カツラ 桂

mark

Flora of Mikawa

カツラ科 Cercidiphyllaceae カツラ属

別 名 トワダカツラ
中国名 连香树 lian xiang shu
英 名 katsura-tree
学 名 Cercidiphyllum japonicum Siebold et Zucc. ex Hoffm. et Schult.
カツラの花
カツラの葉2
カツラの果実
カツラ裂開した果実
カツラの枝
カツラの若木の幹
カツラの幹
カツラ
カツラの黄葉
カツラの花時
カツラの葉
カツラ種子
花 期 4~5月
高 さ 10~30m
生活型 落葉高木
生育場所 山地の谷沿い
分 布 在来種 北海道、本州、四国、九州、中国
撮 影 豊橋市  13.12.04(果実)
       18.04.03(花)
山地の湿った谷沿いなどに自生が多いが、神社などに植栽されているものも多い。日本各地に巨木が残っており、樹高が30mを超え、天然記念物に指定されているものも多い。中でも兵庫県の糸井の大カツラは樹齢2000年と推定されている。古くなると周囲に孫生えが出て太くなり、主幹が空洞になっても枯れない。山形県にある権現山の大カツラと地蔵鞍の大カツラは全周が約20mもある。
 落葉高木、高さ10~30m。樹幹は直立する。幹は暗灰褐色、樹皮は縦に浅い割れ目が入り、老木では薄く剥がれる。枝は赤褐色~褐色、丸い皮目がある。短枝と長枝の葉の形が異なる。短枝では葉が1個つき、葉柄が長さ1.4~4.7㎝、葉身が長さ3.7~9㎝、幅5~8.3㎝の卵形~腎形、先が円く、基部は心形、円鋸歯縁。長枝では対生し、葉柄が長さ1.5~2㎝、葉身が長さ3.2~4.5㎝、幅1.9~3.2㎝の卵形~倒卵形~披針形、先が尖り、基部は心形~切形、鋸歯縁。葉の両面とも無毛、葉裏は粉白色を帯びる。雌雄異株。葉が展開する前に開花する。花は対生してつき、花弁、萼片がなく、基部に膜質の苞がある。雄花は雄しべが垂れ下がり、葯が長さ3~4㎜、紅紫色、花糸は長さ5~6㎜、白色。雌花は雌しべが3~5個、柱頭が紅紫色。果実は長さ10~18㎜、幅2~3㎜の円柱形の袋果が雌しべの数だけ集まってつき、黒紫色に熟し、先から2裂する。種子は扁平、片側に翼があり、長さは翼を含めて4~5㎜。2n=38。花期は4~5月。
 フサザクラも花弁や萼がなく、雄しべが垂れ下がって花がよく似ている。両性花であり、花は対生してつかない。葉の先が尾状に尖り、基部は円形、鋸歯が粗い。果実は翼果。

カツラ属

  family Cercidiphyllaceae - genus Cercidiphyllum

 落葉高木。幹は1本又は数本。長枝と短枝の別があり、長枝には葉が対生し、短枝には葉が1個だけつく。葉柄があり、葉身は円形(ヒロハカツラ)又は卵形~腎形(カツラ)、基部は深い心形(ヒロハカツラ)又は心形~切形(カツラ)、縁は円鋸歯、先は円形又は鈍形。花は雌雄別株。花には花弁、咢片が無い。雄花は雄しべ8~13個、花糸は細い。雌花は雌しべが3~5(8)個。果実は袋果、熟すと裂開する。種子は翼を含めて長さ5~7㎜、翼はカツラでは1端、ヒロハカツラでは両端にある。
 世界に2種あり、日本、中国に分布する。

