ヤセウツボ  痩靫
[中国名] 小列当 xiao lie dang
[英名] common broomrape , clover broomrape , lesser broomrape , small broomrape , hellroot
[学名] Orobanche minor Sm.
ハマウツボ科 Orobanchaceae  ハマウツボ属
ヤセウツボの花序
ヤセウツボの花
ヤセウツボの上唇
ヤセウツボの下唇
ヤセウツボの果実
ヤセウツボの果実2
ヤセウツボの茎
ヤセウツボ
ヤセウツボの苞と萼
ヤセウツボの雄しべと雌しべ
ヤセウツボの種子
ヤセウツボの基部
 ヤセウツボは植物の根に寄生し、マメ科のシャジクソウ属に寄生することが多く、ムラサキツメクサなどの群生地で見られることが多い。セリ科、キク科、フウロソウ科、ナス科など様々な植物にも寄生する。地中海沿岸原産であり、世界に広く帰化し、牧草の収量を減少させる害草とされている。日本では外来生物法で要注意外来生物に指定されている。
 ハマウツボ属の植物は様々な植物の根に寄生し、葉緑素を持たない。発芽後に宿主の根につき、根茎状の節を伸ばす。普通、冠根に覆われる。短根はおおよそ長さ1~2㎝。発芽の数週間後に根茎状の節から茎を直立して出す。ヤセウツボは茎が分枝せず、赤褐色~黄褐色、しばしば紫色を帯び、普通、高さ30~50㎝、ときに100㎝を超え(特にエチオピアのもの )、腺毛がある(又はほぼ無毛)。花茎が出るのが遅かったものは高さ5~15㎝の小形のものも多い。葉は互生し、褐色の鱗片状、卵形~披針形、長さ6~20㎜、先は鋭形。花序は長い穂状花序、長さ10~30㎝(特に大きい個体はさらに長い)、成長した大きいものでは茎の長さの約半分を占める。花は多数つき、無柄(基部の花の1~2個の花に長さ5~13㎜の柄のあるものもある。)、螺旋状に配置し、各花の基部に苞が1個つく。苞は先が尖った狭い卵形、長さ10~15㎜、幅3~5㎜、腺毛がある。萼は変異が多いといわれている。観察したものは萼が基部まで2裂し、萼片が花の左右に1個ずつ、2個あり、苞の横から左右に突き出て、長さ約10㎜、幅約2~3㎜、先が2深裂~2中裂~2浅裂ときに分裂せず、2個の裂片は長さが異なり、内側が短く、外側が長く、先は錐状に細長く尖り、長腺毛がある。花冠は長さ10~18㎜、まれに20㎜、太い脈があり、しわがある。花冠筒部はほぼ円筒形、わずかに先が下方に曲がり、上唇は先が凹み、下唇は幅約10㎜、3裂し、裂片は長さ2~3㎜、中央の裂片が最も大きく、縁は波状に切れ込む。外面は腺毛があり、内面は無毛。花冠の色は主に淡帯白色~淡黄色、脈に沿って紫色になり、花冠の先が紫色を帯びる。雄しべは4個、花冠の筒部の基部から2~4㎜上につき、長さ8~10㎜程度。花糸は白色、基部にしばしば腺毛がある。葯は黒色。花粉は白色。花柱は長さ約6㎜、腺毛がまばらにある。子房は長さ約6㎜、長楕円形。柱頭は2裂、幅約1.5㎜、赤褐色、まれに黄色。蒴果は長さ7~10㎜、熟すと2裂し、数100個の種子を放出する。種子は長さ約0.3㎜と微小、成熟するにつれ、黄褐~褐色~黒色に変色する。種子は動物に食べられても生存し、散布されてから土壌中に10年以上も生存するといわれている。2n=38。
 キバナヤセウツボ Orobanche minor var. flava Regel は紫色を帯びず、全体が黄色で、萼の形が異なるとされ、変種とされたが、現在は変種とはせず、色の変化とする見解が普通である。
[花期] 4~5月
[草丈] (5)15~50(100)㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 草地、道端、畑地、牧草地、樹園地
[分布] 帰化種  地中海沿岸原産
[撮影] 豊橋市 16.4.29
TOP Back