ヨシススキ 葦薄

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Flora of Mikawa

イネ科  Poaceae サトウキビ属

別 名 サッカラム、エリアンサス
中国名 斑茅 ban mao
英 名 wild sugarcane , sweetcane , hardy sugar cane
学 名 Saccharum arundinaceum Retz.
Erianthus arundinaceus (Retz.) Jesw
ヨシススキの花序と葉
ヨシススキの花序
ヨシススキの雄しべの葯と柱頭
ヨシススキの護頴
ヨシススキの種子
ヨシススキの茎
ヨシススキの葉鞘
ヨシススキの葉舌
ヨシススキの茎上部の断面
ヨシススキの茎下部の断面
ヨシススキ
ヨシススキ有柄の小穂
ヨシススキ護頴
ヨシススキの無柄の小穂
ヨシススキ葉表
ヨシススキ葉裏
ヨシススキ葉縁
ヨシススキの茎2
花 期 9~11月
高 さ 2~6m
生活型 多年草
生育場所 畑地、樹園地、路傍、荒地
分 布 帰化種  中国、台湾、インド、ブータン、バングラディシュ、スリランカ、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、マレーシア、
撮 影 新城市 15.11.10
ヨシススキはサトウキビSaccharum officinarum の近縁種である。サトウキビのハイブリダイゼーションに重要な遺伝子をもつ野生種であり、病気、害虫、干ばつ、寒さなどの耐性がある。日当たりの良い所を好み、土壌の種類を選ばず、畑地、樹園地、路傍、荒地に生育する。サッカラム パープルピープルグリーターSaccharum 'Purple People Greeter' という観賞用の品種も流通、販売されている。
 ヨシススキは動物飼料や防風垣として1935年以前に渡来し、沖縄で逸出、野生化している。また、最近では、道路法面や崩壊地の緑化植物として使用されることもあり、宮崎県や神奈川県などで野生化しているものは、中国産ススキ種子に混入していた可能性が高いといわれている。また、バイオ燃料製造等を目的としたバイオマス原料としての利用が検討されており、種子をつけない不稔性の栽培系エリアンサスの品種開発が進められている。平成22年10月に名古屋で開催された生物多様性条約第10 回締約国会議において愛知目標が採択され、2015年3月に公開された「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト (生態系被害防止外来種リスト)」No.99にヨシススキもリストアップされている。
 新東名高速道路から接続する三遠南信自動車道の浜松いなさJCTから鳳来峡の間の三遠道路13.9kmの間の造成斜面にススキの他に丈の高いトキワススキに似て花序の先が中軸がまで伸びるのものが多数生えるようになった。トキワススキとは花穂の出る時期が異なり、遅い。浜松河川国道事務所の報告書にこの区間を含む地域のクマタカ保護の取り組みが実施されたとある。植栽は中木「ヤブツバキ」と、低木「ヒサカキ」が選定され、播種は在来種である「メドハギ」、「ススキ」、「ヨモギ」、「イタドリ」と「ヤハズソウ」が用いられた(国内産種子の供給等がある在来草本を使用)。この中で浸食防止のため、外来種を含む種子で早期緑化を行うための播種(厚層基材吹き付けによる早期緑化を行い)が行われたとされている。発生が非常に多いため、平成17年~23年頃実施されたこの工事で、ヨシススキの種子も吹き付けられたのではないかと推定される。
【観察】
 茎は中部以下が中実、上部は中空、直径1~2㎝、節間は10~20㎝程度。葉鞘は毛が密生し、葉裏の基部に続く。葉は幅が広いものは幅4㎝あり、葉先が尖鋭形、葉裏の中脈は丸く、葉表の中脈がやや窪み白色、葉先の30㎝前後で中脈が見えなくなり、葉縁は白色、微細な上向きの逆刺がある。葉舌は膜質、長さ1~2㎜。花序は直立し、紫色を帯び、花序の中軸は先まで伸び、枝は上向きにつく。長梗(長さ約7㎜)と無梗の小穂が対につき、小梗や小軸にも長毛がある。無梗の小穂は第2苞頴に長毛がなく、有梗の小穂は長毛がある。第1苞頴は長さ5㎜、第2苞頴は長さ4.5㎜、やや不明瞭な3脈があり、背面の長毛は長さ6~8㎜程度、小穂の基部に長さ0.5~2㎜の短毛が環状に束生する(カルスの毛)。退化した第1小花のものと思われる長さ4㎜のやや淡紫色を帯びた薄膜鱗片(第1小花の護頴)がある。護頴(第2小花の護頴)は薄膜、ほぼ無色~やや淡紫色を帯び、長さ4.5㎜(芒を含めて)、上部に縁毛があり、先は短い芒になる。芒は長さ1㎜、帯紫色、苞頴に包まれて芒は見えない。内頴は頴果とほぼ同長、薄膜質、芒は無く、縁毛がある。雄しべ3個、葯は紫色、長さ1.5㎜。花柱は2分岐、柱頭は紫色、ブラシ状、長さ1.2㎜。熟して乾いてくると、紫色が淡褐色に変色する。頴果は帯紫色~暗褐色、長さ2~2.5㎜。頴果が多量につき、繁殖力が強いようである。
【日本イネ科植物図譜】
インド原産で、飼料として栽培されているが、沖縄の草地にも生育する。茎は太く、叢生する。茎の高さ3~6m。葉は線形、堅く中央部以上は幅が最も広く、中央脈は白色。葉の長さ90~150㎝、幅50~70㎜。葉舌は膜質、淡かっ色を帯び長さ3㎜、縁に10㎜くらいの軟毛を着ける。葉鞘は平滑、口部にだけ長い毛がある。円すい花序は乳白色をおび50~100㎝、花軸は径7~10㎜、枝は長さ15~20㎝、乳白色まれに紫色の軟毛におおわれ、平滑。小穂は披針形、長さ3~3.5㎜、淡緑色または黄かっ色。包穎は披針形、先は短くとがり、外側に5~8㎜の軟毛を生じる。小花は包穎より短く、内穎には花外に超出しない短い芒をつける。

