ワタスギギク 綿杉菊

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae  ワタスギギク属

別 名 ラベンダーコットン、コットンラベンダー
中国名 木茼篙 mu tong gao
英 名 cotton lavender , lavender-cotton , gray santolina , gray-leaved santolina
学 名 Santolina chamaecyparissus L.
ワタスギギクの花
ワタスギギクの蕾
ワタスギギクの蕾2
ワタスギギクの小花
ワタスギギクの葉2
ワタスギギク
ワタスギギクの葉
花 期 6~7月
高 さ 10~500㎝
生活型 常緑亜低木
生育場所 栽培種
分 布 外来種  地中海沿岸地域原産
撮 影 西尾市 20.6.4
ワタスギギクは地中海沿岸地域原産のキク科の栽培品種。
 半木質の常緑亜低木、高さ10~50(~100) ㎝、幅90㎝以下、銀灰色~白色、麝香状の芳香がある。葉身は白色のファルト状、1回羽状分裂、長さ10~20(~60)㎜×幅1~3(~6)㎜、裂片は2~4対、幅2㎜以下。花序柄は長さ3~6㎝。総苞片は竜骨があり、内総苞片の先は円形、±引き裂かれ~細縁毛がある。花序柄は葉の上15㎝まで直立し、頂部に頭花を上向きにつける。頭花は明るい黄色、周辺小花は無く、ポタン状、幅約1.8㎝、高さ5~6㎜。総苞は幅5~10㎜、半球形。総苞片は3列、披針形。小花は100~150個。花冠は円筒形~狭漏斗形、長さ3~4㎜、腺点がある。痩果は長さ2.5~3㎜、角(かど)があり、ときに狭い翼がある。2n=18。花期は3~10月(6~7月)。
品種) 'Double Lemon' , 'Lambrook Silver' ランブルック・シルバー , 'Lemon Queen'[花がクリームイエロー色] , 'Little Nicky' , 'Nana' , 'Pretty Carroll' , 'Small Ness' , 'Small-ness' , 'Weston'

ワタスギギク属(サントリナ属)

  family Asteraceae - genus Santolina

 亜低木、高さ[5~]10~60㎝ (ときに、根茎があり、芳香がある)。茎は普通、1本、ほぼ直立 [傾伏~斜上]。枝はほとんど基部から出て、[ほぼ全体に]、しばしば綿毛~羊毛状の毛があり、ときにほぼ無毛~無毛、[絹毛があり](毛はほとんどが中着毛)で腺点がある。葉は茎葉 [ほとんんどが根生葉]、互生する。葉柄は有又は無。葉身は狭長円形~へら形~線形、普通、1回羽状分裂(裂片は普通、密集し、楕円形、±虫状)、最終の縁は全縁又は±円鋸歯、表面は普通、クモ毛、綿毛、又は羊毛状の毛があり、ときにほぼ無毛又は無毛になる[絹毛がある]。頭花は中心小花頭花(discoid:筒状小花だけからなる頭花)、単生する(花序柄がある)。総苞は鐘形~半球形、又は広くなり、直径[3~]6~10[~12+]㎜。総苞片は宿存し (すぐに硬くなり)、18~45+個、3(~5+)列につき、分離、披針形~楕円形 (普通、竜骨があり)、不等長、縁と先は(普通、薄~暗褐色、ときに紫色)薄膜質(外面は無毛又は±クモ毛があり、無毛になる)。花托は凸面~半球形、パレアがある。パレアは±披針形、±舟形(それぞれは中央に樹脂導管をもつ)。周辺小花は無い。中心小花はほとんどが、60~250+個つき、両性、稔性。花冠は淡黄色~明るい黄色~濃黄色[帯白色]。花冠筒部はしばしば扁平(± 翼と/又は袋があり、± 痩果の先を抱き)、のど部は漏斗形。花冠裂片は5個、槍状卵形。痩果は倒円錐形~倒卵形、ときにわずかに扁平になり、3~5角(かど)があり、面は無毛(果皮はときに粘液産生の細胞をもち、樹脂嚢は無い)。冠毛は無い。x=9。
 世界に8~12+種あり、ヨーロッパ、北アフリカに分布する。

ワタスギギク属の主な種と園芸種

1 Santolina chamaecyparissus L.  ワタスギギク  綿杉菊

  synonym Santolina marchii Arrigoni
  synonym Santolina incana Lam.
 地中海沿岸地域原産。英名は cotton lavender , lavender-cotton , gray santolina , gray-leaved santolina。中国名は木茼篙 mu tong gao。
 半木質の常緑亜低木、高さ10~50(~100) ㎝、幅90㎝以下、銀灰色~白色、麝香状の芳香がある。葉身は白色のフェルト状、1回羽状分裂、長さ10~20(~60)㎜×幅1~3(~6)㎜、裂片は2~4列、幅2㎜以下。花序柄は長さ3~6㎝。総苞片は竜骨があり、内総苞片の先は円形、±引き裂かれ~細縁毛がある。花序柄は葉の上15㎝まで直立し、頂部に頭花を上向きにつける。頭花は明るい黄色、周辺小花は無く、ポタン状、幅約1.8㎝、高さ5~6㎜。総苞は幅5~10㎜、半球形。総苞片は3列、披針形。小花は100~150個。花冠は円筒形~狭漏斗形、長さ3~4㎜、腺点がある。痩果は長さ2.5~3㎜、角(かど)があり、ときに狭い翼がある。2n=18。花期は3~10月(6~7月)。
品種) 'Double Lemon' , 'Lambrook Silver' ランブルック・シルバー , 'Lemon Queen'[花がクリームイエロー色] , 'Little Nicky' , 'Nana' , 'Pretty Carroll' , 'Small Ness' , 'Small-ness' , 'Weston'

