クロアシゲジゲジゴケ 黒足ゲジゲジ木毛

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Flora of Mikawa

ムカデゴケ Physciaceae ゲジゲジゴケ属

中国名 .阿里山亞鈴孢衣 a li shan ya ling bao yi
英 名 Japanese centipede lichen
学 名 Heterodermia japonica (Sato) Swinscow et Krog
クロアシゲジゲジゴケの背面
クロアシゲジゲジゴケ偽根
クロアシゲジゲジゴケ腹面と粉芽
クロアシゲジゲジゴケ腹面
クロアシゲジゲジゴケ
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 葉状
大きさ 直径 2~5(15)㎝
生育場所 樹皮、岩上
分 布 在来種  本州(関東地方以西)、四国、九州、世界に広く分布
撮 影 鳳来寺山   05.3.6
葉状地衣。地衣体は不規則に2叉に分枝して広がり、まれに直径5㎝以下の円形となり、ときにコロニーは直径15㎝に達することもある。裂片は固着が弱く、細く、先でやや広くなり、先の幅2~3(4)㎜、縁に小さなソラリア(粉芽塊)をつける。背面は緑白色~乳白色、まれに褐色を帯び、若い時は先が白粉を被り、粉芽がある。粉芽は粉末状~顆粒状、ソラリアは側枝~枝先、ときに縁に沿ってつき、唇状~頭状。上皮層は繊維菌糸組織的(prosoplectenchymatous)。髄層は白色。下皮層は欠く。腹面は白色~褐色又は青色を帯びた黒色、しばしば褐色を帯びた橙赤色の点がまばらにある。偽根は縁につき、黒色、長さ1~3 (7)㎜。子器は稀につき、薄膜、やや有柄、直径1~8㎜、縁は小裂片がある。子器盤は凹面、暗褐色~黒褐色、少し粉を被る。子嚢は円筒形~やや棍棒形、8個の胞子が入る。胞子は褐色、長さ40~45µm、幅20~22µmの楕円形、2室。粉子器は稀にしかない。粉子は長さ4~5µm、幅約1µmの桿形。スポットテスト 皮層: K+黄色, C-, KC-, P+黄色 髄層:K+黄色又は黄色~橙色, C-, KC-, P-又はP+黄色~橙色。二次代謝物質は皮層にアトラノリン、クロロアトラノリンを含み、髄層にアトラノリン、ゼオリンを含む。
 ヤマゲジゲジゴケ Heterodermia pseudospeciosa は裂片が幅0.4~1.5㎜と細く、裂片の先端に粉芽をつけ、やや頭状のソラリアを形成する。腹面は白色を帯び~淡褐色、まれに暗褐色。偽根は普通短く、長さ約1㎜、淡褐色~暗褐色~黒色。
 キウラギジゲジゴケHeterodermia obscurataは裂片が幅1~2㎜。髄層は上面は白色、下面黄色~錆びた褐色。腹面は錆びた又は黄色を帯びた褐色のフェルト状。胞子は褐色、長さ29~35µm、幅15~19µm。髄層:K- , C- , P-。アトラノリン、ゼオリンを含む。
 トゲゲジゲジゴケは粉芽がなく、裂芽がある。腹面に淡褐色の皮層がある。偽根が淡褐色。