ミヤコイバラ  都茨
[学名] Rosa paniculigera (Koidz.) Makino ex Momiy.
バラ科 Rosaceae  バラ属
三河の植物観察
ミヤコイバラ花序
ミヤコイバラ花柱の毛
ミヤコイバラ萼片
ミヤコイバラ萼片の内面
ミヤコイバラ花柄
ミヤコイバラ刺
ミヤコイバラ刺2
ミヤコイバラ托葉
ミヤコイバラ偽果
ミヤコイバラ
ミヤコイバラの花
ミヤコイバラの葉表2
ミヤコイバラの葉表
ミヤコイバラの葉裏
 ノイバラより花期がやや遅く、テリハノイバラやアズマイバラと同時期に開花する。バラ属は変異が多く、地域的に分類されているものが多い。容易に交雑するため、分類が困難である。葉が厚く、葉裏がほとんど白色にならないものはテリハノイバラとの交雑種の可能性もあるが、簡単には判別できない。三河地域にはミヤコイバラも多く、湿った場所にも見られる。葉形に変異があり、アズマイバラの見られる地域に近いところでは判別が難しいものもある。
 幹は直立し、他のものに寄りかかって伸び、刺は鉤形、枝は長くなると垂れ下がり、枝には大きな鉤形の刺の他に小さな刺があり、普通、腺毛が多い(花柄に腺毛が多いが、枝に小刺が見られないものも多い)。葉は互生し、長さ5~12㎝の奇数羽状複葉、小葉が2~4対つき、頂小葉は側小葉とほぼ同大~枝先の葉ではやや大きいものがある。葉の質はやや厚いものもあり、薄いものもある。小葉は長さ2~3㎝の倒卵状楕円形~長楕円形、両面とも無毛、頂小葉の先は尖り、まれに長く尖るものもある。側小葉の先は鈍形~円形。葉軸には小さな刺と腺毛がある。葉表はやや光沢があり、葉の裏面は白色を帯び、白色をほとんど帯びないものも見られる(交雑の可能性もある)。葉軸には小さな刺と腺毛がある。托葉は葉柄に合着し、合着部分の幅が普通、狭く(やや幅広のものもよく見られる)、上部の裂片は披針形、縁に腺毛があり、腺毛の量は多いものや少ないものがある。枝先の円錐花序に花が多数つき、花が少ないときは散房状。花序軸や花柄には普通、腺毛があり、ときに無いものもある。花は直径2~3㎝。雄しべは多数。花柱は合着し、有毛。萼片は5個、内面と縁に綿毛があり、縁に腺毛があり、腺毛の多いものは外面にも腺毛がある。小裂片があることもある。萼縁の腺毛は蕾が開き始めないと見えないことも多い。偽果は直径6~7㎜、赤色に熟す。
 テリハノイバラ Rosa luciae はミヤコイバラと同時期に開花する。茎が地を這って伸び、鉤形の刺がある。葉は互生し、頂小葉と側小葉はほぼ同大。小葉は両面とも無毛、革質で、光沢があり、葉裏は淡緑色、あまり白くならない。ほぼ円頭、ときに鋭頭、鋭く粗い鋸歯がある。托葉はやや厚みがあり、幅が広く、上部の裂片は三角形状、縁は鋸歯状、鋸歯の先に腺がある。萼片は内面に短毛が密生し、縁に毛が見え、先端に腺がある小裂片があり、腺毛はあってもわずか。花はやや大きく、直径3~3.5(4.5)㎝。花柄は無毛、腺毛はない。花弁5個。雄しべは多数。花柱は合着し、有毛。偽果は直径6~8㎜の卵球形、赤色に熟す。
 ミヤコテリハノイバラ Rosa x momiyamae テリハノイバラとミヤコイバラの交雑種。
 アズマイバラ(ヤマテリハノイバラ、オオフジイバラ)Rosa onoei var. oligantha は本州の豊川市以北に分布し、東三河地域が南限であり、愛知県寄りの静岡県にも多い。ミヤコイバラと同時期に開花する。全体はミヤコイバラに似て、茎が直立又は斜上し、テリハノイバラのように地上を這うことは少ない。小葉はテリハノイバラほどではないが、やや厚く、葉表にやや光沢がある。葉裏は淡緑色~やや白色を帯びる。小葉が鋭尖頭、頂小葉が側小葉より大きい。ただし、葉形には変化がある。托葉はミヤコイバラに似て、幅が狭い。萼片は縁や内面に毛があり、小裂片もあるが、腺毛はほとんどつかない。花は直径2~3㎝。花柄には腺毛はない。
 モリイバラ Rosa onoei Makino var. hakonensis (Franch. et Sav.) H.Ohba は本州(関東地方以西)、四国、九州に分布し、生育地が標高のより高い所にある。枝に長さ3~7㎜の真っすぐな刺がある。葉は質が薄く、頂小葉がやや側小葉より大きく、楕円形~広卵形、両面、葉軸とも無毛、葉裏が明瞭に白色を帯びる。花は直径約2.5㎝、1(~3)個ずつつき、小花柄が長く、腺毛が密生する。萼片は内面全体に綿毛があり、縁に綿毛と腺毛がある。花は直径約2.5㎝。
[花期] 6~7月
[樹高] 0.5~1m
[生活型] 落葉低木
[生育場所] 低山、丘陵地
[分布] 在来種(日本固有種) 本州(新潟県、長野県、静岡県以西)、四国、九州
[撮影] 豊川市  09.6.3
豊川市  15.5.31(09年より開花が早い)
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