サトウキビ属

  family Poaceae - genus Saccharum

 多年草、根茎があり又は叢生する。茎(稈 culm) は強健、高さ7m以下。葉は茎生、狭~広線形、中肋は普通広く、白色。葉舌(ligule) は膜質、縁は繊毛がある。花序は頂生し、大きな羽毛状の円錐花序、中央の軸は長く伸びる。花序の枝は多数の有毛の総状花序(raceme)をつける。総状花序は弱く、よく似た無柄(sessile)と有柄(pedicelled)の対の小穂(spikelet)をつける。小穂は両者とも稔性。花軸や小梗は糸状、先は円蓋状、小梗(pedicel)は花軸( rachis)に似ているが、しばしば短い。小穂は普通、小さく、披針形、背側が平らになり、又は有柄の小穂は背が丸い。カルス(callus =小軸と接合する小花の基部にある太く伸びた部分) は短く、鈍形、しばしば小穂を囲む長い絹毛がある。第1苞頴(lower glume)は膜質、薄い軟骨質又は下部が革質になる。平ら~広凸面形、脈は不明瞭、側部は2竜骨(keel)がある。第2苞頴(upper glume)は舟形、質感や色は第1苞頴に似ている。第1小花(下部の小花)は退化し、空の透明な護頴(第1小花の護衛 lower lemma)になる。第2小花(上部の小花)は両性、護衛(第2小花の護衛 upper lemma)は全縁、まれに2歯があり、ときに、非常に狭く又は小さくなり、短い真っすぐな芒(awn)がつくこともある。雄しべは2~3個。x=10。
  世界に35~40種あり、熱帯、亜熱帯に分布し、アジアに多い。