カツラ属の種と園芸品種

1 Cercidiphyllum japonicum Siebold et Zucc. ex Hoffm. et Schult. カツラ 桂

 日本、中国原産。中国名は连香树 lian xiang shu。英名はkatsura-tree。山地の谷沿いに生える。
 落葉高木、高さ10~30m。樹幹は直立する。幹は暗灰褐色、樹皮は縦に浅い割れ目が入り、老木では薄く剥がれる。枝は赤褐色~褐色、丸い皮目がある。短枝と長枝の葉の形が異なる。短枝では葉が1個つき、葉柄が長さ1.4~4.7㎝、葉身が長さ3.7~9㎝、幅5~8.3㎝の卵形~腎形、先が円く、基部は心形、円鋸歯縁。長枝では対生し、葉柄が長さ1.5~2㎝、葉身が長さ3.2~4.5㎝、幅1.9~3.2㎝の卵形~倒卵形~披針形、先が尖り、基部は心形~切形、鋸歯縁。葉の両面とも無毛、葉裏は粉白色を帯びる。雌雄異株。葉が展開する前に開花する。花は対生してつき、花弁、萼片がなく、基部に膜質の苞がある。雄花は雄しべが垂れ下がり、葯が長さ3~4㎜、紅紫色、花糸は長さ5~6㎜、白色。雌花は雌しべが3~5個、柱頭が紅紫色。果実は長さ10~18㎜、幅2~3㎜の円柱形の袋果が雌しべの数だけ集まってつき、黒紫色に熟し、先から2裂する。種子は扁平、片側に翼があり、長さは翼を含めて4~5㎜。2n=38。花期は4~5月。
品種)'Boyd's Dwarf' , 'Chameleon' (v) , Glowball = 'Jww4' (PBR) , 'Herkenrode Dwarf' , 'Heronswood Globe' , 'Jww3' (PBR) , 'Jww4' (PBR) , 'Kreukenberg Dwarf' , 'Morioka Weeping' , 'Peach' , 'Raspberry' , Red Fox , 'Rotfuchs' , 'Ruby' , 'Strawberry' , 'Tidal Wave' , 'Titania' , Weeping Group

1-1 Cercidiphyllum japonicum Siebold et Zucc. ex Hoffm. et Schult. f. pendulum(Miyoshi ex Makino et Nemoto) Ohwi シダレカツラ 枝垂桂

  synonym Cercidiphyllum magnificum (Nakai) Nakai f. pendulum (Miyoshi ex Makino et Nemoto) Spongberg

 多数の枝が箒状に斜上し、先が垂れ下がる。
品種) 'Amazing Grace'

2 Cercidiphyllum magnificum (Nakai) Nakai ヒロハカツラ 広葉桂

  synonym Cercidiphyllum japonicum Siebold et Zucc. ex Hoffm. et Schult. var. magnificum Nakai

 本州(中部地方以北)原産。英名はlarge-leaf katsura。亜高山の渓谷沿いの湿性地に生える。
 落葉高木、低木状になるものが多く、高さ5~15m。幹は1本又はひこばえが生え、数本、株立ちする。樹皮は黒褐色、横長の楕円形の皮目が多い。割れ目は入らない。葉は長枝では対生、短枝では1個つく。葉柄は長さ1.5~4㎝。葉身は円形、幅5~10㎝、基部は深い心形、縁は明瞭な波状の円鋸歯、先は円形、下面はやや粉白を帯びる。雌雄別株。葉の展開と同時に開花。花は花弁、萼片がなく、基部に数個の膜質の苞がある。雄花の葯は長さ3~4㎜、黄緑色、赤味はわずか。飯花の柱頭は黄緑色。袋果は円柱形、長さ約2㎝、先が曲がり、黒紫色に熟すと裂開する。種子は長さ6~7㎜、両端に長い翼がある。花期は4~5月。
品種) 'Pendula'

参考

1) Flora of China
 Cercidiphyllum japonicum
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200007098
2) 樹に咲く花
 カツラ科
 カツラ、ヒロハカツラ
3) GRIN
 Cercidiphyllum
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomylist.aspx?category=species&type=genus&value=Cercidiphyllum&id=2314
4) Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Cercidiphyllum japonicum
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?kempercode=j710