植物用語 
植物とは
 生物界を大別すると、動物、植物、菌類などに分類され、植物は一般的に、陸上植物の種子植物spermatophyta、シダ植物 Pteridophyta 、コケ植物 bryophytes ,藻類 algaeを指す。細胞壁があり、普通、根があって場所に固定され、クロロフィルなどにより光合成を行って独立栄養を営むなどの特徴を有する。しかし、種子植物の一部では菌類のように腐生または寄生するものもあり、藻類には浮遊するものや単細胞のものもある。系統解析が進んだ 現在の分類では古細菌を含めて広く研究が行われ、生物分類が進められ、分類が多説ある。現在の生物分類の3ドメイン説ではアーケプラスチダ Archaeplastida が過去の狭義の植物界である。ドメイン下位のスーパーグループや新しいクラスターの分類は研究過程で、クラスター不明のものも多い。まだ、定説がなく、これからも修正されていく。以前の植物の概念と異なり、光合成を行う藍藻(シアノバクテリア)は真正菌類に含まれ、植物が含まれる真核生物ではない。藻類は2界説では植物界に属し、5界説では原生生物界に含まれ、植物界ではない。藻類は狭義の植物のスーパーグループのArchaeplastidaに属するものとそれ以外のものがあり、Archaeplastidaに属するものだけを植物とし、植物プランクトンを含めない見解もあり、藻類の一部を含めるか、含めないかは議論が分かれる。最近では藻類は普通、植物に含めない。
 現在の3ドメイン説では真核生物 Eukaryota、古細菌archaea、真正細菌 Bacteriaに分けられる。過去には2界説、3界説、5界説などがあった。5界説のモネラ界を除く4界が真核生物ドメインに入る。
 ●旧生物分類
  2界説:動物界、植物界
  3界説:動物界、菌界、植物界
  5界説:モネラ界、原生生物界、植物界、菌界、動物界

  ・植物plant
  ・植物界 plantae
  ・植物相 flora:全ての植物の種の総体、自生の植物あるいは在来種の植物

 生物分類 3ドメイン[domain]-クラスター[cluster]- ⑤スーパーグループ[super-group]- ファーストランク[first rank]-界[kingdom] - 門[phyllum , division]- 綱[class] -亜綱[subclass]-目[order]-亜目[suborder]-科[family]-亜科[subfamily]-連又は族[tribe] -属[genus pl. genera] -亜属[subgenus pl. subgenera] -節[section] -種[species]-亜種[subspecies]-変種[variety] 

真核生物 Eukaryota((Adl et al. 2012))     太字が旧概念の植物にあたると思われる
 Amorphea
    ①Opisthokonta  Holozoa( 動物、襟鞭毛虫 など )
                Nucletmycea(菌類 など)・・・・  キノコ、カビ
    ②Amoebozoa   Tubulinea、 Discosea、古アメーバ類、Gracilipodida、Multicilia、
                原生粘菌(プロトステリウム目)、Cavosteliida、Protosporangiida、
                Fractovitelliida、Schizoplasmodiida、変形菌(ホコリカビ類)、
               タマホコリカビ類
    ○アプソモナス目
    ○Breviata
 ③Excavata            ユーグレナ藻など
        
 ディアフォレティケス Diaphoretickes
    ④Archaeplastida(Plantae) 緑色植物  緑藻
                      ストレプト植物  車軸藻類(シャジクモ、フラスコモ)
                                 陸上植物 (鮮類、苔類、ツノゴケ類
                                 ヒカゲノカズラ類、シダ類、種子植物)
                      紅藻(アサクサノリなど)
                      灰色藻(淡水生、単細胞真核藻類)
    ⑤SAR       Stramenopiles 不等毛植物門 Heterokontophyta=葉緑体をもつ
                           (褐藻(ワカメなど)、黄金色藻、黄緑藻、珪藻
                            ラフィド藻、ペラゴ藻、ディクチオカ藻、
                            シヌラ藻)
                        Bigyra(オパリナ類、ビコソエカ類、ラビリンチュラ類、
                              無殻太陽虫、ブラストシスチス)
                       偽菌(サカゲツボカビ、卵菌)
              Alveolata(渦鞭毛藻(夜光虫など)、アピコンプレクサ、繊毛虫 など)
              Rhizaria(クロララクニオン藻、有孔虫、放散虫 など)
              ○クリプト藻(遊泳する単細胞藻類)
              ○中心粒太陽虫
              ○Telonema
              ○ハプト藻(光合成を行う植物プランクトン)
 ●クラスター不明
   ○アンキロモナス目
   ○コロディクチオン科
   ○マンタモナス
   ○Rigifilida
   ○スピロネマ科
   ○Rappemonads
   ○ピコビリ藻(クリプト藻に近い珪酸質の外被を持つ藻類)
   ○Palpitomonas

 ※微細藻類(マイクロアルジェ):分類学的には真正細菌 Bacteriaドメインに属する藍藻、高等植物に近縁の緑藻、アルベオラータ生物群 (Alveolata)の鞭毛藻などきわめて多様であり、その数も数万種はあるといわれる。食品、食品添加物、バイオ燃料などの研究対象対象として注目されている。
   エクスカバータ・ユーグレナ藻 ミドリ虫(健康食品)
   藍藻スピルリナ(医薬品)、
   緑色植物門ヘマトコッカス藻(アスタキサンチンの製造)
           緑藻門プラシノ藻テトラセルミス・テトラセリ(二枚貝の親飼育)
               クロレラ、ドナリエラ(シオヒゲムシ)(健康食品)、
               シュードコリシスティス、ボトリオコッカス(バイオ燃料の研究対象)
   不等長植物門 真正眼点藻ナンノクロロプシス・オキュラータ
                    (二枚貝の補助餌料、飼育水安定)
             ラフィド藻
             珪藻・中心目珪藻キートセラス・グラシリス(ウニの浮遊幼生の餌)
             珪藻・ニッチア、キートセラス(石油の成因になったとされる)
   ラビリンチュラ類・オーランチオキトリウム(バイオ燃料の研究対象)
   渦鞭毛藻(石油の成因になったとされる) 
   ハプト藻類・パブロバ(二枚貝の幼生期~成貝の餌)
          円石藻(石油の成因になったとされる)
 ○現在、一般的に使用されている植物分類
  ドメイン domain  真核生物(Eukaryota)、古細菌(archaea)、真正細菌( Bacteria)
  界(かい) kingdom アーケプラスチダ(Archaeplastida)= 植物界(Plantae)
  亜界Subkingdom  緑色植物亜界(Viridiplantae)
  分類なし ストレプト植物(Streptophyta)
  分類なし 陸上植物=有胚植物(Embryophyta)
  分類なし 維管束植物(Tracheophyta)
  分類なし 真葉植物(Euphyllophyta)
  分類なし 種子植物(Spermatophyta)
  門(もん) division
    被子植物門(Angiospermae)、
    裸子植物門(Gymnospermae)、
  旧綱(こう)clas 双子葉植物綱(Dicotyledoneae)、
             単子葉植物綱(Monocotyledoneaea)
植物分類
 現在の種子植物分類はDNAを用いた植物の系統解析により従来のCronquist の体系や新Engler体系とは異なった新しい分類となっている。APG(Angiosperm Phyrogeny Group 被子植物系統研究グループ)が多数の共著者からなる被子植物の大系統を1998年に発表したものがAPGⅠであり、AGP II(2003 年)、APG III(2009 年)、APGⅣ(2016年)と改定されている。シダ植物(Smith et al. 2006年)、裸子植物(Donoghue and Doyle 2000年, Rai et al. 2008年)についても新しい分類が発表されている。
  ○種子植物 spermatophyta:有性生殖の結果として種子を形成する植物 日本に5680種
       維管束を持ち、維管束植物、Tracheophyta , Tracheobiotaに含められる。
                   世界に約25万種(未記載のものを含めると30~35万と推定)
   ・被子植物 angiosperm:胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったもの
      =顕花植物 flowering plant
        被子植物門 angiospermae
      重複受精:①花粉が雌しべにつく
             ②花粉から花粉管が雌しべの卵細胞に向かって伸びる。
             ③花粉管内を2個の精細胞が移動して胚と胚乳になる。        
   ・裸子植物 gymnosperm:胚珠が子房にくるまれずむき出しになり、果実も作らない
        裸子植物門 Gymnospermae                  世界に約1100種
      重複受精は行わない。
      イチョウ、ソテツなどのように精子を作るものもある。

  ○シダ植物 fern , pteridophyta:シダ類、小葉植物(ヒカゲノカズラ類)   世界に15000種
  ○コケ植物 bryophytes :蘚類、苔類、ツノゴケ類          世界に26000種
  ○藻類 algae :                              世界に33000種
       海藻 seaweed:緑藻植物門、車軸藻植物門、黄藻植物門、紅藻植物門
       淡水藻fresh-water algae :ホシミドロ、アオミドロなど
       気生藻aerial algae :スミレモ

 日本には約5700種の種子植物、シダ植物約730種、コケ植物約1800種、海藻類約1500種、淡水藻類数千種を合わせて約10000種がある。藻類を含めない植物は約8000種である。

<被子植物系統グループAPG (Angiosperm Phylogeny Group) >
 APG分類では系統樹を元にして分類系がつくられる。系統樹において、ある共通祖先の子孫の全てが含まれモクレン類、ツユクサ類、バラ類などの集まりをクレード(clade)=単系統群(monophyletic group)という。共通祖先以外のものが含まれる集まりをグレード(grade)=側系統群(paraphyletic group)といい、多数の祖先が含まれる集まりを多系統群(polyphyletic group)という。
 被子植物 Angiosperm
  基部被子植物群 (Basal angiosperms) ・・・グレード(grade)
   アンボレラ目(Amborellales)、スイレン目(Nymphaeales)、シキミ目(Austrobaileyales)、
   センリョウ目(Chloranthales)、
   モクレン類(magnoliids){カネラ目(Canellales)、コショウ目(Piperales)、
                  モクレン目(Magnoliales)、クスノキ目(Laurales)}  
  単子葉類 Monocots=Monocotyledoneae ・・・・クレード(clade)
   ショウブ目(Acorales)、オモダカ目(Alismatales)、サクライソウ目(Petrosaviales)、
   ヤマノイモ目(Dioscoreales)、タコノキ目(Pandanales)、ユリ目(Liliales)、
   キジカクシ目[=クサスギカズラ目、アスパラガス目](Asparagales)、
   ツユクサ類(Commelinids){ヤシ目(Arecales)、イネ目(Poales)、
                    ショウガ目(Zingiberales)、ツユクサ目(Commelinales)}
  おそらく真正双子葉類
   マツモ目(Ceratophyllales)
  真正双子葉類(Eudicots)・・・・クレード(clade)
    キンポウゲ目(Ranunculales)、アワブキ目(Sabiales)、ヤマモガシ目(Proteales)、
    ヤマグルマ目(Trochodendrales)、ツゲ目(Buxales)
   コア真正双子葉類(Core eudicots)
    グンネラ目(Gunnerales)
    Pentapetalae(コア真正双子葉類からグンネラ目を除外したもの)
     バラ上群 (Superrosids)
      ユキノシタ目(Saxifragales)
      バラ類(Rosid)
       ブドウ目(Vitales)  
       真正バラ類I(eurosids)=マメ類(Fabids)
        ハマビシ目(Zygophyllales)、
        COMクレード(COM clade)
                {ニシキギ目(Celastrales)、キントラノオ目(Malpighiales)、
                 カタバミ目(OXalidales)}
        窒素固定クレード(nitrogen‑fixing clade)
                     {マメ目(Fabales)、バラ目(Rosales)、ブナ目(Fagales)、
                      ウリ目(Cucurbitales)、
       真正バラ類II(eurosids II)=アオイ類(Malvids)
         フウロソウ目(Geraniales)、フトモモ目(Myrtales)、
         クロッソソマ目(Crossosomatales)、ピクラムニア目(Picramniales)、
         フエルテア目(Huerteales)、アオイ目(Malvales)、アブラナ目(Brassicales)、
         ムクロジ目(Sapindales)
    キク上群(Superasterids)
      ビワモドキ目(Dilleniales)、メギモドキ目(Berberidopsidales)、
      ナデシコ目(Caryophyllales)、ビャクダン目(Santalales)
     キク類(Asterids)
      ミズキ目(Cornales)、ツツジ目(Ericales)
       真正キク類I(euasterids I)=シソ類(Lamiids)
        クロタキカズラ目(Icacinales)、メッテニウサ目(Metteniusales)、
        ガリア目(Garryales)、ムラサキ目(Boraginales)、リンドウ目(Gentianales)
        ウァーリア目(Vahliales)、シソ目(Lamiales)、ナス目(Solanales)
       真正キク類II(euasterids II)=キキョウ類(Campanulids)
        モチノキ目(Aquifoliales)、キク目(Asterales)、
        エスカロニア科(Escalloniaceae)、ブルニア目(Bruniales)、
        セリ目(Apiales)、マツムシソウ目(Dipsacales)、
        パラクリフィア目(Paracryphiales)
        
 目(もく) order 64目
 属(ぞく)genus 416属
  種(しゅ)species 
<裸子植物>
  裸子植物 (Gymnosperms)
  門(もん) division
    マツ門(Division Pinophyta):マツ目(Pinales)
       マツ科(Pinaceae)、ナンヨウスギ科(Araucariaceae)、
       ヒノキ科(Cupressaceae)、イヌガヤ科(Cephalotaxaceae)、イチイ科(Taxaceae)、
       マキ科(Podocarpaceae)、コウヤマキ科(Sciadopityaceae)
    イチョウ門(Division Ginkgophyta):イチョウ目(Ginkgoales)
       イチョウ科(Ginkgoaceae)
    ソテツ門(Division Cycadophyta):ソテツ目(Cycadales)
       ソテツ科(Cycadaceae)、ザミア科(Zamiaceae)、
       スタンゲリア科 Stangeriaceae
    グネツム門(Division Gnetophyta):グネツム目(Gnetales)
       グネツム科(Gnetaceae),マオウ科(Ephedraceae)、
       ウェルウィッチア科(Welwitschiaceae)

用語等の参考サイト
 1 Botany Web http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/top.html
   筑波大学の 系統分類学の中山 剛先生が掲載している。
   花序や果実などの解説が詳しい。
   主に参考にしている。詳しくは図も表示されるBotany Webを確認するとよい。
 2 露崎史朗 (TSUYUZAKI Shiro, 植物生態学・環境保全学)
   http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~tsuyu/top/dct/morph-j.html
   北海道大学の露崎史朗先生の詳しい解説。毛などの解説がある。
 3 広島大学デジタル博物館
   http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~main/index.php/Mainpage
   生物の用語集とコケ植物用語集がアルファベット順で掲載されている。
 4 日本植物学会 植物学用語集 http://bsj.or.jp/jpn/general/glossary.php
   国立科学博物館の金井弘夫先生から(社)日本植物学会に寄贈されたもの。
   検索語を入力すると英文表記・補足・和文または英文表記・読み仮名が表示される。
 5 オンライン学術用語集 https://dbr.nii.ac.jp/infolib/meta_pub/G0000120Sciterm
   国立情報学研究所が掲載している植物学編(増訂版)
 6 NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE
   http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/floraonline.htm
   Glossary of Botanical Terms:
 7 Wikipedia Glossary of botanical terms
   https://en.wikipedia.org/wiki/Glossary_of_botanical_terms
 8 慶応大学学術情報リポジトリ
   http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?file_id=13125.
   磯野直秀慶応大学名誉教授の明治前園芸植物渡来年表 
 9 被子植物系統学ウェブサイト Angiosperm Phylogeny Website (APweb)
   米国ミズーリ植物園(Missouri Botanical Garden)が管理しているウェブサイト。
   APG系統分類の系統樹、分類データのほかに、用語解説を掲載している。

学名> scientific name
 国際植物命名規約 International Code of Botanical Nomenclature:ICBN
 国際藻類・菌類・植物命名規約 International Code of Nomen- clature for algae, fungi, and plants
 
 ドメイン[domain] - 界[kingdom] - 門[phyllum]- クレード[clade]-目[order]-
 亜目[suborder]-科[family]-亜科[subfamily]-連又は族[tribe] -属[genus pl. genera] -
 亜属[subgenus pl. subgenera] -節[section] -種[species]-亜種[subspecies]-変種[variety]
 
 ○学名表記
   「属名(generic name)」+「種小名( specific epithet)」をラテン語形で列記し、
  最後に「命名者」を付記する二命名法によって 表記される。
  ・subsp. (ssp.)亜種
  ・var.      変種
  ・f.(form.)    品種
  ・auct. non 著者名:誤りの意味。誤認識で、続く語の著者名が意図したものではない。
  ・nom. invalid. 非正当名:ICBN規則に従っていないので無効
  ・nom. prov.仮名:提案された仮の学名。nomen provisoriumの略。きのこでは多い。
  ・学名 excl. basion.:一般的でない限定的な学名
  ・属名 sp. 種名が確定していないもの
  ・属名 ssp. 種名が確定していないものが数種含まれるもの
  ・属名 aff.種名:未同定種 affinity(類似)の略で種名のものに類似種の意味。
  ・属名 cf. 種名:未同定種 confer(参照)の略
  ・変種群convar. (convarietas):栽培種のための非公式の区分、
                      ときに分類上の階級のランクの間に置かれる。
                      学名命名のコードに認められていない。
  ・cv:栽培品種を表す。現在では’大文字種名’に変更された。
  ・hort.(hortorum) 園芸の名前
  ・栽培種、栽培品種 cultivar
  ・狭義の sensu stricto(s.s.)
  ・広義の sensu lato (s.l.) , sensu amplo
  ・一部分 p.p. (pro parte)
 ○種複合体 species complex:境界の不明瞭な関係の深い種の複合グループ
   同義語 synonymouslyという意味でも使われることがある。
   1つの種名の中に2個以上の隠れた潜在的な種(cryptic)が含まれるもの。
   一般的には種群 species groupともいわれる。

<細胞>cell
  多細胞生物である植物は多数の細胞の集まりであり、組織により分化する。
 ○表皮細胞 epidermis cell:植物体の最外層にある、普通、1層の細胞。
   普通、葉緑体を含まず、外界に面した側の細胞壁が厚く、クチクラ層が発達する。
   ・副細胞 subsidiary cell:孔辺細胞に接する表皮細胞
 ○孔辺細胞 guard cell:気孔 (stoma, pl. stomata)を形成する2個の細胞
 ○異形細胞 (特殊細胞) idioblast:組織中で、他の細胞と形や内容物が異なる細胞
 ○厚角細胞 collenchyma cell:一次壁が不均一に厚くなった原形質を残す細胞。
    普通、木化(リグニン化)されず、厚角組織 (collenchyma) を形成する。
    厚角組織は植物体に機械的強度を与える。
 ○厚壁細胞 sclerenchyma cell:二次壁が厚く発達して木化 (リグニン化) した細胞。
    成熟すると原形質が失われ、死細胞となる。
    普通、、厚壁組織 (sclerenchyma) を形成して植物体に機械的強度を与える。
   ・木化(リグニン化) lignification:リグニンを蓄積し、細胞壁の機械的強度を増すこと
 ○コルク細胞 cork cell:表皮に代わって植物体を保護するコルク質の細胞。
    コルク形成層 (cork cambium) でつくられる。
    スベリンを含む二次壁が発達した厚壁細胞であり、細胞間隙なしに密に並ぶ。
 ○表皮油細胞 epidermal oil cell
 ○油分泌性異形細胞 secretory idioblast:油を大量に生成する細胞。
 ○乳細胞 latex cell, lactiferous cell:乳液を生成する細胞
   ・乳管 laticifer:乳液を含む細胞組織
    単乳管(無師乳管)non-articulated laticifer:多核の1細胞からなるもの
      トウダイグサ科、キョウチクトウ科
    連合乳管または有師乳管 (articulated laticifer) :複数の細胞がつながったもの
      ケシ科、キク科
   ・細胞間隙(intercellular space)に乳液が貯められることもある。
 ○粘液細胞 mucilage cell:粘液をつくる細胞
   ・粘液道 mucilage canal:粘液がたまる細胞間隙
      アオイ科など
 ○タンニン細胞 tannin cell:タンニンを生成する細胞。
    タンニンは細胞の液胞中に蓄積される。
 ○結晶細胞 crystal cell:細胞の液胞中に結晶を含む細胞
    蓚酸カルシウム (calcium oxalate) 、炭酸カルシウム (calcium carbonate) の結晶
 ○機動細胞 motor cell:珪酸体 (silica body) を形成するイネ科の葉の表皮細胞