2 Santolina neapolitana Jord. & Fourr.  サントリナ・ネアポリターナ

  synonym Santolina pinnata subsp. neapolitana (Jord. & Fourr.) Guinea ex C.Jeffrey

 北西~中央イタリア原産。英名はrosemary-leaved lavender cotton , Green Santolina
 ワタスギギク Santolina chamaecyparissusに非常によく似ている。
 常緑亜低木、高さ60~70㎝。強い芳香がある。葉は灰色、長さ50×幅6㎜以下、羽状複葉、裂片が細く、長さ6㎜×幅1㎜以下。花のつくシュートの葉は緑色で、花のつかないシュートの葉ほど密集しない。頭花は直径10~20㎜、周辺小花は無い。花冠は明るい黄色、レモンイエロー色、緑白色又は白色。
品種) 'Edward Bowles'(花がクリームイエロー色) , 'Sulphurea'

3 Santolina rosmarinifolia L.  サントリナ・ロスマリニフォリア

 ポルトガル、スペイン原産。英名はrosemary-leaved lavender cotton , lavender cotton 。乾燥した礫地に生える。Santolina virens (Santolina viridis)をsynonymとしてたため、解説に混乱がある。
 常緑亜低木、高さ15~60㎝、直立または斜上。花のつかないシュートは灰青色の葉と短い窪みがあり、花のつくシュートは細く、普通、単純、上部に葉が無く 葉は緑色、線形、長さ5㎝以下。幼葉は直立し、狭い線形、先が尖り、わずかにでこぼこした歯~うねがあり、羽状。下部の成葉は(羊毛状の毛があり)、線形、密に歯(細かい短い裂片)があり、上部の葉は全縁。 総苞は無毛、幅7~12㎜、半球形、基部はぼ切形。総苞片は披針形、先が尖り、内総苞片は先に粘液を分泌する縁飾りをもつ。頭花は幅約2㎝、半球形、明るい黄色。 花期は6~7月。
品種) 'Caerulea' , 'Green Fizz' , 'Lemon Fizz'(全体が黄色くなる) , 'Morning Mist' , 'Primrose' , 'Virens' Gem'

3-1 Santolina rosmarinifolia subsp. rosmarinifolia

  synonym Santolina minor Mill.
 葉は無毛、明るい緑色。英名は holy-flax
品種) 'Primrose Gem'[AGM]

3-1 Santolina rosmarinifolia subsp. canescens (Lag.) Nyman ⇒Santolina pectinata Lag.

 灰白色の綿毛がある。

4 Santolina virens Mill.
  synonym Santolina viridis Willd. [olive herb]
  synonym Santolina cupressiformis Lam.
 フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、クリミア半島、ウクライナ、コーカサス原産。英名はgreen santolina , green lavender cotton 。Santolina rosmarinifoliaのsynonymとされることも多いが、Kewscieneでは別種としている。[解説は参考5]
 亜低木(多年草)、高さ15~100㎝、強い芳香があり('Oliviaはオリーブの香りがある)、茎の下部は完全に無毛。茎は基部が多少、木質になり、通常は強く枝分かれし、直立又は斜上、密に葉がつく。葉は互生し、非常に細い線形、長さ15~60㎜×幅0.8~3㎜。葉柄は葉身の長さの1/4、下部では長くなる。葉身は羽状複葉又は羽状分裂、側裂片は多数、縁は全縁又は基部の2~3部分が鈍形又はほぼ鋭形、長円状線形~卵形、しばしば短栄養枝では1平面にならず、葉軸に圧着する。頭花は単生、葉の上の花序柄の先につく。花序柄は長さ15~25㎝。頭花や毛はSantolina chamaecyparissusに似る。
品種) 'Olivia' ,

5 その他ハイブリッド
品種) 'Apple Court' , 'Edward Bowles' , 'Oldfield Hybrid' , 'Sant101' , Shades of Jade = 'Sant101' , 'Yellow Buttons'

参考

1) GRIN
 Santolina
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=10702
2) Santolina chamaecyparissus • New Zealand Plant ...
 Santolina chamaecyparissus
https://www.nzpcn.org.nz/flora/species/santolina-chamaecyparissus/
3) Santolina chamaecyparissus - Plant Finder - Missouri Botanical Garden
 Santolina chamaecyparissus
https://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxoni=277227&isprofile=0&
4)Flora of North America
 Santolina
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=129150
5) Santolina neapolitana - Dendrologie online
 Santolina neapolitana
http://databaze.dendrologie.cz/index.php?menu=5&id=1796
6) Santolina virens | Landscape Plants | Oregon State University
 Santolina virens
https://landscapeplants.oregonstate.edu/plants/santolina-virens