ノミノツヅリ  蚤の綴り
[中国名] 无心菜 wu xin cai
[英名] thymeleaf sandwort, thyme-leaved sandwort
[学名] Arenaria serpyllifolia L.
Arenaria serpyllifolia L. var.serpyllifolia
Arenaria serpyllifolia L. var. tenuior auct. non Mert. et W.D.J.Koch
ナデシコ科 Caryophyllaceae  ノミノツヅリ属
三河の植物観察
ノミノツヅリの花
ノミノツヅリの萼
ノミノツヅリの果実
ノミノツヅリの葉
ノミノツヅリの茎
ノミノツヅリ
ノミノツヅリ種子
 和名は小さな葉をノミの綴(つづり=綴織物の衣服)にたとえたもの。
 小形で全体に短毛が生える。茎はよく分枝して枝が多い。葉は対生し、長さ3~7㎜、幅1~5㎜の卵形、無柄。花は直径約5㎜の白色の5弁、花弁の先は切れ込まない。雄しべ10個。萼片は5個で、長さ2.5~3㎜(var.serpyllifolia 果時に大きくなる)、花弁よりやや長く、細毛がある。花弁は長さ0.6~2.7㎜。果実(蒴果)は長さ3~3.5㎜の卵形、熟すと先端が浅く6裂し、種子を落とす。種子は長さ0.3~0.5(var.serpyllifolia 0.5~0.6)㎜、暗褐色、円盤形。全体に腺毛があるものをネバリノミノツヅリといい、変種扱いする。腺毛のないものとあるものが混生することもあり、近年、在来種と帰化したものとが混生するのではないかといわれている。日本の在来種のノミノツヅリは腺毛が全くなく、アメリカに帰化している2変種のvar.serpyllifoliaと var. tenuiorのどちらにも合致しない部分がある。日本のノミノツヅリの染色体数は2n=40であり、2n=20の var. tenuior ではなく、var.serpyllifolia とされている。
 類似のハコベ類は5個の花弁が基部まで切れ込み、10個の花弁のように見える。畦道のような湿った場所で見られるノミノフスマはハコベ属であり、花弁が10個のように見え、無毛。
[花期] 3~6月
[草丈] 10~30㎝
[生活型] 1・2年草
[生育場所] 道端、畑、荒地
[分布] 在来種 日本全土
帰化種 アジア、アフリカ、ヨーロッパ
[撮影] 岡崎市 13.4.4


 ノミノツヅリ属(アレナリア属)

  Family: Caryophyllaceae  -genus Arenaria

 1年草又は多年草、まれに2年草、ときに密なマット状になる。直根は糸状~中間の太さで、根茎は星。茎は平伏~斜上~直立、1本又は分枝し、円柱形~楕円形、角(かど)があり、又は溝がある。葉はほとんどが合着、ほとんど無柄、花茎の基部や基部近くで密集しない。葉身は1又は3~5脈があり、(まれに線形又は線状披針形、)普通、楕円形~卵形、まれに円形、ときに類多肉又は多肉、先は鈍形~鋭形~尖鋭形~微突頭。花序は頂生又は腋生の開いた集散花序又は花が単生。苞は対につき、小さく、葉状。花柄は直立又は斜上、果時に反曲する。花被と雄しべ群は子房周位。咢片は5個、離生又は下部でかろうじて合着し、緑色又はまれに上部が紫色、披針形~広卵形、長さ2~5㎜、縁は葉状又は白色で薄膜質、先は鈍形~円形又は鋭形~尖鋭形、フードは無い。花弁は5個又は無、白色、爪部は無く、花弁の先は全縁、蜜腺が咢に対生し、花糸の基部につく。雄しべは10(A. livermorensisでは8)個、子房の基部から出る。花糸は離生。仮雄しべは無い。花柱は3個、糸状、長さ 0.5~2㎜、下部は無毛。柱頭は3個、線形、花柱の内面に沿ってパピラがある (30×)。蒴果は広楕円形又は卵形~円筒形、6個の歯が斜上~反曲して開き、果柄(carpophore )は無い。種子は [1~]5~35個、褐色~暗褐色~黒色、腎形~類球形、側面は扁平又は扁平でなく、光沢が有又は無、平滑~しわがあり~いぼがあり、縁に翼は無く、付属体は無い。x= [7, 8] 10, 11。
 世界に約210種があり、北半球の温帯~北極に分布する。中国には102種があり、79種が固有種。日本には5種ある。北アメリカには9種。