<細胞に含まれる物質>
 ○デンプン starch: 光合成の結果できる貯蔵多糖類(炭水化物)。
    種子、球根、塊根に蓄積されていることが多い。
 ○油 oil:普通、油滴 (droplet) の形で細胞質中に含まれる。
    種子に多い。
 ○乳液 latex:葉や茎を切ると出る粘性のある液体
   弾性ゴム、酵素、アルカロイド、デンプンなどを含む。
 ○粘液 mucilage:普通、細胞内にあり、吸水率が大きく、乾くと硬化する粘性物質。
   多糖とタンパク質を含む。
 ○タンニン tannin:細胞の液胞中に蓄積されるポリフェノール類。
   タンパク質やアルカロイド、金属イオンなどに結合する性質がある。
 ○結晶 crystal:細胞の液胞中にふくまれる結晶
   蓚酸カルシウム (calcium oxalate) 、炭酸カルシウム (calcium carbonate) の結晶
   結晶形による分類
   ・単晶 simple crystal :大形で単一の結晶。
      マンサクやイスノキ (マンサク科) など
   ・針晶 raphide :細長い針状の結晶。
   ・束晶 raphide in bundle , bundle crytal:針晶が束状に集まったもの
     キツネノマゴ 、ムラサキツユクサ など
   ・集晶 druse , crystal druse:小さな結晶が多数集まって金平糖状になったもの。
     ギシギシ
   ・砂晶 crystal sand :小さな結晶が多数存在するもの。
     シロザの茎
   ・鍾乳体 cystolith:大きな炭酸カルシウムの非結晶性の塊。
               液胞中に柄でぶら下がる。
      カナビキボク科の表皮、イラクサ科、クワ科の葉肉
 ○珪酸 silica:細胞内外に珪酸が珪酸体 (silica body) の形で貯まったもの。
   ・プラント・オパール plant opal:珪酸体が分解されず、植物が枯れて土中に残るもの
 ○油体 oil body:苔類の細胞にあり、テルペン類が膜に包まれたもの。
 ○樹液 sap

<維管束> vascular bundle
  水や養分の通路と植物体の機械的支持のための複合組織
  維管束植物である種子植物、シダ植物にある組織。
  ・ 維管束vascular bundle :道管、仮道管、篩管(しかん)などを含む組織の集まり
                   木部 (xylem) と篩部 (phloem) からなる。
 ○木部 xylem:水や無機養分の通路、植物体の支持、養分の貯蔵などの役割
       導管、仮導管の管状要素、木部繊維、木部柔組織からなる
   ・導管 vessel , xylem vessel:水や無機養分の通路のための管状組織
        導管細胞の上下の隔壁が消失して縦に連なる管状
   ・仮導管組織 tracheid tissue:道管に似るが、細胞間の薄い細胞壁が残る。
                      水や無機養分の通路のための組織
       周囲状仮道管 around like tracheid:鞘状に道管を取り囲む
       道管状仮道管 vascular tracheid:水や無機養分の通路のため
       繊維状仮道管 fiber tracheid :植物体の支持のため

  ・木部繊維組織 xylem fiber tissue:木部繊維 (xylem fiber) からなる支持組織
   ・木部柔組織 xylem parenchyma:有機養分貯蔵のための柔組織。
        木部柔細胞 (xylem parenchymatous cell) からなる
 ○篩部 phloem:有機養分の通路、植物体の支持、養分の貯蔵などの役割
   ・篩管 sieve tube , phloem vessel:有機養分の通路のための組織
                         細胞間の壁が篩(ふるい)状になる。
   ・伴細胞 companion cell:篩管細胞に隣接して存在する養分通路の補助細胞。
   ・篩部繊維組織 phloem fiber tissue:篩部繊維 (phloem fiber)からなる支持組織
   ・篩部柔組織 phloem parenchyma:養分貯蔵のための柔組織。
        篩部柔細胞 (phloem parenchyma cell) からなる

<生育場所>
   生育場所(生育環境)habitat
     地上生terrestrial:地上に生えるもの
       草地(grassland)、牧草地(meadow)、放牧地(pasture)
       畑地(farmland)、水田(paddy field , rice field)、
       林地(wood land)、森林(forest)、林縁(forest edge) 、低木林(scrub)
       低地(lowland)、道端(roadside)、市街地(urban area)、荒地(waste Land)、
       低山地(low mountains)、山地(mountainous region)、高原(plateau)、
       亜高山帯(subalpine)、高山帯(alpine zone , alpine belt)、
       沿海地(coastal areas)、海岸(coast , beach , seaside)、砂浜(sandy beach)、
       河岸(riverside , river bank)、砂地(sand)、岩場(rocky area)、
       瓦礫地(rubble land)、礫地(gravel land)
     着生 epiphytic:他の植物の幹など基物に生えるもの
     水生 aquatic , hydrophyte:水中生活をするもの
        水草 water plant , waterweed :淡水に生育するもの
         淡水fresh water
         汽水brackish water:半鹹水、弱塩水、半かん水
         海水 sea water, marine water , brine
        淡水草 freshwater grass
        海藻草類 seaweed grass:海草、海藻を含めたもの
        海草 marine plant , seagrass , saltwater plant:海域に生育する種子植物
                            海洋植物、海洋性植物ともいう
           アマモ、スガモ、ウミヒルモなど
        海藻 algae , seaweed:海域に生育する胞子で増える藻類
           コンブ、ヒジキ、モズク、ワカメ、アオクサノリ、テングサ、アオサ、アオノリ
      抽水性emergent: 根は水底に固着し、葉や茎の一部は完全に水面から出る
      浮葉性 floating−leaved:根は水底に固着し、葉が水面に浮かぶもの
       浮遊性 floating , planktonic:水面に浮かぶもの
      沈水性 submersion:水中に沈むもの
        沈水性植物 submerged plant
        沈水性水生植物 submerged water plant
       岸に上がる stranded
     亜水生semiaquatic:やわらかく湿った土地に成長する
       湿生植物、湿地性植物 hygrophyte , helophyte
       乾生植物 xerophyte:乾燥に耐える植物
         湿生 helophytic:水中ではなく、水辺や湿った場所に生育する
                    塩湿地も含む。
         中生 mesophytic:水の平均供給がある環境で生育する
         乾生 xerophytic :乾燥に耐えて生育する
       湿地 wet land , damp ground , marshy ground , marsh , swamp , swampland
        ・(草が生える)湿地、沼地、沼沢地 marsh
        ・(木が生える)湿地、沼地、沼沢地 swamp
        ・(コケやヒースが生える)湿原、沼地、沼沢地 bog
           ヒース heath:イギリス北部、アイルランドの荒地こと又は
                    そこに生えるエリカ属などの低い植物の総称
       集水湿地 catchment marsh:地形的に集水域
       浸透水湿地 seepage marsh:標高的に低いところか斜面の麓
                          地形的な集水域ではない
         湧水湿地 spring-fed wetland , spring water wetland:
                      湧水でできる、泥炭の蓄積に乏しい小規模な湿地
       湿原 moor , marshy grassland
        高層湿原 high moor , bog:泥炭表面が高く、周囲の水面より高い
        低層湿原 low moor , fen:泥炭表面が低く、周囲の水面と同程度の高さ

       淡水湿地 freshwater wetland
       海水湿地 seawater wetland
          塩湿地(塩沼、塩性沼沢)salt marsh:海岸の潮間帯等にみられる沼沢地
          汐湿地 tidal marsh
       水田雑草 lowland weed
  ○肉食植物 carnivorous plants:昆虫などの小動物を捉え、栄養を吸収する
    =食虫植物 insectivorous plants
     捕虫葉 insectivorous leaf:食虫植物の捕虫のための特殊な葉
     捕虫嚢insectivorous sac
     トラップ わなtrap  
     感毛sensitive hair:刺激によって葉の開閉運動を起こす補虫用の毛
   トラップ型
   1落とし穴トラップ pitfall traps :消化酵素などの入った巻いた葉に落として捉える
         嚢状葉 pitchers、嚢状葉植物 pitcher plants
   2 ハエ捕りトラップ flypaper traps=粘着型 (とりもち式)トラップ: 粘液により粘着.
   3 スナップトラップsnap traps, forked trap=閉じこめ型 (わな式、挟み込み式)トラップ:
         葉を素早く閉じて(trigger closing )獲物を捕食する
   4 嚢トラップ bladder traps =吸い込み型トラップ:
     蓋で密封され、陰圧になっている嚢(bladders , vesicula)で捉える。
   5 ロブスターポットトラップ lobster-pots=鰻筒 eel traps=誘い込み型トラップ:
      内向きの毛があり、出られなく、消化器官(utricle, stomach) へ誘い込む。
      forked trapともいう。
      例)ゲンリセア属 Genlisea
   6 複合トラップ combination traps: flypaperと snap trapsの複合など

  ○寄生植物 parasite
     菌根栄養性 (植物の)=菌寄生の mycotrophic
     半菌根栄養性 semi-mycotrophic
     菌根 mycorrhizal 、菌こぶ fungal gall
      宿主植物

 【木本と草本
 木本(樹木)と草本(草)の違い
  形成層 cambium:茎や根の師部と木部の間にあり、活発な分裂を行い幹が太くなる層.
 ○木本tree :幹に形成層 cambium があり、年々成長し、幹が太くなる
   竹は形成層がないが木本に入れられている例外。
 ○草本 herb:茎に形成層がなく、ある程度成長すると茎が太くならない。
   低木状 shrubby
   亜低木 subshrubs:低木と草との中間のもの。茎や枝の基部は木質で、枝先が草質
   矮性の低木 shrublet
   多肉植物 succulent plant

   しげみclump
   群生gregarious :同一種の植物が同じ場所に群がって生えていること
   叢生(そうせい)cespitose , :基部が同一点から出て群がって生えること
   束生 clustered:基部が触れ合うか繋がり同一点でから出る場合こと
   株立ち tufted:一株の根元から複数の茎が分かれて立ち上がっている様子
   群落community:何種類かの植物がまとまってつくる植物の集団
                異種植物が有機的なつながりをもつ
<木本> tree , woody plant
 ○高さによる分類
   ・高木tall tree:10m以上
   ・小高木 small tree :高さ5~10m
   ・低木=灌木(かんぼく) shrub:高さ1~5m
       亜低木 subshrub:根元だけ木質、他は草質の植物又は小低木(low shrub)
       低木林 bush
   矮性dwarf 、半矮性semi-dwarf
 ○落葉性
   ・常緑 evergreen
       半常緑 semievergreen
   ・落葉性 deciduous
      紅葉 autumn colours
      脱落性 deciduous、早落性 early deciduous,
      宿存性 persistent
○葉の形
  ・針葉樹 indeciduous tree
  ・広葉樹 broad‐leaved tree , broadleaf tree
     広葉樹材 dicotyledonous wood; hardwood
 ○葉の2形性 dimorphic
    春葉 spring leafと夏葉 summer leafに違いがあるもの
      ツツジなどで見られる。
 ○樹冠 crown , tree crown , canopy:樹木の上部で葉が茂っている部分
     ※ 草の地上部全体もcrownという。
   ピラミッド形pyramidal、円錐形 conical、球形spherical , globular、惰円形 elliptical、
   楕円状 oval、卵形 ovoid
   群葉 foliage
 ○幹 trunk
   樹皮 bark , peeling
    亀裂( 割れ目)を生じ fissured 、縦の裂け目longitudinally fissured、
    剥離する exfoliating、ずたずたに切れる shred、特異な peculiar、
    薄皮(うすかわ、はくひ) peel、薄片 flake
   色
    フェルト状の淡褐色 felt-like light brown、cinnamon-tan-orange
   髄 pith
    均質homogeneous、分隔髓diaphragmed
 ○仮軸性 sympodial:側芽(側軸)が伸びて増え、主軸のように成長する性質(蘭)
   単軸性=単茎性 monopodial:主軸が1本だけ伸びる性質
  仮軸分枝sympodial branching :側軸が主軸のようにふるまう分枝
                      (側芽が伸びて増えるもの)
  不定芽 adventitious shoot :茎から発生する芽及び葉や根から発生する芽
                    (頂芽や側芽以外)
 ○皮目(ひもく) lenticellate:幹や枝の樹皮に形成される斑点、
                   気孔の代わりに植物体内外の通気を行う
 ○枝 branch
    曲がりくねる tortuous
    二又 dichotomous
    当年枝(1年目の枝)branch of current year、
    前年小枝 branchlet of previous year
 ○大枝 bough
 ○小枝 branchlet , twig
    円柱[円筒]形(先端が細くなった) terete、類円柱形 subterete、
    角張る angulate、4稜形(4-quetrou , 4-gonous )
    葉や花がついた小枝 spray
 ○シュート=枝条(しじょう)=枝しょう shoot:茎とその上にできる多数の葉からなる単位
    短側枝条 brachyblast=short lateral shoots
    開花枝 flowering shoot
 ○シュートの分枝の型
     単軸性 monopodial 、仮軸性=連軸性 sympodial
   二又分枝=二叉分枝、叉状分枝 dichotoous branching , dichotomy:
      軸の先端が等しい2つの軸になる分枝
   単軸分枝monopodial branching:主軸が発達して1本の軸をつくり、分枝する
   単軸状仮軸分枝monopodial sympodium:基本は単軸分枝であり、
             主茎の伸長がとまって腋芽からのびた枝が主軸的になる場合
   側方分枝 lateral branching:主軸の側方に側軸をつくる分枝
   仮軸分枝 sympodial branching:枝がよく発達し、主軸であるように見える分枝

 ○冬芽(とうが、ふゆめ) winter buds :秋に生じ、冬を越して春になって生長する芽
   休眠芽(きゅうみんが)、休芽 dormant bud:生長を止めて休眠状態にある冬芽など。
   芽鱗(がりん) scale , bud scale:冬芽を保護するために覆う、鱗片
   縁毛がある ciliate
   毛状突起 trichome
   葉痕(ようこん) scar:葉の落ちた跡、枝先の冬芽の下の数や形が観察の対象になる
     環状の annular
  ○葉芽 leaf bud =枝芽(栄養芽) vegetative bud
    鱗片葉 perule=vegetative bud scales:葉芽の鱗片
  ○芽内形態(芽型)vernation:芽の中の幼い葉の重なり方
   ・扇だたみ plicate、二つ折りduplicate
    内巻き型,外巻き型など.
<竹>
 イネ科に含められる。
  稈 (culm):中空で節のある茎、髄腔をもったイネ科の茎をいい、竹も同じ。

<藤本(とうほん)>
  藤本/籐本 climbing tree:木本及び多年性の木質の蔓植物
   蔓植物 (つるしょくぶつ) climbing plant , vine plant , vine , creeper
   蔓性木 woody vine , vine tree ,liana , liane
     リアナ liana , liane:普通は熱帯雨林の木本のつる植物
   蔓性草(つる草) herbaceous vine , vine grass , vine
     蔓が木質でないものは藤本には含めない。
     幹 caudex:草木の多年草の持続的に厚くなった茎、蔓の幹ともいう

<草本> herb , herbaceous plant
   ・1年草 annual
   ・2年草 biennial
   ・多年草 perennial , herbaceous perennials
      叢生 cespitose
     耐寒性 cold hardy, winter‐hardy
   ・常緑多年草 evergreen perennial plant
   ・宿根草perennial plant:地上部が枯れる多年草と常緑多年草
   ・short-lived perennial 短命の多年草
   ・一稔性 monocarpic:数年間、開花せずに成長し、最後に開花、結実して枯れるもの
                 一回結実性ともいう
     ムラサキケマン: 3年目に花をつけて枯れる。
     タケ、リュウゼツラン:10年以上

種子植物の構造
<根 root>
   一次根系 primary root system:種子中の幼根(radicle)、直根(tap root)
   二次根系 secondary root system:茎の下から伸びる根、ひげ根など
                シダ類(monilophytes) 、単子葉植物(monocots)で見られる。
  ○定根(ていこん) normal root:主根と、主根から生じる側根を合わせていう
   ・主根 main root , axial root:幼根が伸び、主になる太い根
     直根 tap root : 側根が小さく、主根が真下に伸びて肥大する根。
        ニンジン、ダイコンなど
     枝根 ramose root , branch root:枝分かれした根の枝
   ・側根 lateral root:主根の側部に出る細い根
    モクレン型根 magnolioid root:丈夫な側根(幅が0.5㎜以上)
                        短くて丈夫な毛根がわずかにある。
   ・細根 rootlet、子根 daughter root
   ・根毛(こんもう)root hair:根の表皮から外側へ向かって伸びる毛状突起
   ・毛状根 hair root:ツツジ科で見られる非常に細い根。
         内皮(endodermis)、外皮(exodermis)、仮道管(tracheid,)、
         篩管(sieve tube)、伴細胞(companion cell)からほとんどなる。
         根毛root hairとは全く異なる。
   ・小結節 nodule:やや堅く、不規則に膨れ、マメ科の窒素固定菌でできる小結節
        形態学的な型(type)クサネム型 (aeschynomenoid)
                     ジャケツイバラ型(caesalpinioid)
                     タヌキマメ型(crotalarioid)
                     desmodioid型 (desmodioid)、ハウチワマメ型(lupin)

   ・先が細くなる attenuate
  ○不定根 adventitious root , adventive root:根以外の茎から2次的に発生する根
    冠根 crown root:茎の下位より発生する主根以外の太い根、不定根
   ・ひげ根 fibrous root:幼根が退化し、茎の下部から多数ひげ状に出る不定根
                単子葉植物に見られる。
     節根 nodal root:節から出るひげ根
   ・支柱根brace root :茎の下部から出て地中に入り,植物体を支える丈夫な根
,     =支持根 prop root
   ・気根 aerial root:地上の部分から生じ、空気中に露出している根
      光合成不定根 photosynthesizing adventitious root
  ○初生根 primary root:種子が発芽して、胚の幼根 (radicle) からできる最初の根
    =種子根(種根) seminal root:種子が発芽したときに出る根
  ○塊根(かいこん)tuberous root , tuber:根が肥大化したもの
                       塊茎のような不定芽を生じない。
     塊根をもつ植物
             ダリア、オシロイバナ、ハナキンポウゲ、サツマイモなど。
  ○仮根 rhizoid:コケ、シダなどに見られる根に似た糸状の器官。
  ○根被 velamen:根の表面にしばしばできる貯水組織。ラン科やサトイモ科など
<茎 stem>
 ○節 node:茎において葉がついている部分
  節間 internode:節と節との間
  髄腔 (pith cavity, medullary cavity) :節間の中心部 (髄) が消失た中空の孔
   稈 (culm):中空で節のある茎、髄腔をもったイネ科の茎をいう。
          髄腔をもたないカヤツリグサ科の茎も稈ということがある。
   lacunar :裂孔、小窩、ラクナ
   lacunar node:断面の維管束に隙間(gap)のある節
    隙間の数によりuni lacunar、 tri-lacunar 、multilacunarという。
    ブドウ科は3~7lacunar node
○茎の内部
  中空 hollow , fistular , fistulose
  中実 solid
 ○茎の形  
   円柱形(terete)、円筒形(cylindrical)、4稜形(4-quetrou , quadrate)、
   二形の(dimorphic)、角がある(angled )、管状(fistulose)、樹木状の(arborescent)
 ○茎の質
   木質woody、 繊維質fibrous、多肉質succulent  
 ○茎の表面  毛の状態は葉の表面参照
  無毛 glabrous、平滑 smooth、毛がほとんどないglabrate ,glabrescen、
  有毛hairy 、腺がある glandular、腺がない eglandular 、
  刺がある aculeate , prickly、
    下向きのretrorsely , downwardly、上向きの retrousse, upwardly
  縦筋がある striate、角がある(角張る) angulate、
  皮目(ひもく)がある lenticelate
 ○地下のsubterranean
<茎の種類>
  単茎的 monocaulous
 ○地上茎 aerial stem, epigeal stem, terrestrial stem:地表面より上にある茎の総称
  タイプ
  ・直立 erect :地表に対してほぼ垂直に伸びる
  ・斜上(しゃじょう) ascending、inclined :地表から斜めに上に伸びる
    ハイイヌガヤ (イヌガヤ科) 、ユキツバキ (ツバキ科) など
  ・横臥(おうが) reclining :基部が直立又は斜上し、上部が湾曲して地表を這う
    ハイマツ (マツ科) など
  ・傾伏(けいふく) decumbent , basally prostrate and apically erect:
    地表を這って伸び、先が立ち上がる
    スベリヒユ (スベリヒユ科) 、カキドオシ (シソ科) など
  ・攀縁(はんえん) scandent :ひげ、根又は茎が巻きつきよじのぼる
  ・這う、平伏 prostrate:地表を這う
      横に広がる(拡散する)diffuse,
  ・平伏 (へいふく) procumbent :全長にわたって地表を這い、根を出さないもの
    コガネイチゴ (バラ科) 、テングノコヅチ (リンドウ科) など
  ・匍匐(ほふく) creeping , trailing:地表を這って横に広がる。
  ・垂れ下がる pendant
 ○短縮茎 dwarf stem
 ○走出枝(そうしゅつし)=横出枝=ランナー runner:
    主茎の基部から出る枝で、枝の先端だけに不定根を出す子株をつけるもの
    ユキノシタ (ユキノシタ科) 、オランダイチゴ (バラ科)
 ○匍匐茎(ほふくけい) repent stem: 全長にわたって地表を這い、
                         節から多くの根を出す茎
    広義には傾伏茎や平伏茎を含めることもある。
    フタバアオイ (ウマノスズクサ科) 、イチゴ (バラ科)、カタバミ (カタバミ科)、
    チドメグサ (セリ科)、ジシバリ (キク科)、シバ (イネ科) など
 ○匍匐枝(ほふくし)=匐枝(ふくし)=ストロン stolon:匍匐茎の基部から出る枝
    節から不定根を出し、分断すると節ごとに子株となる。
    ネコノメソウ属 (ユキノシタ科) 、ヒメヘビイチゴ (バラ科)、カキドオシ (シソ科)、
    ムラサキサギゴケ (ゴマノハグサ科) など
    匍匐枝を伸ばす stoloniferous(producing stolons)
 ○つる (liane , vine) :単独では直立できず、基物を支えに上に伸びる茎の総称。
       lianeは普通、木。 vineは広い意味では這う(creeping) ものも含める。
   蔓植物 liane , liana , vine plant , creeper , creeping plant
   木質籐本 woody climber
  ・巻きつき茎 twining stem (回旋茎、攀縁茎) :基物に巻きついて伸びる
    普通、巻き方 (右巻き、左巻き) は分類群によって一定である。
    ウマノスズクサ (ウマノスズクサ科) 、フジ (マメ科)、アケビ (アケビ科)、
    アサガオ (ヒルガオ科)、ヘクソカズラ (アカネ科)、スイカズラ (スイカズラ科) など
    caudex:草木の多年草の持続的に厚くなった茎
  ・よじのぼり茎 climbing stem (攀縁茎、登攀茎)=よじのぼり蔓 scrambling vine:
     巻きひげ(tendrils)や付着根(adhesive root)により、基物にとりついて伸びる。
        節から発根(活着) rooting at nodes
        よじ登り茎のつる植物 climber
     カニクサ (ウラボシ綱) 、センニンソウ (キンポウゲ科)、ソラマメ (マメ科)、ツタ、
     ヤブガラシ (ブドウ科) など
 ○しだれ weeping :支持力が弱いため枝が水平よりも下方に垂れる木本の枝
    シダレヤナギ (ヤナギ科) 、シダレザクラ (バラ科) など
    イワシャジン (キキョウ科) などの草本では垂れ下がってもしだれとはいわない
 ○偽茎 pseudostem:葉鞘が幾重にも重なりあり茎のように見えるもの
     カンナ、ハナミョウガ、バナナなど
 ○葉状枝 cladode :葉のように見える枝。クサスギカズラ、ナギイカダなどに見られる。
 ○むかご =珠芽(しゅが) bulblet , propagule:
     葉腋や花序に形成され、栄養繁殖に用いられるもの
   2種に分けられる
   ・肉芽(にくが) brood, brood budl:腋芽の茎が肥大し、養分を貯える
                           ヤマノイモ、ムカゴイラクサ、カラスビシャク
   ・鱗芽(りんが)bulbil , bulbel:腋芽の葉原基が肉質となることにより形成される
                           オニユリ、コモチマンネングサ、ニンニク
               花序の花がむかごとなるもの:ムカゴトラノオ、ノビル
      stem bulblet:若い(juvenile)小球根
      stem bulbil:むかご
 
