コバギボウシ 小葉擬宝珠

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Flora of Mikawa

キジカクシ科 Asparagaceae ギボウシ属

学 名 Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram

 synonym Hosta albomarginata (Hook.) Ohwi フクリンギボウシ

 synonym Hosta atropurpurea Nakai クロバナギボウシ

 synonym Hosta campanulata Araki ツリガネギボウシ

 synonym Hosta calliantha Araki フジギボウシ

 synonym Hosta clavata F.Maek. コギボウシ

 synonym Hosta decorata L.H.Bailey オタフクギボウシ

 synonym Hosta okamii F.Maek. ムラサメギボウシ

 synonym Hosta opipara F.Maek ニシキギボウシ

 synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram f. polycarpellata (F.Maek.) H.Hara ヤツブサギボウシ

 synonym Hosta rectifolia Nakai タチギボウシ

 synonym Hosta rohdeifolia F. Maekawa オモトギボウシ

 synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii  コバギボウシ 狭義

コバギボウシの花
コバギボウシの雌しべ
コバギボウシの葉
コバギボウシ
花 期 7~8月
高 さ 40~50㎝
生活型 多年草
生育場所 湿生~中生の草地、疎林内
分 布 在来種 日本全域、千島列島、サハリン
撮 影 額田町 03.9.20
コバギボウシはキジカクシ科ギボウシ属の多年草。和名の由来はつぼみが橋の欄干に付けられる擬宝珠(ギボシ)に似ていることから。キジカクシ科は旧分類のユリ科から分割された。
 多年草。高さ40~50㎝。根茎は短く匍匐する。葉は直立し、長い葉柄があり、葉身は長さ10~16㎝×幅5~8㎝の披針形~長楕円形、先は尖り、基部が漸尖形、急に狭まり、葉柄に沿下する。葉脈が上面で縦に窪み、はっきり見え、下面脈上の凹凸は細かいものから不明なものまである。花茎は直立する。苞は先が尖った狭い卵形、開花時でも開出せずボート形であり、緑色、花は稔性委、1日花。花の長さは4~5㎝。花被は内側の脈は著しく濃く着色し、濃淡が目立ち、花被片は6個、基部は合着し、合着部は透明線になる。透明線はほぼ花筒の全体に及ぶ。雄しべ6本、先が上向きに曲がる。雌しべは1本、長く、花被片の外に突き出し、上向きに曲がる。裂開前の葯は黄白色か又は紫色の斑点がある。蒴果は長さ約3㎝、熟すと3裂する。種子は黒色、長さ約9㎜、大きな翼がある。2n=60。花期は8月中旬~9月上旬(北方のものは7月)。
 コバギボウシは日本全域に分布し、多型で変異に富み、多数の変種や品種に分けられてきたが、変異が連続的であり、現在では下位分類は認められていない。大別すると北方のものは大型で、花、花茎、葉が大きくなり、苞の脈が紫に着色し、花被の外側の着色が細い筒部にまで及び、花期が7月と早くなる傾向がある。一方、西日本のものは小型で、苞の脈はあまり着色せず、花被の細い筒部の外側が白くなり、花期は8~9月上旬と遅くなる傾向がある。
 しかし、コバギボウシでは芽生えの葉形の発育変化に種内変異が見られる。北海道のものでは発芽後に狭卵形の第一葉が展開してから第二葉ないし第三葉を含めて未発達で、鱗片葉となり、次に本葉が展開するのに対し、西日本のものではこの鱗片葉はごくまれにしか生じないとの報告がある。
 多数の種に分類されていたが、統合され、変種なども認められていない。別名や園芸品種として使われている。
(1) Hosta albomarginata (Hook.) Ohwi フクリンギボウシ 覆輪擬宝珠
  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram f. sieboldii
  synonym Hosta albomarginata (Hook.) Ohwi f. albomarginata
 本州、四国、九州に分布。葉が斑入りであり、栽培されている。
 葉は斜めに開き、狭卵形、楕円形、または卵状楕円形、長さ10~16㎝×幅5~8㎝、先は鋭形~尖鋭形、基部は狭くなり鈍形、上面は光沢が鈍く、灰緑色、平らまたはわずかに波打ち、5~6脈がある。花茎は長さ約45㎝、緩く、鱗片が2~5個つく。総状花序は直立し、花が約30個つく。苞は長さ1.5~3㎝、緑色、狭卵形、尖鋭形。花は花時に開出し、後にうなずき、長さ約5㎝。小花柄は長さ約6㎜。花被は淡紫色。
(2) Hosta atropurpurea Nakai クロバナギボウシ 黒花擬宝珠

