず、ノギランよりかなり地味である。雄しべは6個、葯は橙色。蒴果は長さ約5㎜の惰円形。2n=52。花期は4~7月。

2 Aletris glabra Bureau et Franch.  チョウセンノギラン
  synonym Aletris sikkimensis Hook.f. 
  synonym Aletris formosana (Hayata) Sasaki 
  synonym Aletris fauriei H.Lev. ex Nakai 
 中国、台湾、ブータン、シッキム原産。中国名は无毛粉条儿菜 wu mao fen tiao er cai

3 Aletris scopulorum Dunn  ヒメソクシンラン 姫束心蘭
  synonym Aletris makiyataroi Naruh. 
 日本(四国)、中国原産。中国名は短柄粉条儿菜 duan bing fen tiao er cai 。日本では絶滅したとされている。線形の根出葉がふつう3個と少ない。道端、、斜面の草地、草原の湿った場所、荒地に生える。
 根茎は球茎状、ほぼ球形、直径3~7㎜。葉は1~5個、緩く束生し、線形、長さ3~15㎝×幅2~4.5㎜。花茎は長さ10~35㎝、細く、しばしば針金状。総状花序は長さ2.5~12.5㎝、緩く花が 4~17個つき、花序軸に軟毛がある。花は短い花柄をもつ。花柄は長さ0.5~3.5㎜、軟毛がある。苞や小苞は花柄の下部1/2につく。苞は線状披針形、長さ2~5.5㎜、花の長さより短いか同長、ほぼ無毛、先は鋭形。花被は白色、長さ3~5㎜、まばらに軟毛があるか又は無毛になり、筒部は鐘形、花被片は直立又はわずかに反曲し、狭い長円状披針形~線形、長さ1.5~2.5㎜×幅0.3~0.7㎜、筒部の長さとほぼ同長又はわずかに長く、先は鈍形~円形。蒴果はほぼ球形、長さ3~3.5㎜×幅 2.5~3㎜、バルブの先は急に狭くなる。花柱は長さ約0.5㎜又は不明瞭。柱頭は太くならないか又はわずかに太くなるだけ。花期は3~4月。果期は4月。

4 Aletris spicata (Thunb.) Franch.  ソクシンラン 束心蘭
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、マレーシア、フィリピン原産。中国名は粉条儿菜 fen tiao er cai。日当たりの良い草地、林道に生える。和名は束状の葉の中心から花茎が1本出る姿に由来する。
 多年草。高さ15~50(70)㎝。葉は多数、密に束生し、ロゼット状になり、線形、長さ5~30㎝、×幅2~4(~5)㎜。花茎は長さ15~70㎝、白色の腺毛が密生する。総状花序は細く、長さ5~35㎝、花が緩く、10~80個つき、花序軸には密に軟毛がある。花柄はほぼ無~長さ1(~2)㎜、密に軟毛がある。苞や小苞は花柄の上部につき、線状披針形、下部に軟毛がある。苞は1~2個つき、長さ4~8㎜、花の長さより短いか同長(ときに、総状花序の基部に少数の苞がつき、花の長さの2倍以下、まれに、全ての苞が花の長さより長いことがある)、先は鋭形。花被は筒状、白色、黄白色、又は黄緑色、ときに縞があり又は先がピンク色を帯び、長さ4~7㎜、密に腺軟毛があり、まれに毛がまばらになる。筒部は長円状つぼ形、花被片は6個、±直立、線状披針形、長さ1.5~3㎜×幅約0.5㎜、普通、筒部の長さと同長又は短く、先は鋭形。蒴果はこま形、倒卵形、又は長円状倒卵形、明瞭な角(かど)があり、長さ3~5㎜×幅2~3㎜、裂開するとき、上部が急にくびれ、バルブの先は次第に狭くなる。花柱は長さ約1㎜、柱頭は無いか又はわずかに太くなるだけ。種子は長さ0.4~0.5㎜の長楕円形。花期は(3)4~6(8)月。果期は5~8月。2n=26, 52。

参考

1)Flora of China
 Aletris
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=100995
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Aletris
 http://plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:19439-1
3)GRIN
 Aletris
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus?id=375
4)Flora of North America
 Aletris
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=100995
5)植物研究雑誌 20(1): 21-21(1944)
 前川文夫 : ソクシンラン、ノギラン並にトウゲヒバの語源について