クロイボゴケ 黒疣木毛
Flora of Mikawa
チャシブゴケ Mycoblastaceae クロイボゴケ属
中国名 | 黑盘灰衣 hei pan hui yi |
英 名 | tephromela lichen |
学 名 | Tephromela atra (Hudson) Hafellner var. atra Lecanora atra (Huds.) Ach. |
分 類 | 子嚢地衣類(Ascolichens) |
生育形 | 痂状 |
生育場所 | 低地~山地の岩上、まれに樹皮 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュジーランド、南北アメリカ |
撮 影 | 幸田町 05.3.19 |
岩上に着生し、普通に見られ、まれに樹皮上にもつく。樹皮上につくものは緑色を帯びることが多い。
痂状地衣、地衣体は厚く、不規則に割れ目が入り、多数の溝で小区画状になる。普通、不連続又は連続してパッチが5㎝までになり、ときに合体して30㎝までになる。厚さ1㎜、下生菌糸は欠くか薄く、黒色。小区画は不規則、幅0.3~1(1.5)㎜、普通、連続し、ときに分かれ、しわがあるときもあり、平坦かやや凸面。背面は灰色~灰白色、平滑。上皮層は厚さ15~30µm、中の菌糸は厚さ3~4µm、上部に厚さ5~10µmのネクラル上層(壊死したような層)がある。髄層は白色、I-、藻類層は厚さ50~100µm、藻類は直径8~12µm。子器は黒色、直径1~2.5㎜の皿型、無柄、ときに基部が縮む。縁はビアトラ型(biatorine)~レカノラ型(lecanorine)、全縁~不規則に波打つ。盤は黒色、平坦~やや凹面、光沢があり、細粉状でない。果殻は透明、厚さ100~200µm、直径約4µmの菌糸からなる。子嚢上層は暗赤紫色~赤褐色。子嚢層は上部が高さ50~60µm、赤紫色~褐色、I+青色、子嚢下層は厚さ100~150µm、暗褐色~黄褐色。子嚢は棍棒形、胞子は8個入る。胞子は透明、1室、扁平な惰円形(ellipsoid)、長さ10~14µm、幅6~8µm。粉子は円筒状~糸状、長さ(9)12~21µm、幅1~1.5µm。スポットテスト 上皮層: K+ 黄色, C-, KC-, P- 髄層: K-, C-, KC-, P-。二次代謝物質は上皮層にアトラノリンを含み、髄層にα-コラトール散 、アレクトロン酸を含む。
クロイボゴケモドキは樹皮に着生し、クロイボゴケによく似ていて学名はTephromela armeniacaとされていたが、現在ではクロイボゴケモドキはCalvitimela armeniacaであるとされ、Tephromela armeniacaは使用されなくなっている。
クロイボゴケの子器が直径1~2.5㎜の大きいものを変種 var. atra とし、樹皮だけに着生する子器の直径が1㎜以下の小さいものを var. torulosaと変種に分けられている。
Lecanora gangaleoides .は日本、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカに分布し、岩上に着生する。地衣体が黄白色~灰白色、橙色や褐色を帯びることもある。下生菌糸は見られない。子器は直径07~1.2㎜、盤は暗褐色~黒褐色。縁は全縁~波状、平滑~いぼ状。子嚢上層は黒褐色~緑褐色。皮層、髄層: K+黄色, C-, KC-, P+淡橙色。アトラノリン、クロロアトラノリン、ガンガレオイジン、レオイジン、norgangaleoidin、4-dechlorogangaleoidin 、skyrinを含む。
レカノラ・スブインメルゲンスLecanora subimmergens は岩に着生する。子器がレカノラ型、子器盤は淡~暗赤褐色、縁部は地衣体と同色。 K+黄色, C-, KC-, P+黄色。アトラノリン、ゼオリンを含む。
スミイボゴケ Buellia disciformis は樹皮に着生し、地衣体が白色~淡黄灰色。子器はレキデア型。盤は黒色。
ヒメホシイボゴケ Buellia stellulata は本州(和歌山県以西)の岩上に着生する。地衣体が灰色~灰緑色、小区画状。子器はレキデア型。盤は黒色。