 ノミノツヅリ属の主な種と園芸品種

 1  Arenaria juncea M.Bieb イトフスマ 糸衾
    synonym Eremogone juncea (M. Bieb.) Fenzl. [Arenaria subgen. Eremogone ]
       [Flora of North AmericaではEremogone属]
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は老牛筋 lao niu jin 。
 多年草。根は灰褐色又は淡褐色、円錐形、肉質。茎は直立、高さ30~60㎝、硬くなり、基部は無毛、集散花序の近くには腺毛があり、宿存する又は宿存せず、淡褐色、基部の葉は枯れる。葉身は狭い線形、長さ1~2.5㎝×幅約1㎝、1脈があり、基部は広くなり、抱き、鞘になり、縁にはまばらに歯があり、短い縁毛があり、しばしば、内巻き又は平らになり、先は尖鋭形。集散花序は花が少数~多数つく。苞は卵形、長さ3~4㎜×幅約2㎜、外面に腺毛があり、縁は広い膜質、先は鋭形。花柄は長さ1~2㎝、密に腺のある絨毛があるか又は無毛。咢片は5個、卵形、約長さ5㎜×幅2㎜、外面には無毛又は腺のある絨毛があり、1~3脈があり、縁は広い膜質、先は鋭形~尖鋭形。花弁は5個、白色、長さ8~10㎜、楕円状円形~倒卵形、基部には短い爪部があり、先は鈍形。雄しべは10本。花糸は長さ約4㎜、咢片に対生し、基部に腺をもつ。葯は黄色。子房は卵形、長さ約2㎜。花柱は3個、長さ約3㎜。蒴果は卵形、宿存する咢片と同長又はわずかに長く、先は3バルブに分かれ、バルブは先が2裂する。種子は褐色又は黒色、三角状腎形、いぼ状。花期と果期は7~9月。
1-1 Arenaria juncea var. juncea
 茎は基部に宿存する淡褐色の硬くなった枯れた葉をもち、花柄に密に腺のある絨毛がある。
1-2 Arenaria juncea M.Bieb. var. glabra Regel  ケナシイトフスマ
    synonym  Arenaria tonsa Kitag.
 中国名は无毛老牛筋 wu mao lao niu jin
 茎は基部に宿存する淡褐色の硬くなった枯れた葉がなく、花柄は無毛。

 2  Arenaria katoana Makino  カトウハコベ 加藤繁縷
 日本(北海道、東北地方)固有種。蛇紋岩の礫地に生える。
 多年草、小型、高さ5~10㎝。茎は地を這い、枝は直立し、枝の上部の節間に2列の縮毛と腺毛がある。葉は対生、5~10対つき、無柄。葉柄は長さ1~2㎝、微細な腺毛が密にある。葉身は質が薄く、卵形~三角形~披針形、長さ3~10㎜×幅1.5~4㎜、先は鋭形、両面とも無毛。花は頂生及び腋生、1~3個つき、直径約6㎜。萼は離生し、萼片は5個、長卵形、長さ3~4㎜、3脈があり、先は尖鋭形。花弁は5個、白色、卵形~長楕円形、長さ5~6㎜、全縁、幅の狭い緑色の爪部がある。雄しべは10個、花弁より長い。雄しべの基部に黄色い腺体がある。雌しべは花柱が3裂。蒴果は卵形、長さ約5㎜、先から6裂する。種子は腎形、直径0.8~1㎜、微細な乳頭状突起がある。花期は7~8月。
2-1 Arenaria katoana Makino var. lanceolata Tatew.  アポイツメクサ
    synonym  Arenaria tatewakii Nakai
 北海道の夕張岳、アポイ岳に分布する。。カトウハコベより葉が細く、葉は長さ約1㎝×幅約1㎜。

