ラッパゲジゲジゴケ 喇叭ゲジゲジ木毛

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Flora of Mikawa

ムカデゴケ Physciaceae ゲジゲジゴケ属

中国名 黃腹亞鈴孢衣 huang fu ya ling bao yi
学 名 Heterodermia hypochraea (Vain.) Swinscow et Krog
ラッパゲジゲジゴケ子器
ラッパゲジゲジゴケの子器横
ラッパゲジゲジゴケの子器盤
ラッパゲジゲジゴケ腹面
ラッパゲジゲジゴケ腹面2
ラッパゲジゲジゴケ
ラッパゲジゲジゴケ2
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 葉状地衣
大きさ 直径 5~15㎝
生育場所 岩上、樹皮上
分 布 在来種  本州、四国、九州、台湾、中国、ヒマラヤ、南アメリカ
撮 影 新城市   14.5.6
中国名は黃腹亞鈴孢衣といい。腹面が黄色とされている。これは山道のガードレール上に着生していた。子器が裂片の先につき、ラッパ状になる。腹面は皮層を欠き、白色~黄色。偽根は縁につき白色、よく分岐して腹面全体を覆う。腹面が白色、偽根が黒色とする文献もあるが、コフキゲジゲジゴケも腹面が黄色を帯び、縁につく偽根が白色であり、以下の解説が近いものと思われる。
 地衣体は白色~淡緑色、直径3~6㎝、裂片は幅0.5~2㎜、斜上する。粉芽、裂芽を欠く。下皮層を欠く。腹面は白色、ただし黄色~褐色になる。偽根は縁生、白色、長さ1~4㎜、単一~不規則に分岐する。子器は裂片の先部につき、ラッパ状になる。直径1~5㎜。盤は平坦、暗褐色~黒褐色、粉霜がある。縁は歯状~小裂片状。胞子は褐色。スポットテスト 皮層:K+黄色。 髄層:K+黄色。二次代謝物質はアトラノリン、ゼオリンを含む。(参考:长江三角洲及邻近地区孢子植物志 1989)
 ラッパゲジゲジゴケモドキ Heterodermia pandurata はラッパゲジゲジゴケによく似ている。髄層がP+濃黄色。ヂセクト酸を含む。
 コフキゲジゲジゴケHeterodermia subascendens 地衣体が斜上する。裂片はさじ形、先の幅が広くなる。縁に背面と同色の白色の偽根がある。偽根は長さ1~2㎜程度で、ほぼ単一、分枝するものもある。腹面は皮層がなく、白色、黄色になる部分もある。先端付近に灰緑色の顆粒状の粉芽がつく。アトラノリン、ゼオリン、16β-acetoxyhopane-6α,22-diolを含む。
 ウラジロゲジゲジゴケHeterodermia hypoleuca 地衣体がほぼ平らで、斜上しない。粉芽、裂芽がつかない。髄層は白色。下皮層は欠く。腹面は白色~紫色~黒色。偽根は白色(淡色)~黒色、よく分枝する。子器は普通あり、大きさに変化が多く、直径 5(10)㎜以下。ときに盃形になり、無柄~短柄、縁が切れ込む。盤は褐色~暗褐色。スポットテスト 皮層:K+黄色 , C- , KC- , P+黄色、髄層:K+黄色又は黄色~橙色 , C- , P-/P+黄色~橙色。皮層にアトラノリン、クロロアトラノリンを含み、髄層にアトラノリン、ゼオリン leucotylin 、ノルスチクチン酸を含む。
 キウラゲジゲジゴケ Heterodermia obscurata は腹側にソラリアをつけ、腹面は錆びた又は黄色を帯びた褐色のフェルト状。偽根は黒色。
 キウラゲジゲジゴケモドキHeterodermia dendritica はゲジゲジゴケに似て偽根が黒色。粉芽、裂芽がつかない。