ソテツ科 Cycadaceae

分類 裸子植物 (Gymnosperms)-ソテツ目(Cycadales)
【ソテツ木の目の】
ソテツ科(Cycadaceae)、ザミア科(Zamiaceae)、スタンゲリア科 (Stangeriaceae)
分布  アジア東部・南部、アフリカ東部、オーストラリア、太平洋諸島に1属60種が分布し、日本にはソテツ1種だけが自生する。
 化石が多数発見されている。古生代ニ畳紀に登場し、中生代三畳紀~ジュラ期~白亜紀前期に最も繁栄し、後期白亜紀に急激に減少し、さらに新生代の第三紀~第四紀に更に減少する。日本でもジュラ期等の地層からソテツ属の化石が発見されている。
特徴 常緑、高木又は低木。雌雄異株。ヤシの木に似ている。幹は円柱形、ときに先で二又分枝し、まれに卵状球根形で地下にあり、落ちた葉の基部が残って覆い、樹皮がしばしば厚く、粗くなる。葉は幹の先につき、1(~3)羽状複葉、螺旋状に並ぶ。新しい葉は直立し(又はときにやや内曲し、C. multipinnataではコイル状になる)、渦巻き状の小葉がある。葉柄は刺があり(基部の小葉では少なく)、まれに欠き、基部は膨れ、有毛。小葉は多数、互生又はほぼ対生し、2又分枝する種も少しあり、中脈があり、普通、全縁。低出葉(cataphyll)は目立ち、葉と互生し、有毛、先はしばしば硬直し鋭い。雄花は花粉錐(毬状花序 pollen cone)が幹の先につき、円筒形~紡錘形。小胞子葉(microsporophyll)=雄しべは多数つき、鱗片状、錐の軸に沿って螺旋状に堅く並び、多数の小胞子嚢(microsporangia)が外面に群れてつく。花粉は胚珠内で花粉管により固着する。花粉管(pollen tube)は2個の運動性の精細胞=精子又は精虫(sperm cell)を生出す。雌株につく、雌花は大胞子葉(megasporophyll)=雌しべが少数から多数つき、やや葉状、葉の赤面に互生し、疎につき、幹の先の周りに錐のような王冠状になる。各々は線形の稔性の柄と、先につく羽状中裂又はほぼ全縁の不稔の葉身部分をもつ。子房がなく、胚珠は裸出し、胚珠は柄の片側に(1)2~5個つく。種子は核果状(drupelike)、やや扁平。種皮(seed coat)は3層、色のついた肉質種皮(sarcotesta)、木質の硬果皮(sclerotesta)、膜質の外種皮内層(endotesta)からなる。子葉は2個、基部で癒合する。発芽は地下性(hypogeal)、子葉が種皮に包まれるタイプ(cryptocotylar)である。2n=22。
用途  ソテツが庭園やロータリーに植えられる。ソテツの種子はサイカシン(Cycasin)を含み有毒であるが、十分水に晒すと食用になる。グアムでは常食する地域もあり、日本では飢饉の際の非常食とされた。サイカシンは体内に蓄積されるため、微量でも危険である。
ソテツ属  ソテツ Cycas revoluta Thunb.