ハナホウキギ  花箒木
[別名] コキア、サマーサイプレス、バーニングブッシュ、ホウキグサ、ホウキギ・トリコフィラ
[中国名] 扫帚菜 sao zhou cai
[英名] summer cypress , burning bush , Mexican fireweed
[学名] Bassia scoparia (L.) A.J. Scott 'Trichophylla'
Bassia scoparia (L.) A.J. Scott f. trichophylla (Schmeiss.) Schinz & Thell.
ヒユ科 Amaranthaceae  バッシア属
三河の植物観察
ハナホウキギ花
ハナホウキギ花2
ハナホウキギ果実
ハナホウキギ茎
ハナホウキギ茎2
ハナホウキギ
ハナホウキギ2
ハナホウキギ3
ハナホウキギ葉
 ハナホウキギはヒユ科バッシア属の観賞用の栽培種。旧属名のコキアの名で公園などに植えられている。北アメリカ、オーストラリアなどで野生化している。秋に真っ赤に紅葉する。
 暖地で1年草、高さ60~90(まれに150)㎝、球形~円柱形、より上向きの性質が強く、杉のように見えることが多い(普通、卵形)。summer cypressの名はこれによる。枝は羽のような柔らかい葉に覆われ、葉は長さ5~7.5㎝、比較的、幅が狭く、(普通、幅約1㎜)薄緑色、秋に明るい緋色に紅葉する。花は目立たず、長毛により密に囲まれない。苞は葉状、葉より短く、花の基部につく。
[花期] 6~9月
[高さ] 60~90(~150)㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 栽培種
[分布] 外来種 アジアの温帯地域原産
[撮影] 西尾市  19.10.5

 バッシア属(Kochiaを含まない狭義 )

  family Amaranthaceae - genus Bassia
 
 1年草、± 密に、毛がある。茎は直立~半直立~斜上~平伏、分枝又1本、結合せず、刺は無く、肉質でもない。葉は互生、無柄(ときに狭くなり、偽葉柄になる)。葉身は線形、披針形、又は披針状楕円形、平ら又は半円柱形(断面では半円形、 ±肉質)、基部は楔形、縁は全縁、先は鈍形~鋭形。花序は頂生、穂状花序、花は [1~]2~3個、腋生する。花は両性、無柄、苞は無い。花被片は5個、± 粗毛又は毛があり、まれに無毛。成熟すると刺状の鈎爪又は円錐状の付属体をもつ。雄しべは5個。花柱と柱頭は2(~3)個。果実の構造:.果時に苞は無い。痩果は扁卵形、果皮は分離、膜質。種子は水平につき、レンズ形、種皮は帯褐色、平滑。胚は環状、胚乳は豊富。x = 9。
 世界に約10種あり、アジア、ヨーロッパ、アフリカに分布する。
 バッシア属はステップや砂漠地帯に生育する。 A. J. Scott (1978) はバッシア属の境界を非常に広く定義し、 Kochiaや他の種を含めていた(Airy Shaw 1973 : 90種)。 Kochia sectionだけがやや過渡的である。バッシア属Bassiaと ホウキギ属Kochiaの現在の扱いは伝統的な概念に従う(分ける)。(Flora of North America)。


 バッシア属(Kochiaを含む広義)

 1年草又は多年草、亜低木。茎は多数分枝する。葉は様々。花は普通、目立たず、上部の葉腋の短い穂状花序につき、頂生の穂状花序状の円錐花序を形成する。小苞葉は無い。花被片は5個、有毛、花時に内側に曲がり、果時に宿存し、果実の上に曲がり、付属体が無又は5翼が発達する。果翼はBassia hyssopifolia.では刺状。雄しべは5本。花糸は糸状。花柱と柱頭は2(~3)個。子房は扁球形。果実は痩果(achene)[胞果(utricles)]。種子は胚乳に囲まれた環形~馬蹄形又は折り畳まれた胚をもつ。最近の解説によれば属は葉組織の C4 "kochioid"の3型に定義される。多くの他の特性は個々に変化しやすいため、種の区別に使うことができないといわれている。
 世界に約20種あり、北アメリカ、ユーラシア、アフリカに分布する。
【バッシア属の種】
Bassia angustifolia (Turcz.) Freitag & G.Kadereit
Bassia arabica (Boiss.) Maire & Weiller
Bassia dinteri (Botsch.) A.J.Scott
Bassia eriophora (Schrad.) Asch.
Bassia hyssopifolia (Pall.) Kuntze
Bassia indica (Wight) A.J.Scott
Bassia laniflora (S.G.Gmel.) A.J.Scott
Bassia lasiantha Freitag & G.Kadereit
Bassia littorea (Makino) Freitag & G.Kadereit
Bassia muricata (L.) Asch.
Bassia odontoptera (Schrenk) Freitag & G.Kadereit
Bassia pilosa (Fisch. & C.A.Mey.) Freitag & G.Kadereit
Bassia prostrata (L.) A.J.Scott
Bassia salsoloides (Fenzl) A.J.Scott
Bassia scoparia (L.) A.J.Scott
Bassia stellaris (Moq.) Bornm.
Bassia tianschanica (Pavlov) Freitag & G.Kadereit
Bassia tomentosa (Lowe) Maire & Weiller
Bassia villosissima (Bong. & C.A.Mey.) Freitag & G.Kadereit