 ○刺の種類
  ・刺 prickle:刺状突起体、表皮細胞が変化したもの、取れやすい。バラの刺
    真っすぐstraight、鉤状uncinate , hook-shaped、逆刺(後ろに向いた刺) retrorse
   刺があるarmed、刺がないunarmed  
  ・針状の刺 thorn:枝が変化したもの、茎針ともいう。
    バラでも使われるがバラの場合はprickleが正しい。
  ・短い刺 spine:葉が変化したもの 。サボテンの刺
     葉針leaf spine、leaf needleともいう、托葉状刺 stiplar spin
  ・剛毛 bristle:刺状の毛

 ○地下茎 underground stem, subterranean stem
   地下性の hypogeous
   地表面より下にある茎を総称して地下茎 という。
   地下の走出枝 underground stolon
   新芽 sprouts shoot
  ●根茎(こんけい) rhizome, root stock :地下茎のうち、特殊化していないもの。
    根茎をもつ rhizomatous
    根茎は根と似ているが、葉 (鱗片葉など) をつける茎である。
    ・根茎のタイプ
      ① 一次根茎 (primary rhizome):
        形成初期から地中にあって地上茎とは形態的に異なるもの
      ②二次根茎 (secondary rhizome) :
        地上茎の一部であったものが地中に埋もれて根茎になったもの
    ・形
     伸びる方向
      ①横走根茎 (horizontal rhizome):地中を水平方向に伸びる根茎
        匍匐根茎 (creeping rhizome, stoloniform rhizome) :
                            横走根茎のうち、特に節間が長いもの
                            モミジガサ (キク科) 、ガマ (ガマ科)など
      ②直立根茎 (vertical rhizome) :地中を垂直方向に伸びる根茎
         シシウド (セリ科) 、リンドウ (リンドウ科) など
       下向きの (descending)
    ・タイプの複合
      ①単一根茎 (simple rhizome) :単一のタイプからなる根茎のこと
      ②複合根茎 (compound rhizome):
    ・仮軸分枝sympodial branching
        ある枝が特によく発達し、その枝が主軸であるように見える分枝
  ●塊茎(かいけい)tuber:地下茎が肥大し、養分を貯え塊状になるもの
      薄皮(tunic)で包まれない
      シクラメン、アネモネ、ベゴニア、シュウカイドウ
      ジャガイモ、キクイモ、ショウガ、チョロギなど
      
  ●鱗茎(りんけい)=球根 bulb:短縮茎に多肉になった鱗片葉が層状に重なるもの
                    薄皮(tunic)で包まれる。
      ユリ、タマネギ、スイセン、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、
      ニンニク、ラッキョウ、
      層状鱗茎:鱗片葉が層状になる チューリップ、タマネギなど
      鱗状鱗茎:鱗片葉がうろこ状に重なりあう ユリなど

    ・偽鱗茎, 偽球茎 pseudobulb:ラン
    ・側球 clove
    ・小鱗茎 bulbil , scale
  ●球茎(きゅうけい)corm:鱗片葉が小さく、茎自身が肥大化して球状になったもの。
                  頂部に1~数個の芽を持つ。
                  葉鞘が乾燥した薄皮(tunic)で包まれる。
       薄皮(tunic):鱗茎の外皮、葉鞘が乾燥したもの
       クロッカス、サフラン、グラジオラス、フリージア、アヤメ、
       サトイモ、コンニャク、クワイ、カラスビシャク、
      ・堅くてもろい質のcrustaceous
  ※サトイモ科については2説ある
       Flora of Chinaでは塊茎、Flora of north Americaでは球茎

 ●担根体(たんこんたい)rhizophore:根でも茎でもない肥大、ヤマノイモ属にみられる

 ○有花茎 と無花茎
   有花茎と無花茎では茎の高さや性質、葉の大きさや形などが異なることがある。
  ・有花茎 flowering stem:多年生草本の地上茎で、花をつける茎
  ・無花茎 nonflowering stem:多年生草本の地上茎で、花をつけない茎
 ○花茎 scape:花や花序をつけ、普通葉をつけない茎
  ・花茎状 (scapoid) :茎の葉が著しく小さいために花茎のように見えるもの
  ・花茎のある scapiferous , scapose ;例 scapiferous umbel type
  ・花茎に似たsacapiform

>leaf , foliage
 【葉のつく位置】
 ○根生葉(こんせいよう)、根出葉 basal leaf , radical leaf:茎の基部から出る葉
   開花期に枯れる withered at anthesis
 ○茎葉(けいよう) cauline leaf:茎の途中から出る葉
   基部に近い proximal
   上部の distal cauline leave
 ○ロゼットrosette:根生葉が節間部が詰ってほとんど同じ高さから円盤状に並んだ形態
  ロゼット状 rosulate
 【葉のつき方】
 ○葉序 phyllotaxis :茎に葉がどのようについているかを表すもの
  ○互生 alternate:葉が互い違いに出るつき方
    直列線:葉の着点を結んだ線が茎と平行になるもの
    直列線が2列になる互生:2列互生 2-ranked alternate
    直列線が3列になる互生:3列互生 3-ranked alternate
    直列線が4列になる互生:4列互生 4-ranked alternate
     (コクサギ型葉序 orixate phyllotaxis )
     葉が同じ側に2個ずつ交互する。例 ケンポナシ、サルスベリ、ヤブニッケイ
    ・2列生 (distichous)、2列に(2-ranked)
  ○螺生(らせい) spiral , spirally arranged:互生する葉が茎の周りにらせん状につく
  ○対生 opposite:葉が2個向かい合って出るつき方
   ○十字対生 (decussate opposite) :対生する葉が90度ずつずれてつくもの
                         上から見ると十字形に見える
     ナデシコ科、リンドウ科、ゴマノハグサ科、シソ科、アカネ科、スイカズラ科
   ○2列対生 (distichous opposite) :直列線が2列になる対生 キンシバイ
    2列 2-ranked、2列生distichous
   ○複2列対生 (bijugate) :直列線が4列、不等間隔の対生 コニシキソウ
   ○複系2列対生 (spiral deccusate) :直列線が6列以上の対生 カヤ
  ○輪生 verticillate , whorled
   3輪生 (ternate)、4輪生 (quaternate)、5輪生 (quinate)
  ○偽輪生 false verticillate , pseudoverticillate:
     対生する上下の葉の節間が短縮し、一見輪生のように見えるもの
  ○束生 fascicled :節間が短縮した複数の節から葉が出る イチョウ、アケビ
     房状 tufted:密に束生  
  ○跨(こ)状 equitant:アヤメの葉のように基部が重なり合っている状態
  ○櫛(くし)状 pectinately , pectinately arranged
  ○放射状 radially
  ○単面の unifacial
  ○2面のbifacial
  ○房状 tufted
  ○不等葉性 anisophyllous , heterophyllous:葉の形や大きさが異なる
  ○葉のつく向き leaf orientation
    斜上 upright、水平 horizontal 、下垂 pendulous
  ○芽型=芽内形態 vernation:葉芽の中の葉の配置形態
     折り畳まれるfolded、二つ折りconduplicate、巻かれる rolledrolled

 【葉柄(ようへい)】 petiole , leafstalk
  葉の一部であり、葉身を支えて茎に付着する細くなった部分
  有柄 petiolate:葉柄がある
  無柄 epetiolate , sessile:葉柄がない。sessileは葉だけでなく、柄のないもの全般。
  偽柄 pseudopetiolate:葉身の基部が葉柄のように狭くなったもの
      non-pseudopetiolate
   短柄 shortly spurred 
   茎を抱いたamplexicaul
   沿着の adnate
   細い溝状 canaliculate:細く上面などが1本の水路のように凹む
 ○小葉柄 petiolule :複葉の小葉の柄
 ○葉鞘 sheath :葉の基部が鞘 (さや) 状になり、茎を包む部分
    開いた葉鞘 open sheath:鞘が管状でないもの
    閉じた葉鞘 closed seath:鞘が管状のもの
 ○離層 abscission zone:葉が落葉するとき、境界面に生じる特別の細胞層
                花や果実などの柄にも見られる。
 ○葉柄の関節 article
   関節がある articulate
  ・単身複葉 (unifoliolate compound leaf):単葉で、葉柄の途中にに関節をもつもの
      外観は単葉であるが、小葉が1個になった複葉と考えられている。
 【托葉】stipule
  托葉は葉柄の基部に一対つき、木本の40%、草本の20%に存在するといわれる。
   ・無托葉 estipulate , exstipulate , absent , lacking:托葉のないもの
   ・脱落性(落葉性) deciduous
   ・早落性 caducous, fugacious , early deciduous:成長すると落ちてしまうもの。
   ・宿存性 persistent: 落ちないで残るもの
 ○托葉の種類
  ・側生托葉 lateral stipule: 葉柄基部につき、離生するもの
    例:サクラ属 、エンドウ属 、スミレ属など
  ・合生托葉 adnate stipule :葉柄に沿って合着するもの
    例:バラ属など
  ・葉間托葉 interfoliar stipule: 対生葉の相対する托葉が合着しているもの。
    = 葉柄間托葉 interpetiokar stipule
   例:イラクサ、アカネ属 など
    アカネやヤエムグラでは托葉が普通葉と同形で、腋芽の有無でしか区別できない。
    凹点 foveolate: 小さなくぼみ=小穴=小窩(しょうか)のある
  ・ 托葉鞘 ochrea:托葉が癒合して鞘状になり、茎を取り巻くもの。
    例:タデ属 (タデ科)など
  ・小托葉 stipel:複葉の小葉の基部の托葉
 ○托葉の形
        隙間状 slit-like、環状 encircling(ring-like)、托葉状刺 stiplar spin、
        線形、針状thorn(例:ニセアカシア)、巻ひげ状tendril(例:サルトリイバラ)
       矛(ほこ)形 hastate , 類披針形 sublanceolate、
       ずきん状(フード)の hooded:モクレン科の葉芽
 ○托葉の質
     膜質、葉質など葉質を参照

 【蓋葉】(がいよう)
  蓋葉 subtending leaf:腋芽(えきが)又は腋芽が伸長してつくった枝を抱く葉。
                花又は花序を抱く葉についてもいう。

 【身(ようしん)】
 ○葉身lamina , leaf blade、blade
  ・葉表(おもて)の adaxial , adaxially , on top ,face , upper surface
  ・葉裏(うら)の abaxial , abaxially , underneath
  ※表裏の面を示すため、背軸、向軸の用語が使われる。
    ・背軸(はいじく)の abaxial :中心の軸(茎)から遠い側を意味する。
                   葉では葉裏(うら)underneath、萼片では外面
    ・向軸(こうじく)の adaxial :中心の軸(茎)に近い側を意味する。
                   萼片の内面、葉の場合には葉表(おもて)
  ・背腹性の dorsiventral:葉の表と裏のはっきりした
  ・双同側型の、等面的 isobilateral:葉の表と裏が同じ
  ・中心のあるcentric: 円柱形葉 centric leaf
 ○単面葉unifacial leaf:表裏が区別できない部分のある葉 
                外観、維管束の配列からみても区別できない
                アヤメ科、ネギ、ユリ科の一部など
 ○単葉 unifoliate , simple
 ○複葉 compound leaf
  ・羽状複葉 pinnate
  ・奇数羽状 impari-pinnate , odd-pinnate
    3出複葉 ternate 、2回3出複葉 biternate
    2回羽状 bipinnate、
    3回羽状 tripinnate
    2回奇数羽状 biiimpari-pinnate
    3回奇数羽状 triimpari-pinnate
  ・偶数羽状複葉 paripinnate , paripinnately compound leaf ,
             even−pinnately compound leaf
    2回偶数羽状 biparipinnate
    3回偶数羽状 triparipinnate
  ・鳥足状 pedate
  ・3小葉 3-foliolate(trifoliolate)
  ・掌状 palmate
   掌状深裂 palmatipartite
  ・扇状 fan
  ・葉軸 rachis:複葉の軸
  ・羽片pinna(pl. pinnae):複葉の一次分裂片(シダなどのとき)
                 2回分裂などの全裂する最終片は小葉
    一次羽片、二次羽片、三次羽片
  ・小羽片:2回複葉のときの二次羽片(シダなどのとき)
  ・裂片lobes:最終分裂片の切れ込み片
  ・小葉 leaflet :複葉の全裂した小さな最終片
    側小葉 lateral leaflet :先端以外の横につく小葉
    頂小葉 terminal leaflet:先端につく小葉
    前方の葉 anterior leaflet:5小葉などの場合の前方の葉
 ○葉身・小葉の形 shape
  
  植物用語では厳密に定義されたものとは考えにくい解説もある。
  Q値(長さ/幅の比):菌類のシスチジアや胞子の形などの長さ/幅の比
               Flora Agaricina Neerlandica に示される
   ・円形 orbicular(Q=1.0-1.05)
   ・類円形 suborbicular(Q=1.05-1.15)
   ・楕円形 elliptic(Q=1.3-1.6):中間の幅が最も広く、両端は斜めになる。  
   ・長楕円形 oblong( Q>1.6):長方形の両端が円形になる。
   ・広惰円形 broadly elliptic(Q=1.15-1.3)
   ・卵形 ovate、・斜めの卵形 obliquely ovate
   ・卵状楕円形 ovate-elliptic
   ・倒卵形 obovate
   ・へら形(さじ形) spatulate
   ・披針形 lanceolate
   ・槍(やり)形 lance-shaped
   ・倒披針形 oblanceolate
   ・円柱形terete 、
   ・運河形canaliculate:縦溝のある形、ラン科でまれにみられる。
   ・線形 linear
   ・針状のacicular
   ・剛毛状 setaceous , setiform
   ・直線 straight 、かま形 falcate
   ・腎臓形 reniform , kidney-shaped
   ・ハート形、心臓形、心形 heart-shaped , cordate
   ・三角形 deltoid
   ・扇形 flabellate
   ・たがね形 subulate:先細の尖った細い三角形、きり状
   ・矢じり形 sagittate
   ・菱形 rhombic
   ・葉耳 auricle
   ・鞘形 sheath:葉が鞘状に抱茎amplexicaul するもの、タシロランなど
   ・鱗片状(うろこ状) scaly
   ・剣形 ensiform , sword-shaped
   ・矛(ほこ)形 hastate
   ・楯状 peltate
   ・紐状 strap-shaped
   ・つき抜き葉 perfoliate leaf
   ・苞のような bracteiform=bractlike , bracteal

 ○葉身の周縁の形と裂け方 margin , shape of the margin
   ・全縁 entire ;縁に鋸歯や切れ込みなどがない
   ・波状 undulate:縁がゆるやかに波打つ
   ・深波状(曲がりくねる) sinuate:深波状縁
   ・外巻き revolute
   ・刺状 spiny
   ・分裂 lobed , cleft,
   ・全裂 divided:切れ込みが入り、小葉に分かれる。
    ・逆向き羽状分裂 runcinate:縁の裂片や鋸歯が下方へ向くもの、タンポポの葉の縁
       裂片lobes 、5裂 5-lobed、3裂 3-cleft 、尖った裂片pointed lobes
       ・掌状 palmate
       ・鳥足状 pedate
       ・羽状 pinnate
       ・頭大羽状 lyrate
       ・櫛状 pectinate
   
    ●深さによる分類
     ・浅裂 lobed
         羽状浅裂 pinnatilobate
     ・中裂
       掌状中裂 palmatifid 、
       羽状中裂 pinnatifid、頭大羽状中裂 lyrate-pinnatifid
       鳥足状中裂 pedatifid
     ・深裂 parted , partite,  deeply lobed
         羽状深裂 pinnatipartite、2回羽状深裂 bipinnatipartite
     ・全裂 sected , divided、2全裂、dissected , 3全裂 trisected
         羽状全裂 pinnatisect、2回羽状全裂 bipinnatisect
    ●縁の形による分類
     ・分裂 lobed , lobate:大きく切れ込むとき
     ・鋸歯状 (鋸歯縁)serrate:歯先が傾いた鋸の歯状になる
     ・欠刻(けっこく)状 incised , indented:不揃いに大、小に切れ込む
      欠刻状尖頭の incised-cuspidate
     ・細鋸歯状 serrulate:細かい鋸歯状
     ・重鋸歯(二重鋸歯) biserrate , doubly serrate:鋸歯の歯にさらに鋸歯がある
     ・歯状(歯牙状) dentate(-serrate):歯先が前方に傾かず、二等辺の山形になる
     ・先が点状の歯状 mucronulate-dentate
     ・先が錐状の歯状 subulate-dentate
     ・小歯状(細鋸歯状) denticulate
     ・円鋸歯状 crenate:歯先が円い鋸歯
     ・小(細)円鋸歯状 crenulate
     ・鋭鋸歯状 acute-serrate , argute:歯先が鋭い鋸歯
     ・鈍鋸歯 obtuse-serrate , sinuolate:歯先が鈍い鋸歯
     ・刺状鋸歯 spiny-toothed :歯先が刺状
     ・微細不整歯 erose:ぎざぎざ、でこぼこの微細な鋸歯状
     ・ざらざら scabrous、ざらざらの scabrid
     ・内巻きの involute ,
     ・外巻きの revolute
     ・縁毛状(毛縁の)ciliate
     ・長毛縁の fimbriate
     ・曲がりくねった sinuate (sinuate-dentate)
     ・波状(波打つ) undulate(-serrate)
     ・波形の(ホタテガイの縁のような波形.)scalloped
     ・細波状(さざ波状) repand
     ・しわくちゃの ruffled
     ・細かく縮れた crisped
     ・薄膜状(乾膜質状) scarious
 ○葉身の先の形 apex(pl. apices) , shape of the tip
   ・鋭形(えいけい) acute
   ・やや鋭形 subacute
   ・尖鋭形(せんえいけい)=鋭尖形 acuminate
   ・尖頭(せんとう)のある cuspidate
   ・漸鋭形(ぜんえいけい) attenuate
   ・長漸鋭形 long attenuate
   ・漸鋭尖形(ぜんえいせんけい) attenuate-acumina
   ・尾状(びじょう) caudate
   ・鈍形 obtuse , blunt
      obtusely acuminate
   ・やや鈍形(微鈍形) subobtuse
   ・円形の rounded. , rotund , orbicular
   ・凹頭(おうとう) emarginate
   ・小凹形 retuse
   ・微突起がある=微突形 mucronate , mucronulate , with small mucro
   ・微凸頭(びとつとう)apiculate.
   ・円頭凸端
 ○葉身の基部の形 base , shape of the base , base form
   ・漸尖 (ぜんせん) attenuate , base tapered :次第に細くなり、真っ直ぐな楔形
      tapered to ± lobed、次第に漸尖 gradually attenuate
      次第に狭まりgradually angustate
   ・収縮した contracted
   ・楔形(くさび形) cuneate , acuminate、 斜めの楔形 obliquely cordate
   ・広楔形 broadly cuneate
   ・鈍形 obtuse , blunt
   ・鋭形 acute
   ・円形 rounded. , rotund
     円脚
   ・切形(せつけい) truncate:断ち切ったような形の
   ・心形 cordate , obcordate , heart-shaped
     心脚
   ・auriculate(みみがた)auriculate:基部の両側が円く、耳状になる。
   ・矢尻(やじり)形 sagittiform ,sagittate:基部の両側が下向きに三角形に尖る
   ・鉾形 hastate , spear-shaped:基部の両側が横向きに三角形に尖る
   ・つきぬき形 perfoliate
   ・盾形 peltate
   ・沿下の decurrent:葉の基部が茎に流れる等
   ・抱茎の amplexicaul
  ○葉身の斑の形 type of the variegation
   班入り(ふいり) variegated , spotted
   班入り葉 variegated leaf
   ・ごま斑(ごまふ) speckled:ゴマをまぶしたような班
   ・虎斑(とらふ) tiger's stripes 中央の葉脈に対して直角に交わる帯状の班
   ・砂子斑(すなごふ) dusted:星のような細点の斑
   ・ぼた斑 blotched:雲状の班
   ・縞斑(しまふ)longitudinal stripes , streaky defect
   ・掃込斑(はきこみふ) sprashed:ハケで掃ったような班
   ・散斑 mottled:
   ・脈斑(みゃくふ) reticulated , variagatid-along:脈状の班
   ・中斑(なかふ) centered:葉の中央の部分だけに斑が出るもの
   ・覆輪(ふくりん) margined:外縁部分が地と違う色で縁どられているもの
 ○葉質
   革質 leathery 、紙質 papery , chartaceous、草質 herbaceous、膜質 membrane、
   肉質 fleshy、多肉質 succulent、薄膜状のscarious、皮のような coriaceous、
   硬いfirm、薄膜状の革質 scarious-leathery、硬くなる indurate、曲がらず硬いstiff、
   厚い thick 、薄いthin、透明・無色 hyaline
 ○葉脈 vain , nerves
  ●脈相 venation
   ・平行脈 parallel vein:多数の主脈が平行に並ぶ脈、普通、側脈がない
   ・羽状脈 pinnately vein , penninerved = pinninerved
     :主脈から左右に対生して側脈が出るもの
     平行羽状脈 unicostate (parallel pinnate):左右の側脈が一直線に並ぶ
   ・網状脈 reticulate vain , branched vein , netted vein , reticulate nervule:
          細脈が網目状になるもの
   ・掌状脈 palmate , palmately nerved:中央脈がなく、数本の主脈が1点から出るもの
     平行掌状脈  parallel palmate(covergent):掌状脈で主脈が平行になるもの
                                (先で集まるもの)
   ・鳥足状脈 pedate vein:最下の主脈から、明瞭な一次側脈が出るもの
   ・三行脈 trinerve , triplinerve:主脈と同じような2本の側脈が基部から出るもの
   ・二叉脈forked vein , dichotomous vein:脈が二又分岐するもの
   ・縦脈 longitudinal vein:主脈に沿ってほとんどの側脈が縦に伸びるもの
   ・横細脈のある脈 cross-venulate vein:細脈が二次脈を繋ぐもの
   ・間質性脈 interstitial vein
   ・車状脈 rotate vein:盾状葉の放射状の脈
   ・弓状脈 arcuate vein:二次脈が先方向に弓状に曲がる
   ・単一脈 simple vein:主脈が1本だけあり分枝しないもの