 3  Minuartia laricifolia (L.) Schinz & Thell. バイカツメクサ 梅花爪草
    basynonym Arenaria laricifolia L.  バイカツメクサ
    synonym  Minuartia marcescens (Fernald) House
    synonym  Arenaria marcescens Fernald
    synonym  Arenaria laricifolia Linnaeus var. marcescens (Fernald) B. Boivin
 フランス、スペイン、イタリア原産。英名はSerpentine stitchwort or sandwort
 多年草、マット状になり又は普通、不規則に伸びる。直根は丈夫、木質。茎は斜上し、緑色、長さ4~6㎝、下部は無毛、上部に腺毛がある。花茎の節間は葉の長さの6~8倍。葉はしっかり重なり(栄養葉)、様々に間隔が開き(茎葉)、普通、下部で合着し、密着した薄膜~草質の長さ0.5~1.5㎜の鞘をもつ。葉身は真っすぐ~外側に曲がり、緑色、3角(かど)があり、下面に明瞭な1脈があり、錐形、長さ4~8㎜×幅0.3~0.8㎜、波打ち、縁は厚くならず、草質、平滑、先は緑色、円形~切形、ときに短突起があり、光沢があり、無毛、栄養葉の間に腋生の葉がある。花序は花が単生、頂生。苞は槍状錐形、草質。花柄は長さ0.5~1.5㎝、普通、密に腺毛がある。花托筒は杯形。咢片は3脈があり、卵形~広披針形(草質の部分は長円形~狭卵形)、長さ3~4㎜、下部で果時に大きくならず、先はしばしば紫色、円く、フードがあり又は無、腺毛がある。花弁は白色、まれにライラック色、へら形~へら状倒卵形、咢片の長さの1.5~2倍、先は円形、全縁。蒴果は狭楕円形、長さ6~10㎜、咢片より長い。種子は褐色、類球形、幼根をもち、長くなり、嘴があり、やや扁平、長さ0.9~1.2㎜、平滑。

 4  Arenaria merckioides Maxim.  メアカンフスマ 広義
4-1 Arenaria merckioides Maxim. var. merckioides  メアカンフスマ 雌阿寒衾
 北海道の知床半島、雌阿寒岳に分布し、高山の岩礫地に生える。
 多年草。高さ5~15㎝、茎は斜上してよく分枝し、横に広がり、マット状になる。全体に短毛が生える。葉は数対がつき、無柄。葉身は質がやや厚く、長さ1~2㎝、長楕円形~広卵形、先が尖り、ライトグリーン色。 雌株と両性株がある。花は頂生及び腋生、単生し、直径約1.2㎝。花弁5個、咢片5個。花弁は咢片より少し長い。雄しべは10個、両性花の雄しべは5個が短く、5個が長い。花期は7~8月。
4-2 Arenaria merckioides Maxim. var. chokaiensis (Yatabe) Okuyama  チョウカイフスマ
 本州の東北地方の鳥海山の固有変種。
 基本種のメアカンフスマより全体が大型。茎は株状になり、全体に短毛がある。葉身は倒卵状楕円形、長さ15~25㎜×幅5~10㎜。花は直径約15㎜。萼は離生し、萼片は5個、裂片は長さ6~7㎜、裂片の先は鈍形。花弁は5個、白色、全縁。雄しべは10個、基部は黄色い腺体に囲まれる。雌しべは3個。蒴果は先が6裂する 花期は7~8月。

