きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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  ヌメリツバタケ  滑鍔茸
中 国 名 白环粘奥德蘑 bai huan zhan ao de mo , 粘小奥德蘑 zhan xiao ao de mo
学  名 Mucidula mucida var. asiatica R.H. Petersen
Mucidula venosolamellata Imazeki et Toki,(ヌメリツバタケモドキ)
Mucidula mucida var. venosolamellata (Imazeki et Toki) R.H.Petersen
Oudemansiella mucida (Schrad. :Fr.) Hohnel(ヌメリツバタケ 広義)
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 タマバリタケ科  Physalacriaceae  ヌメリツバタケ属
 オウデンマンシエルラ属(ツエタケ属) Oudemansiella とする見解もあったが、ヌメリツバタケ属 Mucidula に分けられるようになり、ツエタケ属はHymenopellisとなった。
 最近の研究(2011年)により、日本産のヌメリツバタケはヌメリツバタケモドキと区別するべきではないとされ、ヨーロッパ産などの基準種とは異なりMucidula mucida var asiaticaとする見解が示されているため、これに従った。
 日本のヌメリツバタケモドキはひだに皺を持つ肉眼的な特徴に基づいて、ヌメリツバタケと区別され、日本固有種とされてきた。しかし日本産ヌメリツバタケとヌメリツバタケモドキとは交配可能 であり、両菌の中間的な形態的特徴を示す捻性な子実体を形成し、さらに分子系統解析により種内分類群として分割すべきでないとの結果が得られている。また、日本産ヌメリツバタケは胞子の大きさが大きく、傘表皮組織の構造およびITS 領域を用いた分子系統解析により、ヨーロッパ産などのヌメリツバタケ(var.mucida )とは明らかに種レベルで異なるものであるとの結果が示されている。
 ●ヌメリツバタケ 初夏~秋、広葉樹の枯木、落枝上
 子実体は群生~束生。傘は直径2~7㎝、饅頭形~扁平。背面は強粘性、類白色~灰褐色、辺縁は淡色。柄は長さ2~4㎝、幅1~10㎜、上下同形~下部やや太く、中実、上部に白色、膜質のつばがあり、表面は傘より淡色、平滑、上部に白色、膜質のつばがある。ひだは疎につき、直生。肉は軟質、白色、無味無臭。胞子は無色、長さ18.5~25.5µm、幅14~23µmの類球形、平滑。縁シスチジアは長さ50~80µm、幅8~24µmの円柱形~棍棒形~便腹形。側シスチジアは長さ53~87µm、幅14~25µmの円柱形~棍棒形~便腹形。
 ●ヌメリツバタケモドキ 春~秋、ブナの枯木倒木上
 子実体は束生。傘は直径2~6㎝、半球形~低饅頭形。背面は強粘性、類白色~暗褐色、辺縁は淡色、溝条あり。柄は、長さ1.5~4㎝、幅3~10㎜、上下同形、中実、表面は類白色、つばより下部は灰褐色を帯び、平滑。ひだは疎につき、白色直生~湾生、白色、皺状に縮れる。肉は軟質、白色~灰色、無味無臭。胞子は無色、長さ19~22(30)µm、幅16~18(23)µmの類球形、平滑。縁シスチジアは長さ37~90µm、幅11~13µmの棍棒形。側シスチジアは長さ65~80µm、幅14~15µmの棍棒形、先端が突出する。
 ●Mucidula mucida var mucida(by Rogers Mushrooms) 夏~晩秋、ブナの幹
 傘は直径2~8㎝、饅頭形~扁平、幼時に淡灰色を帯び、より白色になり、 凹頭、中央が濃く、半透明、粘性がある。柄は長さ3~10㎝、幅3~10㎜、白色、条線があり、上部に膜質のつばがあり、つばより下部はわずかに鱗片状。肉は質が薄く、白色。シスチジアは円筒形~紡錘形。胞子紋は白色。胞子は類球形、長さ13~18µm、幅12~15µm。
ヌメリツバタケ
ヌメリツバタケ2
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型~中型 直径2~6㎝
栄養摂取 腐生菌
発生場所 ブナの枯木、倒木
分  布 日本、中国、ロシア
食  毒 可食
撮  影 長野県(茶臼山付近) 14.9.3
ヌメリツバタケ傘背面
ヌメリツバタケ腹面
ヌメリツバタケひだ
ヌメリツバタケつば
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