サトウキビ属の主な種と園芸品種

1 Saccharum arundinaceum Retz.  ヨシススキ 葦薄
  synonym Erianthus arundinaceus (Retz.) Jesw
中国、台湾、ブータン、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、スリランカ、タイ、ベトナム原産。中国名は斑茅 ban mao 。
 解説は文献により数値がやや異なる。
多年草、大きな茂みを形成する。茎(稈)は強健、高さ(0.7~)1~6m、幅1~2㎝、無毛。葉鞘は無毛又は短毛があり、口部や縁に縁毛がある。葉身は(60~)100~200㎝、幅1~2㎝、葉裏面は無毛、葉表面は幅が広い下部の中脈上に長い柔毛があり、ベルベット状、縁は鋸歯状、基部は狭く、先は長尖鋭形。葉舌は膜質、長さ1~2㎜。 円錐花序は長さ (25~) 30~80㎝、多数、分枝し、花序軸は無毛。総状花序は長さ3~5.5㎝、花軸は節間が3~4(5)㎜、長い絹毛がある。小穂は長さ3~4㎜、わら色、上部は紫色を帯びる。 カルスの毛は長さ約1㎜、小穂より短い。第1苞頴は薄い軟骨質、背面は絹毛が密生し、小穂の2倍の長さ、竜骨はざらざらし、先は尖鋭形。第2苞頴は普通、無柄の小穂では無毛、まれに薄く毛があり、有柄の小穂でははっきり毛がある。護頴は苞頴とほぼ同長、内頴は披針形、先は微突形又は長さ3㎜までの芒がある。鱗被は無毛。葯は長さ1.8~2㎜。花果期8~12月。2n=30,40,50,60。(Flora of China)
【中国植物誌】
多年草、高く、大きく、群生する。高さ2~4(~6)m、直径1~2㎝、多数の節があり、無毛。葉鞘は節間より長い。葉鞘は基部及び上部の辺縁と口部に柔毛がある。葉舌は膜質、長さ1~2㎜、先は切形。葉身は幅が広く、線状披針形、長さ1~2m、幅2~5㎝、先は長漸尖形、基部は次第に狭くなり、中脈は太く、無毛。葉表面の基部に柔毛があり、縁は粗い鋸歯状。円錐花序は大型、稠密、長さ30~80㎝、幅5~10㎝、花序軸は無毛。節ごとに2~4個の枝をつけ、枝は2~3回分枝する。枝の腋下に微毛がある。総状花序軸の小穂の柄との節間は細い線形、長さ3~5㎜、長い絹毛に被われ、先はやや膨れる。無柄と有柄の小穂は狭披針形、長さ3.5~4㎜、黄緑色~帯紫色。カルス(基盘)は小さく、長さ約1㎜の短柔毛がある。両苞頴はほぼ同長、草質又はやや厚く、先は漸尖。第1苞頴は竜骨が細かくざらつき、両側脈は不明瞭、背面に小穂の倍以上の絹毛がある。第2包穎は3(~5)脈があり、竜骨がざらつき、上部の縁に繊毛があり、背面は無毛、ただし、有柄小穂では背面に長柔毛がある。第1外花頴(第1小花の護頴)は苞頴と同長又はやや短く、1~3脈があり、先は尖り、上部の縁に小繊毛がある。第2外花穎(第2小花の護頴)は苞頴よりやや短い又は同長、先は小さく尖り、あるいは有柄小穂には長さ3㎜の芒があり、上部の縁に細繊毛がある。第2内花頴(第2小花の内頴)は長楕円形、長さは外花穎の半長、先は繊毛がある。葯は長さ1.8~2㎜。柱頭は紫黒色、長さ約2㎜、花柱の2倍の長さがあり、小穂の中部の両側から突き出る。頴果は長楕円形、長さ約3㎜。胚は頴果の半長。2n=30,40。

1-1 Saccharum arundinaceum var. arundinaceum 
 中国名は斑茅(基準変種) ban mao。
  茎(稈)は高さ6m以下。花序は普通、大きく、長さ30~80㎝、幅6~17㎝。無柄の小穂の第2苞頴は無毛。
1-2 Saccharum arundinaceum var. trichophyllum (Handel-Mazzetti) S. M. Phillips & S. L. Chen,
 中国、インド原産。中国名は毛颖斑茅 mao ying ban mao。
 茎(稈)は高さ1.5m以下。花序は長さ25~50㎝、幅4.5~6㎝。無柄の小穂の第2苞頴はまばらに長い絹毛がある。

品種) パープルピープルグリーター 'Purple People Greeter'  (Purple People Greeter Hardy Cane)
 やや小型で葉縁がアンバーパープル、淡紫色など不規則な色に変色する観賞用の栽培品種。

