ヒナタイノコズチ 日向猪子槌

mark

Flora of Mikawa

ヒユ科 Amaranthaceae イノコズチ属

中国名 和牛膝 he niu xi
学 名 Achyranthes bidentata Blume var. fauriei (H.Lev. et Vaniot)
 synonym Achyranthes fauriei H. Leveille et Vaniot

 synonym Achyranthes bidentata Blume var. tomentosa (Honda) H.Hara

 synonym Achyranthes bidentata Blume 広義
ヒナタイノコズチ花序
ヒナタイノコズチ花
ヒナタイノコズチの果穂
ヒナタイノコズチ胞果と種子
ヒナタイノコズチの茎
ヒナタイノコズチ
ヒナタイノコズチの小苞
ヒナタイノコズチ小苞の付属体
ヒナタイノコズチの葉
ヒナタイノコズチの葉の裏
花 期 8~9月
高 さ 50~100㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりのよい道端、荒地
分 布 在来種  本州(関東地方以西)、四国、九州
撮 影 幸田町  05.8.20
ヒナタイノコズチは日陰に生えるイノコズチ(ヒカゲイノコヅチ)に似ているが、日当たりのよい場所に多く、全体に毛が多い。中国には自生しない。学名は広義にAchyranthes bidentata Blumeとし、ヒナタイノコズチ、イノコズチ(ヒカゲイノコヅチ)、ヤナギイノコズチを区別しない見解もある。日本ではYlistに従いAchyranthes bidentata Blume var. fauriei (H.Lev. et Vaniot)とするのが一般的である。
 多年草。高さ50~100㎝。肥厚した太い根がある。茎の断面は四角形。葉は対生し、厚く、倒卵形~惰円形(卵状披針形~卵状楕円形)で、縁が波打ち捻じれることが多い。葉の両面に絹毛状の毛が多く、葉裏は白っぽく見える。花序がヒカゲイノコズチより短く、花がほぼ接して密につく。花は直径約6㎜。萼片は長さ5~5.5mm。花被片は5個、淡緑色。雄しべ5個の花糸間に淡黄色の薄い膜状の偽仮雄しべがあり、顕著に突出し、ほとんど全縁に近く、ときに花時に不整歯牙状になるが、後に全縁近くなる。雌しべ1個。果期には花軸は伸び、胞果は花被に包まれて下向きに圧着する。花被の外側に小苞が2個あり、小苞の腋に付属体がある。付属体は小さく、長さ0.3~0.5㎜(ヒカゲイノコヅチは長さ0.6~1㎜と明瞭)。萼片と小苞の長さの比は果時に5:3.5。胞果は熟しても裂開しない。3倍体2n=42。花期は8~9月。
 モンパイノコヅチ(オキナワイノコヅチ)var. bidentataは沖縄、朝鮮、中国、ロシア、インド、ネパール、ブータン、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、インドネシア、フィリピンに分布する。花被片に1脈がある。中国名は牛膝(niu xi)。2n= 42, 84
 イノコズチ(ヒカゲイノコヅチ) Achyranthes bidentata var. japonica は葉の毛がまばらで、葉が捻じれることがない。花序も長く、小苞の付属体が大きく、仮雄ずいが不明瞭。
 ヤナギイノコズチ Achyranthes longifolia はヤナギのように葉が細く、日陰に生える。小苞の付属体が小さい。