コナイボゴケ 粉疣木毛

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Flora of Mikawa

チャシブゴケ Lecanoraceae チャシブゴケ属

別 名 コナチャシブゴケ
学 名 Lecanora pulverulenta Mull. Arg.
コナイボゴケ2
コナイボゴケ3
コナイボゴケ4
コナイボゴケ5
コナイボゴケ
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 痂状
生育場所 低地~低山地の樹皮上
分 布 在来種  本州(関東地方以西)、四国、九州
撮 影 蒲郡市(モミジの樹幹)   05.3.28
チャシブゴケ属 Lecanora は痂状地衣。子器は裸子器で、地衣体と同色の果托をもち、この子器をレカノラ型という。
 地衣体は淡黄緑色~淡黄褐色、薄く、表面は粉芽状になる。子器はレカノラ型、直径約0.5㎜。子器盤は淡黄褐色。縁は波打ち、細粉状、粉芽がある。小さな子器が密集する。スポットテスト K+黄色。ウスニン酸を含む。
 樹皮に着生するチャシブゴケ属の主なもの
<子器の色が薄いもの>
 キミチャシブゴケ Lecanora leprosa はレカノラ・キネレオカルネア Lecanora cinereocarnea と同義語とされている。コナイボゴケと同じように低地に広く分布する。都市部では見られない。地衣体は黄白色~黄灰色~黄緑色、平滑、粉芽状にならない。子器は直径0.3~0.8㎜、密集してつく。子器盤は橙褐色~黄褐色。アトラノリン、ガンガレオイジンを含む。
 モエギイボゴケLecanora yasudae= Lecanora sibirica は樹皮につき、地衣体が淡黄緑色~淡緑色、縁に白色の長い線形の下生菌糸が目立つ。子器盤は黄緑色~黄褐色、粉を帯びる。
 Lecanora symmicta はユーラシア、北アメリカに分布する樹皮着生、疣状の小区画になる。下生菌糸は白色。子器は1個又は2~3個が合体していびつになることが多く、直径 0.35~0.70㎜、波打つ。盤は黄色を帯びたベージュ~橙褐色、凸面。縁は欠けることが多い。

<子器の色が濃いもの>
 レカノラ・キオノカルパ Lecanora chionocarpa は樹皮着生。地衣体の縁が下生菌糸で綿毛状になる。子器盤は赤褐色~褐色、細粉状にならない。
 マルミチャシブゴケ(仮称 ナミチャシブゴケ) Lecanora megalocheila は地衣体が灰緑色。子器は直径1~2㎜、盤は赤褐色。縁は平滑。
 ヤマトチャシブゴケLecanora japonica =Lecanora wrightiana は地衣体が薄く、連続、亀裂状~小区画状、いぼ状、レモン色~淡緑色、細粉状でない。周囲は不明瞭、白色。子器は円形~不規則、直径0.2~0.7㎜。盤は赤褐色、縁は平滑、全縁。皮層は透明、ゼラチン質、小さな結晶を持つ。果托は小さな結晶を持つ。果殻は透明、厚さ15µm、結晶はない。子嚢上層は赤褐色、顆粒状でない。側糸は頂端が網状になりわずかに太くなる。子嚢は円筒形、長さ13~15µm、幅7~8µm。スポットテスト  C-, P-。アトラノリンを含む。
 ニホンチャシブゴケ Lecanora nipponica は暖、冷温帯に分布する。樹皮着生。子器が直径約2㎜、盤が赤褐色、縁が疣状。
 ニセニホンチャシブゴケ Lecanora cinereofusca は冷温帯に分布する。樹皮着生。子器盤が赤褐色、縁が波打つ。
 オオチャシブゴケ Lecanora glabrata 樹皮着生、小区画状。表面は緑白色。子器盤はやや淡色~中間の赤褐色。胞子は長さ11~13µm、幅6~8µm。 K+黄色, C-, KC-,
 Lecanora pulicaris は樹皮着生。下生菌糸は見えないか白色~青黒色。子器は直径0.3~1.5㎜、盤は淡色のときもあり、赤褐色~暗褐色~黒色、平坦。縁が疣状、ときに欠ける。K +黄色, KC -, C +, P+橙色~赤色/P- , UV-/+青色。Lecanora chlarotera によく似ている。