2 Saccharum barberi Jesw.  ホソサトウキビ
  synonym Saccharum officinarum Linnaeus subsp. barberi (Jeswiet) Burkill.
 インド、バングラデシュ原産。中国名は细秆甘蔗 xi gan gan zhe 。

3 Saccharum bengalense Retzius 
 インド、パキスタンに分布する。
 高く、叢生し、多年草。茎(稈)は高さ4m以下。葉身は長さ90㎝以下、幅3~10㎜、平ら又は明らかに溝状になり、中肋が幅の大部分を占め、粉白を帯びる。円錐花序は長さ20~75㎝、花序柄は無毛。総状花序は長さ2~4(~5)㎝、支える枝よりかなり短い。節間と小梗は、長さ7㎜以下の毛が多い。 小穂はわずかに異形、長さ3.8~5.5㎜。カルスは長さ2.5㎜以下の帯白色~帯灰色の毛がある。苞頴は等長、膜質。無柄の小穂の第1苞頴は背面に毛があり、第2苞頴は無毛。有柄の小穂の両苞頴は毛があり、毛は少なくとも長さ4㎜、しばしば9㎜以下になる。第1小花の護頴は長楕円状楕円形、背面に毛がある。第2小花の護頴は卵状披針形、縁毛があり、鋭形又はごく短い芒がある。芒は苞鋭に隠れて見えない。

4 Saccharum formosanum (Stapf) Ohwi  シロタカオススキ
  synonym Erianthus formosanus Stapf
 中国、台湾原産。中国名は台蔗茅 tai zhe mao

4-1 Saccharum formosanum (Stapf) Ohwi var. pollinioides (Rendle) Ohwi  ムラサキタカオススキ
  synonym Erianthus formosanus (Stapf) Ohwi var. pollinioides (Rendle) Ohwi

5 Saccharum narenga (Nees) Wall. ex Hack. ムラサキワセオバナ
  synonym Saccharum Narenga porphyrocoma (Hance) Bor  ムラサキワセオバナ
  synonym Saccharum Saccharum porphyrocomum (Hance) Hackel
 中国、台湾、バングラデシュ、インド、ミャンマー、ネパール、パキスタン、タイ、ベトナム原産。中国名は河八王 he ba wang

6 Saccharum officinarum L.  サトウキビ
 世界で広く栽培されている砂糖の原料となる栽培種。中国名は甘蔗 gan zhe 。現在の栽培種はニューギニアで8000年前から栽培されていたSaccharum officinarumとナンゴクワセオバナ Saccharum spontaneum var. spontaneumとのハイブリッドと考えられている。Saccharum arundinaceとの3種のハイブリッドもある。
 多年草。高い茂みを形成する。茎(稈)は高さ3~6m、幅2~5㎝、20~40個の節があり、中実、節は無毛、花序の下部も無毛。葉鞘は無毛、口部は軟毛がある。葉身は長さ70~150㎝、幅4~6㎝、普通、無毛、中肋は大きく、白色、縁は鋭い鋸歯状、基部は円形、先は尖鋭形。葉舌は長さ2~3㎜、縁毛がある。円錐花序は長さ50~100㎝、軸は無毛、節に軟毛がある。総状花序は長さ10~25㎝、花軸は節間が3~6㎜、無毛。小穂は長さ3.5~4㎜。カルスの毛は小穂の長さの2~3倍。第1苞鋭は長楕円形、全体に均等に硬く、バフ色、背面は無毛、縁は膜質で上部に縁毛があり、先は尖鋭形。第1小花の護頴は長楕円状披針形、苞頴とほぼ同長。第2小花の護頴は線形、芒は無い。鱗被は無毛。葯は3個。2n=80。

7 Saccharum ravennae (L.) L.  ラベンナススキ
 ヨーロッパ南部、西アジア原産。北アメリカで野生化している。中国名は沙生蔗茅 sha sheng zhe mao 。
 密に叢生し、高さは普通、2~4m。葉舌は長さ1㎜未満。葉身は幅12㎜未満、普通、葉舌近くに毛が密生し、強い鋸歯縁。花序は円錐状、長さ25~60㎝。小穂は長さ3.5~7㎜。有柄の小穂は脱落性。苞頴は披針形、基部に絹毛が密生する。護頴は芒があり、芒は長さ3~5㎜。2n=20. 
品種) 'Born Free'(白花) , 'Delkin's Find'(ピンク色、花被片の先が円い) , 'Dorothy Hannibal'(ピンク色), 'Elegance'(白色、薄くピンク色を帯びる) , 'Fred Howard'(花が不規則) , 'Hannibal's Pink' , 'Howardii'