  ●葉脈の構成
   ・主脈 principal vain = 一次脈 primary vein:最も太い葉脈、数本の場合もある
     多数主脈 malticostate、単一主脈 unicostate
     収束 covergent:先で集まる
     射出 divergent:放射状に出る
   ・中央脈(中脈) midvein , central vein:葉身の中央にある太い主脈
   ・側脈 lateral vein :主脈から分かれて出る葉脈
     分岐が繰り返される場合
      一次側脈 primary lateral vein =二次脈secondary vein , secondary nerves
      二次側脈 secondary lateral vein = 三次脈tertiary vein
      対 jugate , pair、掌状に palmately、真っすぐ straight
   ・横脈transverse vein
   ・細脈 veinlet , nervules:主脈や側脈から出る細かい脈
,     ・葉縁脈(ようえんみゃく) marginal vein:側脈をつなぐ葉縁に平行な脈
                     = intramarginal vein , collective vein
     ・亜葉縁脈 submarginal vein
     ・結合脈 cross vein
 ○樹脂道 resin canals:マツ科、ウコギ科などの樹脂の分泌道となる細胞空隙。
 ○表面の状態(毛の付き方など)
  ・ 無毛 glabrous、平滑 smooth、ほぼ無毛 glabrate , glabrescent、
   有毛 hairy、光沢があるglossy、無毛になっていく glabrescent、
   細かな粗い毛がある scabrellous、
   しわが多い rugose、白粉を帯びる(粉白色) glaucous、
   ざらざらした scabrous , scabrid 、表面が粗い asperous、
   刺がある prickly、フェルト状 felted、点状(斑点状) punctate、
  ・まばらに sparsely、密に densely、わずかに slightly、散在する scattered
  ・単生singly、束生 in tufts、密毛 indumentum、
  ・底着毛 basifixed hair:着点が一端の普通の毛⇔中着毛 medifixed hair
  ・伏した appressed , adpressed、曲がったcurved、縮れた crisped、
   開出した divaricate、下向きの retororse、
   開出毛 divaricate hair、伏毛 appressed hair , adpressed hairy、
   縮れ毛 crisped hairy、
  ・縁毛のある ciliate、繊毛(細く短い毛)のある ciliolate、
  ・毛の分枝の形
   単純毛 simple hair、分枝毛 branched hair
   星状毛 stellate hair 、星状のstellate、星状密毛 stellate indumentum、
   星状短毛で覆われた stellate-pubescent、
   又状の forked、樹枝状 dendritic、
   T形 T-shaped、T形(単細胞性のもの)malpighiaceous、
   丁字(ていじ)状毛(中着毛) medifixed hair:両端が尖り、中間に着点がある伏毛。
                            キク属、イワダレソウ
   Y形 (Y-shaped)
  ・継ぎ目のある(節のある)毛 jointed hair
  ●毛状突起 trichome:表皮細胞に起源をもつ毛状の突起、毛(hair)も含む。
    伏した毛状突起 appressed trichome:丁字状の剛毛。ミズキ、クマノミズキ
   ・パピラ=乳頭状突起 papilla (突起毛) :背の低い単細胞性の突起
    パピラがある papillate
   ・腺毛 glandular hair:柄 (stalk)と分泌性の頭部 (head)からなる毛状突起
    腺がある glandular、腺がない eglandular 、
    柔らかい微腺毛に覆われたglandular-pilose、
      粘液毛 mucilage hair, colleter:粘液を分泌する腺毛
     塩毛 salt hair::塩分調節を行う腺毛
     柄がないsessile
     腺点がある gland-dotted、盾状のpeltate、盾状腺がある peltate gland、
     粘液腺 mucilage gland
   ・鱗片毛(鱗片) scaly hair:複雑な形態をもった多細胞性の毛状突起
    鱗片状 squamous、鱗片に似たscalelike
   ・鉤毛(こうもう)(鉤状毛) glochidium , hooked hair:鉤状に曲がった毛状突起
     単細胞性(unicellular)と多細胞性(multicellular)がある
     螫毛(せきもう) barbed: 釣り針の逆とげのような毛、
   ・軟毛
     短毛のある(細い) pubescent , short-hairy:短くて柔らかい毛で覆われた
     ざらざらした短毛があるscabrous-pubescent
     下向きの短毛がある retrorse pubescent、
     伏した短毛のある appressed pubescent、
     微軟毛がある puberulent , puberulous、
     密毛 indumentum:細かい毛で密に覆われた
     羽毛 down:水鳥などの柔らかい綿毛状の羽毛
       羽毛のある plumose、
     長軟毛(長疎毛)がある pilose:長くて柔らかく、まっすぐな毛
     微長軟毛がある pilosulous
     長軟毛=柔毛(絨毛) villus, villose, villous:長くて柔らかく、波打つ毛
      微軟毛=微柔毛 villosulous
      曲がった長軟毛のある curved villous、
     綿毛に覆われた(柔毛の密生した) tomentose:平らなもじゃもじゃのマット状の毛
      微綿毛に覆われた(微柔毛の密生した) tomentulose、
     綿毛=羊毛で覆われる lanate =wooly hair:羊毛に似た長い細い毛で覆われた。
     絹毛がある sericeous、
     微小な灰白軟毛 canescent、
     クモ毛 cobwebby、クモの巣状 arachnoid、
   ・剛毛
     剛毛 bristle , setae
     剛毛がある bristly , barbellate , hispid , strigose, 、
     剛毛状の毛がある bristlelike hairy 、
     長剛毛の hispid、
     小剛毛のある hispidulous , strigillose , setuliferous
     細かい剛毛でおおわれる setulose、
     微細剛毛で覆われた hirtellous , hirsutulous
     粗毛、(剛毛の)毛深いhirsute:硬くて粗い毛に被われた
  ●毛状体emergence:基本組織や維管束が関与してできる毛状構造をもつもの
   ・刺毛(しもう)(棘毛) stinging hair:堅く尖った毛状体。
                        イラクサ属などでは中に毒液がある。
 ○気孔帯 stomatal band:針葉樹の葉裏に見られる気孔の並んでできる白色の帯
        stomatal line
  ヒノキ Y字形
   サワラ X字形
   クロベ 目立たない
 ○葉などの運動
   植物ホルモンによる方向性のある屈性と、決められた動きをする傾性に分けられる。
   ・屈性 tropism:環境からの刺激に応答して屈曲する性質
      正の屈性 :刺激の来る方向に向かうもの(光の場合は向日性)
      負の屈性:刺激の来る方向と逆に向かうもの(光の場合は背日性)
      屈光性 phototropism:光刺激による屈性
      屈触性=接触屈性 thigmotropism:接触による屈性、アサガオのつるなど
      屈化性=化学屈性 chemotropism:肥料濃度の高いところに根が伸びる性質
      屈地性 geotropism = 重力屈性 gravitropism:重力による屈性
      屈湿性 hygrotropism =水分屈性:根が水を求めて伸びる性質
         =向湿性hygrotropism:正の屈湿性がみられるもの
         向水性hydrotropism
         正の向水性positive hydrotropism
   ・傾性 nasty:刺激の方向でなく、植物の本来の構造や性質によって決るもの
      光傾性(傾光性) photonasty:花が明るい昼に開き、暗い夜に閉じる傾向
                   タンポポ、マツバギクなど
          就眠運動 nyctinasty=睡眠運動 sleep movements、昼夜運動:
                 傾光性により夜になるとゆっくりと葉を閉じ、朝に開く
      温度傾性 thermonasty:気温が高いと開花し、気温が下がると閉じる
                   サクラ・チューリップ・クロッカスなど
      接触傾性(傾触性) thigmonasty:接触が刺激となって起こる傾性
         接触性傾性運動
         オジギソウは葉枕が興奮収縮し屈曲運動を起す
         モウセンゴケは葉が包んで捕虫する。
      傾震性(けいしんせい)=振動傾性seismonasty:振動が刺激となって起こる傾性
         ごく軽い接触、液体や気体による局部的な圧変化、急激な温度変化など
         オジギソウの葉
      傾電性electronasty:電気刺激によって起こる傾性

<花序> inflorescence:茎に対する花のつき方
 ○花序柄 peduncle (花梗、総梗、花柄ともいう):花や花序がつく柄
 ○小花柄 pedicel(花柄、花梗、小花梗ともいう) :花序の中などの花が直接つく柄
 ・無柄 sessile
 ・花茎 stem of flower
 ・葉をつけないで直接地中から出る花茎.scape:ヒガンバナやスイセンなど
 ・花茎状 scapoid:茎の葉が著しく小さいために花茎のように見えるもの
   花茎状の scapiform
   類花茎状 subscapiform
 ・花序軸 rachis:花序の中心の花茎
 ・枝生花、花序分枝した ramiflorous , ramiflorus
 ・茎生花 cauliflorous
 ○花のつく密度
   密につく dence , densely、疎につく lax, まばらに sparsely , 緩く loosely 
   わずかに slightly
 
 【花序の開花の順序による分類】
  開花が順序よく行われるものは有限花序と無限花序に分類される。
 ○無限花序 indeterminate inflorescence = 求心性花序 centripetal inflorescence
         indefinite inflorescence
   花序が上へ伸び、下から順に成熟して花が咲いていくもの。
   単軸(monopodial)
  求頂成熟無限花序:花は下から上に向かって咲き進み、最後に頂花 が咲く。
 ○有限花序 determinate inflorescence = 遠心性花序 centrifugal inflorescence
         definite inflorescence
   最後に生じた頂部の花がまず咲き、花の数を限定するもの
    仮軸/連軸(symopodial)
  求基成熟有限花序:花は上の頂花から咲き、下に向かって咲き進む。
  求頂成熟有限花序:頂花が咲き、下から上に向かって花が咲き進む。
 
  求(向)頂的 acropetal:先端に向かって花が成熟していくこと(下から順に咲く)
  求(向)基的 basipetal:基部に向かって花が成熟していくこと(上から順に咲く)

 【花序の形態的な分類】
 ○花序のつく位置
   頂生(terminal)、腋生(axillary)、底生(basal)、側生(lateral)
   葉腋の上につく(supraaxillary)、茎生花の(cauliflorous)
 ○単頂花序 solitary inflorescence: 花茎の先や葉腋、枝先に花が単生するもの。
        =uniflowered inflorescence
 ・単生(solitary)
  ・頂花 terminal flower:花が花茎の頂端だけにつく
   スイレン科、カタクリ (ユリ科)、ハス科、スミレ属 (スミレ科) など
  ・腋花(えきか) axillary flower:花が茎の側方の苞の腋につく
 ○双生 paired :花が2個ずつつくもの
 ○束生(密散花序) fascicle , close cluster :花が多数、束状につくもの
     房状(密集する) cluster
 ○単散花序(単出集散花序) monochasium: ミヤマイ (イグサ科) など。
    枝は各節に1本で主軸に互生する。
 ○集散花序 cyme, cymose:主軸の先端と下部の節から出た横枝に花がつくもの
  ・単出散花序 monochasial cyme:枝は各節に1本生じるもの。
  ・巻散花序(かんさん) drepanium: (さそり型花序、鎌形花序、鎌状集散花序)ともいう。
    ムラサキ科に見られる。
   枝は各節に1本で主軸に対して常に遠位側に分枝し、一平面上に渦巻き状になる。
  ・扇状花序 (扇状集散花序) rhipidium: ゴクラクチョウ (バショウ科) など
   枝は各節に1本で一平面上で左右交互に分枝する。
  ・かたつむり形花序 (かたつむり状集散花序) bostryx:(キスゲ科 など
    枝は各節に1本で同一方向に直角な面に分枝し、立体的な渦巻き状になる。
  ・さそり形花序 (扇状集散花序 ) , cincinnus(pl. cincinni):ツユクサ科に見られる。
   枝は各節に1本で 左右相互に直角な面に分枝し、立体的になる。
  ・さそり形花序 (巻散花序、かま型花序) scorpioid:ワスレナグサ、キュウリグサなど。
   枝は各節に1本で、花軸の先端は螺旋を描いて巻き、花が外側に並ぶもの。
  ・二出集散花序 (岐散花序) dichasium , dichasial cyme:枝は各節に2本生じるもの。
    ナデシコ科、ヤドリギ科 、ニシキギ科など。
  ・多散花序 pleiochasium: ヤブガラシ、キリンソウ、アジサイ、ガマズミ など
    枝は各節に3本以上生じ、節間や花柄が明瞭。
  ・頭状集散花序 capitate cyme
  ・団散花序(だんさん) glomerule: 小さなボール状の集散花序
    ヤマボウシ、ミズ属 、レンプクソウ属など。
    枝は各節に3本以上生じるが、節間や花柄が短縮して不明瞭
  ・小集散花序 cymule
 ○杯状花序 (椀状花序、壺状花序) cyathium:トウダイグサ科の一部に見られる
    基部に苞葉があり、杯状の総苞involucre (杯状体) に小さな数個の花が頂生する。
   中心に1個の雌花、周囲に雄花があり、花序が1つの花のように見える (偽花)。
   複合の擬散形花序となることが多い。
    ・一次総苞葉 primary involucral leaf:杯状花序の基部であり、茎頂につく。
                           茎頂の葉と解説していることも多い。
    ・一次散形柄(茎頂の枝) primary ray:複散形花序の放射状につく一次の柄
    ・ 杯状花序苞葉(総苞葉) cyathophyll:杯状花序の基部につく苞葉
    ・杯状体 (杯状総苞、総苞) involucre
    ・腺体 cyathial gland, gland :杯状体の上につく腺。形や色が異なる。
 ○隠頭花序 (イチジク状花序) hypanthium:イチジク科に見られる
    花序軸が多肉化し、中央が窪んで壺状になっているもの。
    癭花(えいか)gall flower イチジク状花序の短花柱の小花
 ○球花 strobilus , strobile , cone :針葉樹(マツなど)の球形花序
  ・花粉錐(毬状花序) pollen cone :針葉樹(マツなど)の雄花序
   = 雄錐 male cone , microstrobilus
     中心軸から広がる小胞子葉(葉の変化)の集まり。
      小胞子葉には各々1~数個の小胞子嚢(花粉嚢)がある。
        小胞子葉 microsporophylls
        
  ・ 胚珠錐(球花) ovule cone , seed cone:針葉樹(マツなど)の雌花序
   = 雌錘 female cone , megastrobilus⇒果実:毬果、球果strobile , corn , seed cone
 ○総状花序 raceme , racemiform:長い主軸に有柄の花が並んでつくもの
  ・小穂(しょうすい)spikelet:総状花序が極端に圧縮して鱗片が重なり合う構造のもの
             イネ科、カヤツリグサ科では小穂が花序の構成単位と見なされる。
    総状の racemose
 ○穂状花序(すいじょう) spike , spiciform:長い主軸に無柄の花が並んでつくもの。
             オオバコなど
     穂状花序的に(spicately)
   ・尾状花序 amant, amentum , catkin:単性の花が穂状につき、垂れ下がる。
       枯れたときには、花序の基部から外れて落ちる。
       ヤナギ科、カバノキ科などを特に指して言いう。
   ・イグサ形花序 anthela, anthelae:カヤツリグサ科にみられる
   ・肉穂花序 spadix:穂状花序の主軸が肉厚に膨らんだもの。
      セキショウ、ショウブ、ミズバショウ、コンニャクなど
    ※ガマも肉穂花序に含められる。上部の雄穂花序、下部に雌穂花序がつく。
     ●カルポディウムcarpodium(pl. carpodia):
       ガマ属にみられる子房と胚珠が退化してこん棒形になった不稔の雌花。
       短い花柱があり、広がった柱頭を欠く。
   ・頭花(頭状花序) capitulum(pl. capitula) , caput, head , capitate:
      花床に無柄の小花 floret が密生してつく。
      穂状花序が極端に詰まったものと考えられている。キク科など。
       キク科の場合は基部の総苞でまとまり、1個の花のように見える。
       頭状花のないacephalus
      小花 floret:頭花の中の個々の花
       周辺小花 outer floret , ray floret、中心小花 central floret ,disc floret
       舌状小花 ligulate floret
         小舌(舌片) ligule , lamina(pl. laminae)、小舌状の lorate
       筒状小花 tubular floret、
         拡大部 limb:舌状小花の広い部分、筒状小花の花冠の拡大部
         爪部 claw :舌状小花の狭くなった爪部
       両性小花 bisexual floret
      頭花のタイプ(訳が見つからないため推定)
       ①筒状小花頭花discoid capitulum :小舌の無い筒状小花だけからなる頭花
         例)アザミ属、チチコグサ、ハハコグサ
       ②放射状頭花 radiate capitulum:中心に筒状小花、周辺に舌状小花がある
         例)シオン属、セイタカアワダチソウ、ヒマワリ:
       ③舌状小花頭花 ligulate capitulum:舌状小花だけからなる頭花
          例)アキノノゲシ、アゼトウナ、ニガナ、タンポポ、キクニガナ(チコリー)
      異形配偶 heterogamy , heterogamouse:頭花に形の異なる小花がつく
      同形配偶 isogamy , isogamous:頭花に同形の小花がつく
      筒の開いた部分 limb
      小歯状 denticulate:小舌の先。3小歯 3-denticulate
      集葯雄しべsyngenecious stamen :葯の部分で結合した(united)雄しべ
      葯筒(やくとう) stamen-colume :葯が筒状に結合し、花柱を取り囲むもの
                 anther-columeともいう。
      葯の付属体 appendage(hood):葯筒の先端部分などにある付属物
            鱗片状、基部につく Philibertia
            皿状 plate-like     Gonolobus
      総苞 involucre:花序の基部に多数の包が密集したもの
        円筒形cylindric、こま形(倒円錐形) turbinate、紡錘形 fusiform、
        鐘形campanulate、広鐘形broadly campanulate、半球形 hemispheric
       総苞片phyllary , involucral bract:総苞の個々の苞片
        外総苞片outer phyllary、 内総苞片inner phyllary , palea
        列(配列)series , seriate
        角状突起(かくじょうとっき)がある corniculate
        こぶ状突起(カロース)がある callose
      冠毛 pappus(pl. pappi)(萼片にあたる)
      下位痩果 cypselae:複数の心皮からなり、子房下位で果皮が萼筒と癒合し、
                              痩果となるもので、単に痩果といわれる。
                        菊果ともいわれ、タンポポ、ヒマワリなどに見られる