 バッシア属の主な種と園芸品種

 1  Bassia littorea (Makino) Freitag et G.Kadereit  イソホウキギ 磯箒木
   synonym Kochia littorea (Makino) Makino
   synonym Kochia scoparia (L.) Schrad. var. littorea Makino
 日本固有種(本州東海地方以西)、四国、九州)。イソホウキギはホウキギが野生化したものとする見解があり、イソホウキギを区別しないこともある。
 満潮には潮下になる塩湿地に生える。茎は直立し、よく分枝し、枝が斜上またはほぼ開出する。葉は互生し、長さ1~5cmの狭倒披針形~倒披針形で、やや厚い。葉の表からはわかりにくいが、3脈があり、全縁で、先が尖る。花は両性花と雌花が円錐花序につく。果実は宿存した花被に包まれ、果期には花被の上部に淡黄色の翼が広がる。花被の翼は全縁。果実は長さ約2㎜、果皮は薄い膜質。愛知県では稀な植物であり、準絶滅危惧種に指定されている。全国ではリスト外。

 2  Bassia prostrata (L.) G.Beck  イトバホウキギ 糸葉箒木
   synonym Kochia prostrata (L.) Schrad.
   basionym Salsola prostrata L.
 中国、パキスタン、ロシア、中央アジア、コーカサス、西アジア、ヨーロッパ原産。英名はforage kochia , prostrate summer-cypress。中国名は木地肤 mu di fu 。
 亜低木、高さ20~80㎝。木質の茎は、普通、長さ10㎝以下、1年枝は1本又は分枝し、条線は無く、わずかにうねがあり、密に、薄黄褐色~薄帯赤色~灰白色の軟毛、又は密に白色のクリスプな軟毛があり、又はほぼ無毛。葉は互生、普通、短い腋生の小枝に束生し、無柄、線形、半円柱形、長さ0.8~2㎝×幅1~1.5㎜、両面に開出する絹毛又は密に伏した絹毛があり、基部は短く、漸尖し、先は鈍形又は鋭形、脈は不明瞭。花は両性と雌性、普通、団集花序(glomerule)に2~3個つき、1年枝の上部の穂状花序につく。花被は球形、密に絹毛がある。花被片は卵形~長円形、内側に曲がり、先は鈍形、翼のような付属体は紫赤色又は黒褐色の脈をもち、扇形又は倒卵形、膜質、縁は不規則な円鋸歯又は微細不整歯。花糸は糸状、わずかに突き出る。柱頭は2個、紫褐色、糸状。胞果は扁球形、果皮は灰褐色、厚い膜質。種子は黒褐色、類球形、直径約1.5㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。
品種) 'Immigrant' , 'Snowstorm'

 3  Bassia scoparia (L.) A.J.Scott  ホウキギ 箒木
   synonym Kochia scoparia (Linnaeus) Schrader
 日本、朝鮮、中国、ロシア、ネパール、中央アジア、コーカサス、西アジア原産。英名はbelvedere , burningbush , kochia , Mexican firebrush Mexican fireweed , mock cypress , summer-cypress 。中国名は地肤 di fu 。別名はホウキグサ、トンブリ。畑のキャビアとして知られるトンブリは、種子の大きな系統の品種(オオダテトンブリ)で、紅葉しない。
 1年草、高さ50~100[150]㎝。根は紡錘形。茎は直立、円柱形、薄緑色又は赤紫色、うねがあり、わずかに毛があるか又は下面は類無毛。小枝はまばら、斜め。葉は披針形又は線状披針形、平ら、長さ(1.5)2~5㎝×幅3~7㎜、普通、明瞭な3脈があり、無毛又はわずかに毛があり[特に、下面]、基部は葉柄に漸尖し、縁はまばらに鉄さび色の縁毛があり、先は短い尖鋭形。上部の葉は無柄、小さく、1脈。[苞は長さ(2) 5~8 (13)㎜×幅 (0.5) 0.7~1.2 (2)㎜。]花は両性又は雌性、普通、上部の葉[葉状の苞]腋の団集花序( glomerule)に1~3個つき、まばらな穂状花序状の円錐花序になる。花序軸の下部の花はときに鉄さび色の軟毛がある。花被は薄緑色、類球形、花被片は類三角形、無毛、ときに、類扇形、膜質、脈は不明瞭、縁はさざ波状又は切れ込む[花被は無毛、縁の先が人目を引き、両性花は果時に背側に三角形の翼をもち、倒卵形又は背こぶ(giba)の形になる。雄花は小さく、翼がない。]。花糸は糸状。花柱はごく短い。柱頭は2個、普通、褐紫色。胞果は扁球形。果皮は膜質、種子から分離。種子は黒褐色、やや光沢があり、卵形[卵状楕円形]、長さ1.5~2㎜[長さ1.6×幅1.2]。胚乳は豊富。花期は6~9月。果期は7~10月。[ 2n = 18] [ ]内はFlora Iberica。
品種) 'Acapulco Silver' , 'Childsii' , 'Trichophylla'(コキア) , オオダテトンブリ(大館とんぶり)
3-1 Bassia scoparia (L.) A.J. Scott subsp. densiflora (Turcz. ex. B.D. Jacks.) Ciruja & Velayos
 オーストラリアなどで野生化している。
 広がって草形が丸くなり、下側の枝は上向きに曲がる(弓状)。葉は比較的、幅が広い(幅8㎜以下)。花は密に長毛の束に取り囲まれる。
3-2 Bassia scoparia (L.) A.J.Scott var. subvillosa (Moq.) Lambinon  シラゲホウキギ
 葉の1脈が目立ち、葉縁に白毛が生える。花被の翼は全縁。