8 Saccharum spontaneum L.  ワセオバナ 広義
 日本、韓国、中国、台湾、アジア東南部。オーストラリア、アフリカ原産。
8-1 Saccharum spontaneum L. var. arenicola (Ohwi) Ohwi  ワセオバナ
  synonym Saccharum arenicola Ohwi
 日本(本州南部の太平洋沿岸)に分布する。
 稈や根茎に糖分を含む。高さ1.1~1.5m、細茎。多結性。

8-2 Saccharum spontaneum L. var. spontaneum  ナンゴクワセオバナ
 ヨシススキと分布がほぼ同じで、中国名は甜根子草 tian gen zi cao。
 多年草、長い根茎がある。茎(稈)は高さ1~4m、幅0.4~1㎝、5~10個の節があり、しばしば中央が空洞になり、花序の下の節には柔らかい軟毛がある。葉鞘は口部や縁に軟毛があり、全体にややいぼ状の軟毛になる。葉身は長さ60~180㎝、幅0.2~0.8(1.5~3.5)㎝、粉白を帯び、無毛、鋸歯縁、基部では中肋まで狭まり、先は長い尖頴形。葉舌は褐色、長さ2~8㎜。円錐花序は長さ20~40㎝、花序軸は絹毛がある。総状花序は長さ4~17㎝、花軸の節間は1.5~5㎜、長い絹毛がある。小穂は長さ3~4㎜。カルスの毛は小穂の長さの3~4倍。第1苞頴は紙質、成熟すると、中間から下は暗褐色、膜質、上部は青白く、背面は無毛、上部の縁に縁毛があり、先は尖鋭形。第一小花の護穎(lower lemma)は卵状披針形、苞頴と同長。第二小花の護穎(upper lemma)は線形~線状長楕円形、芒は無い。鱗被(lodicule)は上部に縁毛がある。葯は3個、長さ1.5~2㎜。花期は7~9月。2n=40~128。

9 Saccharum x kanashiroi (Ohwi) Ohwi  ムラサキオバナ
 沖縄に分布する。
 ススキ×ヨシススキ又はナンゴクワセオバナ×ヨシススキの交雑種と考えられている。茎(稈)は高さ2m内外、中実、基部を除き平滑。葉は革質、長さ60~90㎝、幅15~20㎜、両面とも平滑、基部を除き無毛。中央脈は白色、無毛、幅3~4㎜。葉舌は淡褐色、膜質、長さ約2㎜。葉鞘は平滑、無毛。円錐花序は長さ30~50㎝、幅15~20㎝。小穂は披針形、長さ4~4.2㎜。小梗や苞頴の表面に長さ6~8㎜の毛がある。第1苞頴は小穂と同長、3脈がある。第2苞頴は長さ3.5㎜。護衛は芒があり、芒は1.5~2㎜。

10 Saccharum × sinense Roxb.  カラサトウキビ
  synonym Saccharum officinarum Linnaeus subsp. sinense (Roxburgh) Burkill
 ニューギニア原産。中国名は竹蔗 zhu zhe 。中国、台湾などで栽培されている。

参考

1) 環境省ホームページ
 我が国の生態系等に 被害を及ぼすおそれのある外来種リスト
 (生態系被害防止 外来種リスト)資料2 No.99など
http://www.env.go.jp/press/100775.html
2) 日本帰化植物写真図鑑第巻2巻、全国農村教育協会、p 462.(2010)
 植村修二・勝山輝夫・清水矩宏・水田光雄・森田弘彦・廣田伸七・池原直樹
3) 日緑工誌,J. Jpn. Soc. Reveget. Tech., 41(2), 352,(2015) 
http://www.jsrt.jp/pdf/dokomade/41-2_yoshisusuki.pdf
http//www.jsrt.jp/tech/dokomade.html
4) Flora of China
 Gomphrena  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=128968
5) Plants of the World Online | Kewscience
 Saccharum L.
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:330004-2