 ○散房花序 corymb , corymbiform:主軸が短く、それより長い花柄の花が固まってつく。
     サクラ、アジサイなど。
      装飾花ornamental , sterile radiant flowers、周辺のperipheral
 ○散形花序 umbel, umbellate inflorescence:
      主軸が極めて短く、花柄がほとんど同じ点につく。
      ヤツデ、サクラソウなど
     散形花序柄がある(散形状) radiate
     散形花序の形態でumbelliform
   擬散形花序 pseudumbel:散形花序のような花序。トウダイグサ属など

 【単一花序と複合花序】
   ●単一花序 (simple inflorescence) :1種類のみの花序からなるもの
   ●複合花序 (compound inflorescence) :複数の花序が組合わさっているもの
    合成花序 synflorescence:頂部の1個の主な花序と下方の複数の側花序からなる
                     複合花序の1型
 ○同形複合花序 (isomorphous compound inflorescence) :同じ花序の複合
  ・ 複総状花序 (compound raceme) :総状花序の複合
    例)(ユキノシタ科)ユキノシタ属 、(ミズキ科) アオキ属 など
  ・複穂状花序 (compound spike) :穂状花序の複合
    例)(イネ科)カモジグサ属など
  ・複散房状花序 (compound corymb) :散房花序の複合
    例)トベラ (トベラ科) 、ナナカマド、シモツケ (バラ科) など
  ・ 複散形花序 (compound umbel) :散形花序の複合
    例)セリ科
    大散形花序の柄 ray
    小散形花序 umbellule , umbellet
    苞bract、小苞bracteole、総苞involucre、小総苞involucel
  ・複集散花序 (compound cyme) :集散花序の複合
    例)アカネ科、オミナエシ科
  ・ 藺状(いじょう)花序 (juncoid cyme) :単散花序の複合
    例) (イグサ科) イグサ属など
  ・ 輪散花序 (輪状集散花序) (verticillaster) :
   対生する葉の葉腋に生じる2個の集散花序の複合。
   偽輪生false verticillate のため、多段につく1段を仮輪という。
    例)(シソ科)ハッカ、オドリコソウなど
 ○ 異形複合花序 (heteromorphous compound inflorescence):
    花序が異なる花序形に複合するもの
  ・穂状総状花序 (spike-raceme) :穂状花序が総状に複合
    例)(イネ科)スゲ属、ササ属、ヌカボ属など
  ・散形総状花序 (umbel-raceme) :散形花序が総状に複合
    例)(ウコギ科)ウド、ヤツデ など
  ・頭状総状花序 (capitulum-raceme) :頭状花序が総状に複合
    例)(キク科)オタカラコウ属などの
  ・巻散総状花序 (drepanium-raceme):巻散花序が総状に複合
    例)(トチノキ科) トチノキ など
  ●密錐花序、密穂花序 (thyrse , thyrsiform , thyrsoid) :二出集散花序が総状に複合
    例)ライラック、セイヨウトチノキ、(サクラソウ科)ヤナギトラノオ など
  ・頭状穂状花序 (capitulum-spike) :頭状花序が穂状に複合
    例)(キク科)セイタカワダチソウ、アキノキリンソウなど
  ・頭状散房花序 (capitulum-corymb) :頭状花序が散房状に複合
    例)(キク科)のキオン、サワギクなど
  ・頭状集散花序 (capitulum-cyme) :頭状花序が集散状に複合:
    例)(イグサ科)コウガイゼキショウ など
  ・穂状頭状花序 (spike-capitulum) 穂状花序が頭状に複合
    例)(イグサ科)ホタルイ など
 ○円錐花序 panicle , paniculiform:円錐形の複合花序の総称
    複合花序の中で、下部の枝が上部の枝よりも長いため全体で円錐形を示すもの。
    ・複総状花序系:
         (ユキノシタ科)ユキノシタ や (アジサイ科)ノリウツギ、 (ガリア科)アオキ など
    ・穂状総状花序系:(イネ科) ササ属やヌカボ属 など
    ・散形総状花序系:ウドやタラノキなど
    ・頭状総状花序系:(キク科)セイタカアワダチソウ など
    ・不完全な円錐花序 reduced panicle:小さなジャノヒゲなどの花序

<苞> bract , floral bract
  ・花後増大accrescent:花後に大きくなり宿存する
 ○形
  葉状の(foliate, foliaceous)、剛毛状(setiform)、羽毛状(plumose)
 ○落ちやすさの違いによる分類
  ・早落性 caducous , fugacious :脱落しやすい 
  ・宿存性  persistent :落ちなく、残る
  下向きに湾曲 declinate
 ○苞による花序の分類
   苞がある(含苞性) prophyllate 
   ①苞のない花序 ebracteate inflorescences:花序の内部には苞がない
   ②小さい苞のある花序bracteate inflorescences:花序の内部に苞がある
   ③葉(又は葉のような苞)がある花序leafy inflorescences:花序の内部に葉がある
   ④leafy-bracted inflorescences:②と③の中間
 ○苞葉、苞 bract
   苞葉のような bracteal
   苞葉がある bracteate
   苞葉がない bractless
  ・蓋葉(がいよう) subtending leaf :花序や芽を抱く葉、苞のように見える葉。
  ・花の苞 floral bract:花のすぐ下につく苞
 ○パレアpalea(pl. paleae , pales):小さな膜質の苞(鱗片)
                頭花の小花の基部につく小さな苞。ヒマワリなどに見られる。
      chaff、 receptacular bracts ともいわれる。
 ○小苞葉、小苞 bracteole , bractlet
   小苞葉がある bracteolate カールしたcincinni
 ○総苞 involucre , involucral bracts :花序全体の基部を包む苞
      キク科、ホシクサ科などの頭花やドクダミの花穂に見られる。
    クモ毛状 cobwebby:アザミ類で見られる。
    ふわふわしたクモ毛状 fluffily cobwebbyy:アザミ類で見られる。
   ・総苞片 phyllary , involucral scale , involucral bract , involucral leaf:総苞の各片
      付き形を列数 series , seriateで示す。
    外総苞片 outer phyllary:最外部の列の総苞片
    内総苞片 inner phyllary:上記以外の内側
     広がって伸びるpatent、反り返る reflexed
 ○副萼 calyculus(pl. calyculi) , calycular bract , accessory calyx:
      ヘビイチゴ、オシロイバナ、バラなどに見られる(萼の外側にある萼状の苞葉)
      センダングサ属(総苞の下につく、萼片状に見える苞葉)
  ○前出葉、前葉 prophyll:葉状であり、萼の外側にあり、萼から離れて柄にもつく苞
       トウダイグサ属にみられる杯状花序苞葉も前出葉の1つ
 ○杯状花序苞葉cyathophylls:杯状花序の基部につく苞葉.
 ○萼状総苞 epicalyx :ゼニアオイ、ワタなどに見られる
   萼状総苞片 episepal:萼状総苞の個々の片
 ○杯状体 (杯状総苞、総苞) involucre:トウダイグサ科
 ○仏炎苞 spathe :花全体を包むような形になる苞
    サトイモ科、バショウ科の肉穂花序を包む大きな苞
    バショウ科ゴクラクチョウ、アヤメ科、ツユクサ科の包も仏炎苞という
    スイセンの苞もspatheということがある。
   仏炎苞のある、仏炎苞状 spathaceous
   ※ ツユクサの花序を包む苞は総苞 involucral bractsspathe とされる。
     ただし仏炎苞 spathe という見解もある(Flora of north America)。
     アヤメ科の苞はspatheとするのが一般的であるが、日本では仏炎苞といわない。
      苞の中に1~数個の花をつける。
 ○小仏炎苞 spatheole:1個又は対の総状花序を包む小形のspathe
      イネ科でみられる。
 ○花苞 bud:ホシクサ科の小花(雌花、雄花)につく
 ○苞頴 glume:イネ科の小穂の基部にあり、第1苞頴、第2苞頴
 ○鱗片glume:カヤツリグサの小穂の中につく小苞にあたるもの

<花>flower
 器官学、解剖学、発生学の知見から、雄しべと雌しべ(心皮)は葉的器官であり、それぞれ小胞子葉と大胞子葉にあたる。花被、萼も葉の特殊化したものである。これらの葉が変化した雌しべ、雄しべ、花弁、萼片などを総称して花葉 floral leaf と呼ぶ。花は花柄(かへい)の上につき、花柄の先端が変化して花托(かたく=花床)となり、これに花葉がつく。これに対し、花を構成している部分のうち、雄しべと雌しべが軸または軸と葉的器官からなるとする見解もある。
 ○花(花被や花冠)の形 flower form
    漏斗形 funnel-shaped , infundibuliform , funnelform
    杯形 cup-shaped 、椀形 bowl-shaped :杯形より広い、
    高盆形、高杯形(たかつき)hypocraterimorphous , hypocrateriform , salverform
    鐘形 campanulate、ボート形 navicular
    巾着形 calceolate=スリッパ形 slipper-shaped
    つぼ形 urceolate、
    噴火口状(漏斗形) crateriform、
    管状quilled 、salverform
    ワイングラス形 goblet-shaped、
    X字形(十字形) decussate、十字形 cruciform , form of a cross:
    蝶形(豆形花) papillionaceous、 蝶形 butterfly-shaped
    蘭形 orchidaceous、仮面形 personate、兜状 galeate、
    バラ形 rosaceous , rose-shaped スミレ形
    ユリ形liliaceous、ナデシコ形caryophylleous
    輻状花冠(ふくじょう)rotate corolla:筒部が極めて短く又は無く、底部より広く開出
      =車形 rotate , wheel−shaped ともいう。
 
 ○ 花(花被や花冠)の色 色彩用語参照
 ○(しみ状)斑紋がある blotching、斑点あるfleck
 ○開花期 anthesis
 ○花の並び方
   偏側性secund、二列distichously
 ○花の相称性
   ・左右相称 zygomorphic:主軸に対して左右の各部分が対称の関係にあること
   ・放射相称 actinomorphic , radially symmetric:
                  生物体の中心軸を通る相称面が3個以上あること
   ・非相称 asymmetric:対称軸がないこと
 ○数性merous:花葉の数の基本数
   2数性 bimerous、3数性 trimerous、4数性 tetramers、5数性 pentamer , 5-merous
   不特定多数:原始的な花では数性がなく不特定。シキミ、スイレンなど
 ○花葉の配列
   ・輪生 wholed arrangement: 軸に対して輪状に配列。普通の配列。
     輪生花 cyclic flower
   ・螺旋 spiral arrangement:軸に対して螺旋状に配列。花葉全て螺旋配列は少ない
     非輪生花 acyclic flower。
       モクレン属 :花被片が輪生し、雄しべ・雌しべが螺旋配列
       スイレン属:萼片と雌しべが輪生し、花弁と雄しべが螺旋配列

 ○小花 floret:頭状花序の中の花
 ○花の雌雄性
  ・両性花 bisexual flower , androgynous flower
   =完全花 perfect flower:萼、花弁、雄しべ、雌しべのすべてをもつ花
    雌雄異熟 dichogamy:両性の花や花序で雄性期と雌性期が時間的にずれること
     雄性期 male stage:花粉を出す時期
     雌性期 female stage:雌しべが花粉をつけられる状態になっている時期
     雌性先熟 protogynous , proterogynous:雌雄異熟で、雌性期が先のとき
     雄性先熟 protandrous , proandry:雌雄異熟で、雄性期が先のとき
  ・単性花 unisexual flower
      雌花(雌性花) pistillate flower , female flower=雌しべ群 gynoecia
     雄花(雄性花) staminate flower , male flowe=雄しべ群 androecia
 ○性型(雌雄同株・異株)
  ●混生:同一株に雌雄が混在するもの
    ・完全同株(両性)    
      ①雌雄両全性hermaphrodite , hermaphroditism:同一株に両性花のみ
      ②雌雄同株 monoecy , monoecious:雌花と雄花が同株に混在するもの
        (雌雄異花同株)  名詞は-y 形容詞は-cious 
        雌雄異苞(雌雄独立同株)autoicous:雌花と雄花が独立して同株にある
                 cladautoicous:雌雄異苞で雌花と雄花が別の枝にあるもの
        雌雄共立同株 synoicous=androgynous:同一花序内雌雄同株
              造精器(antheridia)と造卵器(archegonia)が同一集団内にあり
              コケ植物(bryophytes)で見られる。
        雌雄列立同株 paroicous:雌花と雄花が異なる葉腋にある
              造精器(antheridia)と造卵器(archegonia)が別の集団内にあり
              コケ植物(bryophytes)で見られる。
        雌雄混立同株 heteroicous=雌雄混株polygamous= polyoicousともいう:
              コケ植物(bryophytes)で見られる。
              環境により雌雄同株又は連続的な雌雄異株のどちらもあるもの
    ・不完全同株(雑性)
        =雌雄混株 polygamy (polygamous)
          単性花(雄花、雌花)と両性花とが同株中に混在するもの
          雄花、雌花、両性花の3つが混生するものも含む。
       異形配偶 heterogamy , heterogamouse  
       雌雄混株の同株 polygamo-monoecious
      ③雄性同株 andromonoecy , andromonoecious:同一株に両性花と雄花が混在
        (雄性両性同株、雄花両性花同株 、両性雄花性 )
      ④雌性同株 gynomonoecy:同一株に両性花と雌花が混在
        (雌性両性同株)
      ⑤三性同株 trimonoecy , coenomonecia:
          同一株に両性花と雄花と雌花が混在
  ●離生:雌雄のいずれかが別株となるもの
    ・完全異株:両性花を含まない
      ⑥雌雄異株(単性雌雄異株)dioecy , dioecious , diecious:
               雌花と雄花が別株で、混在しないもの
    ・不完全異株 polygamodioecious , polygamo-dioecious:両性花を含む異株
      ⑦雄性異株 androdioecy:両性花の株と雄花の株がある
        (雄性両性異株,雄花両性花異株)
      ⑧雌性異株 gynodioecy , gynodioecious:両性花の株と雌花の株がある。
        (雌性両性同株, 雌花両性花異株)
      ⑨三性異株 trioecy :両性花の株と雄花の株と雌花の株がある
  ●不完全雄花 subandroecy , subandroecious:
             
 ○ 開放花 chasmogamous flower:普通に開花受粉するもの
    開花受精 chasmogamy、開花受精の chasmogamic、
    開花受精する chasmogamous
 ○ 閉鎖花 clestogamous flower :開花せずに果実ができるもの
    閉花受精cleistogamy
    閉花受精の cleistogamic、 閉花受精する cleistogamous
 ○花被 perianth:萼と花冠の総称、
            その区別がつかないときの両者全体の呼称。
             =未分化undifferentiated
   =花蓋(かがい)perigone
   異花被花 heterochlamydeous flower :花弁と萼片の区別が明瞭な花被
   同花被花 homochlamydeous flower :花弁と萼片の区別が不明瞭な花被
    花被片tepal , segment , perianth segm nt:花弁と萼片の区別が不明瞭なとき
      外花被片 outer tepal , outer segment、内花被片inner tepal , inner segment
    花被の筒部 perianth tube
   花弁petal と萼片sepal:区別できるとき
  ①花冠 corolla:花を構成している花弁の全体をさす。
      離弁花冠と合弁花冠がある
     捩じれるrotate
     花冠の、花冠に係る corolline
   ●離弁花冠 schizopetalous corolla , choripetalous corolla , dialypetalous corolla
           polypetalous
       花弁 petal が離れて独立(free)している花冠。
          離生 free
       スミレ、マメ、アブラナ、ナデシコ、サクラなど
     ・離弁花 schizopetalous flower:離弁花冠の花
    ・花弁 petal
        円形 orbicular、卵形 ovate 、倒卵形 obovate 、楕円形elliptic、
        長楕円形oblong、帯ひも状 lorate
        披針形lanceolate、三角形deltoid、
         台形、梯形(ていけい)、不等辺四辺形 trapeziform、
        線形 linear、糸状 filiform、2裂 bifid、花弁がへこんだ(凹形) emarginate.
      花弁の縁  
         歯状 dentate 、微細不整歯erose
     ・花弁の並び方(萼片の並び方) 
        幼葉態(ようようたい) aestivation , estivation
       (1)覆瓦状(ふくが)imbricate:並ぶ縁が重なり合う
         ○回旋状の=片巻型 convolute , obvolutre , twisted , contorted:
              一方向に順に重なって旋回する配置、ナデシコ属など
          ・螺旋状 cochleate=involute, spirally , twisted
           =渦巻形apotact
          ・巻畳状contortiplicate=prefloration=contorted and plicate:
              片巻きがあり、また折りたたみひだがある
         ○梅花状の(5数性の)quincuncial:
            5数性で梅花状
         ○上向きの覆瓦状ascendingly imbricate
         ○下向きの覆瓦状descendingly imbricate=vexillary
       (2)敷石状 valvate :並ぶ縁が重なり合わないで隣り合う
          ・内向敷石状 induplicate:内側に巻きつつ軸の周りに並ぶ
          ・外向敷石状 reduplicate:外側に巻きつつ軸の周りに並ぶ
       (3)折扇状plicate:扇のように折り畳んだ
       (4)開出open:花弁と萼片が重ならず、互いに接触しない
       (5)十字対生状decussate
       (6)しわくちゃ状、しわの寄ったcrumpled
     旗状 vexillary、鉤爪状 clawed
    ・花弁がない apetalous
    ・拡大部 limb:花弁の爪部を除いた広い部分、筒状小花の花冠の拡大部
    ・爪部 claw :花弁の基部の狭い部分
    ・副片plicae:花冠裂片の間にある小さい裂片、リンドウ科で見られる。
    ・カリプトラ、帽子、帽 calyptra:顕花植物の結実器官と結びついた笠状の部分
                       蘚類の蒴帽、蘚帽
   ●合弁花冠 gamopetalous corolla , synpetalous corolla:
          花弁 が癒合(united)し、個々の花弁 petalがないもの。
          ツツジ、オドリコソウ。キクなど..
     ・裂片の状態 離れるdistinct、基部で癒合する(合着する)connate basally
      繋がる joined
     ・合弁花 gamopetalous flower
     ・花冠筒部(花筒) corolla tube , tube , perigone tube
     ・花冠裂片 corolla lobe , limb
      ・2唇形 bilabiate:舌片が向かい合って2枚つく、舌状花から筒状花への移行形
        センボンヤリの春の舌状花に見られる。
    ・副花冠 corona , catacorolla , vice corolla , cup:
        花弁の内側にあって、花弁に似た形をしているもの
        スイセンなどの花冠に見られる。
  ②萼 calyx:花を構成している花葉のうち、最っとも外側にあるもの
     離片萼と離弁萼がある。
   ●離片萼 chorisepalous calyx , dialysepalous calyx , schizosepal ,
          schizosepalous calyx , polysepalous calyx
       萼片が離れて独立している萼
      ・萼片 sepal:離片萼の一枚一枚を萼片 
        縁毛のある ciliate、無毛 glabrescent , glabrous、
        三角形 triangular、 披針状三角形 lanceolate-triangular、
        錐(きり)形 subulate,
        萼の前にある{萼片と中心軸が同じ位置にある} antisepalous , antesepalous
        狭窄するconstricted、後屈 reflexed
      ・萼片の内面と外面
        内面の adaxial , adaxially 、外面の abaxial , abaxially ,
          (葉の場合には葉表adaxial、葉裏abaxialとなる。)
      ・花弁状 petaloid、 萼片状 sepaloid