 5  Arenaria montana L.  ハナフスマ 花衾 (アレナリア・モンタナ)
 フランス、ポルトガル、スペイン、モロッコ原産。英名はmountain sandwort 。別名はヤマユキソウ 山雪草
 多年草、群生又は乱雑に分枝し、高さ(5~)14~22㎝。茎は長さ30(35)㎝以下、茎や葉に腺の無い短毛がある。葉は対生し、葉身は緑色~灰緑色、長さ(4) 5~25 (35)㎜×幅 (0.5) 0.7~5 (7.5) ㎜、長円形状披針形~線形、まれに卵状披針形、平ら又は外巻きし、中脈は不明瞭、有毛、無柄。集散花序は頂生、花が6個以下(2~10個)つく。花は直径約2.5㎝、白色~帯白色。花柄は果時に長さ40(55)㎜以下。咢は長さ(3.5) 5~9 (12)㎜、有毛、咢片は卵形~披針形、先は鋭形、しばしば尖鋭形、網状脈がある。花弁は長さ(6) 7.5~14㎜。 葯は長さ0.8~1.2㎜。蒴果は長さ5~8(10)㎜、球状卵形、普通、咢から突き出ない。種子は長さ1.2~1.7㎜、球状腎形、黒色又は灰色、外種皮の細胞は非常に大きく、鈍形又は円錐形(いぼ状)。花期は春、日本では普通、4~5月。
品種) 'Avalanche' , 'Blizzard' , 'Bloodstone' , 'Garden Carpet Range' , 'Lemon Ice' , 'Snow' , Summer White

 6  Arenaria purpurascens Ramond ex DC.
 スペイン原産。英名はpurplish sandwort。
 多年草、群生し、高さ14㎝以下、非常に幅広い品種がある。 茎は直立又は斜上し、腺の無い毛があり、後方に曲がる。 葉は長さ(3)4~10(18)㎜×幅 1~3(4)㎜、披針形又は長円状披針形、1脈、無毛、基部に縁毛があり、下面で中脈が目立ち、軟骨質の 波状の縁。集散花序は花が1~5(10)個つく。花柄は果時に長さ 最大8(10)㎜。咢は長さ(4)4.5~6.5(7)㎜、無毛、斑状。咢片は卵状披針形~披針形、鋭形、普通、3脈がある。花弁は長さ6~9㎜、全体にピンク色又は紫色。 Arterasは長さ0.6~0.7 ㎜。蒴果は長さ(6)8.5~12(14)㎜、円筒形、非常に丈夫、光沢があり、先が6(8)個の深い歯に裂開する。 種子は長さ(1.3)1.5~1.6㎜、類腎形、平滑、光沢があり、黒色又は暗褐色。n=23。花期は4~6月。
品種) 'Elliott's Variety'

 7  Arenaria serpyllifolia L.  ノミノツヅリ 蚤の綴り
     synonym Arenaria serpyllifolia L. var. tenuior auct. non Mert. et W.D.J.Koch 
 日本、朝鮮、中国、ロシア、インド、ネパール、パキスタン、フィリピン、アジア中部、アジア西部、コーカサス、ヨーロッパ原産。中国名は无心菜 wu xin cai。英名はthymeleaf sandwort, thyme-leaved sandwort。
 1・2年草。高さ10~30㎝。小形で全体に短毛が生える。茎はよく分枝して枝が多い。葉は対生し、長さ3~7㎜、幅1~5㎜の卵形、無柄。花は直径約5㎜の白色の5弁、花弁の先は切れ込まない。雄しべ10個。萼片は5個で、長さ2.5~3㎜(var.serpyllifolia 果時に大きくなる)、花弁よりやや長く、細毛がある。花弁は長さ0.6~2.7㎜。果実(蒴果)は長さ3~3.5㎜の卵形、熟すと先端が浅く6裂し、種子を落とす。種子は長さ0.3~0.5(var.serpyllifolia 0.5~0.6)㎜、暗褐色、円盤形。花期は3~6月。
 近年、在来種と帰化したものとが混生するのではないかといわれている。日本の在来種のノミノツヅリは腺毛が全くなく、アメリカに帰化している2変種のvar.serpyllifoliaと var. tenuiorのどちらにも合致しない部分がある。日本のノミノツヅリの染色体数は2n=40であり、2n=20の var. tenuior ではなく、var.serpyllifolia とされている。
7-1 Arenaria serpyllifolia L.var.serpyllifolia  ノミノツヅリ 狭義
 咢片は長さ2~3㎜、果時に4㎜以下。蒴果は卵形~卵状円錐形、基部の幅が広い。種子は長さ0.5~0.6㎜。2n = 40, 44(ヨーロッパ)
 日本の在来種のノミノツヅリは腺毛が全くなく、染色体数は2n=40。
 アメリカに帰化しているvar.serpyllifoliaは腺毛がある。
7-2 Arenaria serpyllifolia Linnaeus var. tenuior Mertens & W. D. J. Koch  
 咢片は長さ2~3㎜、果時に大きくならない。蒴果は円筒形~円筒状卵形、基部で著しく幅広くならない(壁が真っすぐに近い)。種子は長さ約0.4㎜。2n = 20(ヨーロッパ)
7-3 Arenaria serpyllifolia L. var. viscida (Loisel.) DC.  ネバリノミノツヅリ
 全体に腺毛がある変種。腺毛のないものとあるものが混生することもあり、近年、在来種と帰化したものとが混生するのではないかといわれている。