Buellia ocellata は地衣体が緑灰色~黄灰色。下生菌糸は黒色。裸子器は、褐色、埋没する。子嚢上層は褐色~オリーブ色。胞子は1室、長さ(11)13~17(21) µm、幅6.5~9(11) µm.。K-, C+橙色, P-, UV- 。
Buellia aethaleaは岩上に着生する。灰色~淡褐色、まれに暗褐色。下生菌糸は明瞭、黒色。子器はレキデア型、直径(0.1)0.2~0..5㎜、盤は黒色。子嚢上層は褐色。K+黄色~赤色結晶, P+黄色, C-, KC-, CK- 。
痂状地衣、地衣体は厚く、不規則に割れ目が入り、多数の溝で小区画状になる。普通、不連続又は連続してパッチが5㎝までになり、ときに合体して30㎝までになる。厚さ1㎜、下生菌糸は欠くか薄く、黒色。小区画は不規則、幅0.3~1(1.5)㎜、普通、連続し、ときに分かれ、しわがあるときもあり、平坦かやや凸面。背面は灰色~灰白色、平滑。上皮層は厚さ15~30µm、中の菌糸は厚さ3~4µm、上部に厚さ5~10µmのネクラル上層(壊死したような層)がある。髄層は白色、I-、藻類層は厚さ50~100µm、藻類は直径8~12µm。子器は黒色、直径1~2.5㎜の皿型、無柄、ときに基部が縮む。縁はビアトラ型(biatorine)~レカノラ型(lecanorine)、全縁~不規則に波打つ。盤は黒色、平坦~やや凹面、光沢があり、細粉状でない。果殻は透明、厚さ100~200µm、直径約4µmの菌糸からなる。子嚢上層は暗赤紫色~赤褐色。子嚢層は上部が高さ50~60µm、赤紫色~褐色、I+青色、子嚢下層は厚さ100~150µm、暗褐色~黄褐色。子嚢は棍棒形、胞子は8個入る。胞子は透明、1室、扁平な惰円形(ellipsoid)、長さ10~14µm、幅6~8µm。粉子は円筒状~糸状、長さ(9)12~21µm、幅1~1.5µm。スポットテスト 上皮層: K+ 黄色, C-, KC-, P- 髄層: K-, C-, KC-, P-。二次代謝物質は上皮層にアトラノリンを含み、髄層にα-コラトール散 、アレクトロン酸を含む。
クロイボゴケモドキは樹皮に着生し、クロイボゴケによく似ていて学名はTephromela armeniacaとされていたが、現在ではクロイボゴケモドキはCalvitimela armeniacaであるとされ、Tephromela armeniacaは使用されなくなっている。
クロイボゴケの子器が直径1~2.5㎜の大きいものを変種 var. atra とし、樹皮だけに着生する子器の直径が1㎜以下の小さいものを var. torulosaと変種に分けられている。
Lecanora gangaleoides .は日本、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカに分布し、岩上に着生する。地衣体が黄白色~灰白色、橙色や褐色を帯びることもある。下生菌糸は見られない。子器は直径07~1.2㎜、盤は暗褐色~黒褐色。縁は全縁~波状、平滑~いぼ状。子嚢上層は黒褐色~緑褐色。皮層、髄層: K+黄色, C-, KC-, P+淡橙色。アトラノリン、クロロアトラノリン、ガンガレオイジン、レオイジン、norgangaleoidin、4-dechlorogangaleoidin 、skyrinを含む。
レカノラ・スブインメルゲンスLecanora subimmergens は岩に着生する。子器がレカノラ型、子器盤は淡~暗赤褐色、縁部は地衣体と同色。 K+黄色, C-, KC-, P+黄色。アトラノリン、ゼオリンを含む。
スミイボゴケ Buellia disciformis は樹皮に着生し、地衣体が白色~淡黄灰色。子器はレキデア型。盤は黒色。
ヒメホシイボゴケ Buellia stellulata は本州(和歌山県以西)の岩上に着生する。地衣体が灰色~灰緑色、小区画状。子器はレキデア型。盤は黒色。
Buellia ocellata は地衣体が緑灰色~黄灰色。下生菌糸は黒色。裸子器は、褐色、埋没する。子嚢上層は褐色~オリーブ色。胞子は1室、長さ(11)13~17(21) µm、幅6.5~9(11) µm.。K-, C+橙色, P-, UV- 。
Buellia aethaleaは岩上に着生する。灰色~淡褐色、まれに暗褐色。下生菌糸は明瞭、黒色。子器はレキデア型、直径(0.1)0.2~0..5㎜、盤は黒色。子嚢上層は褐色。K+黄色~赤色結晶, P+黄色, C-, KC-, CK- 。