ヒメニクイボゴケ 姫肉疣木毛 

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Flora of Mikawa

トリハダゴケ Pertusariaceae ニクイボゴケ属

英 名 Upsala crabseye lichen
学 名 Ochrolechia upsaliensis (L.) A. Massal.
ヒメニクイボゴケ2
ヒメニクイボゴケ3
ヒメニクイボゴケ4
ヒメニクイボゴケ
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 痂状
生育場所 土上、朽木上の蘚類上
分 布 在来種  本州、北半球に広く分布
撮 影 新城市   14.5.13
地衣体は蘚類上に薄く、着生し、灰白色~淡桃色、直径10㎝を超えることもある。子器は直径約2㎜、レカノラ型、無柄。盤は黄褐色~淡赤色、放射状模様にならない。縁は厚く、全縁、ときに粉芽をつける。子嚢は長さ45~75µm、幅30~50µm。ムロル酸、 バリオラル酸を含む。
 クサビラゴケ Ochrolechia trochophora 樹皮着生。地衣体は灰白色~類白色、亀裂状~顆粒状になり、直径10㎝に達することもある。粉芽、裂芽はない。子器は大きく、直径4㎜以上になり、盤は灰白色~淡桃色、平坦~凸面、放射状模様ができて車輪状に見える。盤がくさびらに似ているともいわれ、和名の語源となっている。子嚢は8胞子が入り、長さ150~250µm、幅30~70µm、円筒形。胞子は透明、長さ50~80µm、幅25~30µm、扁平な惰円形。ジロフォール酸の他に未同定物質を含む。
 イワニクイボゴケ Ochrolechia parellula は岩上着生。地衣体は灰白色~淡桃色、厚く、亀裂を生じて多数の区画に分かれる。白粉、粉芽、裂芽はない。背面に糸状の藍藻をつけることがある。下生菌糸は白色。子器はレカノラ型、直径1~2㎜の円形、皿状。子器盤は黄褐色~淡紅色、放射状の模様があり、幼時は円形、後に果托が中央部に発達して小さな数個の盤に分かれる。果托は厚く、全縁、白粉がつくこともある。ジロフォール酸を含む。胞子は胞子嚢中に8個入り、長円形、薄壁。
 アカギニクイボゴケ Ochrolechia akagiensis は山地の樹皮に着生する。粒状の小さな突起の裂芽が散在する。子器は直径0.75~1.5㎜。子器盤は淡桃色、放射状模様にならない。果托は厚く、幼時は平滑だが、後に横溝が出来、粒状の裂芽をつける。
 ヤスダニクイボゴケOchrolechia yasudaeは樹皮着生。地衣体が緑灰色、サンゴ状の裂芽をつける。
 Ochrolechia androgyna は樹皮、岩上に着生する。地衣体が黄白色~淡褐色、しわが多く、疣状、粉芽をつける。ソラリアは黄白色。皮層:K-又はK+淡黄色, C+赤色, KC+赤色, P-。
 Ochrolechia tartarea 岩上に着生する。地衣体は白色~灰色、しわが多い。粉芽は無い。子器は直径約2㎜。盤は淡桃色~黄褐色、平坦。縁は刻みがあり、曲がる。ジロフォール酸を含む。