ハナイバナ  葉内花
[中国名] 柔弱斑种草 rou ruo ban zhong cao
[学名] Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce
Bothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch. et Mey.
ムラサキ科 Boraginaceae  ハナイバナ属
三河の植物観察
ハナイバナ淡青花
ハナイバナの白花
ハナイバナ果実
ハナイバナ茎
ハナイバナ葉裏の毛
ハナイバナ
ハナイバナの葉
ハナイバナ分果
 道端などに普通に見られる。和名は葉と葉の間に花がつくことから。茎には白色の圧毛が上向きに密生する。葉は互生し、長さ2~3㎝、幅1~2㎝の長楕円形、縁に長毛が生える。花はキュウリグサに似て、小さく、直径は約2~3㎜。花冠は5裂し、白色~淡青色。白に近いものが多い。萼は果期には長さ3~4㎜と長くなる。果実は4分果。分果は楕円形で、粒状突起がある。苞葉は葉と同じ形である。茎の上部の苞葉の葉腋に花がつく。
 キュウリグサは花序の下部の花2~3個に苞葉がつくだけであり、萼が果期に長くならない。
[花期] 3~11月
[草丈] 5~30㎝
[生活型] 1・2年草
[生育場所] 道端、畑地
[分布] 在来種 日本全土、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、パキスタン、ベトナム、アフガニスタン、タジキスタン、トルクメンスタン、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン
[撮影] 幸田町  09..9.6

 ハナイバナ属

  Family: Boraginaceae - tribe Gnaphalieae - genus Bothriospermum

 1年草又は2年草、剛毛や伏した短毛があり、毛の基部が円盤状になる。茎は直立又は平伏。葉は互生、卵形~倒卵形。集散花序には苞がある。花は花柄がある。咢が5深裂し、裂片は披針形、果時に大きくならず又はわずかに大きくなる。花冠は輻状(車形)、青色又は白色、筒部は短く、のど部に鱗片状の付属体が5個ある。花冠裂片は5個、蕾では重なり、先は鈍形。花糸は極めて短く、花冠筒部につき、突き出さない。葯は5個、卵形、鈍形。子房は4深裂、バルブは分離、各バルブは1個の倒生胚珠をもつ。花柱は短く、バルブを越えない。柱頭は頭状。花托(gynobase)は平ら。小堅果は4個、内側に円蓋状の毛状体(cupular emergence)をもち、丸い外側はいぼ状(tuberculate)であり、長楕円形~楕円形~円形の輪状の隙間(aperture)をもつ。隙間の縁は明瞭に厚くなり、全縁又はときに細かい歯があり、基部に付着痕がある。種子は普通、曲がらない。
 世界に約5種があり、アフガニスタン、中国、インド、インドネシア、日本、カザフスタン、朝鮮、キルギスタン、パキスタン、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナムに分布し、中国には5種ともある。

 ハナイバナ属の主な種と園芸種

 1  Bothriospermum chinense Bunge  ヒロハハナイバナ 広葉葉内花
 中国原産。中国名は斑种草 ban zhong cao
 1年草、まれに2年草、高さ20~30㎝、密に開出又は伏せた剛毛(hispid)がある。茎は数本、群生し、直立又は斜上、上部で分枝又は分枝しない。基部や下部の葉は長い葉柄があり、へら形又は倒披針形、普通、長さ3~6㎝×幅1~1.5㎝、粗毛又は伏した短毛があり、毛は基部が円盤状になり、葉の基部は漸尖し、縁は縮れ又は全縁、先は鈍形。中間や上部の葉は無柄、長楕円形~狭長楕円形、長さ1.5~2.5㎝×幅5~10㎜、基部は楔形~広楔形、先は鋭形。花序は長さ5~15㎝。苞は円形~狭卵形。花柄は長さ2~3㎜、果時に長くなる。咢は長さ2.5~4㎜、外側には開出する剛毛と伏した短毛がある。咢片は披針形、果時の咢は花後の拡大し、幅約8㎜。花冠は淡青色、長さ3.5~4㎜、のど部の付属体は不等辺四角形(trapeziform)、先がわずかに2裂し、拡大部は幅4~5㎜。花冠裂片は円形、幅約1㎜。雄しべは基部の約1㎜上につく。葯は卵形~長楕円形、長さ約0.7㎜。花柱は咢の長さの約1/2.。小堅果は腎形、長さ約2.5㎜、しわがあり、密にいぼがあり、隙間は横に楕円形。花期は4~6月。

 2  Bothriospermum kusnezowii Bunge  トウハナイバナ 唐葉内花
   synonym Bothriospermum decumbens Kitag.
 中国原産。中国名は狭苞斑种草 xia bao ban zhong cao。
 1年草、高さ15~40㎝。茎は数本、群生し、直立又は平伏、下部から多数分枝し、開出する剛毛と伏した短毛がある。根生葉はロゼットになり、長楕円形~へら形、長さ4~7㎝×幅5~10㎜、まばらに剛毛と伏毛があり、基部は漸尖形、縁は波打ち、細かい歯状、先は鈍形。茎葉は無柄、長楕円形~線状倒披針形、長さ2~5㎝×幅5~10㎜。花序は長さ5~20㎝。苞は線形~線状披針形、長さ15~30㎜×幅2~5㎜、密に剛毛と伏毛がある。花柄は長さ1~2.5㎜、果時に長くなる。咢は長さ2~3㎜、果時に5㎜以下になり、外側に密に開出剛毛と小さな剛毛があり、内側の中間より上部に伏毛がある。咢片は線状披針形~卵状披針形、先は鋭形。花冠は青色又は紫色、鐘形、長さ3.5~4㎜。のど部の付属体は不等辺四角形(trapeziform)、長さ約0.7㎜、先が2裂し、拡大部は幅約5㎜。花冠裂片は円形、目立つ網状脈がある。花糸は花冠筒部の基部から約1㎜上につく。葯は楕円形~卵形、長さ約0.7㎜。花柱は咢の長さの約1/2。柱頭は頭状。小堅果は楕円形、長さ2~2.5㎜、密にいぼ(tuberculate)があり、隙間は円形、縁が厚くなり、全縁。花期と果期は5~7月。