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. rectifolia (Nakai) H.Hara f. atropurpurea (Nakai) H.Hara [YList]

  synonym Hosta rectifolia Nakai var. atropurpurea (Nakai) Tatew. et Kawano ex Koji Ito

  synonym Hosta rectifolia Nakai subsp. atropurpurea (Nakai) Inagaki et Toyok.

 北海道に分布する。高山に生える。
 葉は葉柄があり、広披針形~卵状長円形、長さ5~20㎝、粉白を帯びる。花茎は長さ45~60㎝、鱗片は1個。総状花序は直立する。苞は披針形、帯紫色。花は濃紫色。
(3) Hosta campanulata Araki ツリガネギボウシ 釣鐘擬宝珠

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii f. campanulata (Araki) W.G.Schmid

 山麓の湿った場所に生える。
 多年草、根茎は長く、再生する。葉柄は長さ9~20㎝×幅3~8㎜、翼があり、草質、かすかに汚れた紫色の斑点があり、溝は十分に開いているかまたは深い。 葉身は狭長円形~倒披針状長円形、長さ8~15㎝×幅23~54㎜、先は鈍形で基部に向かって徐々に細くなり、草質、緑色、両側に3~4本の隆起した肋があり、平滑。花茎は直立し、長さ65~78㎝×幅2.5~5㎜、条線があり、基部は太く、少し汚れた紫色斑点がある。花茎の葉は2~5枚つき、無柄、苞状、倒卵形、先は鈍形、柔らかい革質、長さ35~15mm、真ん中より下が長くてしっかりし、上側はゆったりしている。花序は2番目の春に出て、総状花序、花が10~24個つく。若い苞は深い舟形、開いていない蕾(alabastrum)を覆い、楕円形で、先は鈍形、長さ15~20㎜、ほぼ革質、緑色、しおれまたはときに宿存する。小花柄は長さ5~10㎜。開いていない蕾(alabastrum)は点在し、こん棒形、長さ40~48㎜×幅10~11㎜、膨らんだ部分は楕円形、鈍形、または先が丸い。花は水平に開くか垂れ下がり、かなり稔性がある。花被は狭漏斗形で、半開き、長さ50㎜×幅36~43㎜、幅が広く、組織は厚くはないが薄くもなく、外側はかすかに紫色、特に細い筒部は色が非常に薄く、ほとんど白色または角(かど)に色が付き、内側は特に脈の部分が濃い紫色であり、拡張した脈の部分が白くなる。 細い筒部は長さ13~16㎜×幅3.5~4㎜、溝は6本、深く、筒部は次第にまたはほぼ急に広がり、鐘形、長さ18~21㎜×幅14~20㎜、半透明の線が完全に入る。拡大部は長さ17~19㎜、外花被片は長い卵形で、先が鋭形、内花被片は卵形で先が鈍形。雄しべは長さ48~53㎜、花被と等長。花糸は非常に短く、長さ1~2㎜、花被につく。葯は長さ4.5~5.1㎜×幅1.8~2㎜、外側は黄白色、内側は淡黄褐色。花粉粒は黄色。雌しべは長さ57~60㎜。花柱は長さ49~53㎜。子房は円筒状長円形で長さ6~7㎜×幅2.8~3㎜、。果実はほぼ3稜形で長円形、先はほぼ円形、長さ16~23㎜×幅6~8㎜。種子は長さ7~9㎜×幅約4㎜。花期は10月(Acta Phytotax. Geobot. 11: 325 (1942))。
(3)-1 Hosta campanulata var. parviflora Araki
 花が小さめの変種。
 花被はよく開き、長さ40~46㎜×幅41~47㎜、筒部は広がり長さ13~17㎜。雄しべは花被をわずかに超える。雌しべは長さ52~57㎜。花柱は長さ45~50㎜。
(4) Hosta calliantha Araki フジギボウシ
  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram [POWO]
 本州(丹波地方)に分布。山麓の湿った開けた場所に生える。
 根茎は細長い。 葉柄は翼のある草質で、長さ14~32㎝×幅5~8mm、上面には広い開いた溝がある。葉は長円形、先が鈍形、葉柄の基部に向かって非常に狭くなり、草質、緑色、長さ8~14㎝×幅2.5~5.5cm、下面は平滑、両側に側うねが3~4本隆起する。花茎は直立し、長さ50~78㎝×太さ2.5~5㎜、溝がある。花茎の葉は2~5個の無柄の苞状で、倒披針形、先はほぼ円形、抱茎の全体が柔らかい革質で長さ20~26㎜。花序は2回目の春に出る総状花序、花が7~19個つく。苞は蕾(Alabastra)では舟形、密に重なり、楕円形、先は鈍形または亜鋭形、ほぼ革質、緑色、しばらく宿存するが、その後しおれ、下部では長さ16~18㎜×幅7~8㎜。小花柄は長さ5~7㎜、苞よりも明らかに短い。開いてない蕾(Alabastra)はほぼこん棒形、長さ42~44㎜、膨れた部分は卵状楕円形で、先端はほぼ丸く、長さ約25㎜×幅約11㎜。花はほぼ下向きに曲がり、偏側生。花被は漏斗形でよく開き、長さ39~42㎜×幅38~42㎜、組織はかなり厚く、外側は紫色だが、細い筒部はほとんど白色で上部が紫色を帯び、内側は濃い紫色で、脈に沿ってより濃い色になるが、拡張した筒部分は脈間が白色になり、やや細めの筒部は6溝があり、長さ15~18㎜×幅3~3.5㎜、広い筒部が急に拡大し、鐘形になり、長さ11~14㎜×幅15~18mm、非常に明瞭な透明な線が特徴である。外花被片は楕円形で、先端は広い鋭形、幅7.9~9㎜。内花被片は卵形で先は鈍形、幅10~11.5㎜。花被から雄しべはわずかに突き出し、長さ43~44㎜。花糸上部は長さ1㎜、太い基部が非常に短く(長さ1~2㎜)花被に付着する。葯は長さ5~5.5㎜×幅1.9㎜、外側は白黄色、内側は汚れた黄色で、深紅色を帯びる。葯の中の花粉粒は多数、黄色。雌しべは長さ50~51㎜。花柱は長さ45㎜×幅1㎜以上。子房は円筒形~楕円形で長さ5.3~5.7㎜×幅2.5~3㎜。果実は鈍角の三角形で、狭倒披針形、先が丸く、長さ22~26㎜×幅6~7㎜。種子は長さ8~10㎜×幅3.5~4.5㎜。花期は8月中旬~9月1日。果期は11月。
(5) Hosta clavata F.Maek. コギボウシ 小擬宝珠