 8  その他ハイブリッド
品種) Arenaria 'Wallowa Mountain'(オレゴン州のWallowa Mountainで発見されたdesert moss 。) , 'The Pearl'


 オオヤマフスマ属

 種子の付属体として種枕を持つものをオオヤマフスマ属 Moehringiaとして分ける。

  Family: Caryophyllaceae  -genus Moehringia

 1年草又は多年草。直根は細く、根茎は細く、又は無い。茎は平伏又は斜上~直立し、単純又は分枝し、円柱形又は角(かど)がある。葉は合着せず、葉柄は有又は無、花茎の基部又は基部付近で密集しない。葉身は1~3(~7)脈があり、披針形~楕円形~卵形~広卵形、多肉ではなく、先は鋭形~鈍形。花序は頂生又は腋生、開いた集散花序又は花が単生、苞は対につき、葉状又は小さくほとんど薄膜質。花柄は直立又は果時に反り返る。花被と雄しべ群は弱く子房周位。花托筒は小さく円盤形。咢片は(4~)5個、離生、緑色、卵形~倒卵形、長さ 1.7~6㎜、草質、縁は白色、薄膜質、先は鈍形~鋭形~尖鋭形、フードは無い。花弁は(4~)5個、白色、爪部は無く、花弁の先は全縁。蜜腺は肉質の裂片で咢片に対生して花糸の基部につき、花糸の幅の約3倍あり、基部の円盤に下部が合着する。雄しべは10個、たまに8個、蜜腺のある花盤から生じる。花糸は離生、仮雄しべは無い。花柱は3個、糸状長さ1.5~1.8㎜、下部は無毛。柱頭は3個、線形、花柱の内面に沿って微細なパピラがある (30×)。蒴果は広卵形~類球形、6個の後ろ巻きの歯から裂開し、果柄(carpophore )は無い。種子は2~6個、赤褐色~帯黒色、楕円形~腎形、側面が扁平、光沢があり、平滑~微細ないぼがあり、縁に翼は無く、付属体は白色、±楕円形、スポンジ状。x=12。
 世界に約25種あり、北半球の温帯の北アメッリカ、ヨーロッパ、アジアに分布する。


