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【ムラサキツユクサ属】
多年草、根茎は無い(根茎に似たrhizomatousとも表現される)、茎は傾伏、斜上、又は直立。葉はらせん状又は2列につき、さそり形花序(散形花序に似た対の集散花序ともいわれる)が偽頂生又は側生、単生、束生又は円錐花序をなし、無柄。苞は仏炎苞状。小苞は宿存性。花は放射相称花。萼片は分離又は基部で合着、舟形。花弁は分離又は基部で癒合する爪部がある。白色、ピンク色、卵形。雄しべ6個、すべて授粉能力があり、ほとんど等長又は花弁の前の3個が短い。花糸は無毛又は毛がある。葯室は楕円形~長楕円形、縦に裂開する。子房は3室、胚珠は室に2個。蒴果は3室、卵形。種子は室に(1又は)2個、類錐体、しわがあり、網状。へそは線形、小さい。 <類似種> ●原種 Tradescantia fluminensis(native species) 詳細が不明であるが、ブラジルの原種は葉が大きく、葉が長さ12㎝に近く、花が直径約2㎝である。アルゼンチンの原種は葉が長さ1~6㎝、花が直径約1.5㎝とやや小さい。 ポルトガル語名 nome vulgar, Erva-da-fortuna, Erva-galinha スペイン語名 Amor de hombre, Leandro Gómez, Santa lucía blanca , ● シロフハカタカラクサTradescantia fluminensis 'Variegata'は 葉が波打ち、白色の縦縞斑が入る。中国名は花叶水竹草。いろいろなタイプがある。茎や花柄は紅紫色を帯び、葉裏などが淡紅紫色を帯び、花は直径約1㎝と小さい。全く紫色を帯びないものや白色でなく、黄色の縦縞班のものもある。ノハカタカラクサの茎や花柄が紅紫色のものがシロフハカタカラクサの茎が紅紫色のタイプの白班が消えた緑戻りであり、原種に近く、結実が多い。 ●ミドリハカタカラクサTradescantia fluminensis Vell. 'Viridis' という。Viridisは緑のという意味。シロフハカタカラクサの白班がなくなった戻りであると考えられている。Green wandering Jewといわれる。日本の帰化植物によれば葉身は長さ3~6㎝。ノハカタカラクサの茎や花柄が緑色のタイプである。ほとんど結実しない。これが世界中で野生化しているものと思われる。オオトキワツユクサとの違いが葉の大きさと毛の長さであり、葉の長さは両者ともノハカタカラクサの範囲に入る。 ●オオトキワユツクサTradescantia albiflora ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ原産。オーストラリアに帰化している。英名はwater spiderwort。中国名は白花水竹草。 しばしばTradescantia fluminensisと混同される。The Plant List では同一種とし、同一種として解説されていることが多い。日本では下記のシラフツユクサの白斑の消えた、緑戻りをオオトキワツユクサとしている。シラフツユクサ同一種としない場合はシラフツユクサは学名をTradescantia albiflora 'Albovittata'とする。静岡などでオオトキワユツクサ逸出が報告されている。葉は長さ7~12㎝、質が薄く、葉縁の毛が目立つ。萼の長毛が長さ約1㎜あり、紫色を帯びない。葉の長さはノハカタカラクサの範囲内。 ●シラフツユクサTradescantia fluminensis 'Albovittata'はオオトキワツユクサの白色の縦縞斑入り。giant white inch plant と呼ばれる。全体に大きく、緑色に白色の縦縞がつき、裏面は紫色を帯びることがある。全体に紫色を帯びるものは'Tricolor'。名前はラテン語の alba (white) 、viattala (belt)に由来する。一部の専門家はTradescantia albifloraの栽培種と考え、他の専門家はTradescantia fluminensisとTradescantia crassula. のハイブリッドと考えている。(Missouri Botanical Garden )。これの緑戻りはオオトキワユツクサとされてる。 ●Tradescantia crassulaは英名が succulent spiderwort、white-flowered tradescantiaという。ブラジル南部、ウルグアイ、アルゼンチンのミシオネス州の原産。フロリダに帰化している。多年草、茎は傾伏し、長さ約90㎝以下、普通、緑色、ときに紫色を帯び、節から根を出す。葉身は長さ12~25㎝、幅2~3.5㎝、縁毛があり、先は鋭形、無毛。花序は頂生と上部の葉に腋生、1茎に2~4対の集散花序をつける。苞は葉状又は縮小することがよくある(特に腋生の花序)。花は明瞭な花柄があり、花柄は長さ5~7㎜、腺毛があり、特に先付近に多い。萼片は長さ5~7㎜、中脈に腺のある又は無い軟毛がある。花弁は白色、長さ9㎜。雄しべは離生、白色、白色の毛が密生する。 ●ブライダルベールGibasis pellucidaは葉の幅が細く、花がまばらな花序につき、花弁が長さ3~4㎜と小さく、花弁が円形に近い。 ※参考 (1)愛知県の資料 6主要移入種の現状・植物 P194 (移入種リストに掲載された移入種の形態的な特徴など) (2)環境省 要注意外来生物リスト 要注意外来生物に係る情報及び注意事項2-30 (3)Invasive Species Compendium cabi (4)Flora of North America (5)Jepson eFlora (6)Floridata (7)Weeds Australia (8)Plant Net (Australia) (9)Keys Queensland Government(Australia) (10)New Zealand Plant Conservation Network (11)Flora Bonaerense: Santa Lucia blanca アルゼンチン (12)Missouri Botanical Garden |
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