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. intermedia (Makino) H.Hara

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram [POWO]
 関東地方(東京都、埼玉県、神奈川県)に分布。山地に生える。別名はムサシノギボウシ(武蔵野擬宝珠)。
 中型。葉は披針形または長円状披針形、長さ7~11.5㎝×幅2.3~3.2㎝、先は鋭形、下部の縁は波打ち、基部はほぼ鋭形で葉柄に沿下し、上面は光沢が鈍く、脈は3~4対。花茎は長さ40~45㎝、直立し、細く、苞は緑色、先がするどい鋭形、ほぼ花期に退色する。小花柄はごく短く、曲がる。蕾はこん棒形(clavata)、鈍形。花は水平(花茎に対して直角)につき、長さ約4㎝×幅2.6~2.8㎝、白色~淡紫色または白色がかったチャイニーズバイオレット色(Chinese Violet)。筒の細い部分は長さ17㎜、白色または紫色を帯び、膨らんだ部分は長さ12~13㎜×幅16.5~18㎜の鐘状漏斗形、半透明の線はない。開いて曲がる裂片は膨れ、ほぼ水平、長さ14㎜、外側の裂片は長円形、内側の裂片は楕円形で、鈍形またはほぼ鈍形。雄しべは花冠と同高、長さ4.3~4.5㎝。葯は縁が帯黄色。雌しべは長さ約5cm。(J. Jap. Bot. 14(1): p45-49(1938))
(6) Hosta decorata L.H.Bailey オタフクギボウシ 御多福擬宝珠
  synonym Hosta 'Decorata'
 日本産の栽培種。信州山地~北陸に自生するともいわれるが、日本に自生が確認されていない。
 コバギボウシの丸葉形、中型中型サイズ、約・高さ37.5㎝×幅60㎝。葉はしゃもじ形、濃緑色で、クリーム色の白い縁に斑点があり、灰色の縞模様が入り、軽く折り畳まれ、わずかに波形で、軽く波形になっています。上面はわずかに光沢があり、下面は非常に光沢がある。7~8月にかけて縞模様の濃い紫色の鐘形の花を咲かせ、その後に稔性の種子ができる。
品種) 尾瀬丸葉 , '尾瀬丸葉白花'

