ナチシケシダ 那智湿気羊歯

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Flora of Mikawa

オシダ科 Dryopteridaceae オオシケシダ属

中国名 毛叶对囊蕨 mao ye dui nang jue .
[英名] Petersen's-Spleenwort
学 名 Deparia petersenii (Kunze) M.Kato.
三河の植物観察
ナチシケシダの葉裏
ナチシケシダの包膜
ナチシケシダの羽軸の節のある毛
ナチシケシダの中軸の毛
ナチシケシダ
ナチシケシダ羽片
高 さ 30~80㎝
生活型 夏緑性
生育場所 山地の林下、林縁
分 布 在来種  本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾、西アジア、
撮 影 茶臼山  06.7.16
根茎は這い、葉はまばらに出る。葉柄は長さ2~40(50)㎝、基部は直径1~3㎜、暗褐色、上部はわら色。葉柄基部は淡褐色~赤褐色披針形の鱗片と節のある短い曲がった毛がまばらにつく。葉は2形性でない。葉は草質、光沢がなく、緑色~灰緑色~黄緑色。葉身は長さ15~40㎝、幅6~28㎝以下の長楕円状披針形~惰円形、2回羽状中裂~深裂、葉先はしだいに細くなる。羽片の基部は狭くならず、先は尾状に細くなる。裂片は鈍頭。葉裏(abaxial)の中軸、羽軸には赤褐色~黄褐色~淡灰褐色の節のある多細胞の毛があり、ときに褐色の披針形の鱗片がある。ソーラスは線形で、6対以下、中肋寄りにつく。包膜は無毛又は節のある短毛があり、縁がフラットで細鋸歯がある。2n=160
 写真のものは包膜の縁が細鋸歯であることからナチシケシダとしたが、中軸の鱗片が透明で、毛も多く、ムクゲシケシダ又はその雑種の可能性もある。
 ムクゲシケシダ Deparia dimorphophylla var. kiusiana (=Deparia kiusiana) は本州(山形県以西)、四国、九州、中国に分 布する。根茎は細く、直径約2.5㎜、地中深く這い、鱗片は褐色。葉柄はわら色、長さ25~40㎝、 淡褐色の透明な線形~披針形の鱗片と長さ3㎜以下の節のある毛が密にある。上部では鱗片は幅が狭い。葉はやや2形。葉身は長さ18~40㎝、幅10~25㎝の卵形~狭い長楕円形~狭い三角状、基部はやや狭くなるものもならないものもあり、先はしだいに尖る。羽片は基部まで分かれるものが7~12対、長さ3.5~15㎝、幅1~3.5㎝の長楕円形~線状披針形、先は横に広がるかやや斜上し、尖り、無柄~短柄。羽片の裂片の先は切形~円形。葉身は草質、乾くと緑褐色になる。中軸、羽軸に淡褐色~透明な、しなびた節のある毛が密生し、脈間にも毛がある。ソーラスは裂片に6対以下つき、短い線形。包膜には短い多細胞の毛があり、縁はフラット、不規則に裂ける。
 ムクゲナチシケシダ Deparia kiusiana (Koidz.) M.Kato x D. petersenii (Kunze) M.Kato はムクゲシケシダとナチシケシダの雑種
 セイタカシケシダ Deparia dimorphophylla はムクゲシケシダに似て、鱗片が少ない。包膜が多毛、全縁。
 シケシダは葉の色が黄緑~淡緑色で、包膜が無毛、ほぼ全縁。
 ホソバシケシダは羽片が短く、先が鈍頭。包膜が無毛で、包膜の縁が細裂するが毛状ではない。