   ●合片萼 gamosepalous , synsepalous calyx:萼筒があるもの
       つぼ形 urceolate、惰円形ellipsoid、円筒形cylindrical、卵形ovate
       鐘形campanulate、狭鐘形 narrow campanulate、広鐘形 wide campanulate
       円蓋(えんがい)状=ドーム形 cupular、
       漏斗形=ロート形 funnel-shaped、カップアンドソーサcup-incup、
       小皿形 patelliform、盃形 cupuliform、類盃形 subcupuliform、
       倒円錐形 obconical、斜めのobliquely
      ・萼筒(がくとう)calyx tube:萼片sepal が合着して筒状になったもの
      ・萼裂片(がくれつへん)calyx lobe :萼筒の先の裂片
      ・萼歯(がくし)calyx teeth:萼裂片の小さいもの
  ○鱗被(りんぴ) lodicule:イネ科の花被、雌しべと雄しべとの間にある鱗片状のもの
  ○雄しべ stamen
   萼片の前にある antesepalous = antisepalous 、
   花弁の前にある antepetalous = 花弁と対生する antipetalous、
   萼と互生する alternisepalous、萼と対生する oppositisepalous
   花弁につく epipetalous
    分離 distinct、密着 coherent、合着connate、融合したfused
    離れ=離着(離生) free、沿着(合成、直生) adnate、統合 united、上生adnexed
   ・雄しべ群・雄ずい群 androecium
     雄しべのつく位置
      萼上生 episepalous:萼に雄しべがつく 例) Rosaceae
      花冠上生 epipetalous:花冠に雄しべがつく 例)合弁花類の多く
      花被上生 epitepalous:花被に雄しべがつく 例)Iris
      雄蕊着生 epigynoecious:雄しべと雌しべが合着 
                      例) ウマノスズクサ科, センリョウ科
       合着が極度に進んだものは個別の名前で呼ばれる
              蕊柱 gynostemium:ラン科
              肉柱体 gynostegium:ガガイモ科
    雄しべの長さの違い
      2長雄しべ(二強雄蕊) didynamous:4本中、2本が長い
           左右相称花で、上側の1対が長い ウツボグサ、ヒメオドリコソウ
                     下側の1対が長い キランソウ、イヌゴマ
      3長雄しべ(三強雄蕊) tridynamous:6本中、3本が長い。
            外輪の3本が長い:スイセン
      4長雄しべ(四強雄蕊) tetradynamous:6本中、4本が長く、2本が短い。
           内輪の2本が長い:アブラナ科
      5長雄しべ((五強雄蕊) pentadynamous:10本中、5本が長い
           外輪の5本が長い:ミソハギ属、カタバミ属
           内輪の5本が長い:フウロソウ属
   ・多数雄しべ polystemonous :花に多数の雄しべがつくもの
          花冠から突き出る protruding
          突き出ない
  ・集葯雄しべ=集葯雄ずいsynandrium , syngenesious stamens=合葯雄蕊:
      花糸は分離し、葯が合着して円筒形になった雄しべ。キク科など
  ・葯 anther:雄しべの花粉が入った袋全体
     葯の雄しべに対しつく方向
      ①内向き=内向 introrse 、 内向き状の横向きintrorse-lateral
      ②横向き=側向(左右に開く) latrorse
      ③外向き=外向 extrorse
      ④多方向の 変わりやすいversatile
     平行parallel、末広がり divergent、向かい合ったopposite
     開出した(分岐する)divaricate、合流するconfluent、内折れincumben
     つく位置
       底着のbasifixed、背着のdorsifixed、頂生terminal 、腹部につく ventral
       丁字着 versatile、子房基部着生のgynobasic、中着の medifixed
     葯の形
      矢じり状のsagittate、十字形 cruciform, cruciate、扁平な applanate
      盾状のpeltate
     葯室 anther cell , anther locule , microsporangium , theca(pl. thecae):
         葯の個々の袋 、 普通4個
       単室の (unilocular) 、 2室の (bilocular) 、 小室のある (loculate, loculated) 、
       2室性 (bilocularis) =2胞子嚢(bisporangiate)、
       4室=4胞子嚢(tetrasporangiate)
       半葯 theca:葯隔によって2分された隔室
            2半葯の dithecal
     葯隔 connective: 葯室と葯室の間の花糸先端部分
         ヒトリシズカの花の白色部分は葯隔の変化したもの
     葯帽=葯蓋 anther cap:蘭のずい柱の葯の花粉塊を包む蓋(帽子のようにとれる)
     裂開するdehiscing、縦にlongitudinally、横にtransversely、孔でby pore
     葯開(開花) anthesis
   ・葯の付属体 appendage(hood):葯筒の先端部分などにある付属物
       スミレ
     付属体のない unappendaged
   ・花糸 filament :雄しべの葯を支える柄
     花糸が離れて独立 distinct , free
     花糸の合着 connate
      ①単体雄ずい(単体雄しべ)monoadelphous stamen::
        花糸が全て基部で合着し1束となるもの。輻合(ふくごう)connivent ともいう。
        例) ムクゲ、ツバキ
      ②二体雄ずい(二体雄しべ) diadelphous stamen:花糸が合着し2束となるもの
        例) マメ科の多くは10雄しべ中9が合着、1が離れる
      ③多体雄ずい(多体雄しべ)
        3体雄ずい(3体雄しべ):オトギリソウ
        5体雄ずい(5体雄しべ): トモエソウ
     オシベの柄 androphore :オシベそのものを指すこともある
 ○雌雄しべ柄 androgynophore
 ○半雄しべ semi-stamen:雄しべの花糸が分裂して2本の雄しべのようになった1本
                  レンプクソウなどで見られる。
 ○仮雄しべ staminode
       不完全雄しべ stamen sterile :ハイブリッドなどで見られる。
        完全雄しべ  stamen fertile
    仮葯 antherode:機能のない葯
    花弁状の petaloid
 ○花粉の形成
    花粉母細胞=小胞子母細胞 (pollen mother cell, PMC) から花粉が形成される。
      初めに花粉四分子ができ、すぐに分離して小胞子になる。
      小胞子が葯室内の発達した花粉壁中で細胞分裂を数回行い、花粉粒となる。
    花粉四分子 pollen tetrad:花粉形成の前段でできる小胞子が4個集まったもの
    小胞子 microspore:花粉母細胞から減数分裂により生じる単相の雄性胞子
    小胞子形成 microsporogenesis:花粉母細胞の減数分裂によりできる
      小胞子形成(花粉四分子形成)の2型
        減数第1分裂後の分裂の形式により2型に大別できる。
      ①連続型小胞子形成 successive microsporogenesis:
         連続的に細胞質分裂、細胞壁形成 (カロース沈着を伴う) が起き、
         二分子が形成される。細胞壁形成は遠心的である。
         個々の二分子で減数第2分裂が起き、単相の花粉四分子が形成される。
      ②同時型小胞子形成 simultaneous microsporogenesis:
         減数第1分裂後に細胞質分裂が起こらず、2核の細胞が形成される。
         2核は同調して減数第2分裂を行い、単相の花粉四分子が形成される。
         カロース沈着を伴った細胞壁は求心的に形成される。
    小胞子の配置
     ・双同側型 (isobilateral) :一平面上に4つの小胞子が列んでいる。
                      連続型によってできる。花粉は基本が単溝粒。
                      原始的であり原始被子植物や単子葉類に見られる。
     ・四面体型 (tetrahedral) :四面体の各頂点に小胞子が配置されている。
                      同時型によってできる。花粉は基本が三溝粒。
                      派生的であり、真正双子葉類の特徴。
     ・その他 十字対生型、線状型、T字型
       ツツジ科などの4集粒は花粉四分子が集合したまま成熟・放出されるもの
 ○花粉 pollen ::花粉粒の集り
 〇花粉粒 pollen grain , pollenkorn:花粉の個々の粒子
  ・細胞分裂期 cell stage
    4細胞期4 cell stage、3細胞期 3-cell stage、2細胞期 2-cell stage
  ・集合花粉粒
    単集粒 monad 、単粒 single grain
    2集粒 dyad:2個の花粉粒の集合 ホロムイソウ
      2核 2-nucleate、3核 3-nucleate
    4集粒 tetrad:4個集合、 ガマ、ツツジ科、クチナシ 、オジギソウ
    多集粒 polyad: 8個以上の花粉粒が集合、フサアカシア、ネムノキ(16集粒)
    花粉塊 pollinium(pl. pollinia), pollen mass: 多数集合して大きな塊になったもの
      ガガイモ類 (キョウチクトウ科)、ラン科(エビネ、ミズチドリなど)
      ・花粉塊柄 caudicle
    花粉団(;中国語訳) pollinarium:花粉塊、花粉塊柄、粘着体を含む器官
  【花粉塊の形質による分類】ランの属分類では花粉塊の数も重要
    ラン科の花粉塊数: 2、 4、 6、 8個
    ①粘質性花粉塊 sticky pollinium:パフィオペディルム(Paph.)、Cypripedium(Cyp.)
    ②粉質性花粉塊 granular pollinium , mealy:Bletilla、Thelymitra
    ③蝋質性花紛塊 waxy pollinium:ラン科の多くの属
    
    角状horny
    切断できる sectile:粉状の束が粘着性の糸により粘着性の芯に結合したもの
    花粉塊柄 caudicle, stipe
    粘着体viscidium(pl. viscidia):花粉塊を葯室につける粘着性の柄
  ※胞子は単条溝型の二面体か三条溝型の四面体
    単条溝monolete、三条溝trilete       
 〇花粉粒の型 単集粒 monad
   ・無口型 inaperturate:発芽口がない花粉粒、カラマツ、サルトリイバラ、
              マムシグサ、ミツマタ、コガンピ、ジンチョウゲ
      隠口型 cryptoaperturate:発芽口を外膜が覆っていて特定できないもの
      全口型 omniaperturate grain:外膜がないため発芽口が特定できないもの
               タブノキ
   ・有蓋型 operculate
   ・多褶型 poliplicate:マオウ
   ・気嚢型 vesiculate , saccate
      単気嚢型:ツガ
      2気嚢型(2翼型)2-saccate:アカマツ、クロマツ、イヌマキ、ナギ
   ・多折重型 poliplicate
   ・浅溝型 colpate:発芽口が細長い溝状の発芽溝(colpus , pl. colpi)であるもの
      単溝型 monocolpate:イヌガヤ、ネズ、ザゼンソウ、ツユクサ科、アヤメ科
      単長口型 monosulcate:オニユリ、コブシ
      2溝型 dicolpate:ソシンロウバイ、アメリカロウバイ、ハマオモト
      3溝型 tricolpate:オミナエシ、ハナツクバネウツギ、ヘクソカズラ、
              ミヤマママコナ、オオイヌフグリ、トキワハゼ、オドリコソウ、
              ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、タツナミソウ、サザンカ、カタバミ、
              キジムシロ、マンサク、アブラナ科、キランソウ、シナレンギョウ
      三又溝型(遠心面合流3溝型) trichotomocolpate
      多環溝型 zonocolpate=多溝型 stephanocolpate:ゴマ、ツルニンジン、アカネ、
              ヤエムグラ、アキチョウジ、フトボナギナタコウジュ、クルマバナ、
              キバナアキギリ、シソ、ニリンソウ、イチリンソウ、ユキワリイチゲ
      多散溝型 pantocolpate=散溝型 pericolpate:ミズヒキ、ムラサキケマン、
              ジロボウエンゴサク、キケマン、キツネノボタン
   ・小孔型 porate:発芽口が丸い穴の発芽孔(pore)であるもの
      単孔型 monoporate:イネ科、ネズ、ヒノキ、スギ、コウヤマキ
      2孔型 diporate:ムクイヌビワ、キツネノマゴ
      3孔型 triporate:赤道上に3つの発芽孔があるもの
                アサ、カナムグラ、キュウリ、タニウツギ、ホタルブクロ、
                ギンリョウソウ、マツヨイグサ、ヤマモモ、サルスベリ
      多環孔型 zonoporate=多孔型 stephanoporate:オニグル、ミツリガネニンジン、
                キキョウソウ、タニギキョウ
      多散孔型 pantopolate=散孔型 periporate:アカザ、カボチャ、オオバコ、
                ヒルガオ科、フクジュソウ、アネモネ、ミズヒキ、ナデシコ、
                ハコベ、ミゾソバ、イヌタデ
   ・溝孔型 colporate
      溝孔colpus:花粉粒の表面の溝
        ふた付きoperculate
      2溝孔型 dicolporate
      3溝孔型 tricolporate:ウド、バラ、クリ、キク科の多く、キカラスウリ、スイカ、
                スイカズラ、コバノガマズミ、センブリ、アケボノソウ、
                ツルリンドウ、サクラソウ
      多環溝孔型 zonocolporate=多溝孔型 stephanocolporate:ワレモコウ、
                ハナハマセンブリ、ドウダンツツジ、センダン、ユズ、
                ミヤマシキミ、ツルシキミ、コクサギ
      多散溝孔型 pantocolporate=散溝孔型 pericolporate
   ・合流溝型 syncolpate:ヒイラギナンテン、サンカヨウ
      サガリバナ(合流溝型)、シラタマホシクサ(合流溝型・螺旋型)、
      フトモモ(叉状合流溝型)
    合流溝孔型 syncolporate
    合流口型 chotomosulcate
    異溝孔型 heterocolporate
    帯溝型 zonorate, zonate, zonasulcate
    不同溝型ギシギシ
    不同溝孔型:モモタマナ、キンシバイ
    小窓状孔型 fenestrate:スイラン、ヒメハギ
    貫通孔型 fenestrate:カンサイタンポポ、セイヨウタンポポ、ハナニガナ
    三突出型 triprojectat
    目玉状口型 oculate
    三稜形 triquetrous
    開口部 apertures. 
 〇花粉粒の表面構造
  ①非テクタム性 intectate:柱状体が独立しておりテクタムが形成されないもの
     =外表層欠失型
  ②テクタム性 tectate :テクタム(tectum 外表層)をもつものを
     =外表層型
  【表面タイプ】
    平滑型 psilate、皺模様型 rugulate、微小突起型scabrate
    貫通小孔型punctate、 縞模様型striate、微細皺模様型ultramicro-rugulate、
    疣状紋型verrucate、ピレート型(小さな棍棒型)pilate、
    微穿孔型perforate、小窩型fossulate=小凹型foveolate、
    ハチの巣型状alveolate、網目型reticulate、長刺型spinulate(ハイビスカス)、
    小刺型echinate、微小刺型ultramicro-echinate
    突縁網紋型(lophate): 尾根状に隆起する lophaeがあるもの
            lophae:外膜がくぼみ(=lacunae裂孔)を取り囲んで尾根状に隆起
             例:ヤナギタンポポ属 Hieracium
       (echinolophate.): 花粉粒が lophate であり、尾根が刺で覆われるもの
       (psilolophate):花粉粒が lophate であり、刺が無いもの。.
     (caveate):花粉壁にcaveaeがあるもの
         cavea (pl. caveae) :隙間部分にできる花粉壁の空洞 cavity
     (fenestrate):被蓋(ひがい)tectumを欠く、大きな窓のような隙間がある花粉粒
 〇花粉粒の形
      球形(球状体) spherical 、亜長球形 subprolate、長球形 prolate、
      扁球形 oblate、楕円体 ellipsoid、卵形 ovoid、円柱形、三角柱形、
      三角扁球形、長方体、船形navicular、俵形、Y字形 Y -shaped
      ラグビーボール形 rugby-ball shaped
 〇粘着糸 viscous thread , viscin thread:花粉がからまる糸状のもの
    マツヨイグサ属、ツツジ属
 ○ずい柱 staminal column:雌蕊(雄しべ)と雌蕊(雌しべ)が融合(合着)したもの
       ランなど花の中央、リップの基部にある太めの長い棒状の器官 
 ○等花柱性 homostylous, homostyly::花柱、雄しべの長さが一定
 ○異形花柱性(異形蕊花)heterostyly :雄しべ、雌しべの長さや形が異なる花がある
                   花柱が雄しべより長い花や雄しべより短い花があるもの
      短花柱花(スラム型)short-styled flower , thrum type:花柱<雄しべ
      中花柱花              :花柱=雌しべ
      長花柱花(ピン型) long-styled flower, pin type    :花柱>雄しべ
    ・二形花柱性 distyly:雄しべ、雌しべの長さや形が違う2種類の花があるもの
          短花柱花、長花柱花がある
          サクラソウ、シロバナサクラタデ
    ・三形花柱性 tristyly:雄しべ、雌しべの長さや形が違う3種類の花があるもの
          短花柱花、中花柱花、長花柱花がある
          ナス、ミソハギ、アサザ
 ○雌しべ pistil
  ・雌ずい群 gynoecium:1つの花に存在する雌蘂(ずい)全体
  ・花柱 style、
    頂生 terminal、ほぼ頂生 subterminal、側生 lateral、底生 basal,
      糸状filiform
  ・style column
  ・仮花柱stylode
  ・偽花柱 pseudostyle:柱頭のとさか(stigmatic crest)のかくれた部分
  ・柱頭 stigma 2裂 2-lobed、多裂multifid、全縁entire
      頭状 capitate、円錐状 conical、盾状のpeltate、漏斗状のfunnelform、
      線形 linear、長毛縁 fimbriate、扇形 fan-shaped、羽状浅裂 pinnatilobate
      円盤状 discoid、 乳頭状 papillate
  ・偽柱頭 pseudostigma
  ・ずい片(ずい弁)crest:花柱枝の先端部につく小さい花弁のような薄片
  ・柱下体(柱脚)stylopodium:セリ科の一部における、花柱の基部の肥大
                    しばしば蜜腺をつける
 ○退化雌しべ pistillode:雄しべのような退化した実のできない雌しべ
                ハナショウブなどにみられる
   使われなくなったobsolete
 ○蜜腺 nectary , nectar gland
    蜜腺があるnectariferous , presence plesiomorphous’
    蜜腺がない          absence apomorphous’
  蜜腺タイプnectary types
   ・花内蜜腺 floral nectary
    ・nectaria trichomalia ,nectariferous trichomes:
      花冠の筒部に蜜腺のある毛状突起があるもの
      萼片蜜腺 sepal nectary:萼片に蜜腺つくもの
        萼筒の内面から蜜がしみ出すサクラ
     微小な孔状蜜腺 stomatiferous nectary
     花弁蜜腺 petal nectary:花弁につくもの
     雄しべ蜜腺 staminal nectary:雄しべの一部又は全体が蜜腺になるもの
    花托、花托筒蜜腺 receptacluar and hypanthial nectary
       永続蜜腺 persistent nectary ,nectaria persistentia :
                  花盤、花床筒、雌ずい群の表面につく
        又はreceptacular nectaryともいう
          
       =axialia (axial nectary)
      花盤蜜腺discus nectary:
     ・雄しべ内蜜腺 intrastaminal nectary:雄しべより内側にあるもの
                            アブラナ科など
        lateral nectary
        median nectary
        annular nectary
     ・雄しべ外蜜腺 extrastaminal nectary:雄しべの外側にあるもの
     ・花托蜜腺 hypanthal nectary:花托筒の周りにあり、雄しべより下につく
     ・雌しべ内蜜腺 interstylar nectary:花柱のまわりにあるもの
         盤状になり、雄しべの退化したもの。ユキノシタ科など。

     子房蜜腺 ovarial nectary=gynoecial nectry
           子房下位inferior ovary 、子房上位 superior ovary
        子房膜蜜腺gynopleural nectary
        =中隔蜜腺 septal nectary , nectaria septalia:
           子房の内側の空洞の隔壁に蜜腺がつくもの
        =infralocular nectary
   ・花外蜜腺 extrafloral nectary , areolar glands
     葉上蜜腺 phyllome nectary
   ・鱗片状蜜腺 nectar scale


 ○心皮 carpel :雌しべを形成する葉状の構成単位。子房の内側にある皮層
   ・合成心皮( syncarpous):複数の心皮が合着して1つの雌しべになっている場合
    eu-syncarpous:eu-は良好な、正常なの意味
   ・3心皮 3-carpellate
   ・離生心皮 (apocarpous carpel) :1個の心皮が1個の雌しべになっているもの
    離生(心皮)の apocarpous , apocarpy(名詞)
 ○子房 ovary
  ●子房と他の花葉(雄しべ、花弁、萼片)との相対的な位置関係による分類
   ・子房上位 superior = 子房下生 hypogynous:
      雄しべ、花弁、萼が子房の下位の花托につくもの:トマト、カキ、ナス科
   ・子房中心位 central = 子房周生semisuperior ovary
      雄しべ、花弁、萼が融合して筒状の花托筒(萼筒)を形成し、
      子房が筒の底にあるもの。
       果時 ・萼が成長せず果実の下部に残る:ユキヤナギ
           ・萼は落ちる:サクラ
           ・花托筒が子房を包んで成長する:バラ状果、ロウバイ
   ・子房周位 half-inferior ovary (perigynous)
            花托は子房壁と合着せず、花托の周辺に花葉がつく
   ・子房中位 semiinferior = 子房半下位 half-inferior =subinferior= hemi-epigynous
          = partly inferior = half-superior
      子房が花弁や萼筒の中程まで合着し、他の花葉は上位につくもの
         サクラソウなどがあるユキノシタ科、アジサイ科など
   ・子房下位 inferior = 子房上生 epigyny , epigynous:
      花托又は萼筒が子房を完全に包んで融合し、
      雄しべ、花弁、萼が子房の上位つくもの。
      ラン科、アカバナ科、リンゴ、ナシ、キュウリ、ウリ科、キク科など。
   子房上位花 superior-ovaried flower , hypoginous flower 、
   子房下位花 inferior-ovaried flower , flower、
   子房中心位花 central-ovaried flower, perigynous flower
   子房柄 gynophore
   ・隔壁、子房壁 septum:子房内部の区切り
    無隔壁 aseptum, aseptate
     広い隔壁があるlatiseptate:隔壁に平行に扁平
     狭い隔壁がある angustiseptate:隔壁に直角に扁平
   ・子房室 ovarian locule:隔壁で区切られた子房内部のそれぞれの室
      室数は心皮数と普通一致するが、しない場合もある。
     多室の(複室) plurilocular 、単室のunilocular
 ○胚珠 ovule:子房の中に単数~複数あり、受精後に種子になる。
    胚珠は受精して種子の胚と胚乳になる
   直生胚珠 orthotropous ovule , atropous ovule:胚珠が直立するもの。
                      胎座、合点、珠孔を結ぶ線が直線状になる。
   倒生胚珠 anatropous ovule :胚珠が折れ曲がって柄と珠孔が同じ方向になる
    半倒生胚珠 semanatropous ovule
   下転胚珠 apotropous ovule:中国語の下转胚珠の日本語訳
       縫線(raphe)が上向きのとき腹面、下向きのとき背面にある胚珠。
   拳卷胚珠 circinotropous ovule:珠柄が長く、180°回り、完全な円形になる。
   半倒生胚珠hemitropous ovule:胚珠が横向き、合点・珠孔を結ぶ線が胎座と平行。
   湾生胚珠 campylotropous ovule:胚珠が倒立し、内部の珠心組織が湾曲し、
                        胚嚢は倒生状態で湾曲しない。
   曲生胚珠 amphitropous ovule:胚珠が倒立し、内部の珠心も胚嚢も湾曲するもの
   下垂胚珠 pendulous ovule , suspended:胚珠が垂れ下がるもの
   水平胚珠 horizontal ovule
   斜上胚珠 ascending ovule
   頂端胚珠 apical ovule 
   基底胚珠 basal ovule:胚珠が子房の基底部につくもの
   並んだcollateral
 ○胚嚢(はいのう)embryo sac:胚珠の中にある雌性配偶体
   単胞子性胚嚢 monosporic:4個の大胞子のうち、1個だけに由来する胚嚢
    タデ型 (Polygonum type)、アンボレラ型 (Amborella type)、
    スイレン型 (Nymphaea type)、マツヨイグサ型 (Oenothera type)
   四胞子性胚嚢(bisporic