(6)-1 Hosta decorata L.H.Bailey f. normalis Stearn ミドリオタフクギボウシ 緑御多福擬宝珠
品種) うずの舞

(7) Hosta okamii F.Maek. ムラサメギボウシ 村雨擬宝珠

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii f. okamii (F.Maek.) H.Hara

 本州(近畿地方)、四国に分布。
 葉はやや厚く、斜めに広がり、葉柄がある。葉身は披針形~長円状披針形、長さ7~10㎝×幅22~28㎜、鋭形、廃れた腺点があり、基部は楔形で葉柄に沿下し、ときに波打つ縁以外は平ら、やや光沢がある。花茎は長さ約50㎝、細く、円柱形、緑色。総状花序は緩く、片側に花が約12個つく。苞は薄い膜質、卵形、舟形、長さ7~12㎜、半透明、開柄した小花柄の長さと等しいかまたはやや長い。外花被片は開き、狭い楕円形、長さ約16.5㎜。雄しべは長く突き出る。
(8) Hosta opipara F.Maek ニシキギボウシ 錦擬宝珠
  synonym Hosta 'Opipara'
 本州で栽培されている。
 葉は水平に広がり、平ら、長い葉柄があり、葉身は楕円形または卵状楕円形、わずかに波打ち、先は尖鋭形、基部は急に狭くなり、長さ13~18㎝×幅7~12㎝、約9脈があり、縁は帯白色または帯黄色。花茎は長さ約80㎝、直立する。苞は広卵形~卵状楕円形、長さ9~15㎜、鋭形。花は長さ約4㎝、帯紫色。

(9) Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram f. polycarpellata (F.Maek.) H.Hara ヤツブサギボウシ

  synonym Hosta lancifolia var. Thunbergii f. polycarpellata F. Maekawa in J. J. Bot. 20: 28 in adnota, f. 4 & 5 (1944).

 日光山中で自生していたものであり、偶然生じた奇形品であったが、その固定性が強い。コバギボウシの品種としているが全体が頑丈であり、葉柄と花茎の下部に紫色の斑点がある。花期は8月下旬(東京)であるが、花冠の開くものは、稀である。この点は朝鮮のツボミギボウシに似ている。雄しべがほとんど全部雌しべ化していることが原因であると考えられる。花冠は淡紫色で、その着色形式はスジギボウシに似ている。このことはスジギボウシ系統由来を暗示する。細筒部は太くて基部が嚢状に顕著に膨れる。しばしば夜間に開花して芳香がある。花冠の広筒部の透明線は顕著。弁部は長くて筒部の長さを超える。
 植物は丈夫で、花被は透明ではなく、色がつき、細い筒部は長さ8~12㎜×幅4.5~5.5㎜、基部は太い嚢状、筒部は短く広がり、長さ9~11㎜、狭い漏斗形、明確な半透明の線がある。花被片は長く、明るい白色(alabaster)の三角形、色はスジギボウシ(H. undulata)に似ている。雄しべが全部または大部分が心皮に変形して斜めに配置されていることでよく区別できる。
(10) Hosta rectifolia Nakai タチギボウシ 立擬宝珠

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. rectifolia (Nakai) H.Hara [YList]

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram [POWO]

  synonym Hosta rectifolia Nakai var. australis F.Maek. ex W.G.Schmid

  synonym Hosta rectifolia Nakai var. sachalinensis (Koidz.) F.Maek.