3-3 Bassia scoparia (L.) A.J. Scott 'Trichophylla'  ハナホウキギ 花箒木 (トリコフィラ) 
   synonym Bassia scoparia (L.) A.J. Scott subsp. trichophylla (Schmeiss.) Schinz & Thell.
   synonym Bassia scoparia (L.) A.J. Scott f. trichophylla (Schmeiss.) Schinz & Thell.
   synonym Kochia scoparia (L.) Schrad. forma trichophylla (hort. ex Voss) Schinz & Thell.
   synonym Kochia scoparia (L.) Schrad. var. trichophylla (Stapf) Bailey
   synonym Kochia trichophylla hort. ex Voss
 アジアの温帯地域原産。観賞用の栽培品種。英名はsummer cypress , burning bush , Mexican fireweed 。コキアの名で公園などに植えられている。北アメリカ、オーストラリアなどで野生化している。
 暖地で1年草、高さ60~90(まれに150)㎝、球形~円柱形、より上向きの性質が強く、杉のように見えることが多い(普通、卵形)。summer cypressの名はこれによる。枝は羽のような柔らかい葉に覆われ、長い葉は長さ5~7.5㎝、比較的、幅が狭く、(普通、幅約1㎜)薄緑色、秋に明るい緋色に紅葉する。花は目立たず、長毛により密に囲まれない。


 ホウキギ属(Kochia)

  family Amaranthaceae - genus Kochia [Bassia Allioni sect. Kochia (Roth) A. J. Scott]

 1年草又は多年草、無毛又は密に綿状の絹毛がある。茎は直立、斜上又は平伏し、1本又は分枝し、結合せず、刺は無く、肉質でもない。枝は互生[下部ではときに、ほとんど対生]。葉は互生[下部ではまれに、ほとんど対生]、無柄(ときに狭くなり偽葉柄になる)。葉身は倒卵状披針形、披針形、線形、又は糸状、平ら又は半円柱形、基部は切形、縁は全縁、先は円形。花序は頂生、穂状又は円錐花序状に分枝し、花は単生又は苞腋に花が(1)2~5個、束生する。苞は葉状。花は両性又は雌性、無柄。花被片は5個、内側に水平な膜質の翼をもつ[ときに、わずかに翼の小突起になる]。雄しべは5本。柱頭は2~3個。果実の構造:花被は熟すと胞果を被い、胞果(utricles)は扁球形又は扁楕円形、果皮は分離又はほぼ分離、膜質。種子はくさび形、種皮は鈍い褐色、わずかにうねがある。胚は環状。胚乳は豊富。
 世界に13~16種あり、北アメリカ、ユーラシア、アフリカに分布し、ほとんど世界中に分布する種もある。ホウキギ属はほとんどが、ステップ、砂漠や半砂漠地帯に生育する。

参考) Blackwell, W. H., M. D. Baechle, and G. Williamson. 1978. Synopsis of Kochia (Chenopodiaceae) in North America. Sida 7: 248-254


 参考

1) GRIN
 Bassia
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=1321
2) Flora of China
 Asystasia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=103025
 Bassia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=103589
3) Flora of North America
 Bassia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=103589
 Kochia
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=117182
4)Flora Iberica
 12. Bassia Ali
 http://www.floraiberica.es/floraiberica/texto/pdfs/02_052_12_Basia.pdf
5)Bassia scoparia - Weeds of Australia for Biosecurity Queensland
 Bassia scoparia (L.) A.J. Scott
 https://keyserver.lucidcentral.org/weeds/data/media/Html/bassia_scoparia.htm
6) Bassia scoparia f. trichophylla - Plant Finder
 Bassia scoparia f. trichophylla
 http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=263216
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