リュウキュウマメガキ 琉球豆柿

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Flora of Mikawa

カキノキ科 Ebenaceae カキノキ属

別 名 シナノガキ 信濃柿
中国名 山柿 shan shi
学 名 Diospyros japonica Siebold et Zucc.

 synonym Diospyros glaucifolia Metcalf var. brevipes S.K.Lee

リュウキュウマメガキ枝先
リュウキュウマメガキ蕾
リュウキュウマメガキ雌花横
リュウキュウマメガキ雌花
リュウキュウマメガキ雌花やや橙色
リュウキュウマメガキの子房
リュウキュウマメガキの花後
リュウキュウマメガキの果実
リュウキュウマメガキの幹
リュウキュウマメガキ
リュウキュウマメガキ葉表
リュウキュウマメガキの葉裏
リュウキュウマメガキの種子
リュウキュウマメガキの種子の表面
花 期 6月(果期 10~11月)
高 さ 5~10(15)m
生活型 落葉高木
生育場所 山地の林内、林縁
分 布 在来種 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄、中国
撮 影 田原市  13.5.28(花)、13.11.20(果実)
三河地域にはリュウキュウマメガキが点在し、渥美半島にはやや多い。新城市(旧作手村)には天然記念物のリュウキュウマメガキがある。渥美半島のリュウキュウマメガキは果実が扁球形で甘くなり、新城市内のものは縦長の楕円形で渋い。日本のリュウキュウマメガキは中国に分布するDiospyros glaucifolia var. brevipes 短柄粉叶柿 と同じである。Diospyros glaucifolia var. glaucifolia 粉叶柿 は葉柄の長さと葉形が違い、Diospyros glaucifolia var. pubescens 毛粉叶柿 は葉裏の毛の量が多く、変種に分類されていた。しかし、差が明白でないとして、これらの学名が Diospyros japonica 山柿 (shan shi) に統一されている。
 幹は灰褐色、皮目があり、成木の樹皮は縦に浅く裂ける。葉は長さ7.5~17.5㎝、幅3.5~7.5㎝、葉裏は粉白色を帯び、ほとんど無毛。主脈脇と葉脈上にはまばらに毛がある。側脈は7~8対。紅葉せずに一部黒くなって落葉する。葉柄は12~25(実測11~40)㎜ と長い。雌雄異株。雄花は2個(1~3個)ずつ対につくことが多く、花柄が長さ約2㎜、小花柄(花梗)は長さ約1㎜。雄花の花冠はやや細く、先が4裂し、裂片が黄色~橙赤色を帯びる、萼片も4裂し、小さい。雄しべは16個(雄樹参照)。雌花は黄色を帯び、1個又は2~3個の房につく。花冠は長さ約7㎜、筒部は長さ約5㎜。柱頭は4裂し、裂片の先がさらに小さく2裂する。子房は無毛。萼は4裂。果柄は長さ2~3㎜、果時の萼は直径1.3~1.6㎝。果実は直径1.5~2(3)㎝の球形~扁球形(実測:大きい果実は扁球形、長さ2.5㎝、幅3.2㎝)、橙黄色~橙赤色に熟す。種子は長さ9~12(実測最大:15)、幅4.5~6.5、厚さ2~3㎜、扁平な歪んだ惰円形、光沢のある褐色、表面に微細な流線状の荒れがある。果実は熟すと甘くなって食べられるものがあり、これはDiospyros glaucifolia var. brevipes とされていたものである。写真の横幅の広く、やや大きいものは甘く食べられる。熟しても渋くて食べられないものもあり、新城市内などでよく見られる縦長で小さいものは熟しても渋い。
 マメガキ Diospyros lotus は朝鮮、中国、ネパール、パキスタン、西アジア原産。中国名は君迁子(jun qian zi )。葉裏は淡緑色、白色の軟毛がある。葉柄は長さ7~15㎜。雄花は花柄が長さ約6㎜、小さく、淡黄色~赤色を帯び、1~3個ずつつく。雌花はほぼ無柄、淡緑色~赤色を帯び、1個ずつつく。果実は直径1~2㎝のほぼ球形~惰円形、淡黄色~暗紫色に熟す。種子は長さ約10㎜、幅約6㎜、褐色。
 ヤマガキ Diospyros kaki var. sylvestris 葉が小形で毛が多く葉の両面の主脈に毛を密生し、葉裏に短毛を散生する。小枝に黄褐色の短毛を密生する。子房にも毛が密生する。雄花は集散花序につき、雌花は単生。
 カキノキ Diospyros kaki Thunb. var kaki  栽培品種。葉表はほぼ無毛、中脈に毛があり、葉裏の全体に褐色の短毛がある。子房に毛がない。