ヒメゴウソ 姫郷麻

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Flora of Mikawa

カヤツリグサ科 Cyperaceae スゲ属

別 名 アオゴウソ 青郷麻
中国名 镜子薹草 jing zi tai cao
学 名 Carex phacota Sprengel
 synonym Carex shichiseitensis Hayata.
ヒメゴウソの花穂
ヒメゴウソの雌小穂
ヒメゴウソの雌小穂
ヒメゴウソ果胞の乳頭状突起
ヒメゴウソ基部
ヒメゴウソ
ヒメゴウソ果胞
ヒメゴウソ果胞2
ヒメゴウソ葉表
ヒメゴウソ葉裏
花 期 5月
高 さ 20~60㎝
生活型 多年草
生育場所 湿地、湿った道端
分 布 在来種 日本全土、中国、ンド、ネパール、スリランカ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム
撮 影 長之山湿原  03.5.24
和名の由来はゴウソ(Carex maximowiczii Miq.)に似て小く、小穂が緑白色であることから。
 根茎は短い。稈は叢生し、高さ20~75㎝、断面は鋭角の三角形で、基部は黄褐色または暗黄褐色の鞘で覆われ、網状の繊維状に崩壊する。葉は稈とほぼ同長。葉身は線形、幅3~5㎜、平らで、縁は外巻きする。下部の苞葉は葉状で、花序をはるかに上回り、鞘がなく、上部の苞は剛状。小穂は3~5個、近接する。頂生の小穂は雄性、まれに頂部に数個の雌花を付け、狭い円筒形、長さ45~65㎜×幅1.5~2㎜、花序柄がある。 側小穂は雌性、まれに頂部に数個の雄花がつき、長い円筒形、長さ2.5~6.5㎜×幅3~4㎜、密に多数の花がつき、細くてわずかにザラつく花序柄があり、最下の花序柄は長さ2~3cm、垂れ下がる。雌鱗片は淡色、鉄さび色の斑点があり、長円形、長さ約2㎜(芒を除く)、緑色の3脈のある肋が先で突き出し、切形~凹形の先のザラつく芒になる。果胞は暗褐色、鱗片より長く、広卵形または楕円形、両凸形、長さ2.5~3㎜×幅約1.8㎜、密にパピラがあり、縁の2肋を除いて脈はなく、広凸形で、先は急に狭まり短い嘴になり、口部は全縁または凹形。小堅果は褐色、わずかに緩く包まれ、ほぼ球形または広卵形、長さ約1.5㎜、密にパピラがあり、花柱は長く、基部は太くない。柱頭は2岐。花期と果期は3~5月。
 果胞の脈の見え方などで2変種に分類されていたが、最近は分類しない。ヒメゴウソ(var. gracilispica)は全体に小型で上部の雌小穂の柄が短く、雌鱗片の芒が短く、果胞が小さく(長さ2.5~3㎜)、果胞の脈が見えるもの。ホナガヒメゴウソ(var. phacota)はやや大型で、雌鱗片が長く果胞より突き出し、果胞が長く(長さ3~3.5㎜)、果胞の脈が不明瞭なもの。
 色がよく似たタチスゲ(Carex maculata Boott)は果胞に脈があり、柱頭が3岐。