カンガレイ 寒枯藺

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Flora of Mikawa

カヤツリグサ科 Cyperaceae ホソガタホタルイ属

英 名 ricefield bulrush, bog bulrush
中国名 水毛花 shui mao hua
学 名

 synonym Schoenoplectiella triangulata (Roxb.) J.Jung & H.K.Choi var. triangulata

 synonym Schoenoplectiella triangulata (Roxb.) J.Jung & H.K.Choi 広義

 synonym Eleocharis triangulata (Roxb.) Sieber ex C.Presl

 synonym Schoenoplectus triangulatus (Roxb.) Soják

 synonym Scirpus triangulatus Roxb.

 synonym Schoenoplectus mucronatus (L.) Palla subsp. robustus (Miq.) T.Koyama

カンガレイ花序
カンガレイ花序2
カンガレイ果実
カンガレイ
カンガレイ小穂
花 期 5~11月
高 さ 45~130㎝
生活型 多年草
生育場所 池や湖の縁、沼地、小川の岸辺、水田
分 布 在来種  日本全土、韓国、中国(満州)、台湾、ロシア、インド、パキスタン、スリランカ、バングラディシュ、インドネシア、マレーシア原産
撮 影 豊橋市佐藤町 長三池 03.7.20
カンガレイはヒメカンガレイ(Schoenoplectiella mucronata)とよく似ていて、同種とする見解もある。ヒメカンガレイはカンガレイに比し小型で、稈は高さ40~100cm×太さ2~5mm、面は少し凹む。頭状花序に小穂は3~13(~15)個つく。葯長、小穂の鱗片長、花被片の痩果に対する相対長により判別できる(参考12)。
 カンガレイはカンガレイ(var. triangulata)とリュウキュウカンガレイ(var. brevibracteata)の2変種に分類されている。
 多年草、大株になり、群生する。根茎は短い。稈は濃緑色、わずかに密に叢生し、高さ45~130㎝×太さ5~11㎜、鋭い3稜があり、浅いく凹面をもち、基部は2~4個の葉鞘で被われる。葉鞘は褐色、長さ7~25㎝、膜質~草質、口部は斜めの切形。苞は1個、稈状、直立又は斜めに曲がり、長さ2~10㎝、花序は偽側生の半球形の頭状花序、小穂を(3~)5~20個もつ。小穂は褐緑色、卵形~長円状卵形~狭卵形、長さ10~20㎜× 幅4~6㎜、円柱形、花が密に多数つき、先は類鋭形。苞穎(鱗片)は淡緑色で縁が褐色、赤褐色、紫褐色を帯び、広倒卵形~卵形~広卵形、長さ3.8~5(3.5~6)㎜×幅2.5~3㎜、強く凹面、紙質、縁の先に微細な縁毛があり、先には緑色の1~3脈をもち、肋は突き出し、微突になる。苞穎(鱗片)の間から、先に柱頭が出て、後に葯が出てくる。刺針状花被片は6本、小堅果の長さの1.5~2倍(0.88~1.94倍)、後ろ向き[または前向き]のザラつきがある。雄しべは3本。葯は線形、長さ約2.5(1.7~3.8)㎜。葯隔の先はわずかに明白に葯を超える。花柱は長さ約4㎜。花柱は常に3岐。小堅果(痩果)は熟すと黒褐色、倒卵形~広倒卵形、長さ2~2.5㎜×幅1.5~2㎜、扁平な3稜形、明瞭又は不明瞭な横の小しわがあり、±光沢があり、基部は収縮~楔形、先は丸く~微倒形。花期と果期は5~11月。2n=44。(Flora of China:Schoenoplectus mucronatus subsp. robustus )。2n=42(参考14)
 リュウキュウカンガレイ(var. brevibracteata)は日本(沖縄)に分布。小型で、稈は高さ10~30㎝×直径2~2.5㎜。頭状花序は小穂が1~4個つく。
 イヌヒメカンガレイ(S. mucronata var. antrorsispinulosa)は岡山県に分布。花被の剛毛には前向きの小刺がある。Kewscienceではカンガレイに含められた。
 ヒメカンガレイ(Schoenoplectiella mucronata)は小穂が長さ6~15㎜とやや小さく、葯長0.9~1.7㎜、小穂の鱗片長2.2~3.8㎜、 花被片の小堅果に対する相対長0.75~1.40。
 ハタベカンガレイ(Schoenoplectiella gemmifera)は小堅果が両凸レンズ形、柱頭は2個、花被の剛毛は6~7本。
 サンカクイ(Schoenoplectus triqueter)は小穂の数が少なめで、花柄がある。