 北海道、本州の中部~北部、千島列島、サハリン、ロシアに分布する。POWOではHosta sieboldiiのsynonymとしている。
 前川(1940,1969)は,花被細筒部と広筒部との長さの比を重視し,細筒部が広筒部より短いものをタチギボウシH.rectifoliaとしてコバギボウシと区別している。
 葉は堅く、長い葉柄があり、葉身は長円状披針形、長さ17~20㎝×幅6~7㎝、わずかに波打ち、脈が7対あり、先は鋭形、灰緑色、下部は葉柄に沿下する。花茎は長さ約80㎝、苞は緩くつく。花はわずかにうなずき、長さ3.7~5㎝、帯白色。外花被片は卵形、先はほぼ鋭形、幅約12㎜。小花柄は長さ9~12㎜。苞は楕円形、ほぼ鋭形、緑色、帯紫色の条線がある。雄しべは花被より短い。葯は帯白色。2n=60。

(10)-1 Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. rectifolia (Nakai) H.Hara f. albiflora (Tatew.) H.Hara シロバナタチギボウシ

(10)-2 Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. rectifolia (Nakai) H.Hara f. leucantha (Koji Ito) H.Hara シロバナヤチギボウシ

(10)-3 Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. rectifolia (Nakai) H.Hara f. pruinosa (F.Maek.) H.Hara トノコタチギボウシ

  synonym Hosta rectifolia Nakai f. pruinosa F.Maek.

(10)-4 Hosta rectifolia var. chionea F. Maekawa ギンブチタチギボウシ 銀縁立擬宝珠

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. rectifolia (Nakai) H.Hara 'Chionea' [YList]

 本州(陸奥、弘前地方)で栽培されたタチギボウシの白覆輪。春時の形態はフクリンオハツギボウシと見違えるほど似ている。夏の暑熱に弱く、大抵は枯れて、秋に葉が出ることが多い。  春の葉は長い葉柄があり、縁が白色、披針形または長円状披針形、先は長い尖鋭形、葉身はやや縦に巻き、夏に枯れる。秋の葉は、卵形、楕円形、または長円形、先は鈍形、長さ9~15㎝×幅4~5㎝、長い葉柄があり、基部は狭まり沿下し、縁は銀色、基本種より質が薄く、両側に5脈がある。葉柄は長さ16~20㎝、平らで白色の縁取りがある(J. J. B. 14:p45 1938)。
(11) Hosta rohdeifolia F. Maekawa オモトギボウシ 万年青擬宝珠
  synonym Hosta 'Rohdeifolia'
 本州西部で栽培されている。
 葉は披針形~長円状披針形、長さ7~11㎝×幅2~3㎝、緑色~帯黄色、上面はわずかに光沢があり、平らで、5~6対の脈があり、縁はわずかに内巻き、下部は狭くなる。花茎は長く突き出し、長さ75~120㎝、直立し、鱗片は5~6個つく。苞は卵形、ほぼ鈍形、舟形、縁が黄白色、抱茎、長さ1.5~3㎝。花はうなずき、長さ約4.5㎝、淡紫色で紫色の条線がある。小花柄は下部で急に曲がる。近畿地方で葉が緑色のものが自然発生する(form. viridis F.Maekawa)。

(12) Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii  コバギボウシ 小葉擬宝珠 狭義

  synonym Hosta rohdeifolia F.Maek. f. viridis F.Maek.
  synonym Hosta albomarginata (Hook.) Ohwi 
  synonym Hosta calliantha Araki 

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram f. lancifolia auct. non (Miq.) H.Hara

  synonym Hosta helonioides F.Maek. 
  synonym Hosta ibukiensis Araki 
  synonym Hosta lancifolia auct. non (Miq.) Engl. 
  synonym Hosta tokudama f. flavoplanata F.Maek.

  synonym Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii f. spathulata (Miq.) W.G.Schmid

(12)-1Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram var. sieboldii f. alba (Rob.) H.Hara シロバナコバギボウシ 白花小葉擬宝珠

 白花品種。
(13) その他園芸品種
品種) 'Chodai-Ginba' 長大銀葉 , 'Kabitan' カビタンギボウシ , 'Kifukurin' キフクリンギボウシ , 'Mediopicta' キスジギボウシ , 'Subchrocea' シロカビタンギボウシ=H. albomarginata f. subochrocea , 'コマメ' , '文鳥香' , '渦の舞'

 ミズギボウシは葉の幅が狭く、線状披針形。