   四胞子性胚嚢(レンプクソウ型、Penaea型、Drusa型)
 ○珠皮integment:胚珠の外周を取り囲む保護皮
   一珠皮性胚珠 unitegmic ovule:珠皮(integment)が1層の胚珠
   二珠皮性胚珠 bitegmic ovule , 2-tegmic:珠皮(integment)が2層の胚珠
   内珠皮inner integument
   対生の superposed、垂れ下がる pendulous、直生orthotropous
 ○背線 raphe:胚珠の側面にある維管束組織の細長い隆起
 ○珠孔micropyle:胚珠にある小さい穴。受精時には花粉管がこれを通り、胚に達する。
     1孔monostomal、2孔bistomal
 ○珠心 nucellus:胚珠内にあり大胞子嚢 (megasporangium) に相当する部分。
   内部で胚嚢細胞(大胞子)が形成され、これから胚嚢(雌性配偶体)ができる。
         大胞子 (megaspore)
         雌性配偶体 (female gametophyta, megagametophyta)
         胚嚢 (embryo sac)
    ・薄層型珠心 crassinucellate , crassinucellar:大胞子を取り囲む珠心組織が1層。
       胞原細胞が直接、大胞子母細胞になり、大胞子も表皮直下に存在する。
       被子植物における派生状態であり、キク目群やラン科などに見られる。
       
    ・厚層型珠心 tenuinucellate , tenuinucellar:大胞子を取り囲む珠心組織が複層。
       胞原細胞は縦に分裂し、側膜細胞(外側)と大胞子母細胞(内側)に分化する。
       側膜細胞が厚くなり、大胞子は珠心内部深くに埋め込まれた形になる。
       被子植物における原始的状態である。
    ・偽厚層珠心 (pseudocrassinucellate) :側膜細胞を形成しないで、
       珠心表皮の分裂のみによって珠心組織が多層化するもの
 ○胎座 placenta:植物の子房中の胚珠の接する部分=種子のつく部分
     アケビは種のまわりの胎座が甘い果肉になる。
   胎座型 placentation
   ・基底胎座 (basal placentation、basifix placentation , basilar):
      胚珠が子房室の基底部につくもの
      単一子房:キンポウゲ科、バラ科など
      複合子房:カヤツリグサ科、キク科、コショウ科、シソ科、タデ科など
   ・頂生胎座 (apical placentation):胚珠が子房室の頭頂部につくもの
      単一子房:キンポウゲ科など
      複合子房:ウコギ科、オミナエシ科、セリ科、ミズキ科など
   ・中軸胎座(axile placentation):子房が放射状の多室、室に1個ずつの心皮があり、
      心皮の縁が巻いてできた中軸に胚珠がつく
      オトギリソウ科、カタバミ科、サクラソウ科、ツツジ科、ナデシコ科、ヒガンバナ科
   ・独立中央胎座 (free central placentation):子房は1室、心皮は複数、
      中央に独立した中軸に胚珠がつくもの。サクラソウ科、ナデシコ科など
   ・側膜胎座(parietal placentation):
      子房は1室、複数の心皮がつながった縁に胚珠がつく
      アブラナ科、キケマン科、スミレ科、ハンニチバナ科、モウセンゴケ科、ヤナギ科
   ・貫入側膜胎座(intrusive parietal placentation)
   ・縁辺胎座 (marginal placentation):子房は1室、1心皮で縁近くに胚種が2列につく
      キンポウゲ科、マメ科、メギ科など
   ・面生胎座 (laminar placentation):子房室は1室、心皮の内面全体に胚珠がつくもの
      アケビ科、スイレン科、トチカガミ科など
   ・中肋胎座 (median placentation):心皮の中肋に胚珠がつくもの

 ○花托 receptacle, torus:被子植物の花が着生する、茎の厚くなった部分。
                  花床ともいう。
   1個の花の場合:わずかに膨らむもの、筒状のもの、子房と癒着するものなどがある
   キク科などの頭状花序では多数の花の花序軸が短縮して平面状になったもの。
   ナシ状果やイチゴ等では果実になる。
    杯状(花托筒)hypanthium , cupular receptacle
    軸状(花軸)floral axis:モクレン科など
    球状:モミジイチゴ
    円盤状(花盤)disk , flower disk
    凸面convex、丸屋根状cupular
 ○果托 hypocarpium(pl. hypocarp) , fruit receptacle , exciple〔菌類〕:
      花托や花床筒から果実の下にできる肉質の大きくなったもの
       ハス、カシューナッツ(ウルシ科)、イヌマキ
 ○花托の剛毛 receptacular setae:キク科などの頭花の花托につく剛毛
 ○パレアpalea(pl. paleae) = 花托の苞 receptacular bract:
      頭花の花盤にあり、中心小花の基部につく、小苞。
      ヒマワリなどで見られ、花床の鱗片ともいう。中国語では托片(tuo pian)という。
        パレアが有る paleate、パレアが無い epaleate
 ○肥大した花托.gynobase: 雌しべが生まれる肥大した花托
 ○花床筒(花托筒) hypanthium :花托が肉厚の壺形となった部分=萼筒 calyx tube
    萼片 floral cupと花弁が上部につく
    バラ科、ノボタン科、アカバナ科など
 ○花盤 disk , flower disk:円盤状の花托
   例 クロウメモドキ科のナツメ、アカネ科のアカネ、ハシカグサ、ヤブガラシ、
      サンシュユ、セントウソウ、マツカゼソウ、ニシキギ、マサキなど
    雄花の花盤 staminate disk:雄しべだけがある花盤
       内雄しべ花盤 interstaminal disk:雄しべが花盤の内側に並ぶ
       外雄しべ花盤 extrastaminal disk:雄しべが花盤の外側に並ぶ
    輪形 ring-shaped、円蓋状のcupular、腺状 gland-shaped
 ○子房柄、果柄、雌しべ柄、雌蕊柄gynophore:子房基部の柄状の部
  雌雄しべ柄、雌雄蕊柄、雌雄蕊 androgynophore
  雄蕊柄 androphore:花糸が融着してできる
 ○合点盤 hypostase: 胚珠と導管の束との間の特別な厚壁細胞の集まり、木質の盤、
       胚珠の基部の木化した組織、いくつかの植物の科に見られる。
       ススキノキ科など

 【マメ科】
  マメ科の植物は根に根粒を持ち、根粒菌(root nodule bacteria)と共生する。
  根粒 root nodule :細菌との共生によって植物の根に生じる瘤
  根粒菌 root nodule bacteria:マメ科植物の根に共生し、根粒をつくる土壌細菌。
    根から栄養を摂取し、空気中の窒素を固定し、アミノ酸や亜硝酸を植物に供給する。
  花の構造
   旗弁(きべん) standard , banner , vexillum  バイオリン形 violin-shaped
   翼弁 wing , ala
   竜骨弁(舟弁 しゅうべん) keel , carina , keel petal
   小凹形(しょうおうけい) retuse
  果実
   豆果(とうか)legume=(莢果):1心皮のみからなり、普通、背と腹両方で裂開する。
     節から切れる(節果)ものもある。
    節果(分節果)loment:1心皮からなり、節から複数の分果に分かれるもの。
 【ラン科の花】
 萼片sepal 3個
   背萼片 dorsal sepal  1個
   側萼片 lateral sepals 2個
 花弁petal 3個。
   唇弁(しんべん) lip , labellum:花冠の下側の中央にある変形した大きな1個の裂片
     ラン科などで見られ、普通、大きく、基部に距spur がある
   側弁petal:2個つき、萼片とほとんど同じものが多い。
 カルス(突起)callus (pl. calli ):蘭などの唇弁などの突起
 ずい柱 column:雄しべと雌しべが合生して柱状になる。
       先端に葯anther がつき、そのすぐ下に柱頭stigmaがつく。
 子房:子房下位、花柄のように見えるものも多い
    3室
    胚種は小さく多数。
  花粉は花粉塊になる。
 【イネ科】
  茎 stem は稈 culm とも呼ば、断面が円形、中空である。
  花序は小穂(しょうすい)spikeletと呼ばれる花序の最小単位で構成され、
   小穂の集まった円錐花序や穂状総状花序などの複合花序である。
   小穂のつく、最終の柄を小梗という。
 小穂は2個の苞頴と1~30個の小花からなり、小花と小花は軸(小軸)で繋がる。
  第1小花が退化(不完全)し、鱗片となることも多い。苞頴が無いこともある。
  ○花軸(花序軸)rachis:複合花序の枝につく総状花序の軸
  ○小穂 spikelet :総状花序が極端に短縮し、鱗片が重なり合ったような構造のもの
  ○苞頴 glume:イネ科の小穂の基部にある2個の苞葉を苞頴という
    第1苞頴(外頴) first glume(lower glume)
    第2苞頴(内頴) second glume(upper glume)
  ○小梗(小花梗)pedicel:小穂のつく、最終の柄
  ○小軸rachilla:小穂の花序軸、小花と小花が繋がる軸
 小花は護頴、内頴、鱗皮(2)、雄しべ(3)、雌しべ(1)、鱗被からなる。
  護頴の先の長い芒がつくことも多い。
  ○小花 floret
  ○護頴(外花頴) lemma
     第1小花の護頴 lower lemma
     第2小花の護頴 upper lemma
     雌護頴 pistillate lemma
    雄護頴 staminate lemma
    もみ殻(chaff) は護頴と内頴であり、護頴をchaff- scales ともいう。
     ※硬い総苞外片をchaff- scalesということもある。
  ○内頴(内花頴) palea
  ○カルスcallus:小軸と接合する小花の基部にある太く伸びた部分
  ○鱗被(りんぴ) lodicule:イネ科の花被、雌しべと雄しべとの間にある鱗片状のもの
  ○頴果caryopsis:イネ科の果実
 【カヤツリグサ科】
   根 root
   根茎 rhizome 横走する根茎、短く叢生する根茎
     繊維状に分解
   塊茎 ウキヤガラ属など
   茎 stem は稈 culm とも呼ばれ、普通中実 solid
      断面が普通、三稜形 triquetrous(3-cornered) , 3-quetrous、trigonous、
      円形のものもある。
      節がない。
   葉  :細長く、3列互生につき、基部は鞘状になるものが多い。
    苞葉 inflorescence bract , involucral bract 、苞:花序の基部につく
      葉状 leaflike、針状
    無鞘、有鞘sheathed
    花序 穂状花序spike、 総状、 円錐状、頭状head-like、イグサ形花序 anthela
     単性で雌雄異株   花序は両性
     スゲ属、シンジュガヤ属は花がすべて単性、他は両性花 
     花序枝 ray
     小軸rachilla:小穂の花序軸
     花序柄のある pedunculate
   小穂 spikelet
     雄雌性
     雌花部、雄花部
     鈍頭apex obtuse、鋭頭apex acute 、微突形mucronate
   頂小穂terminal spike、雄性 male , staminate または雌雄性
   側頂小穂 lateral spikes  雌性 female , pistillate
   鱗片(= 苞頴) flower bract(glume):苞が小型化したもの
    雌鱗片 pistillate flower bract (fertile gllume , female glume)
    鋭頭acute、鈍頭obtuse、凹頭emarginate、
    芒 awn
    中肋 mid vain
     主軸突出形excurrent、小突起 mucro
    竜骨keel 、3~5脈 3-5-veined、
    果胞 perigynium=peri , utricle: 頴の腋につく雌花を包む筒状の花被、雌しべ1個
     スゲ属の特徴。他の属は果胞に包まれない。
     有柄、無柄 有毛、無毛
       平凸(へいとつ)形の planoconvex:背面が平ら、腹面が凸面convex
       レンズ形の biconvex , lenticular:両面が凸面
     色 乾いても緑色、褐色、、3脈
     無嘴、短嘴 、嘴状(くちばしじょう、しじょう)beaked
     縁 鋭稜または翼
     果胞基部は海綿質に肥厚
   雄しべ stamen 、花柱 style 、柱頭 stigma、 2岐stigmas、3岐 stigmas 3 
   花被片 perianth
   刺針状花被片 小刺、羽毛状、糸状:ワタスゲ、屈曲する、糸状でねじれる、綿毛状、
   口部 orifice 2裂、平切形truncate、斜め切形、凹形emarginate
   柱基:花柱の基部
    柱基の付属体:花柱基部が肥厚し盤状、嘴beakになる
     球形、扁球形、三角形、長三角形、扁三角形
     基部に軟毛
   嘴状(しじょう)beaked
   果実fruit は痩果といわれるが小堅果 nutlet ともいう。
     2稜形、3稜形 trigonous , 3-sided
     卵形ovate、広倒卵形broadly obovate 、狭倒卵形、
     楕円形elliptic、楕円体(扁円形)oblate、  
     平滑smooth、格子状紋、小突起、いぼ状突起、凸凹、しわ、
     乳頭状(パピラがある)papillate
     縦肋 vertical rib、横断のtransversely、網目reticulation、
     柄 stipe , stalked

<果実>fruit
 果序 infructescence
  果実 fruit:種子を作る、多汁な果肉部分を持つ器官の一般的名称。
         種子植物の花部が発達して生じる。
  ○真果anthocarpia:子房と内胚乳 endosperm のみが発達した果実
     モモ、ウメ、ナツメやサクランボなどのような子房上位でできる果実
     食べる部分は中果皮 mesocarp
  ○偽果 accessory fruit , anthocarpous , anthocarpous fruit :
     心皮や胚珠以外の部分も加わってできたリンゴやナシなどの果実。
     子房下位でできる
     食べる部分は花托 receptacle
  ○副生果 anthocarp :花被が1種子の果実を包んで残り、果皮と合体した偽果
     例 オシロイバナやイノコヅチは花被が包む。
       Abronia villosa、Abronia latifoliaでは翼のある萼が包む。 
  ○離生心皮果 apocarp :離生心皮(apocarpous)がそのまま成熟してできる果実
            心皮が発達して果皮 pericarp , pericarpiumになり、種子を包む
            未熟な状態もapocarpという。
   ・果皮 pericarp , pericarpium:心皮が発達してできた果実の種子を包む部分
   ・外果皮 exocarp, epicarp:果皮のうち、最も外側の層
   ・内果皮 endcarp:果皮のうち、種子を直接包んでいる部分
   ・中果皮 mesocarp :果皮のうち、外果皮と内果皮との間の部分

   ・種皮 seed coat layer:種子の周囲を覆い、胚・胚乳を保護する膜
   ・果実期 fruiting :果実が熟す期間
   ・偽果皮 pseudopericarp:花托や萼のような子房以外の部分が果実を覆う構造の
   ・バルブ(室)valve:
   ・隔壁 septum:子房室を区切る壁 
   ・偽隔壁pseudoseptum:隔壁が不完全で子房室が完全には仕切られていないもの
                  マンテマ属 (ナデシコ科)など。
   ・レプルム replum:果実のバルブ(室)を分ける薄い隔壁、心皮由来でなく2次的
        アブラナ科の果実など。
       =宿存胎座 persistent placenta:
     でこぼこの(ときどき膨れたり、圧縮されたり) torulose
   ・裂開性 dehiscent、非裂開性 indehiscen
   ・分裂する schizocarpic 
   ・へそhilum
   ・果軸(果柄) columella

<果実の種類>
 ●乾果(かんか) dry fruit:成熟すると果皮が木質や革質になって硬くなる果実
   果皮が裂開しない閉果と裂開する裂開果とに分けられる
   ・小乾果 coccus (pl. cocci)::乾果(dry fruit)の特に小さいもの
 ①閉果 indehiscent fruit :乾果であり、裂開しないもの
    ○痩果(そうか) achene , akene:
      果皮が薄く、種皮と密着、合着している1種子の果実
      キク科は子葉種子で胚乳がない。冠毛があるものも多い
     残存性の花柱 persistent styles:
        センニンソウ、オキナグサの花柱は羽毛状になって残る
     冠毛 pappus:タンポポなどの冠毛は萼が変化したもの
        のぎ形薄片 aristate scale
     カヤツリグサ科、柱頭が残る。ミズ、アカソ、カナビキソウ、タデ科、ヒマワリ
     下位痩果 cypselae:
       複数の心皮からなり、子房下位で果皮が萼筒と癒合し、痩果となるもの。
     表面 5筋 5-nerved
    ○穎果(えいか)=穀果caryopsis, grain:イネ科、果皮と種皮が融合している
                     あわせてbranという。
       ・ぬか、ふすまbran:穎果(穀果)の外側の果皮と種皮
         中には種子の胚乳endospermと胚芽germがある。
          (胚、胚子embryo)
    ○翼果(よくか) samara , winged achene:
       果皮が翼状(winged pericarp)になった1種子の果実
       1翼果single samara、2翼果 doubule samara
       翼果に似た、翼のある種子の容器 samaroid
    ○毬果(きゅうか)=球果(球花) strobile , corn:
        木化した鱗片葉 が球状に集ってできる集合果
        裸子植物のマツ科、コヤマキ科、ヒノキ科などの果実
          マツボックリ pine corn
       = 種子錘seed cone
      ・果鱗 cone scale , corn bract:球果を構成する、種子をつける木化した鱗片葉
         =種鱗(しゅりん)seed scale , ovuliferous scale , ovulate scale ,                           seminiferous scale
          これに複数の種子がつく。種子数 マツ科:2、、コヤマキ科:7~9、
           スギ:2~5、ヒノキ:2~4、クロベ:3
           種子に翼のあるものが多く、無いものもある。
        ・包鱗(ほうりん)bract:果鱗を構成し、種鱗を保護する。
          マツでは種鱗と分離しているものもあるが、癒合しているものが多い。
          隆起 apophysisや 突起 umboがある。
      ・肉質球果galbulus:イトスギなどの球果の肉質のもの
    ○堅果(けんか) nut , pyrene:果皮が硬く、1種子の果実
      果苞(総苞)bract:果時の総苞
      総苞片(果苞片) involucre scale , bracts
       殻斗 cupule , acorn cup involucre :ドングリの椀、帽子
       刺のある殻斗 bur-like involucre :クリ
       葉状総苞(果苞) leafy involucre:アカシデ、イヌシデなど
       管状総苞 tubular involucre:ハシバミ
     小堅果nutlet
      ワタスゲの果実 nutlet の毛は花被 perianth 片が変化したもの
      シソ科の果実は分離果の4小堅果
     ・殻斗果(かくとか) acorn:殻斗と堅果で形成された偽果
      殻斗 cupule , involucre scale:包葉が癒合して形成される
      シイ、カシなどのドングリは果実の下部を包む
      クリは刺のある殻斗が全体を包み、裂開する。
      クリの果皮は鬼皮で、種皮は渋皮(ドングリの薄皮)

  ②裂開果 dehiscent fruit :乾果であり、裂開するもの
    ○蒴果(さくか) capsule:
       多心皮からなり、熟すと果皮が乾燥して、裂開するもの
       裂開しないものもある。
       裂開性の dehiscent 、非裂開 indehiscen
       バルブ valves:蒴果の分割された、個々の部分(セグメント)
                胞背裂開蒴果と胞間裂開蒴果で見られる。
      ・胞背裂開蒴果loculicidal capsule :室や歯に分かれる。蒴片に隔壁がある
         ザクロソウ属、イワタバコ、スミレ、ナデシコ科、ユリ科
        頂部胞背裂開 apically loculicidal
      ・胞間裂開蒴果 septicidal capsule:隔壁で縦に上から裂開する
         ウマノスズクサ属 Aristolochia、キバナノマツバニンジン
         リュウゼツラン科イトラン属(yucca)リュウゼツラン
      ・胞軸裂開 septifragal :心皮の背面及び心皮間の隔壁の両方で縦に裂開
      ・孔開蒴果 poricidal casule , pore capsule:決まった場所に穴が開く
        ①有蓋孔開裂開 operculate poricidal dehiscense , operculate dehiscence
         上部が蓋状になり、すきまが上部に開く ナガミヒナゲシ、ポピー
        ②無蓋孔開裂開 inoperculate poricidal dehiscense
          穴が横 キキョウソウ
          側部孔開 laterally poricidal
      ・横裂蒴果 circumscissile capsule:上側が横に裂開する
       =蓋果(がいか)pyxidium , pyxis:多数の心皮からなり、蓋のように横に裂開
         オオバコ、スベリヒユ、ヒユ属、ケイトウ属、マツバボタン
       =横裂胞果 circumciscissile utricle
     ・胞果utricle :果皮(pericarp)が薄く、種皮と離れている蒴果、アカザ科、ヒユ科、
        裂開しない胞果 アカザ属
                   イノコズチ属 ヒナタイノコズチ、ヒカゲイノコズチ
     ・分離果蒴果 schizocarp capsule:5心皮からなり、隙間ができ、上から分かれる。
         単に分離果 schizocarp ともいわれ、果皮に包まれるもの
          アメリカフウロ、フウロソウ 
   ○袋果(たいか) follicle:1心皮で1個の袋果となり、腹部で縦に裂開する。
                   普通、袋果が心皮の数(雌しべの数)だけ、放射状につく。
       シキミ(約8袋果)、アズマツメクサ(4袋果)、カツラ(3~5袋果)、
       オダマキ(5袋果)、リュウキンカ(4~12袋果)、セツブンソウ(3~4袋果)、
       ヒメウズ(2~4袋果)、サラシナショウマ(2~8袋果)など
      ・モクレンは集合袋果
   ○豆果( とうか)=莢果(きようか)legume:1心皮のみからなり、背と腹両方で裂開する
       豆の莢(さや) bean pod
       熟すと裂開し、種子がはじけ飛ぶものと、さやについたままのものがある。
     ・節果(分節果)loment: 1心皮からなり、節から複数の分果 に分かれるもの。
           分果(mericarp)は小節果(article)といわれる。
       マメ科のヌスビトハギ属、クサネム属などに見られ、豆果の中に含まれる。
   ○角果(かくか) silique:2心皮からなり、熟すと縦に裂開するもの。アブラナなど
      蒴果(capsule)の1種ともされる。
     長角果 silique , siliqua:細長い角果=長さが幅の3倍以上
     短角果 silicule , silicle :短い角果=長さが幅の3倍以下
     
