ヤモメカズラ 寡婦蔓

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Flora of Mikawa

クマツヅラ科 Verbenaceae ヤモメカズラ属

別 名 パープルレース , ペトレア・ボルビリス、ペトレア・ウォルビリス、ムラサキツクバネカズラ
中国名 蓝花藤 lan hua teng
英 名 Queen's wreath , sandpaper vine , purple wreath , blue bird vine
学 名 Petrea volubilis L.
ヤモメカズラの花序
ヤモメカズラ花
ヤモメカズラの咢
ヤモメカズラの葉2
ヤモメカズラ
ヤモメカズラ花序2
ヤモメカズラ葉
花 期 4~9月
高 さ 1~10(12)m
生活型 常緑つる性木
生育場所 栽培種
分 布 外来種  西インド諸島、メキシコ、パナマ原産
撮 影 豊橋市  15.5.20
中南米原産、花が美しいため、観賞用に世界中で広く栽培され、インドや中国などの熱帯地域で野生化している。
 つる性木で他物に巻き付き、大きいものは10m以上に伸びる。巻き付く物がないときには丸い灌木状になり、高さは普通1~6mほどである。葉腋や枝先に総状花序を多数つける。花は総状花序に15~30個程度つき、青色又は淡紫色。萼片は花弁状で5個つき、花冠裂片より長く、開出し、淡青色、宿存性、花後も残り、花が長く咲いているように見える。花冠は高杯形、花冠裂片は5個、前側の裂片が最も大きく、萼片の約1/3の長さで、萼片より濃色の青色~紫色。葉は対生し、楕円形で大きくなり、硬く両面がざらざらして、紙ヤスリのようであり、sandpaper vine とも呼ばれる。

ヤモメカズラ属(ペトレア属)

  family: Verbenaceae - genus Petrea

 灌木、高木又はつる性木。葉は十字対生又は輪生、革質、全縁、落葉性、網状脈。無托葉。花序は腋生又は頂生、総状花序、ほとんどが大きくなり、多数の花がつき、しばしば非常に美しい。苞はほとんど小さいか又は無い。小苞は小さく、早落性。花はわずかに左右相称、紫色、青色、白色、花柄がある。咢筒は鐘形、5裂、のど部に5個の鱗片がある。咢片は有色、咢筒より長い。花冠筒部は短く、円筒形~ つぼ形~漏斗形。拡大部は5裂し、不等形の明るい色の裂片をもつ。雄しべは4個、二強雄しべ、花冠筒部の中間につき、突き出さない。子房は未熟により、1心皮、2室、各室に1胚珠。花柱は1本、柱頭は頭状、2裂。果実は核果、宿存性の硬くなった咢に包まれる。
 熱帯アメリカと西インド諸島に約16種が分布する。
【ヤモメカズラ属の種】
 Petrea blanchetiana , Petrea bracteata , Petrea brevicalyx , Petrea campinae , Petrea dentata , Petrea denticulata , Petrea floribunda , Petrea guianensis , Petrea insignis , Petrea macrostachya , Petrea maynensis , Petrea oblonga , Petrea pubescens , Petrea rugosa , Petrea sulphurea , Petrea volubilis

ヤモメカズラ属の主な種と園芸品種

1 ヤモメカズラ Petrea volubilis L. 
  synonym Petrea kahautiana C. Presl.
  synonym Petrea arborea Kunth
 キューバ、メキシコ北部~パナマに分布する。世界で広く栽培され、インド、中国などの熱帯地域で帰化している。
 蔓性木、低木、巻きつき~ほぼ直立し、1~6m、高いものは13mに達する。枝は細く、帯灰色~帯褐色、皮目が目立ち、密に毛があり、ほぼ褐色の伏毛状、若いシュートには開出する粗毛がある。葉は対生し、楕円形、長さ3~21㎝、幅1.4~10.6㎝、先は鋭形~短尖鋭形、まれに鈍形又は凹形、基部は鋭形~鈍く狭くなり、まれに円形又は類心形、縁は全縁まれにまばらに歯状、多少、波状又は類外巻き、両面に密に細かいざらつきがあり(asperulous)、ときに、上面の中脈とした面の太い脈に不明瞭な短毛又は微軟毛があるが、ほとんどが無毛~ほぼ無毛である。この葉のざらつきからsandpaper vineと呼ばれる。葉柄は丈夫で長さ4~15㎜、密~まばらに開出した帯褐色の短毛と微軟毛がある。花軸はしばしば小苞が密に束生し、密に粗毛があり、毛は鉄銹色、成長すると硬い紙質、質が堅く、ザラザラする。総状花序は多数つき、単生、腋生、柄や小枝の先でしばしば束生し、直立~下垂( nutant )~垂下(pendent)し、長さ8~29(30)㎝、幅4~8㎝、ほとんど短く、疎に多数(15~30個)の花をつける。花は青色又は淡紫色。花柄は長さ7~8㎜、不明瞭な微軟毛があり、花托(torus)は広がり、うねは無い。咢は花弁状、淡青色、咢筒は円筒形、次第に先が広がり、長さ2~3㎜、基部で幅約2㎜、先で幅2.5~3㎜、うねは無く、密に毛がある。萼片は長楕円形、先は円形、長さ12~18㎜。幅4~6㎜、膜質、両面とも無毛。咢筒のど部に5個の鱗片(calycinal crest)があり、鱗片は膜質、三角状卵形、直立し、先が鋭形、長さ幅とも約1㎜、縁にはまばらに縁毛がある。花冠は高杯形(hypocrateriform)、明るい青色、花冠筒部は漏斗形、長さ6~8㎜、基部は狭い円筒形、幅1.5~2㎜、先は明瞭に幅4~5㎜まで広がり、外側には下部3/4は無毛、上側の1/4に密に微軟毛がある。内側には微軟毛と雄しべの間に密に柔毛がある。前側の花冠裂片が最も大きく、広楕円形、長さ5~6.5㎜、幅4~4.5㎜、わずかに縁が波打ち、密に両面に微軟毛がある。残りの花冠裂片は似ているが小さく、長さ4~6㎜、幅約4㎜。雄しべは花冠筒部の基部から上4.5㎜と5㎜につく。仮雄しべは退化する。子房は長楕円状類倒卵形、無毛。果時の咢は丈夫で、咢筒は長さ4㎜以下、密に長毛があり、萼片は硬く、堅くて曲がらず、長さ22㎜以下、幅7㎜以下、先が分岐し、咢の先が硬くなり、内側にむく。果実はやや倒卵状長楕円形、硬い萼片に包まれる。花期は3~5月。
品種) 'Albiflora' , 'Purple-wreath' (=Petrea racemosa )

参考

1) Flora of Panama (WFO)
 !Petrea volubilis L.  
http://www.tropicos.org/Name/33700330?projectid=56
2) Petrea in Flora of Pakistan @ efloras.org
 Petrea  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=124718
2) Flora of Zimbabwe: Cultivated plants: genus page: Petrea
 Petrea  
http://www.zimbabweflora.co.zw/cult/genus.php?genus_id=2122