きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 ベニヤマタケ  紅山茸
中 国 名 绯红湿伞 fei hong shi san
英  名 scarlet hood , scarlet waxcap , righteous red waxy cap
学  名 Hygrocybe coccinea (Schaeff.) P. Kumm.
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 ヌメリガサ科  Hygrophoraceae  アカヤマタケ属
 学名はvar. umbonata , var. gracilis , var. minor など、変種に分ける見解もあった。
 傘は直径2~5㎝、半球形~饅頭形~浅皿形。背面は粘性なく、吸水性、濃緋紅色~橙色~黄色。柄は長さ2~6㎝、幅4~10㎜、円柱形~ややつぶれ、中実~髄状、表面は平滑、傘と同色~淡色、下部は黄白色。ひだはやや疎につき、直生、厚く、ピンク色を帯びた橙色~橙黄色、縁が淡色。肉は薄くて脆く、帯黄色、無味、無臭、変色性なし。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ6~11µm、幅4~5.5µmの楕円形、平滑、KOHaqにより変色せず、非アミロイド。坦子器は4胞子性、2胞子を混在し、長さ60µm以下。子実層にシスチジアは無い。ひだ実質は平行。傘の表皮は粘毛状被(厚いゼラチン層の中に菌糸が埋没)。
 鮮やかな赤色~赤橙色を帯びた類似種は多い。
 ミイノベニヤマタケ Hygrophorus marchii Bres = Hygrocybe coccinea var. marchii (Bres.) Krieglst夏~秋に発生。傘は直径1~4.5㎝、半球形~饅頭形~扁平、中央がやや凹み、湿時粘性、朱赤色~黄色、乾くと光沢があり、縁に条線あり。柄は中空、ときに扁平になる。ひだは疎につき、淡黄色。胞子は長さ6.5~9µm、幅4~5µmの楕円形。
 ヒイロガサHygrocybe punicea 夏~秋に発生する。傘は鐘形~扁平、湿時粘性、濃赤血色~橙黄色。柄は上下同径~中太(便腹状)、中空、条線がある。ひだはやや疎、脈絡あり。胞子は長さ8~11µm、幅4~6µmの長楕円形~紡錘形。可食。
 チシオヒメノカサHygrocybe cruenta 春~秋に林内に発生。傘が直径0.7~2㎝、血赤色、平滑、縁は黄色、条線がやや見える。胞子は長さ5.5~9µm、幅2.5~3.7(5)µm細い円柱形、ややくびれる。
 ネッタイベニヒガサHygrocybe firma 夏~秋に発生。傘は直径2~4㎝、濃赤色、低い饅頭形、中央がやや凹む。背面は粘性なく、微細な鱗片に覆われる。ひだは疎につき、直生~垂生、帯赤色。柄は傘とほぼ同色。坦子器は2型あり、胞子も大小2型ある。
 ネッタイアカヌメリガサHygrocybe hypohaemacta var. boninensis は日本では小笠原諸島に分布し、傘や柄が著しく粘る。
 シュイロガサHygrocybe suzukaensis 夏~秋に林内に発生。傘は直径1.5~5㎝、饅頭形~浅杯形、中央が凹む。背面は真紅色、中央より黄色に退色し、縁に短い条線がある。ひだは疎、垂生、橙黄色。胞子は長さ11~15µm、幅8~9.5µmの惰円形。
 ベニヒガサHygrocybe cantharellus 夏~秋に林内に発生。ときにミズゴケ上に発生する(f. sphagnicola)。傘は直径0.5~2(3)㎝、半球形~饅頭形~浅皿形、朱紅色~橙紅色、粘性なく微細な鱗片に覆われ、鱗片は黒変しない。柄は傘と同色、平滑、基部は淡色~黄白色。ひだは淡黄色。坦子器は2胞子性と4胞子性がある。2胞子性の胞子は大きく、長さ9~12.5µm、幅6~7.5µm。4胞子性の胞子は小さく、長さ7~9.5µm、幅4.5~6.5µm。
 ミズゴケノハナHygrocybe coccineocrenata 夏~秋に草地やミズゴケ上に発生。傘径0.5~1㎝、低い饅頭形、中央はしばしばやや凹み、鮮赤色~朱赤色、微細な鱗片が全面につき、ときに黒ずむ。ひだは疎につき、やや垂生、クリーム色~帯赤色。柄は傘と同色~淡色。胞子は長さ7.5~12.5µm、幅4.5~7µmの惰円形。
 アカヌマベニタケHygrocybe miniata 夏~秋に林内に発生。傘は直径1.5~4㎝、饅頭形~浅皿形、橙紅色、粘性なく、フェルト状~細鱗片に覆われる。ひだは疎、脈絡があり、橙黄色、後に黄色になる。胞子は長さ7~9µm、幅4~5.5µmの惰円形。
 オオミノアカヌマベニタケ Hygrocybe macrospora 梅雨期と秋に発生。傘は直径2~4㎝、饅頭形~浅皿形、幼時鮮紅色~橙色、全面に微細鱗片をつけ、中央から帯色する。柄は傘と同色、下部ほど淡色、基部白色。ひだは疎、白色~乳白色。胞子は長さ11~19µm、幅7.5~10µmの惰円形。
ベニヤマタケ
ベニヤマタケ傘
ベニヤマタケひだ
発生時期 春~秋
大 き さ 小型 直径2~5㎝
栄養摂取 腐生菌
発生場所 草地、ササ藪、林内の地上
分  布 日本、中国、台湾、ヨーロッパ、北アメリカ
食  毒 可食
撮  影 豊田市 05.6.12
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