   ○分離果 schizocarp: 複数の心皮からなり、分離して複数の分果に分かれるもの。
     分果(mericarp) は小乾果(nutlet , coccus)といわれる。
     分果は1種子を含む。分果が裂開するものと裂開しないものがある。
     例:シソ科(分離果 4小堅果)、ムラサキ科(分離果 4小堅果)、
       アオギリ(袋果 5片に裂開) 、アメリカフウロ(分離果蒴果、5分果)
       ムクロジ科カエデ属(分離果、2個の翼果:2小堅果 nutlet)
     一果 monocarp
   ○双懸果 cremocarp :縦に分かれた分果が裂開して離れているもの
     分果は1種子を含む。分果が裂開するものと裂開しないものがある。
     例:セリ科
     【セリ科の果実】
      柱下体 stylopodium:子房の上に隆起した花柱の基部の膨らみ
                   果実の頭部に小さく残る。
      2分果:2分果が腹合わせにつき、分果柄でつながっている。
      隆条 rib:分果の表面にある肋、背側に3本、側面に2本つく
      背隆条 dorsal rib:狭い翼になることもある
      側隆条 lateral rib:翼wingになることが多い
      中間隆条 intermediate rib:背隆条と側隆条の間にある2本
      副隆条:ときに2~4本の追加される隆条
      1次隆条primary rib:初期にみられる5本、背隆条、側隆条、中間隆条
      2次隆条secondary rib:1次隆条に追加される隆条
      合成面 commissure:各分果をつなぐ面(腹面)
      分果柄(造果柄) carpophore:2分果を繋ぐ細い柄、分果の頭部につながる。
      油管 vitta、油管のvittae:果実の中果皮に縞状に見られる油の入った管
                      谷(valleculae)とも呼ばれる畝(縦溝furrow)内にある
 ●液果(多肉果、湿果)berry:多肉化した果皮が成熟後も水分を多くもっている
    果皮 pericarp は外側から外果皮、中果皮、内果皮に分けられる。
        外果皮 excarp、 中果皮 mesocarp、内果皮 endocarp
     核果状の液果 drupaceous berry、液果状の核果 berrylike drupe
  ○漿果(真正液果) berry, bacca  内果皮も中果皮も多肉質な液果。
   ・単漿果 (simple berry)  1心皮性の漿果。マツブサ科やメギ科などに見られる。
      クスノキ科、ルイヨウショウマ
   ・複漿果 (compound berry)  多心皮性の漿果。単に漿果ということも多い。
      ブドウ科やナス科に見られる。
     ヤマゴボウは8個の分果がある
   ・ミカン状果 (柑果)hesperidium, hespidium:多心皮性の漿果
     外果皮 (フラベド flavedo)、中果皮 (アルベド albedo)、内果皮からなる。
   ・ウリ状果 (瓠果)pepo:3心皮性の漿果
     花托筒が外果皮と癒合して硬化し、中果皮・内果皮は多肉質で海綿状になる。
   ・ナシ状果 pome:多心皮性の漿果
     子房を覆う花托が多肉質になる。例:ナシ、リンゴ
  ○核果 (石果)drupe: 種子の外側に内果皮が堅くなった核がある。
                中果皮が果肉の部分。
    核果のdrupaceous
   本来はサクラ属 ナツメ などの1心皮性のものをいう。
   複数の心皮のモクセイ、センダン、モチノキなども含む。ツルナ
    ミズキ科やスイカズラ科の核果は花托筒由来の偽果皮をもつ。
    核stone , pyrene(pl. pyrenes):種子に相当する部分。石ともいう。
          核の外側は硬い内果皮 endocarp にあたる。
          中に種子が1個ある。
  ○小核果 drupelet:小形で1心皮性の核果。普通、集合果 (キイチゴ状果)
       例:キイチゴ属 (バラ科)
  ○偽果 accessory fruit , false fruit , pseudocarp:子房下位であるものなど
   ・ナシ状果 pome:花托が肥大し、芯の部分が外果皮~内果皮 ナシ、リンゴ
   ・ウリ状果 pepo:外果皮は硬く、中・内果皮が厚く、内部の花托まで肥大する
          スイカ、ウリ
  ○副生果 anthocarp :花被が果実を包んで残り、果皮pericarp と合体した偽果
         オシロイバナ、Abronia villosaなど 

<集合果> aggregate fruit
  単花果 monothalamic fruit:1個の花から1個出来る果実
  集合果 aggregate fruit , polygynaecial:多花果、複果ともいう。
       1個の花が多数の雌しべと多数の子房をもち、
      多数の果実が集まった1個の果実ができるもの
    偽果が多い。これに対し、1個の子房からできるものは単果simple fruitという。
  ○集合痩果 etaerio of achenes:多数の痩果が集合したもの
   例:キンポウゲ、ダイコンソウ、キジムシロ
  ○集合袋果 etaerio of follicles:
   例:モクレン、オダマキ、ヤマグルマ科など
  ○集合漿果 etaerio of berries:多数の漿果(液果)が集合したもの。例:マツブサなど
  ○キイチゴ状果(集合核果etaerio of drupelets):多数の小核果が集合したもの
  ○バラ状果 cynarrhodium :
    花托が肉厚の壺形となり、中に多数の痩果ができる。バラなど
    ローズヒップ hip、rose hip ;バラの果実の一般的な呼称
                     ローズヒップ又は単にヒップともいう。
  ○イチゴ状果 etaerio:花托が肥大し、表面に多数の痩果がつく イチゴ、ヘビイチゴ
  ○ハス状果 nelumboid aggregate fruit:花托が肥大した偽果、堅果の集合
 多花果 (複合果) collective fruit , collective fruit , polyanthocarp
  複数の花の子房が集まって1個の果実ができるものを多花果という。
  1つの花序が1つの多花果になる。(集合果ということもある)
   例:パイナップル、イチジクなど
  ○葎果(りつか)strobile:痩果又は小堅果の集合、果実は果鱗につく。
                 ストロビルともいう。
    果穂ともいう
   例:カバノキ、ハンノキ、カラハナソウ、カナムグラ(痩果) など
  ○クワ状果(桑果) sorosis: 花被が肥厚、多肉化して痩果を包んだものの集合
  ○イチジク状果(隠頭果) syconium:隠頭花序の肥大したもの。
  ○袋果型多花果 multiple fruit of follicles:
   1花序の数個の花が袋果になったものの集合
   例:カツラなど、2~3個の花が集合した花序と考える見解の場合。
  ○蒴果型多花果 multiple fruit of capsules: 頭状花序が多数の蒴果になったもの
   例:タニワタリノキ、カギカズラなど
  ○痩果型多花果 multiple fruit of achenes:
   球形の花序が多数の痩果または小堅果になったもの
   例:スズカケノキ、ナベナなど
  ○液果型多花果 multiple fruit of berries:
   頭状花序の花が多数の核果になり、癒合したもの。
   例:ヤエヤマアオキ
  ○核果型多花果 multiple fruit of drupelets:
   球形花序の花が多数の核果になり、癒合したもの。
   例:ヤマボウシ
<果実の形と質>
  楕円体 ellipsoid、 紡錘形 fusiform、 球形 globose、半球形 hemisphere 、
  半球形の hemispherical 、卵形(立体的な)ovoid、三角状円柱形 trigonous-terete、
  楔形cuneate, wedge-shaped 、上下に押しつぶされたobcompressed
  倒ピラミッド形 obpyramidal、 倒くさび形 obcuneate
  ○表面 
   装飾 ornamented:表面につく刺、いぼ、網などの必要ではない飾り

   平滑 smooth 、網状 reticulate、中肋midrib、皮目lenticel、
   疣(いぼ)状の tuberculate, warty、うねがある ribbed = 尾根があるridged、
   ひだがある plicate、 しわがある rugose、 穴がある pitted、
   短毛のある pubescent、腺状 glandular、乳頭(突起)状=パピラがある papillate
   先が嘴状rostrate at apex、でこぼこにときどき膨れ torulose
   鉤状毛状突起 uncinate trichome
   =芒刺(ぼうし)glochid:釣り針の逆刺(かかり)やアンカーのような先の硬い剛毛
   逆刺がある barbed、
  ○質
    肉質fleshy、果肉質pulpy:果汁が多い肉質、木質 woody、コルク質 corky

<種子>seed
 胚珠 (ovule) が成熟すると種子(seed)になる。
 ヤブラン、ジャノヒゲは果皮が成長段階で取れ、種子が果実のようにみえる。
 イチョウの種子は果実のように見える。
     外種皮は多肉質、内種皮は堅く、これがギンナンの殻。
 タンポポなどの痩果は果皮が薄く、種皮が密着、合着し、種子のように見える。
     小型の堅い種子pyren
 種子seed:種皮seed coat、胚(胚子)embryo、内胚乳endosperm、胚軸hypocotyl
        胚乳endosperm、子葉cotyledon
   ●種皮seed coat ,
     珠皮 integument:胚珠の外側の組織、胚珠が種子になると種皮になる。
                内部は珠心という。
     外珠皮 primine , outer integument
                      →外種皮 external(outer) seed coat, episperm, testa
                外種皮内層型 endotestal
     内珠皮 inner integument →内種皮 inner seed cpat, endopleura, tegmen
     珠心 nucellus:胚珠の中心にある組織、内部に胚嚢 (embryosac) ができる
     肉質種皮 sarcotesta
   ●胚(胚子)embryo:多細胞生物の発生初期の個体
                種子植物の種子の中にある発芽前の植物体をいう。
                胚芽ともいい、胚乳から養分を吸収する。
     胚根(embryonic root)=幼根(radicle)、胚軸(hypocotyl)、胚芽(germ)、
     胚のembryonic
     ・直線状 straight、 曲線状 curved 、折り畳み状 folded

   ●胚乳endosperm:発芽に必要な養分を供給する
    ・有胚乳種子albuminous seed :胚乳がある種子
      ・一次胚乳primary endosperm :裸子植物の内(胚)乳
      ・二次胚乳secondary endosperm:被子植物の内(胚)乳
      ・周乳(外胚乳) perisperm:胚嚢の珠心の一部が発達して胚乳となる。
                 スイレン科、コショウ科、アカザ科
    ・無胚乳 exalbuminous seed :胚乳がない種子
      胚乳の代わりに胚の子葉に養分を蓄える種子:マメ科、ブナ科、キク科
      養分を蓄えない種子:ラン科
    ・反芻胚乳 Ruminate endosperm:成熟した胚乳が不規則で凸凹な外形になる
   ●子葉 cotyledon
     種子の中の胚にあり、発芽すると最初に出る葉
     胚乳と子葉の両方をもつものは種子が熟する過程で子葉が胚乳の養分を吸収
    ○子葉の型
      ・幼根背位 incumbent (embryo notorrhizal):
          幼根が1子葉の背の縁に沿う
      ・幼根側位 accumbent (embryo pleurorrhiza):
          幼根が2つの子葉の縁にある
      ・子葉二つ折りconduplicate(折り畳み子葉胚 embryo orthoplocal):
         子葉が幼根(radicle)の周囲に縦に折りたたまれる
      ・子葉螺旋巻き spirally coiled (螺旋子葉胚 embryo spirolobal)
    ・折りたたむ folded、巻き込んでいる convolute、平ら flattened
     類円柱形 subterete.
  ●発芽germinate
     発芽種子germinating seed
     発芽 germinate:種子から、sprout:新芽が出る
    ・地上子葉 epigeal cotyledon:出芽のとき子葉が地上に出る
    ・地下子葉 hypogeal cotyledon:出芽のとき子葉が地下に残る
   合点、カラザ:胚珠の基底部分
 ○果実中の種子の並び方
   1列に uniseriately、2列に biseriately、連続したseriate、非連続の aseriate
 ○種子の形
   卵状回転楕円体(3径のうち2径が等しい楕円体) oblate-spheroid
   回転楕円体 spheroida、卵形(立体) ovoid 、楕円体 ellipsoid、紡錘形 fusiform、
   球形 globose、洋梨形 pyriform, 腎臓形 reniform 、扁球形oblate、
   背腹方向に圧縮 dorsiventrally compressed、三角形 trigonous
   半球形 hemisphere 、半球形の hemispherical、かたつむり形(渦巻形)cochleate
   翼がある winged 、
   先が尖る pointed (鈍く blunt、鋭く sharply)
 ○種子の表面
   平滑 smooth、乳頭状 mammillated、ハチの巣状 alveolate、粉状 mealy、
   ねばねばする mucilaginous、溝状 grooved、長毛縁 fimbriate、櫛状 pectinate、
   顆粒状 granular、条線状 striate、疣状 tuberculate、海綿状 spongy、
   彫刻状 sculptured、しわの多い wrinkly、しわ状 rugulate、
   いぼ状 verrucate、小いぼ状 verruculate、半つや消し semi-matt
    合点の結び目chalazal knot
 ○種子の質
   硬いhard、壊れやすいfragile 
 ○種皮 seed coat
   外種皮 outer seed coat, testa , episperm
   内種皮 inner seed coat , tegmen , endothelium
   肉質種皮 sarcotesta:外種皮が肉質化した種子。動物に被食散布される
      ザクロ、ジャノヒゲ、トベラ、モクレン、ソテツ、イチョウ
 ○アリロイド(種皮附属物) arilloid :動物による種子散布のためにできる種子の付属物。
                       珠皮や胎座からでき、糖質、脂質lipidなどに富む。
   ・エライオソーム elaiosome :脂質やタンパク質を含み、アリによって運ばれるもの
   ・種沈(種阜) caruncle:珠皮を起源とし、種子の先端 (珠孔付近) につく付属物。
   例)トウダイグサ属 、カタクリ属 (ユリ科)、スズメノヤリ (イグサ科)など
     種沈のある carunculate 、種沈のない ecarunculate , estrophiolate
   ・ストロフィオール strophiole :種子のへそ(hilum)のまわりにつく付属物
                      珠皮を起源とする。
                     へそは種子の基部の珠柄との接点付近にある
    =種瘤(しゅりゅう) strophiola ともいい、アズキの場合などに使われる。
     例)ケシ科(クサノオウ、コマクサ、タケニグサ、ムラサキケマン)、スミレなど
       ストロフィオール(種瘤)のあるstrophiolate
       種沈caruncleと区別せず、種沈caruncleとすることも一般的である。
   ・仮種皮(種衣) aril :珠柄や胎座が肥厚して種子全体などを覆う。
      底部のbasal 、全体を覆う completely enveloping seed、
      仮種皮のないexarillate
     例)ニシキギ属 (ニシキギ科) 、アケビ (アケビ科)、マンゴスチン (オトギリソウ科)、
       イチイ (イチイ科) など。
       普通、液質~肉質、まれに膜質(スイレン属 スイレン科)
      仮種皮果arillocarpium
   ・偽仮種皮 (偽種衣) false aril , arillode:珠孔側から発達する仮種皮
     例)ニクズク (ニクズク科)
   ・套衣(とうい) epimatium: 種鱗が肥厚して被食部になり種子を包むもの
            イヌマキやナギ (マキ科) の種子に見られる
 ○エンブリオテガembryotega:胚を被う帽子、種子の表面に見える丸い蓋のような構造。
                    しばしば中央にいぼがある。
                    ツユクサ属Commelinaの種子の側面にみられる。
l ○へそhilum:胚が胎座に付着していた部分の円形又は線形の痕跡
       エンブリオテガのある面の反対面の中央に盛り上がった円形又は線状の尾根
 ○種髪 coma , comose:風による散布のために種子につく毛束
    例)アカバナ属 (アカバナ科) 、ガガイモ類 (キョウチクトウ科) 、
      ヤナギ科では柳絮(りゅうじょ)(seminal cotton wool )と呼ばれる。
       柳絮(りゅうじょ):絮は綿毛を意味し、ヤナギの綿毛のこと
 ○種翼 seed wing : 風による散布のために種子につく翼
    例)ナデシコ属 、ユリ属 、イチヤクソウ:外種皮が伸張してつくられる
      マツ属 (マツ科) :種鱗の内側の組織に起因する
    翼の形:長楕円形(oblong)、楔形(cuneate)、斧形(dolabriform)、
         腎臓形(reniform)、不等辺四辺形(trapeziform)、扇形(flabellate)
<子葉>cotyledon
   子葉は本葉とは異なる。
   種子の内部にあり、発芽(germination)して最初に出る葉
    単子葉植物monocotyledonでは1個。
    双子葉植物dicotyledonでは2個。
   裸子植物の子葉の数は2~10個、種類によって違いがある。
 
<染色体>
 染色体 (chromosome)は、細胞核の中に遺伝子情報をもつ、核ゲノムDNAが細胞分裂周期の分裂期(M期)に蛋白質とともに凝縮し、顕微鏡で観察することができるようになったものである。
   分裂期M期(前期→中期→後期→終期)→分裂間期(G1期→S期→G2期))
  ○ゲノムgenome:遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉。
             DNAのすべての遺伝情報のこと。
  ○染色体数 Chromosome number
    2n=46又はX=23などのように表示する。
  ○染色体chromosome の構造
   染色体:1本のDNA分子がコイル状になって形成される。
   動原体(centromere)
   短腕 (short arm)
   長腕 (long arm)
   染色分体 (chromatid).
   テロメア(telomere):染色体末端の塩基配列の反復、分裂ごとに減少する
   附属体(satellite)
   仁形成体(nucleolus organizer)
 ○染色体の型
  ・中部動原体染色体 metacentric chromosome:短腕/長腕の比がほぼ1のとき
  ・次中部動原体染色体 submetacentric chromosome:
                                短腕/長腕の比が1/2より大きいとき
  ・次端部動原体染色体:短腕/長腕の比が1/2より小さいとき
  ・端部動原体染色体 acrocentric chromosome(telocentric chromosome):
                                短腕が無いとき
 ○核相 nuclear phase:染色体セットの構成。
     複相=2倍体(倍数体)、単相=1倍体(半数体)など
 ○核型 karyotype:一組の染色体の数と形態
    染色体解析法 karyotyping analysis
 ○倍数性 ploidy:交雑種の染色体数2nが基本数(x)の整数倍になること。
   2倍体:diploid:通常の染色体
   多倍数性 polyploidy :3倍体、4倍体、6倍体など
 ○異数性(染色体数的異常) aneuploidy:倍数性の整数倍より増減があること。
          固有の染色体数(2n)より1から数本少ないか、多いこと。
           例,2n-1、2n+1
 ○多形性 polymorphic:多様な形(形態、様式、性質)を持つこと
 ○半倍数性:性染色体が存在せず、染色体数によって性が決定される。
         ハチ、アリ、甲虫類など
         植物では通常2倍体である
 ○サイトタイプcytotype:二倍体のようないくつかの倍数体の型
   二倍体 diploid:通常の染色体
   多倍数体 polyploid:3倍体(triploid)、4倍体(tetraploid)、6倍体(6-ploid)、
                8倍体(octoploid)、10倍体(10-ploid)
   異数体aneuploid(aneuploidy):異数性の染色体
   低異数性 hypoaneuploidy:固有の染色体数(2n)より1から数本少ないもの。
                    2n-1など。
     低異数4倍体 hypotetraploid
   高異数性 hyperaneuploidy:固有の染色体数(2n)より1から数本多いもの。
                    2n+1など。
 ○異質倍数体 allopolyploid ;2種類以上のゲノムで構成されている倍数体
    異質4倍体(allotetraploid)
 ○同質倍数体 autopolyploid:同じ種類のゲノムを複数持つ倍数体
    同質4倍体 (autotetraploid)
 ○同質異質多倍数体 (autoallopolyploid):1種からの重複したセットに加えて少なくとも
                           異なった種からのセットを持つ倍数体.
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