シンテッポウユリ 新鉄砲百合

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Flora of Mikawa

ユリ科 Lilium ユリ属

中国名 新鐵砲百合 sin tie pao bai he
学 名 Lilium x formolongi Hort.
Lilium formosanum x Lilium longiflorum
シンテッポウユリの花
シンテッポウユリの花2
シンテッポウユリの果実
シンテッポウユリの裂開した果実
シンテッポウユリの葉
シンテッポウユリ
シンテッポウユリ種子
花 期 7~9月
高 さ 70~150㎝
生活型 多年草
生育場所 草地、道端、林縁
分 布 帰化種   台湾原産
撮 影 蒲郡市      05.8.25
シンテッポウユリはタカサゴユリとテッポウユリの交配により日本で1951年に作られた園芸種。テッポウユリ、ササユリに似ているが、香りが弱い。初期に作られたものは、花が紫赤色を帯びず、純白色である。自然交雑も起きる。今では多くの園芸品種があり、日本で栽培されている品種は葉が長さ9~13㎝、幅2~3㎜程度のものが多い。染色体や遺伝子検査を行わないとシンテッポウユリとタカサゴユリの判別は難しい。最近、急速に増加し、やや寒冷な関東地方でも見られ、紫赤色を帯びないものが混じる場合はこのシンテッポウユリではないかと思われる。夏に普通に見られる白ユリになってしまった。全体に小さく、高さが60㎝以下で、花が紫赤色を帯びるものはオーストラリアなどに帰化しているタカサゴユリvar. pricei の可能性もある。
 種子繁殖力が強く、播種後8~10ヶ月で開花し、増殖する。開花は8~9月。高さ30~150㎝。葉は幅が狭く、幅2~7㎜。花被片は外面が紫赤色を帯びない純白色のものが多い。交雑を繰り返すとタカサゴユリとの見分けがつかなくなるようである。蒴果は長さ7~9㎝、直立し、多数の種子が入り、熟すと上部が3裂開し、種子を落とす。種子は黄金色、扁平、長さ約8.5㎜、周囲に幅の広い翼がつき、非常に軽く、風で飛ぶ。
 タカサゴユリLilium formosanum は台湾原産。台湾には3変種がある。観賞用として大正時代に導入された。現在では多くの園芸品種があり、野生化するものが多い。 球根(鱗茎)は類球形~広惰円形、直径2~4㎝。小鱗茎は白色~黄色を帯び、披針状卵形~披針形。茎はときに紫赤色を帯び、高さ20~55㎝、平滑又はパピラがある。葉はまばらにつき、線形~狭披針形、長さ2.5~15㎝、幅4~13㎜。 花は1~数個、散房状につき、芳香があり、細い筒部があり、先が広がる漏斗形。花被片は6個、白色、外面が紫赤色を帯びる。外花被片は倒披針形、長さ11.5~14.5㎝、幅2.1~2.3㎝。内花被片は幅3㎝以下。蜜腺は緑色、まれに両面に不明瞭なパピラがある。花糸は長さ約10㎝、基部近くにわずかな結節がある。花柱は長さ約6.5㎝。蒴果は長さ7~9㎝、幅約 2㎝。3室がある。台湾の開花は6~12月。
 ①var. formosanum 台湾百合tai wan bai he。葉が長さ8~15㎝、幅1~1.3㎝、中脈が明瞭、花被片は長さ12~15㎝。2n=24
 ②var. microphyllum 小叶百合 xiao ye bai he 。葉が長さ2.5~3㎝、幅4~5㎜、中脈が不明瞭、花被片は長さ7~8㎝。
 ③var. pricei アルペン型、台湾南投県の合歓山(Hehuan)にある変種。Flora of China には記載がなく、この園芸種と思われるものが、オーストラリア、北アメリカなどで広く野生化している。自然状態では種子から2~3年で花が咲く。(温室では8カ月)花は白色で、外面にワイン色のストライプが目立つ。芳香がある。栽培しても高さは45~60㎝。

 テッポウユリ Lilium longiflorum は高さ50~100(150)㎝程度、花が純白で、基部が緑色を帯び、葉幅が 6.6~18.3(30)㎜と広い。