 オオヤマフスマ属の主な種

 9  Moehringia lateriflora (Linnaeus) Fenzl  オオヤマフスマ 大山衾
    synonym  Arenaria lateriflora L.
    synonym  Arenaria lateriflora var. angustifolia H. St. John
    synonym  Arenaria lateriflora var. taylorae H. St. John
    synonym  Arenaria lateriflora var. tenuicaulis Blankinship
 北半球の温帯に広く分布する。日本では北海道~九州の温帯域に分布。山地の草原や道端に生える。英名はGrove or blunt-leaf sandwort。別名はヒメタガソデソウ、種子のへそ部に広い膜質の種枕がつくため。
 多年草。根茎は地下を横に広がる。茎は斜上~傾伏し、高さ5~20(~30)㎝、円柱形、細く、下向きの毛が生え、上部で分枝する。葉は対生し、無柄~ほぼ無柄。葉柄は長さ0.1~1㎜。葉身は広楕円形~長円状楕円形~倒披針形、長さ 6~30(~35)㎜×幅 (2~)5~10(~17) ㎜、1~3脈があり、縁は粒状~微細な鋸歯状縁毛があり、先は鈍形~鋭形。花序は花が1~3(~5)個つき、頂生又は腋生。苞は長さ1~3 ㎜、縁が薄膜質。花柄は直立、長さ3~30㎜。花は白色、直径約1㎝。萼片は5個、中脈は上に毛があり、竜骨状ではなく、卵形~倒卵形、草質の部分は長円形~楕円形、長さ1.7~2.8(~3)㎜、縁は狭く、先はほとんど鈍形又は円形。 花弁は5個、白色、長さ3~6㎜、咢片の長さの約2倍。雄しべは10個。雌しべは1個、花柱は3個。子房上位。(両性花と雌花があり、雌花では雄しべが仮雄しべになる。)蒴果は類球形~広卵形、長さ3~5.5㎜、先が3裂し、咢片の長さの1.5~2倍。種子は腎形、長さ約1㎜、平滑、光沢のある黒色、へその部分に広い膜質の種枕がつく。 2n=48。 花期は6~8月。
 10  Moehringia trinervia (Linnaeus) Clairville  タチハコベ 立繁縷
    synonym  Arenaria trinervia L. 
 日本、中国、台湾、ロシア、カザフスタン、西アジア、ヨーロッパに分布する。日本では北海道(中部以南)、本州(北部)、四国、九州に分布する。かなり稀な種で、絶滅危惧II類(VU)。北アメリカに帰化している。
 タチハコベ.はオオヤマフスマに比して毛が多く、茎が分枝し、下部の葉に葉柄があり、花弁は萼片より短く、目だたない
 1年草。茎は直立~斜上し、高さ10~40㎝、有毛、基部で分枝する。下部の葉は葉柄があり、上部の葉は類無柄。葉身は卵形~広卵形、長さ1~2.5㎝×幅 5~2㎜、3脈があり、両面とも軟毛があり、縁毛があり、基部は楔形、先は鋭形。花は単生、腋生又は頂生の集散花序につく。花柄は長さ5~25㎜、細く、有毛。咢片は4又は5個、披針形、長さ3~4(~5)㎜,、硬い毛があり、1脈があり、縁は広い薄膜質、先は尖鋭形。花弁は4又は5個、ときに減り、倒卵状長円形、咢片の長さの1/3~1/2。雄しべは8~10個、花弁より短い。蒴果は長さ2.5~3㎜、先の葉が反曲する。種子は黒色球形、光沢があり、小さなギザギザのある種枕をもつ。花期は 5~6月。果期は6~7月。2n = 24。


 参考

1) Flora of China
  Arenaria
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=102519
2) Flora of North America
 Arenaria
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=102519
3) Flora of Pakistan
 Arenaria
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=102519
4) GRIN
 Arenaria
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=939
5) Global Plants on JSTOR
 Arenaria laricifolia L. [
  https://plants.jstor.org/compilation/Arenaria.laricifolia
 Moehringia lateriflora
  https://plants.jstor.org/compilation/Moehringia.lateriflora
6) Flora de Galicia
 Arenaria montana subsp. montana L.
 https://floradegalicia.wordpress.com/2018/07/13/arenaria-montana-subsp-montana/
7) Floraiberica
 Arenaria
 http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/02_049_14_Arenaria.pdf
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