 3  Bothriospermum secundum Maxim.  オオハナイバナ 大葉内花
 中国原産。中国名は多苞斑种草 duo bao ban zhong cao
 1年草又は2年草、高さ25~40㎝、根は真っすぐ。茎は1本又は数本、、群生し、基部から分枝し、開出する剛毛と伏した短毛があり、枝は普通、細い。根生葉は葉柄があり、倒卵状長楕円形、長さ2~5㎝、基部は漸尖形、先は鈍形。茎葉は無柄、長楕円形~卵状披針形、長さ2~4㎝×幅5~10㎜、小さな剛毛があり、毛の基部は円盤状。花序は頂生及び腋生、長10~20㎝。花と苞は各々、偏側性。苞は長楕円形~卵状披針形、長さ0.5~1.5㎝×幅3~5㎜、剛毛と伏した短毛がある。花柄は垂れ下がり、長さ2~3㎜、果時にわずかに長くなる。咢は長さ2.5~3㎜、外側に密に剛毛がある。咢片は披針形。花冠は青色~淡青色、長さ3~4㎜。のど部の付属体は不等辺四角形(trapeziform)、長さ約0.8㎜、先が小凹形、拡大部は幅4~5㎜。花冠裂片は円形。花糸は花冠筒部の基部から約1㎜上につく。葯は長楕円形、付属体とほぼ同長。花柱は円柱形、咢の長さの約1/3。小堅果は楕円状卵形、長さ約2㎜、密にいぼ(tuberculate)があり、隙間は縦に楕円形。花期は5~7月。
3-1 Bothriospermum secundum Maxim. f. albiflorum Nakai  シロバナオオハナイバナ
 白花品種。

 4  Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce  ハナイバナ 葉内花
   synonym Bothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch. et C.A.Mey. [Flora of Pakistan, GRIN]
日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、パキスタン、ベトナム、アフガニスタン、タジキスタン、トルクメンスタン、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン原産。中国名は柔弱斑种草 rou ruo ban zhong cao。
 1年草、高さ15~30㎝。茎は細く、密につき、直立又は平伏、多数分枝し、伏した剛毛がある。葉身は楕円形~狭楕円形、長さ1~2.5㎝×幅5~10㎜、まばらに短い伏した剛毛状の毛や剛毛があり、基部は広楔形、先は鈍形、微突形。総状花序は多数、花後に疎になる。下部の苞は少数、披針形、長さ1.5~5㎜、先は鋭形。上部の苞はごく小さい。花柄は長さ1~23㎜、果時に長くならず又はやや長くなる。咢は長さ1~1.5㎜、果時に3㎜以下、短い斜上する白色の剛毛がある。花冠は青色~淡青色、長さ1.5~1.8㎜、基部は幅約1㎜、咢よりわずかに長い。のど部の付属体は長さ約0.2㎜、拡大部は幅2.5~3㎜。花冠裂片は円形、長さ約1㎜。花柱は円柱形、長さ約0.5㎜。小堅果は灰色、楕円状腎形、長さ1~1.2㎜、隙間は縦に楕円形。花期と果期は2~10月。

 5  Thyrocarpus sampsonii Hance ダイハナイバナ
   synonym Bothriospermum kusnezowii auct. non Bunge 
 中国、台湾、ベトナム原産。中国名は盾果草 dun guo cao 。
 茎は1本~数本、直立又は斜上、しばしば下部で分枝し、高さ20~45㎝、開出する粗毛があり、小さな剛毛がある。根生葉は短柄があり、へら形、長さ3.5~19㎝×幅1~5㎝、粗毛と小さな剛毛があり、毛の基部は円盤状、縁は全縁又はまばらに小鋸歯がある。茎葉は無柄、狭長楕円形~倒披針形、小さい。集散花序は腋生又は腋外生(extra-axillary)、長さ7~20㎝。苞は狭い卵形~披針形。花柄は長さ1.5~3㎜。咢は長さ約3㎜。咢片は狭楕円形、外側に開出する小さな剛毛があり、短い伏毛がある。花冠は薄青色又は白色、咢より長く、筒部は拡大部の長さの約2/5。のど部の付図躯体は線形、長さ約0.7㎜、肉質、パピラがあり、先は凹形、拡大部は幅5~6㎜。花冠裂片は広がり、類円形。花糸は長さ約0.3㎜。約は卵状長楕円形、長さ約0.5㎜。小堅果は4個、黒褐色、長さ約2㎜、盤縁の外層は淡色、歯は真っすぐで膨れず、内層の縁は内側にくびれない。花期と果期は5~7月。


 参考

1) GRIN
  Bothriospermum
 http://tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=1607
2) Flora of Pakistan
 Bothriospermum
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=104322
3) Flora of China
 Bothriospermum
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=104322

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